シネモンドでヤスミン・アフマド監督作品 タレンタイム を観ました 公式HP
音楽コンクール「タレンタイム」(才能の時間=タレントタイム)が開催される高校で、ピアノの上手な女子学生ムルーは、耳の聞こえないマヘシュと恋に落ち、二胡を演奏する優等生カーホウは、成績優秀で歌もギターも上手な転入生ハフィズを嫌っていた。コンクールに挑戦する生徒たちの青春を描きながら、マヘシュの叔父に起きる悲劇や、ムルーとの交際に強く反対するマヘシュの母、闘病を続けるハフィズの母など、民族や宗教の違いによる葛藤を抱えた人々の様子を通して、多民族国家としてのマレーシア社会を映し出す。映画com.より
細い目と違ってこちらは初めて観ました。
タレンタイムに出場するファイナリスト7人にはバイクで送迎する学生が割り当てられます。
ムルーの担当はマヘシュ。ちゃんと迎えに来てくれて送り届けてくれるから問題ないんですけどムルーが「送ってくれてありがとう」と言っても無言で去っていく。「アンタなんなのよ?!」と文句を言ったもののその後マヘシュは耳が聞こえないということを後から知ったムルーは心から謝り、2人の距離は近づく。
マヘシュは唇を読むことと手話で会話ができるのですが、ある日の真夜中に姉を起こして
「しわしわのおばあちゃんになってもムルーと一緒にいたいんだけどこれって恋なのかな?」
ねーちゃんは
「それ、今言う?夜中なんだけど」
といいつつも話に付き合ってくれる。いいねーちゃんだ。
それからマヘシュをとても可愛がっている叔父さんもとってもいいひとでした。
中国系のカーホウは今まで成績が1番だったのが転入生のハフィズに抜かれてしまいハフィズを快く思っていない。
厳しい父には成績が落ちた、と殴られてしまう。
ハフィズの家族は母親だけ。その母は末期の脳腫瘍で入院をしている。
音楽コンクールに挑戦する学生たち、というだけじゃなくて、宗教や民族やいろんな問題も描かれています。
マヘシュの家族はヒンドゥ教。母はムスリムのムルーとの交際に反対する。
マヘシュは母に言います。
「母さんを尊敬しています。彼女と付き合うな、というならばもう会いません。でもどうしたら彼女を忘れることができるのか、教えてください。」
ここで第一次涙腺崩壊きました。
最後はタレンタイム当日。
ムルーに手話でばばばーと立て続けに話しかけるマヘシュに「あんたしゃべり過ぎよ」というムルー
母を亡くしたハフィズは誰もが棄権と思っていたのに、やってきた。
ハフィズの演奏シーンで第二次涙腺崩壊きました・・・。
ユーモアに溢れたやさしいやさしい映画でした。
シネモンドでヤスミン・アフマド監督作品「細い目」を観ました。 公式HP
香港の映画スター・金城武が大好きなマレー系の少女オーキッドは、露店で海賊版のCDやDVDを売る中国系の少年ジェイソンと出会い、恋に落ちる。民族も宗教も異なる2人だったが、互いの家族に温かく見守られながら、かけがえのない初恋を育んでいく。しかし、民族的出自が原因で大学進学の道が閉ざされているジェイソンは、裏稼業の元締めであるジミーやその妹マギーとの関係を断ち切ることができない。一方、オーキッドにはイギリス留学の日が近づいてきて……。映画com.より
2006年の東京国際映画祭で観ているのですが、確かアジア系映画中心に「観られるだけ観るぞい」という安易な発想の元チケットをとったんだと思います。なじみのないマレーシア映画で不安だったんですが、いきなり「金城武好きな女の子」が出てきてたちまちになじんでしまいました。
海賊版VCDを売ってる中国系の男の子。そこで金城武のVCDを買いにやって来たマレー系の女の子オーキットに一目惚れ。オーキットの横顔をぽや~んと見つめている男の子がカワ(・∀・)イイ!!。
男の子はジェイソン。
オーキットがうちに帰ってVCDを袋から取り出すと、中に電話番号が書かれたメモが入っていました。
ふたりは付き合うようになります。
オーキットの家族は2人の交際を暖かく見守ってはいるけれど手放しで歓迎しているわけではないし、ジェイソンもちょっとやばい仕事をしていて簡単に抜けられない・・・・。
ジェイソンがオーキットが好きだといった花(月下香)を何件も何件も花屋を探し回るシーンが好きでした。
温かい気持ちになれるやさしい、映画でした。
本国版のポスターはこんな感じ。
2009年4月のこと、ローカル紙の北國新聞にヤスミン・アフマド監督の「ワスレナグサ」のことが載っていました。
そのことを書いたブログ記事こちら (記事中のリンクは切れています)
石川県でロケの予定があった映画ですが、この年の7月に監督は急逝されました。