ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「疫学的な環境整備が、子豚育成の良否を決める」

2018-04-27 09:44:36 | 日記
 養豚農業経営に形態を変えてから、20年以上になります。それ以前は、関東東山地区における経営指標としては、繁殖豚12頭、種雄豚1頭が1経営単位でした。 技術指標としては、子豚の育成が重点課題となっていました。現在は経営技術も高度化して、飼養頭数も100頭から数百頭規模へと大型化しており、生産単位も一腹当たり年間24頭に達しております。しかし、残念なことは、子豚育成において体重が20~30kg以内でなくなっていることです。 肉豚出荷数に関しては、生後1ヶ月齢、または離乳時、30kg到達時といった育成時期ごとではなく、ト-タルで一腹当たり年間24頭以上を指標としています。 養豚農業経営の鍵は、子豚半作にあります。活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スを利用することによって、分娩数が12頭以上であり、かつ丈夫であることが第一に認められます。 手でつかむと、皮膚は固太りのコリッとした感触で、被毛ともにしっかりとしたツヤがあり、力強い手触りです。 これは活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スが、母親の胎内で感化されてくるからであり、免疫賦活作用が備わるためと考えられます。 それに加えて、生後3日齢で、タンパク同化ホルモンのマクロビン1ml、鉄剤1mlの注射をすることは必須条件です。これは特に早発性、または大腸菌性の白痢様下痢症に対する予防および前治療的役割を果たします。活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スの感化により、これらの処置をスム-ズに行うことができ、子豚の生理的な働きに同化しやすいことが、結果から所見として認められます。 生後の初期に基本的なことをやっておけば、あとは温度と湿度の管理です。特に温度には敏感な子豚のことですから、十分な管理が必要となります。 そして疫学的な環境整備も欠かすことができません。豚舎周辺に、1坪当たり5kgの石灰散布を年2回以上、豚舎内には床面から2mくらいの高さまで石灰乳を塗りますが、これは豚舎内の豚の移動時ごとに実施します。これらがきちんとなされているか否かで、子豚の育成の良否がわかります。 ところで4月から、豚コレラの予防接種がなくなる地域が増えきます。それとともにHACCPの原点ともいえる疫学的なものの見方がとわれることになります。 疫学とは、疾病・事故・健康状態について、地域・職域などの集団を対象として原因や発生条件を統計的に明らかにする学問であります。 伝染病の研究から始まり、現在では公害や災害などの問題が対象にされていますが、その起源はギリシャのヒポクラテスの時代までさかのぼるのです。 疫学研究でよく知られるのが、イギリスの疫学者ジョン・スノ-の研究である「コレラの伝播様式の解明(1855年)」であります。 その昔、コレラが大流行した時に、病人がいる家を地図で塗りつぶしたところ、特定の井戸を使っていることが発見され、病気が広がるのをくい止めるのに役立ちました。これはコレラ菌が発見される約30年前のことです。 現在、生活習慣病予防の指導に用いられている喫煙と肺ガンの関係や、食塩の摂取量と血圧の関係などは、こうした疫学研究の結果といえるのです。

