黄金町スタジオ「韓国レポート」⑥

北仲スクール連続講座「アートとコミュニティ」
　今月１２日にあった活動報告，の続き
◎報告２：ビーム（・コミュニティ・スペース）
　９５年に設立された地域研究から，発展したそっしき－首都ばかり文化集中しているので，地域の特徴ある活動を考える。
≪活動地域の活性化≫
　若手の育成（招待して展示）／離島・山奥の１０代の子供達を楽しめる活動（教育的方向で）－と，９７年から批評誌発刊し現在５０号に達している。地域的芸術の講座も。
　（現在活動拠点にしている）Ｃｈａｎｇｙｏｕｎｇ－ｄｏｎｇ（ティタン？）という地域は，元々，各地にモンゴル敷き移動家屋パオを建てる環境芸術活動の中で立ち寄った際，余りの住宅環境の荒れ様二次もとの人に聞くと，近辺にある都市インチュンがティタンも含む３ヶ所に道をつなぐ計画でその計画を押し進める前市長は，インチュンを世界的土地にしようとティタンなど周辺の歴史と文化を残らず壊し近代都市として商売しようとした。
　－元々，インチュンも横浜同様開港まもない時近代文化が入りティタンが出島のようになったが，地元人が追われるように移り住みティタン全体が文化的にも落ち込んでいた。それを，米国人牧師が国民性などを盛り上げ地域活性化した。その後，戦争などで駐在（ちゅうざい）していた米国軍人が置いていった本で古本屋が沢山出てきたという，歴史を今も残すティタン－
　そのため，ティタンは歴史・文化をつぶそうとする市に対抗してパフォーマンスしたら国内中に広まりティタンを守ろうという動きが活性化。ビームも参加して，他の芸術家団体もやってきてティタンを改善していく。ビームは（韓国の地酒）マッコリ元醸造（じょうぞう）所に事務所を移し，そこに芸術活動・発表場を造る。
　ティタンには古本屋が４０もあったが，昨今，閉める店も増え店長も店を発表場として提供してくれる。
　こうしてティタンの歴史・文化価値を見直し保存活動する中，市側は道路建設と土地開発による高層ビル建築計画をティタン側住民を無視し，強行。自分達の活動が，全く役立っていなかった。市の，ティタン住民の意見を聞かない一方的公聴会をデモで中止に成功－その後，産業道路を地下にと開発予定地から外す事を市に約束を取り結んだが，今度は開発賛成派が工事続行と反論してきた。そのため，ティタンの歴史・文化を伝える施設建設に取り組んだり，旧正月には韓国伝統遊びをしたりと，ティタンダンスソングを造り皆でやって地域文化に根づかせたり，地域通貨（ティタン貨）を造ったり，道路予定地を畑にした。
　それから，都市問題を提示した展示－都市そのものを見せる事が一番だと，市が表面的な国際イベントで飾っていたのでそれに合わせて，それと反対に。また，工事予定地に入り込んで清掃する“エコパーク計画”をしたが，工事関係者に見つかり閉め出された上法的に訴えると脅迫され活動できなくなった。
　だが，使われなくなった予定地の鉄線が外されて住民の通行路として開放されその周辺には花が咲き乱れている。現在，土地開発から外れて地下への工事に入ろうとするが開発賛成派で滞（とどこお）っている。それでも，先頃の市長選にて，開発強硬派の市長が負け新市長がティタンを“文化・歴史村”として残す事を決め，行政的に改善し計画として推進活動中。
　インチュンは経済都市を掲げていたが，それが変更されたばかりで共同体－都市としてのインチュンとビームが行政と話していく。
◎質疑応答
進行：（「アートとコミュニティ」講師）鈴木伸治氏
ゲスト：（黄金町エリアマネジメントセンター事務局長）山野真悟氏
　　　　リトマス／ビーム，各ディレクター
　　　　（台湾女性芸術家）周霊芝さん
≪横浜・黄金町について≫
リ「今回黄金町は２回目だが，芸術家と地域の人が活動しているのでうらやましい。自分達の活動は地域活性化が主旨なので，黄金町は似た環境なのでそうした悪環境を芸術に活動しているが逆にこちらとしては，世界的に見ると環境をかえる運動について考えてみたい。芸術で地域を変えるのは“可能性があるのか？どの方向性を変える？ただ，芸術を使って町をキレイにするだけではないだろうか？”
　－でも，（自分は）黄金町知らないので深い事は言えないのでこれからも黄金町を見たい」
山「“芸術で町は・・・”という質問はよくされるが，“芸術で町がキレイになるか？”というのは自分達がやっているのは芸術の概念を変える事で，それに合わせて（黄金町の）共同体も変わっていく－この考えは今も変わらず，初めの考えを変えてしまうと表面的になってしまう」
－続く