日経ECOLOMY(-環境+経済+私-)コラムコーナーに、8月20日付で、近藤洋輝氏が記事を投稿している。タイトルは、「温暖化を加速するCO2の『悪循環』とは」である。
いわゆる、CO2の「悪循環」により、温暖化が加速するというものである。ちなみに、リンクを張っておくので、記事そのものにも目を通してもらいたい。
近藤洋輝氏は、これまで次に掲げるような記事を日経ECOLOMYに投稿している。参考になると考えられ、リンクを張っておく。興味のある方は、記事そのものに目を通すことをお勧めする。
(*) 温暖化の影響に地域差が生まれる背景(07/07/30)
(*) 解明進む台風・海面上昇と温暖化の関係・日本も他人事ではない(07/07/17)
(*) 「温暖化は人為起源」とほぼ断定できる背景(07/07/02)
(*) 中国代表団が反発した、温暖化の「科学的根拠」の確実性(07/06/18)
(*) 温暖化めぐる科学者の攻防・「very likely」までの道のり(07/06/04)
要点は、「CO2が大気・陸域・海洋で循環する過程を『炭素循環』と呼ぶ。温暖化がすすむと、この地球規模で見た炭素循環では、特に陸域の生態系において、土壌成分中の微生物呼吸の増加などからCO2の吸収能力が小さくなってしまう。また、温暖化で水温が上昇する海洋ではCO2が海水に溶けにくくなることなどで、海洋での吸収も若干減少する。結果として、残留分としての大気中のCO2濃度が増えるので、温暖化がさらに加速する」ということになるとのこと。
ちなみに、これを「気候-炭素循環のフィードバックが正に働く」と呼ぶとのことである。
記事によると、「大気中のCO2濃度は産業革命前(1750年)には約280ppm(ppmは濃度の単位で100万分の1)であった。最新(2005年)のデータでは、すでに379ppmまで増加している。将来の目標濃度を厳しい目標値である450ppmとすると、従来のモデルでは総排出量の目標は年平均約67億トン(21世紀中合計で6700億トン)となる」とのこと。
産業革命以後、いかにCO2濃度が高まったかが明らかで、「悪循環が増幅」する可能性が高まっていると指摘できる。
いずれにしても、「政・官・民・個人」及び「国家間協力」により、何らかの歯止めがかかるかということに尽きる。。。
Written by Tatsuro Satoh on 21st August, 2007