ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「疫学的観点から、疫学予防を考える」

2020-01-22 09:33:05 | 日記
(社)日本養豚協会の養豚基礎調査で、家族経営の減少が表れ、人工授精の導入が進んでいると発表されました。 (社)日本養豚協会は、平成19年度の養豚基礎全国集計で平成18年8月1日現在の4,870戸のデ-タを集計しました。家族労働主体の経営が減り、雇用主体が増加。大規模経営で人工授精導入が進んでいることも分かりました。 労働の形態は、家族労働主体が前年に比べ0.9ポイント減少の77.3%、雇用労働主体が0.6ポイント増加の18.2%。経営の形態は個人経営が68.8%、有限会社21.3%、株式会社4.6%でした。 子取り用雌豚の頭数規模別では、小規模で個人経営の割合が高く、母豚200頭以上の規模では有限会社や株式会社の割合が高い結果となりました。 人工授精をしている割合は、自然交配と併用している割合と併せて32.8%。平成12年の20%から、平成17年に31.8%になった増加傾向が平成18年度も続き、1ポイント増でした。 特に子取り用雌豚1,000頭以上の飼養規模では、自然交配との併用も含め、95.4%が人工授精を導入していました。養豚経営も規模や形態がそれぞれです。 飼養管理の指標になるポイントとしては、分娩される子豚が一腹12頭以上で育成も良く、子豚を手で掴むとコリッとしており、固太りで毛ヅヤもあり、力強い手ごたえがあります。 これは、活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スに母豚の胎内で感化されて生まれてくるからで、免疫賦活作用が備わっていると考えられます。 それに加えて、生後3日齢で、鉄剤とマクロビンを各1mlずつ注射すると、早発性の下痢・大腸菌性の白痢様下痢症に対する予防と、前治療の役割を果たします。これは必須です。子豚は温度に敏感ですから、十分な管理が必要です。 疫学的観点からみると、環境整備もかかすことはできません。豚舎周囲は坪当たり5kgの石灰散布を年2回以上、豚舎内は床面や内側を、石灰乳塗布または噴霧します。目安としては、ミミズのいない環境をつくることです。 疫学とは、疾病・事故・健康状態について、地域・職域などの集団を対象として原因や発生条件を統計的に明らかにする学問であります。 伝染病の研究から始まり、現代では公害や災害などの問題が対象にされています。その起源は、ギリシャのピホクラテスの時代までさかのぼるのです。疫学者でよく知られるのが、イギリスの疫学者ジョン・スノ-の研究で、代表的なものは「コレラの伝藩様式の解明(1855年)」であります。 その昔、コレラが大流行した時代に病人がいる家を地図で塗りつぶしたところ、特定の井戸を使っていることが発見され、疾病が広がるのを食い止めるのに役立ちました。これは、コレラ菌が発見される約30年前のことです。 現在、この考え方は生活習慣病予防「の指導に用いられ、喫煙と肺がんの関係や食塩の摂取量と血圧の関係などが明らかとなっているのは、こうした疫学的研究の結果といえるのです。