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ヨーロッパのごみ処理事情

2008-03-07 08:07:54 | 地球環境


 日経ECOLOMY(-環境+経済+私-)、コラム記事コーナー2月8日付記事を取り上げる。
 記事は、岡山大大学院教授で、文科省21世紀COEプログラム「循環型社会への戦略的廃棄物マネジメント」拠点リーダーの田中勝氏により投稿されているものである。
 タイトルは、「ヨーロッパのごみ処理事情」である。記事タイトルにリンクを張っておくので、チェックすることをお勧めする。

 記事はヨーロッパのゴミ処理事情に言及しており、日本との違い等を考える価値があるのではないかと感じる。。。
 記事によると、「ヨーロッパでは物質回収のリサイクルをしている国がある一方、焼却によるエネルギー回収をしている国もあり、ごみ処理のあり方はさまざま」であるとのこと。
 日本においても、ペットボトルや食品包装資材の回収等、リサイクルに基づく焼却ゴミ量の削減が行なわれている。
 記事を引用する。

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 記事引用
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 何かと引き合いに出されるヨーロッパのリサイクルとごみ処理事情、最近では低炭素社会の実現のためにも、積極的な姿勢が見受けられます。驚くべき高効率発電、PCB廃棄物への取組など最近のヨーロッパのごみ処理事情を見るために、駆け足でベルギー、オランダを回ってきました。現地からのレポートです。

○ヨーロッパのリサイクル

 ベルギーのブリュッセルに行くためにロンドンで乗り替えましたが、待つこと一時間、その間に飛行場で「リサイクルをしましょう」のサインを見つけました。いたるところにごみ箱があり、(1)紙類、(2)プラスチック及び缶類、(3)ごみくず、の3種類の分別排出が求められています。資源を大切にしていることがわかります。

 ドイツやフランスの街には、少し広い空き地、公園といったところに、大きな資源ごみ用の保管容器が置かれています。家から新聞紙や、プラスチックボトル、ビンとか缶などの容器を分別して排出しリサイクルに回しているのです。リサイクルに力をいれているのは日本と同じかもしれません。


(ロンドン・ヒースロー空港内の「リサイクルをしましょう」の表示とゴミ箱<田中勝氏撮影>)

○焼却しエネルギー回収、灰は建設資材に


 ヨーロッパでは日本のように可燃ごみは、必ずしも焼却されているとは限りません。焼却施設が整備され、日本と同様に可燃ごみのほとんどを焼却処理しているところはヨーロッパではスイス、ルクセンブルグ、デンマーク、ベルギー、オランダぐらいです。他の国は、物質回収によるリサイクルや、よりコストの安い埋め立て処分に依存しており、焼却率はそれほど高くありません。大都市では焼却炉は整備されていますが、他の都市ではこれから整備される段階です。なぜなら、どの都市も埋め立て処分場の確保が難しくなるからです。

 また、環境保全上からも有機物を埋め立て処分するのは望ましくなく、ドイツでは有機物のない状態にして埋め立てするように規制されています。具体的には、有機物の含有量を示す指標が5%以下であるよう規制しています。これは、焼却をして灰になったものを埋め立てすることを意味します。焼却することによってエネルギーを回収し、焼却灰を場合によっては建設資材に使って、埋立処分場に持って行く量を最小限にしているのです。

 ヨーロッパでは物質回収のリサイクルをしている国がある一方、焼却によるエネルギー回収をしている国もあり、ごみ処理のあり方はさまざまです。

○アムステルダムの道路清掃

 
 (アムステルダムのゴミ収集車<田中勝氏撮影>)

 日曜日の午後、街を散策中ごみ清掃の作業員に会いました。ごみ拾いの特別の道具を持って、散らかっているごみを拾っていました。左手には金属の輪にプラスチックの袋を固定させて、拾ったごみはすばやくその袋に入れていました。誰にでも分かるようなオレンジ色の作業服を着て、てきぱきと作業をしていました。

 一方、道路にたまったほこりや土は、小型のトラックの頭部についたブラシを回転させながら取り除いて道路を磨いていました。このように作業員によってごみを拾ったり、機械による道路清掃などの地道な作業によって、ごみひとつ落ちていない美しい街並が保たれることがわかります。街にはごみを捨てるごみ箱がいたるところにあり、ごみを収集している風景に出くわしましたが、手際よくごみ箱からごみを出してプラスチックの袋に入れて、プラスチック袋を両側が開くタイプのトラックに積み込んでいました。

○ゴミ作業に取り組む人々

 このように世界の国々でごみ対策にかかわる人々は、一体どの程度いるのでしょうか。道路清掃、ごみ収集、ごみの焼却など処理施設の運転、埋め立て処分場で機材の運転、そこから出る汚水の管理に従事する人々は非常に多いのです。日本では人口1000人当たり、1人から2人でしょう。この比率はどこの国でもあまり変わりがありません。開発途上国では1人当たりのごみの量は少ないけれども、失業対策といったところもあり、道路清掃に多くの人がかかわっています。ごみ収集も必ずしも清掃車ではなく、人力や動物を使ったごみ収集もあるのです。

 そのようなわけで開発途上国でも人口1000人当たり1~2人です。先進国はごみの発生量が多く、また収集サービスの向上で週に何回も集めに行きますから、たとえ近代的なごみ車を使っても作業員は大勢いるのです。この人達のお陰で世界中の街並みがきれいに維持されているのです。
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 Written by Tatsuro Satoh on 7th Mar., 2008 


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