くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

映画 グリーンブック。

2019-03-18 00:00:10 | 映画・TV

本年度のアカデミー賞3部門を受賞した映画 グリーンブックを観ました。

時代は1962年。 ナイトクラブの用心棒をしていたトニー・リップは 黒人の
天才ピアニスト ドン・シャーリーの2ヵ月に渡る演奏旅行に 運転手として
雇われ 共に旅する2ヵ月間を描いた ロードムービーになっています。

がさつで無教養のリップに比べ 黒人のドンは育ちがよく 幼いころから英才
教育を受け JFKの前で演奏経験もある 裕福で物静かな一流ピアニストです。

  

2か月間の演奏旅行の行き先は 差別と偏見が色濃く残る米南部。出発前に
レコード会社から黒人専用旅行ガイド グリーンブックが手渡されます。

南部の伝統あるレストランで演奏するドン。それを聴く着飾った白人の客。
喝采を浴びても その店で食事することも トイレを使うことさえ許されず
グリーンブックに載る黒人専用の 場末のモーテルに泊まりつつ旅するドン。

 

性格も水と油の二人は自分の流儀を譲らず 最初からぎくしゃくしたものの
リップがひんぱんに書く 妻への手紙の誤字脱字を正し 詩を紡ぐような文面
まで教えるドン その通りに綴るリップ。 だんだん二人の距離は縮まります。

あえて差別激しい南部を選んだドンに 何度も訪れる危機にも 毎度リップが
はったりと腕力で救い出し リップ自身も ドンの演奏に魅せられていきます。

ニューヨークの カーネギーホール上階に住むドンが 上流階級の贅沢な暮らし
を捨ててまで 黒人にとって危険な南部への旅を なぜ自ら選んだのか 物語が
進むにつれ ドンの意志が見えてきます。

 
  

映画グリーンブックを観て 何十年か前になる映画  『ドライビングMissデイジー』
を懐かしく思い出しました。

ユダヤ人の金持ち老女デイジーと 初老の黒人運転手 ホークの友情を描いた人間
ドラマで何度も観ました。 この役柄を好演した モーガン・フリーマンが好きです。

ドライビング・・ は奈良岡朋子氏 仲代達矢氏が演じた 舞台にもなりました。

 

映画グリーンブックは実話で トニー・リップの長男59歳が 子どもの頃から
父に聞いたドンとの交流を 長く温めてきたものが 作品になったとのこと。

映画の終わりには実物のトニー・リップと 黒人ピアニスト ドン・シャーリー
の写真も紹介されます。

人種の壁を越え 二人の友情は生涯続いたそうで 2013年1月にリップが82歳で
あとを追うように3ヵ月後 ドンが86歳で亡くなっています。

リップを演じた名優ヴィゴ・モーテンセンは 出演が決まったのち 短い期間に
20㌔増量し 粗野ながら人間味あふれる イタリア男になりきりました。  

ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリ。すばらしい二人の役者の 笑えて
やがて胸が熱くなる物語は アカデミー賞にふさわしい 名作となっています。

この名作をぜひとも トランプ大統領に 観ていただきたいものです。
 

 

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんわ (バジル)
2019-03-18 00:31:47
おひさしぶりです。
映画は一人で行かれたのですか?
私は久しく映画を観には行ってないな~ってしみじみ思っています。
娘は映画を観に行くのが大好きで昨日の日曜日にも一人で行ってました。
よく一人で映画館に行くなって感心してます。
私もモーガン・フリーマン、大好きです。
古い映画ですが『グリーンマイル 』での
トムハンクスの看守と死刑囚である モーガン・フリーマンとの友情が今も
心に残っています。

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こんばんわ (キミコ)
2019-03-18 01:03:29
映画の評判は散々聞いていて何とか行きたいなと思ってましたが・・・・
どうもこのばたばたでは落ち着いてられそうもないのです
多分後でテレビで観る事になりそうσ(TεT;)
同じような差別を扱った映画「ヘルプ」も心に残ります
全く白人の思い上がりには腹が立ちます
好きで黒や黄色になったんじゃない!
オラー((( \\((@o@))// )))ウラー
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おはようございます (一読者)
2019-03-18 07:20:46
とってもお上手な文章で
映画を見た気分になりました。
画像もたのしみました
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くりまんじゅうさんへ (はる)
2019-03-18 14:34:17
私も昨日観てきました。
くりまんじゅうさんの解説にもう一度楽しませて
頂きました🎵
私も ドライビングMissデイジーを思い出しました。

運び屋 も良かったですよ~❗お薦めです。
先週は神戸まで 女王陛下のおきにいり を観に行きました。楽しみにしてたんですが 期待が大き過ぎたのか 私的?には残念でした。。。
次々と観たい映画があります。
次は倍賞千恵子さんの ねこちゃんの映画
お父さんチビがいなくなりました を観てみたいです。
返信する
くりまんじゅうさんへ (まりも)
2019-03-18 15:12:08
その通りですね
肌の色 言葉の違い 宗教 色々な人が居る地球
お互い 歩み寄り 思いやり 距離を縮め仲良く出来ると良いですね
ワタシも 観てみたくなりました
返信する
Unknown (kebaneco)
2019-03-18 17:56:52
いい映画でしたよね。
小ネタですけど、手紙のことがバレてたところ、好きです。
返信する
ピアノ (和三郎)
2019-03-18 19:33:20
今でも、まだ、残っているのですが
クラシックは、白人優位で
黒人は、努力してもチャンスがなかなかもらえません
だから、クラシックに黒人のプレイヤーが少ない
ジュリアード音楽院などでクラシックを学んでも、多くの黒人はそのため、Jazzを演奏するようになる
かつては白人と黒人が同じバンドで演奏することさえなかった
最初に、黒人を登用したバンドリーダーは、ベニー・グッドマンです
それまで黒人の音楽だったJazzが大きなマーケットを獲得できたのは
ベニー・グッドマンのおかげです
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バジルさんへ (くりまんじゅう)
2019-03-18 21:52:14
はい私は映画は一人で行きます。隣の席にポップコーンと飲み物を
持った人が座ったら 始まる直前に空いている席に移動します。
隣で飲み食いする音がしたら画面に集中できないからです。

モーガン・フリーマンの映画はそうたくさんではないですが
『ショーシャンクの空に』『セブン』『最高の人生の見つけ方』
を観ましたが それぞれにいい味を出していました。
返信する
キミコさんへ (くりまんじゅう)
2019-03-18 22:06:54
そうですよね考えてみたら 黒人が差別を受けたと私たちは思っていますが
我々日本人も 白人から見たらカラードですものね。
日本は単一民族なので国内では差別されることなく生きてきました。
その『ヘルプ』は観てないですがDVDを借りてきます。
うちのビデオは壊れて録画は出来ませんが再生は出来るという優れものなんです。

キミコさん 今お仕事がものすごく忙しいですね。
私のblogは読み逃げして とにかく睡眠時間を取ってください。
あなたが倒れたらご主人が一番困りますから。
返信する
一読者さまへ (くりまんじゅう)
2019-03-18 22:20:08
一読者さまより過分のお褒め言葉をいただき 恥ずかしいです。
1962年当時は黒人に対する差別が合法であったし 米南部では
警官や保安官が白人至上主義のKKKと結託して多くの黒人指導者や
彼らに協力する白人が殺されたそうです。そんな中
南部へ長期の旅は とても危険だったと思います。
今月初め封切になり しばらくの間やると思いますので
ぜひ劇場へお運びください 感動します。
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