タイトルは、環境省が提唱している「『1人1日1kgCO2削減』運動に見る日本の削減戦略」である。 地球温暖化に関しては、国立環境研究所などの分析によると、温暖化が進む2071~2100年の平均気温が1971~2000年平均よりも4.2℃上昇すると、真夏日や豪雨日数が2倍程度に増える、といわれている。
将来、このような被害が増える可能性が、確実に高まっていると考えざるを得ないと考えられる。
<図>各部門のCO2排出実績と排出目標(排出目標については、算定時点によって排出量の算出結果が異なる点を留意し、京都議定書目標達成計画に掲げられる「エネルギー起源二酸化炭素の各部門の目安としての目標」における基準年比増減率を利用して試算)
橋本氏によると、上の図表等を参考にして「1990年以降の国内排出量の推移を見ると、
○産業部門は横ばいから微減
○運輸部門は増加したのち、近年は落ち着いている
○業務部門と家庭部門は増加傾向が止まらない
といった傾向がうかがえるとのこと。
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これから見る限り、当初目標値に対して、産業部門、運輸部門は、目標を視野に入れているものの、業務部門と家庭部門の増加が大きく、この両部門との関係で達成が危ぶまれるということになる。
橋本氏は、「業務・家庭部門が伸びているのは、自動車や機器に対して効率基準を設定するなどメーカーに対する施策がメインで、私たち排出主体への働きかけが不十分だった側面もあると思います。また、私たちが生活の利便性を求め、消費の水準が向上していることに伴う必然の結果とも言えます」と指摘している。
日本の温暖化防止政策は「京都議定書目標達成計画」として2005年4月に策定。計画では、3年の運用結果を踏まえて2008年に改定されることになっている。
従って、橋本氏によると、「直近の排出トレンドが思わしくない(=排出量が増えている)部分を中心に、近く追加施策が講じられることになるであろう」とのこと。 このように見てくると、私たち家庭部門が問題部門であることがわかる。
すなわち、産業部門、運輸部門、業務部門の一層の頑張りが求められることはもちろんのこと、「私たちは家計部門でできることを一歩ずつ努力していかなければならない」ことが示されていることになる。
ちなみに、家庭部門については環境省が旗を振っている「1人1日1kgCO2削減」運動がある。CO2排出削減のための対策メニューについて、環境省の関連サイト(チェックしてみるとよい)でチェックでき、その中には、身近に取り組めるメニューも結構あることが分かる。
私も環境省の環境宣言のシートに沿い、どの程度CO2削減の努力ができるか試算してみたが、試算結果は934gであった。
日本の人口1億3千万人として、国民一人ひとりが立ち上がることにより、約46百万トンのCO2排出を削減できると試算できる。
如何に一人ひとりの自覚が重要かということを示していると考える。
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ちなみに、興味のある方は、日経ECOLOMYの「豊かさに耐える遺伝子」が必要な時代に――岡田武史・元日本代表監督(下)を読んでみるとよい。なお、岡田武史氏は、(上)及び(下)でインタビューに答えており、その両方を読むことを薦めたい。。。 Written by Tatsuro Satoh on 19th July, 2007
私もマイバッグを使っています。自分でできる小さな事もやれずに大きな事を語っても意味無いと思うから。