バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

慣れない事はやるもんじゃない

2008年02月16日 21時13分12秒 | バス運転士

仕事を終えて、営業所へ帰ります。カバンや金庫などを持って、バスを降ります。そして、最後に前扉を閉めます。どうやって閉めるのか? それは、バス前面の小さなフタを開けたところにあるスイッチを操作します。ところが最近は、そのスイッチを仕事中に使う人が多いようです。

バスを乗り場に停めて休憩室へ… その時、前扉(降車口)は閉めたまま、中扉(乗車口)から降ります。夏は暑いので両方とも開けっ放しですが、冬は寒いのでそうするのです。そして、発車時刻が近づいてバスに乗り込もうとしたら、車内は乗客で一杯に… そうなってしまったら、乗客を掻き分けて運転席へ行かなくてはなりません。

それが嫌だから(お客様も嫌でしょうから)、運転士の多くは前扉から降りて、バス前面のスイッチを使って前扉を閉めておくのです。そうすれば、バスがどれだけ乗客で一杯になろうとも、再びバス前面のスイッチを使って前扉から乗り込めば良いのです。

私はずっと“古いやり方”を続けていました。運転席の窓を少し開けておくのです。そして、乗客で一杯になってしまった時は、バスの外から手を伸ばして普通に前扉操作レバーを使うのです。

しかし昨日、「新しいやり方を一度やってみよう」と思って、前扉から降りて休憩室へ行きました。そして、発車時刻が近づいたのでバスへ戻ってきました。しかし、予想に反して乗客が少なかったので、何の迷いもなく中扉から乗って運転席へ…。エンジンをかけ、案内をして、中扉を閉めて発車しました。が、すぐに“異変”に気が付きました。バスは走行中です。当然、前扉も中扉も閉まっています。それなのに、前扉操作レバーが“開”になっていたのです。そう、降りる時に運転席の操作レバーで前扉を開けて、バス前面のスイッチで閉めて… そのままだからです。出発して一つ目のバス停を通過して、二つ目のバス停でお客様を降ろすことになりました。「知らん顔して操作レバーを“閉”にすれば、開くんじゃないか?」と思いましたが、それは甘かった…。前扉はウンともスンとも言いませんでした。私は「すいません。前扉が開かなくなっちゃって… 外へ行って開けて来ますから、少々お待ちください」と言いながら、中扉を開けて外へ出て、バス前面のスイッチを操作して… めでたし、めでたし…

それから数十分後、「もう一度チャレンジしよう」と思って前扉から降りて休憩室へ… ところが、またもや中扉から乗って運転席へ…。さすがに二度目なので、発車直前に気付きました。すぐに中扉から降りて、バス前面のスイッチで前扉を開けて、そこから運転席へ乗り込みました。お客様は「あの運転士、何やってるんだ?」と思ったかもしれませんねぇ…


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