ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「易学的な環境整備が、仔豚の育成の良否を決める」

2022-08-08 09:07:29 | 日記
養豚農業経営に形態を変えてから、20年以上になります。それ以前は、関東東山地区における経営指標としては、繁殖豚12頭、種雄豚1頭が1経営単位でした。 技術指標としては、子豚の育成が重点課題となっていました。現在は経営技術も高度化して、飼養頭数も100頭から数百頭規模へと大型化しており、生産単位も一腹当たり年間24頭に達しております。しかし、残念なことは、子豚育成において体重が20~30kg以内でなくなっていることです。 肉豚出荷数に関しては、生後1ヶ月齢、または離乳時、30kg到達時といった育成時期ごとではなく、ト-タルで一腹当たり年間24頭以上を指標としています。 養豚農業経営の鍵は、子豚半作にあります。活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スを利用することによって、分娩数が12頭以上であり、かつ丈夫であることが第一に認められます。 手でつかむと、皮膚は固太りのコリッとした感触で、被毛ともにしっかりとしたツヤがあり、力強い手触りです。 これは活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スが、母親の胎内で感化されてくるからであり、免疫賦活作用が備わるためと考えられます。 それに加えて、生後3日齢で、タンパク同化ホルモンのマクロビン1ml、鉄剤1mlの注射をすることは必須条件です。これは特に早発性、または大腸菌性の白痢様下痢症に対する予防および前治療的役割を果たします。活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スの感化により、これらの処置をスム-ズに行うことができ、子豚の生理的な働きに同化しやすいことが、結果から所見として認められます。 生後の初期に基本的なことをやっておけば、あとは温度と湿度の管理です。特に温度には敏感な子豚のことですから、十分な管理が必要となります。 そして疫学的な環境整備も欠かすことができません。豚舎周辺に、1坪当たり5kgの石灰散布を年2回以上、豚舎内には床面から2mくらいの高さまで石灰乳を塗りますが、これは豚舎内の豚の移動時ごとに実施します。これらがきちんとなされているか否かで、子豚の育成の良否がわかります。 ところで4月から、豚コレラの予防接種がなくなる地域が増えきます。それとともにHACCPの原点ともいえる疫学的なものの見方がとわれることになります。 疫学とは、疾病・事故・健康状態について、地域・職域などの集団を対象として原因や発生条件を統計的に明らかにする学問であります。 伝染病の研究から始まり、現在では公害や災害などの問題が対象にされていますが、その起源はギリシャのヒポクラテスの時代までさかのぼるのです。 疫学研究でよく知られるのが、イギリスの疫学者ジョン・スノ-の研究である「コレラの伝播様式の解明(1855年)」であります。 その昔、コレラが大流行した時に、病人がいる家を地図で塗りつぶしたところ、特定の井戸を使っていることが発見され、病気が広がるのをくい止めるのに役立ちました。これはコレラ菌が発見される約30年前のことです。 現在、生活習慣病予防の指導に用いられている喫煙と肺ガンの関係や、食塩の摂取量と血圧の関係などは、こうした疫学研究の結果といえるのです 今年は千年紀越えという大きな節目となります。ある占者の言葉では、2000年の元旦は太陽と土星が良い場所に位置します。土星は土の星であり、農業の星、今年は農業従事者はツイているそうです。 新しい技術も次々と生まれ、素晴らしい躍進を遂げるとあります。家族労作を経営の柱とした日本の養豚農業経営は、創意工夫を凝らして低コストと省力化を図り、肉質の良い健康な豚を育て、消費者も健康に(特に女性と子供さんに)安心して生きる糧にできるものを提供することです。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、その基礎となるものであります。 豚の疾病も色々と新しい名称の病気が発生しているとの報告があります。地域的に限局しているようですが、サルモネラ病、TGEも肉豚の発生カンピロのロ-ソニアなど変わった病気が発生しています。 従来からある疾病も、その症状は、以前のようにな分かりやすいものばかりではなく、特に一般臨床診断で区別できないような合併症も認められるようです。特に長く養豚をやっている養豚場の中には、豚の病気が常在化している所も考えられます。 やはり伝染病的疾病が被害が大きく、発生してからの対策をたてていたのでは間に合いません。予防的思想として疫学的な対策、またはワクチン接種によって、必ずその抗体価がどの位あるかを確認することが必要です。 ワクチンはきちんと行っているが、その効果がないといった質問をよくされますが、抗体価が上がり、その力があれば発病しないわけです。 免疫賦活作用があるかないかが、必須条件といえます。今までの20年の経験からいいますとワクチン接種し、抗体ができると、その刺激というか、免疫賦活作用が高まることで、近隣に発生している伝染病、例えばオ-エスキ-病などが発病しないなど、以前にも書きましたが、ヘルペス様疾患の発生も抑えるなど、免疫賦活作用を高める飼養管理が重要です。 その連鎖作用により肺炎など皆無の状態となり、発病再帰の早期出現、そして産子数の増加、生後日齢に応じた発育、育成率が向上し、当然のことながら要求率・肉質の上物率と一貫経営にふさわしい段階ごとの実績が出て、経営もト-タル的に自信の持てる数値を示してくれます。 環境問題も特に悪臭がなくなり、ハエの発生においも驚くほど少なくなり、国の基準の三分の一以下、BOD、COD、SS特に大腸菌のほとんど皆無というくらいの実績が示されています。 大規模経営では、そのようなきめ細かな観測は大変ですが、それ以外のことは充分示してくれるでしょう。 その効果の現れは、努力の積み重ねのさらなる積み重ねたうえでの効果です。そうした積み重ねがド-ム状になり、疫学的見方でいうと、大きなド-ムに包まれた形の農場となるからです。 ところで、「未病」という言葉が中国漢方にあります。これは、人間とはいずれ何らかの病気に出会う生身であるから、その対策に衣食住の環境を整えて生活することが大切であるという戒めの言葉です。 養豚農業経営の飼養管理の技術も定礎をもって、大きな節目にいたしましょう。