ポケモンフラッシュ事件当時の，一般紙報道集⑪

　ここから，ポケモン応援紙（？）東京紙のも入ります。東京紙は，縮小版がない様子－利用記事は，家で取っていた分から。

１９９７．１２．１７－
読売紙
●〔広がるポケモンパニック〕の，続き
『東京都江戸川区に住む母親（４２）は，「小学６年になる娘が突然，目が痛いと泣き出した。頭がクラクラして気持ちが悪いと言っていた。風邪かなと思っていたが，今朝聞くとやはりＴＶが原因だった。娘は「もうポケモンは見られないかな」と残念だった。関係者に原因を特定してもらいたい」と話している。
　同じく小学６年の子供が画面を見て「クラクラした」と訴えてきたという別の母親も，「どこかに相談する病院や機関はないでしょうか」と不安気だった。
クラスは話題持ちきり：
　「お前大丈夫だった」「平気，平気」－。東京都千代田区外神田の区立昌平小学校（児童数１８６人）では，この朝，子供達は「ポケモン」の話題で持ちきりとなった。

　同小では，一人の児童の親から「ポケモンを見て影響で，脈が少し速いので欠席する」と連絡が入った。番組の影響による欠席はこの一人だけだったが，この日の最初の授業の前に，各クラスで具合が悪くなった児童の数を調査した。
　それによると，３人が番組を見て頭が痛くなったなどの症状を訴え，一時意識を失った児童もいた。また，４年生以下の８割以上が番組を見ていたという。
　３年生の男児（８つ）は「番組の最後の方はまぶしい感じがした。僕は何ともなかったけど，こんな大変な事になるなんて，少しいやだった。もし番組を見られなくなったら困るな」と話している。
　また，「頭がガーンとした」という１年の女子（７つ）は「ポケモンは大好きで，これからも見たいけど，また頭が痛くなったらどうしよう」と不安な顔をした』
東京紙
●〔「お宅の番組で」電話殺到〕
『「ポケモン」を放映している東京・港区のテレビ東京には多くの幹部社員が１７日早朝から出社し，今後の対応を協議するなど，慌ただしい零囲気に包まれた。午前１０時に視聴者センターで受付を開始した直後から視聴者からの電話が殺到した。
　抗議が多く，神奈川県横須賀市の病院は「４，５人の子供が救急車で運ばれ，全員がポケモンを見たと訴えている」との問い合わせがあった。
　同局では午前１０時，岡専務が招集した「ポケモン問題の緊急会議」を開いた。編成／広報部／ポケモン制作の映画部担当プロデューサーら局内関係者３０人が出席し，岡専務が「今回の件では関係部署は隠し事をしないで，ありのままの報告をして欲しい」と徹底究明を指示，事件発生からの経過報告と対策を協議した。
　出席した浦本広報部長によると，当面の対策として外部の専門家３人程度に参加してもらって「ポケモン調査チーム（仮）」を同日付で編成・番組との因果関係などを徹底的に究明する事を決めたという。また浦本部長は，今後のポケモン番組の内容について「問題となった番組内容と類似的な制作手法を用いているか，厳重にチェックする」とした上で，「サブリミナル（意識下効果）手法は採用していない」と断言した。テレビ東京系列外の地方ＴＶ局は，日をずらして「ポケモン」の番組を放映しており，問題となった今回（１２／１６ＯＡ）分は，放映を中止させる対応を取った。
都内の欠席４５人　公立校　教育庁調査：
　アニメ番組「ポケモン」を見た子供が入院するなどした問題で，東京都教育庁が１７日午前，都内の小中高校など約２３００の公立学校で始業事の出欠状況を調査した所，番組の影響とみられる欠席者は同正午０時半現在，中学生１人，小学生４４人の計４５だった事が分かった。
　教育長は「アニメ番組が原因で気分が悪くなったとすると，教育の問題とは直接関係ないかもしれないが，早急に実態を把握し，対応したい」としている。
　一方，埼玉県教育局健康教育課では，被害状況などを調査し，ＴＶ番組との因果関係が判明次第，ＴＶ局への申し入れなどを検討したいとしている』
●〔「日本で奇怪な現象」米ＴＶ報道〕
『米ＴＶは１６日夜のニュースで，人気アニメ番組「ポケモン」を見た多数の子供達が異常を起こした事件を「日本で奇怪な現象」（ＣＮＮ）などと大きく報じた。
　３大ネットのＡＢＣは。番組の人気キャラを絵入りで紹介しながら「これが犯人。激しい光を発して，子供に異常を起こさせたらしい」などと報道。同番組が米国内ではまだ放映されていない，と述べた。
　ＣＮＮは共同通信の報道を引用しながら，番組を見た子供ら数１００人が「目がチカチカする」などと訴え治療を受けた事を伝えた』
●〔「影響考えて」列島騒然「ポケモン」劇症〕
『学校，調査に追われ「ＴＶの見方,気をつけて」：
　「もっと子供への影響を考えて」。人気ＴＶアニメ「ポケモン」を見た子供達が次々に病院に運ばれた〝ポケモンショック”から一夜明けた１７日，入院患者が１００人越すなど事態は深刻化，教育の現場などから番組制作者，放映したテレビ東京への苦情が相次いだ。一方，被害の拡大を重く見た警察庁／郵政省も同局からの事情聴取を決めるなど番組と被害の因果関係の解明に向けた調査も始まった。これまでＴＶゲームによる健康被害は指摘されたが，今回は一方的に流される番組を見ただけで症状が現れるという新たな例だけに，親や教育関係者らの間に不安と戸惑いが広がっている－
　１７日朝，全国の小中学校は，番組のビデオをチェックしたり，張り出しをするなど児童らへの影響に追われた。
－続く