「病気に合う前に環境整備、免疫賦活を高める飼養管理」

2018-04-26 08:16:29 | 日記
 今年は千年紀越えという大きな節目となります。ある占者の言葉では、2000年の元旦は太陽と土星が良い場所に位置します。土星は土の星であり、農業の星、今年は農業従事者はツイているそうです。 新しい技術も次々と生まれ、素晴らしい躍進を遂げるとあります。家族労作を経営の柱とした日本の養豚農業経営は、創意工夫を凝らして低コストと省力化を図り、肉質の良い健康な豚を育て、消費者も健康に(特に女性と子供さんに)安心して生きる糧にできるものを提供することです。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、その基礎となるものであります。 豚の疾病も色々と新しい名称の病気が発生しているとの報告があります。地域的に限局しているようですが、サルモネラ病、TGEも肉豚の発生カンピロのロ-ソニアなど変わった病気が発生しています。 従来からある疾病も、その症状は、以前のようにな分かりやすいものばかりではなく、特に一般臨床診断で区別できないような合併症も認められるようです。特に長く養豚をやっている養豚場の中には、豚の病気が常在化している所も考えられます。 やはり伝染病的疾病が被害が大きく、発生してからの対策をたてていたのでは間に合いません。予防的思想として疫学的な対策、またはワクチン接種によって、必ずその抗体価がどの位あるかを確認することが必要です。 ワクチンはきちんと行っているが、その効果がないといった質問をよくされますが、抗体価が上がり、その力があれば発病しないわけです。 免疫賦活作用があるかないかが、必須条件といえます。今までの20年の経験からいいますとワクチン接種し、抗体ができると、その刺激というか、免疫賦活作用が高まることで、近隣に発生している伝染病、例えばオ-エスキ-病などが発病しないなど、以前にも書きましたが、ヘルペス様疾患の発生も抑えるなど、免疫賦活作用を高める飼養管理が重要です。 その連鎖作用により肺炎など皆無の状態となり、発病再帰の早期出現、そして産子数の増加、生後日齢に応じた発育、育成率が向上し、当然のことながら要求率・肉質の上物率と一貫経営にふさわしい段階ごとの実績が出て、経営もト-タル的に自信の持てる数値を示してくれます。 環境問題も特に悪臭がなくなり、ハエの発生においも驚くほど少なくなり、国の基準の三分の一以下、BOD、COD、SS特に大腸菌のほとんど皆無というくらいの実績が示されています。 大規模経営では、そのようなきめ細かな観測は大変ですが、それ以外のことは充分示してくれるでしょう。 その効果の現れは、努力の積み重ねのさらなる積み重ねたうえでの効果です。そうした積み重ねがド-ム状になり、疫学的見方でいうと、大きなド-ムに包まれた形の農場となるからです。 ところで、「未病」という言葉が中国漢方にあります。これは、人間とはいずれ何らかの病気に出会う生身であるから、その対策に衣食住の環境を整えて生活することが大切であるという戒めの言葉です。 養豚農業経営の飼養管理の技術も定礎をもって、大きな節目にいたしましょう。

「ゴ-ルデンエ-スで踏み出せ、悪臭対策の第一歩」

2018-04-20 08:51:17 | 日記
 農水省が発表した1999年畜産統計(2月1日現在)を見ますと、農家の高齢化や後継者不足、小規模農家の飼養中止などより、全畜種で飼養戸数は前年比5~6%台の減少となりました。その原因として、乳用牛では乳価の低迷、豚に関しては悪臭などが挙げられています。 飼養頭羽数では、規模拡大により肉用牛、豚は前年並みを維持しているももの、そのほかの畜種では1~2%台の減少となっています。 豚は、飼養戸数が1万2500戸と6.7%減少しましたが、1戸当たりの飼養頭数が790頭と51頭増えたため、総飼養頭数は987万3000頭前年並みとなりました。 飼養戸数減少の要因として、悪臭が挙げられていますのは非常に残念なことです。悪臭の発生は、経営状態が悪い養豚場の目安の一つと言えましょう。ふん尿処理の実行は難しく、多額の投資と労力の問題とが重なり、時に手の打ち用もないほどです。「くさいものにフタを」式では、いたちごっこであり、問題はいつまで解決しないと言っても過言ではありません。だからといって、この問題だけに特別に投資するのも難しいものです。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは投与後、腸内細菌叢を活性させることで、生理的な機能代謝をも活性化させます。これにより免疫賦活作用が上がり、中にもワクチン接種後の抗体価は約10倍も上昇します。 その結果抗病力が強まり、豚は従来の抗生物質や抗菌剤に依存しない体質となります。特に肺炎が減少し、そのほかにも、得体の知れないヘルペス様疾患を防御できるのは周知の通りです。 また、発情再帰、種付け作業の確実性、産子数の増加、一腹年間20から24頭へ、育成率もト-タル肉豚出荷頭数で求めるなど、経営の基礎をガッチリと固めてくれます。 そして、悪臭をシャットアウトし、蠅のいない豚舎周辺環境が出来上がります。ただそれだけのことですが、このことは本誌81回の掲載が証明しています。養豚農業経営にこだわって普及しているのもむべなるかなと、ご理解いただきたいものです。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは食品です。薬品ではありません。おなかの空いたところにご飯を食べたような急激な結果は望めません。 まして養豚場や飼養管理技術では、長い間定礎となる指標もなく、あれこれと手探りし、簡単に手に入るものやよいところ取りをすることが染み付いている人、手の打ちようがなくて、どう展開すればよいかと悩んでいる人が多くいます。疫学的な見方から、10年かかっても悪い経営しか得られないということも多く見受けられます。 これを見直すには、やはり10年をかけるというくらいの覚悟が必要なのです。減反で荒れた水田を元の姿にするのに、5年、10年をかけるというのと同じ思想が必要です。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スの特徴は、初めの10日間5%添加を続けると、ふんの色が変わり、それにつれて悪臭もなくなってきます。その時豚の体内、特に腸内細菌叢では変化が起きているのです。 そして、前述したような変化や効果が現れ、それが定着してきます。肉質の変化も見逃せないものがあり、熟度やうまみ、軽い食感などは、一般に言われている銘柄豚とは違った存在として評価されています。 いわば酵素豚と表現しても過言ではありません。しかしそれは一朝一夕ではできませんということも、重ねて申し上げておきたいと思います。

