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マクドナルドの好業績支える原田泳幸CEOの数式

2007-08-24 08:18:42 | 企業戦略

  中島孝志氏 経営コンサルタント・ジャーナリスト
     (中島孝志氏)

 久し振りに、日経WEB SITE「BIZ+PLUS」のコラムコーナーで、中島孝氏の投稿記事を見つけた。これまで何回か、中島孝氏の記事を取り上げてきているが、興味を持ち読ませてもらった。
 今回の記事は、8月22日付で公開されており、そのタイトルが、「マクドナルドの好業績支える原田泳幸CEOの数式」である。記事のタイトルにリンクを張っておくので、興味のある方は記事そのものに目を通すとよい。
 企業経営に関心のある方は、中島氏の投稿記事をいくつか下に貼り付けておくので、興味のある方はチェックしてみるとよい。私が好きなのは、例えば、松下幸之助氏(故人)の数式等である。

(*)第10回「事業撤退の見極め、厳然たる事実を直視せよ――松下幸之助氏の数式<その4>」(2006/10/18)
(*)第9回「『たまたま品切れ』で済まない販売機会損失の怖さ――鈴木敏文氏の数式<その2>」(2006/10/04)
(*)第8回「安い商品、小さいコトを疎かにするな――松下幸之助氏<その3>」(2006/09/20)
(*)第7回「在庫を制するものは経営を制す――松下幸之助氏<その2>」(2006/09/06)
(*)第5回「買収先は名刺代で判断――永守重信氏」(2006/08/09)

 もっとも中島氏の記事投稿も今回で31回目とのことで、企業経営の立場に立ち、参考になる面が多々あると考えられ、連載記事に目を通すことにより参考となる情報が得られるかもしれない。。。
 興味が持てるのは、原田CEOは、藤田田氏が「成功の量=成功‐失敗」と考えていたのに対し、「成功の質=成功+失敗」と考えているところである。
 すなわち、一口に「成功」といっても、その量的な問題より問われるべきは「成功の質」であるということだと考える。
 確かに、全ての「成功体験」は一様ではなく、全て異なる。すなわち、それぞれ成功の質ということが係わっていることになるのだと考えているのかもしれない。。。
 合点のいく考え方である。

 ちなみに、下記に記事そのものを引用しておく。
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 記事引用
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 マクドナルドは2007年12月期に初の5000億円台の売上高を見込むなど、好調な業績で推移しています。

 原田泳幸氏が就任した2004年12月期の売上高と比べると、実に約1000億円の伸びです。

 この好調を支えているのが、創業者である藤田田氏の価格戦略をめぐる混迷を教訓として打ち立てた、原田氏の経営戦略です。

 2000年以降のマクドナルドの混迷はめまぐるしく変わる価格政策でした。90年代後半、バブル経済崩壊後のデフレ経済突入で、マクドナルドは210円だったハンバーガー価格を一気に130円に値下げしたのを皮切りに80円、65円と下げ続けました。不景気の中、小遣いを切り詰めたい中年サラリーマンを新顧客として取り込むことに成功、業績は順調に拡大するものと見られていました。

 しかし2001年秋のBSE(牛海綿状脳症)問題の拡大や為替推移、そして値下げによる客単価の下落が足かせとなって、2002年12月期に29年ぶりの最終赤字に転落します。そして、赤字計上以降の価格政策の迷走が決定的な消費者離れを引き起こします。

 業績立て直しのため、65円だったハンバーガーを80円に再度値上げしました。しかしいったん値下げした商品の再値上げに消費者が納得するわけがありません。深刻な客離れとなり、あわてて今度は59円に値下げしますが、ころころ変わる価格に消費者はマクドナルド・ブランドへの信頼を失ってしまいました。同時期にコンビニで100円前後のおにぎり商品の品揃えが拡充されたことも、格安バーガーにそっぽを向きおにぎりに乗り換える消費者が増えることを加速しました。

 その後、藤田田氏の後をついで社長を務めた八木康行氏を挟み、当時アップルコンピュータジャパンの原田泳幸氏が2004年3月に社長に就任します。迷走したハンバーガーの価格決定劇を見て、原田氏はハンバーガー価格政策1本では経営の立て直しは不可能だ、という思いを持ったのではないでしょうか。

 というのも、就任直後から価格戦略にこだわった藤田氏とは一線を画した施策を展開したからです。

 藤田氏の価格変更による混迷を教訓に、原田氏は価格以外の点も含めたテコ入れに乗り出します。失敗をプラスに変えて、経営の質を高めようとしたのです。

 ポイントは「健康志向」「業態開発」「商品開発」の3つです。

 まず健康志向は、マック=安いファストフードとして固定していたイメージに、新たにヘルシー=健康なイメージの定着を狙いました。商品はサラダマック。最近はヘルシー志向の若者が、マクドナルドの店内でよくサラダマックを食べている姿を見かけます。

「マクドナルドの商品は体に悪影響を及ぼす」と指摘して世界中で論議を巻き起こした米映画「スーパーサイズ・ミー」のヒットも考慮したのかもしれません。
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 なお、上記引用は記事の前半部分のみであり、後半部分がある。
 Written by Tatsuro Satoh on 24th August, 2007


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