「菌の侵入を防ぐバリア-となり、肺炎、その他の疾病から守る」

2018-04-19 09:02:15 | 日記
この冬は、平均的な気温と言われていますが、ここ2~3年が暖冬だったので余計に寒く感じられます。そのせいか年頭から風邪にかかる人が多く、特に高熱を発し、せきが出るなどの経過の長いのが特徴のようです。養豚の世界でも、昨年は肺炎が流行して大きな被害を与え、ついには年間を通じて、北海道から九州地方まで全国的に発生となりました。 聞くところによると、肺炎の種類のうち、パスツレラ肺炎との情報がある豚の肺炎には、そのほかにもマイコプラズマやヘモフィルスなど数種の菌もあると言われています。それら肺炎も経営を圧迫する疾病ですが、肺炎を引き起こし、そのほかの疾病の源ともなる風邪は、いわゆる「万病の元」の言葉通りと言えます。 以前にも書きましたが、豚の疾病には、伝染病と自発性の二つのものがあり、その原因としては、飼養管理にあるものと、寄生虫によるものとがあります。最も恐ろしいのは伝染病で、代表的な豚コレラをはじめ、その対策として、ワクチン接種の励行が必須ですが、これは免疫抗体を上げることを目的としています。 近年、豚コレラ撲滅の運動が高まっていますが、その基礎となるのは、豚コレラを消失させることです。これには地域ぐるみの運動が必要で、それには疫学的な考え方が第一です。また、豚自体の抗病性や免疫賦活作用の向上が大切になります。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スの20年の歴史の中でも、投与から約一ヶ月くらいで肺炎がなくなり、今までのような抗生物質や抗菌剤を使用しなくなったという効果が認められています。その他の疾病も発生しなくなり、薬品購入の激減と、経営状態の充実が図られ、ゆとりも感じられるようになります。 また、発情再帰が早くなり、離乳後5~7日目で種付けが出来るようになり、しかも産子数も増えるので、一腹年間20頭以上の成績を上げて、育成豚舎が満杯との嬉しい悲鳴が聞こえるほどです。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは薬品ではありませんので、その点を理解して使用しないと、せっかくの宝も持ち腐れとなってしまいます。結果を確認しながら使用マニュアルを守って使用しますと、約一年で、目には見えませんが、豚舎の周囲にド-ムのようなバリア-ができて疾病の侵入を防ぐようにです。その際、豚舎の周囲に石灰を坪当たり五kg散布し、豚舎内部には石灰乳を塗布、あるいは噴霧して、疫学的基礎をつくることが必要です。 中には、せっかく活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スを使用しても一応の成果を上げても、それが自信がついてつい使用を休止し、また、元のような疾病事故の連発となる場合もあります。それで反省するとよいのですが、のど元過ぎれば熱さを忘れて、繰り返してしまう人もいますのです。 東北に「カンパ火にこりず」という諺がありますが、自然界の仕組みを取り入れた活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、まさにこの粘りと継続が大切なのです。 世の中では、豚の肺炎や他の疾病が心配されていますが、その報告をするほどではないようです。しかし、反対の人も多く、きちんと使用方法を守らない人が多いのが玉にきずです。 32年前、約三五万戸と言われ全国の養豚家数も、今や一万三〇〇〇戸。むべなるかなは、私一人の思いではないと思います。 豚コレラ撲滅も結構ですが、その基礎となる疫学的考察からの、飼養管理体制の構築が第一であると考えます。
 

「悪臭の元を豚の体内から断つ」

2018-04-17 08:57:01 | 日記
 多くの養豚農業経営は、家族労働経営です。その基本になるのは、一腹年間20頭以上の肉豚を出荷することで、これが一つの指標になります。 そのために必要なのが、環境を疫学的に整えることです。豚舎周辺には一坪当たり五kgの石灰を散布し、また、豚舎内は水洗い後、石灰乳を床全面と高さ1m60cmにわたり塗布します。これを6ヶ月に一回励行することが、疫病減少の効果が認められます。 反対に豚舎の周辺が臭うのは論外で、何をやっても効果はないことを覚悟しなければなりません。これができないようでは、悪臭公害の巣と言われても仕方がないでしょうし、ひいては、経営においても赤字転落の兆しと見るべきです。 さて、豚舎の環境整備も大切ですが、豚の体内の整備も非常に重要な問題です。 豚には、高度な栄養価を持つ配合飼料を給与しますが、これはいわゆる高タンパク質、高カロリ-に設計されています。これら、特にタンパク質は、豚の消化能力をフル活動しても消化しきれず、腸管内でアンモニアや態窒素となり、排泄されるふんが臭う原因となります。 体内でアンモニアや態窒素が発生すると、体が酸性(アヂド-ジス)となり、唾液の不足や、腸内細菌叢の非正常化を引き起こします。その結果、消化機能が弱まり、免疫作用も弱くなってしまいます。これではせっかくワクチン接種をしても効果が現れず、疫病が発生するのも当然です。「豚舎が臭いということは、病気の巣と思うこと」。そこで、腸内細菌叢を健全に増進させるために、活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スが必要となるのです。 食品衛生法に基づく規格食品群39品目の中で実際に使用が許可されているのは乳酸菌、酵母菌、麹菌の三菌のみです。三菌以外の菌に惑わされないことも、二一世紀に向けての出発点なのではないでしょうか。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、豚の生理機能を活性化させ、特に肺炎がなくなります。また、発情再帰が早く、しかもしっかりとわかるようになり、分娩子豚数が増え、育成率が上がるなどの効果がみられ、肉豚出荷が安定し、ひいては経営を安定させる基礎となります。 現在はあまりにも情報や選択肢が多過ぎます。いざ選択しなければならない時に、ついあれもこれもと手を出し、結局は元の木阿弥となってしまうこともあります。しかし養豚農業経営は、計画を建てたなら、一歩一歩積み重ねることが大切なのです。 養豚経営歴が長いからといって、ベテランとは言えません。自分の信念もなく、他人の見よう見まねや、よいところだけを猿まねしようとしても、結果は今までと少しも変わらないとの声を聞きますが、先輩諸兄がちゃんとした経営を見せれば、いくらでも後継者は続くものではないでしょうか。 養豚の世界は、豚価がよくなったといっては喜び、低価格になったといってはがっかりして、豚の数もそれにつれて増えたり減ったりと同じことを繰り返しているように思われます。こうしたことは大体、半年周期で推移しているようです。 私は、これからの養豚農業経営は、飼料作物のことなども考えて、自然方式、特に弥生式養豚などもいいのではないかと考えているこの頃です。