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ウクライナはロシア“最後”の緩衝地帯2014年03月05日藤田正美

2022-01-28 16:22:20 | 連絡
【日本にとってウクライナは地理的に遠い国だが、対ロシア政策で欧米と足並みをそろえることになれば、ロシアから石油やガスを輸入するプロジェクトへの影響が懸念される。もちろん北方領土問題や平和条約の締結は、もっと難しくなるだろう。エネルギー源の多様化が急務となっている日本の足元を見て、ロシアが揺さぶりをかけてくる可能性もあるのだ。
 2013年にロシアのプーチン大統領と4回、2014年入って早くも1回会談している安倍首相(注1)。この欧米とロシアが対立する中をどう舵取りするつもりなのだろうか。天気が大荒れの上、岩礁も多いこの水域で、航路の選択は難しい】
★(注1)弧状列島岸田政権(注ア)は夏の参院議員選勝利まで「聞く力優先=優柔不断・紆余曲折・朝令暮改実行」、「西大陸、半島方向や行かざる東大陸米国方向の西東わき見」、「北大陸・南大陸向き」加速減速の蛇行・自在航行}が続くか>
(注ア)第二次岸田内閣「甘利後継茂木・前輪駆動運転ー成長・経済安全保障ー及び岸田後部着席・指示ー税収増志向・成長忘却官僚主導の分配・社会保障=保健・医療・介護・福祉」議員内閣は公明連立支援と国政選挙後の維新・国民からの協力必須の国会対応か」
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/fbf198b41bd9717ade1f8a6499de2499



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著者プロフィール:藤田正美
「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年~2000年に同誌編集長、2001年~2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるご:と“Observer”」
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今、世界の株価は2つのリスクに怯えているようだ。1つは本連載でも何度か取り上げてきた中国の金融リスク、とりわけ“理財商品”のデフォルトリスクである。もう1つはウクライナ危機だ。投資家がリスク回避の動きを強めているため、東京の株価も当面はさえない動きになるだろう。 
ウクライナ危機は2月下旬ごろから急展開している。EU(欧州連合)との関係強化を望むデモに対し、強硬的な姿勢を取ってきたロシア寄りのヤヌコビッチ大統領。死者まで出る弾圧に、デモ隊も過激な手段で応じ、とうとうヤヌコビッチ大統領を追放してしまった。
 ロシアのプーチン大統領は、ヤヌコビッチ大統領の“解任”はクーデターであるとし、大統領選挙(2014年5月)までの暫定大統領の正統性に問題があると主張した。そして、ロシア系住民が6割を占め、かつロシア黒海艦隊の基地セバストポリがあるクリミア半島の掌握に乗り出したのである
 この軍事介入に欧米は強く反発している。プーチン大統領と電話で会談した米国のオバマ大統領は、軍事介入はウクライナの主権を侵害するため、ただちに軍を撤退させるよう求めたプーチン大統領はロシア系住民の保護を名目にこれを拒否している。
〇ロシアの“緩衝地帯”として重視されるウクライナ
ソ連が崩壊して以来、ウクライナは東のロシア、西の欧州の間で揺れ動いてきた。2004年の大統領選挙で親西欧のユシチェンコ候補が毒殺されかけたという事件がある。犯人はロシア側の人間とされたが、生き残ったユシチェンコ氏が結果的に勝った。
 ロシアにとってウクライナとは、自国と西欧の間にある緩衝地帯だ。
ソ連だったころの時代には、いわゆる東欧という緩衝地帯があった。ハンガリーやチェコ、ポーランド、ルーマニアなどである。ソ連が崩壊してからというもの、これらの国は、次々にEUや軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)に加盟した。ロシアは現在NATOの準加盟国になっているが、西側に対する警戒感を捨てたわけではない。
 こうした状況で、ウクライナはロシアにとって、最後の緩衝地帯となったのだ。ウクライナが親西欧になれば、ロシアは安全保障上、丸裸ということになる。地図<ウクライナからモスクワまでは平地が続いており、山や海といった大きな自然の障害はない 



を見れば分かるが、ウクライナからモスクワまで、大きな自然の障害はない(これが過去のロシアが領土拡張主義をとってきた1つの理由でもある)。
その意味では、ウクライナはロシアにとって絶対に失いたくない“同盟国”だ。だから他国にも関わらず、ヤヌコビッチ大統領をあからさまに支援し、内政にも干渉してきた。ロシアでガス事業を独占するガスプロム社が、かつてウクライナとの間でガス紛争を起こしたのも、親西欧政権に対する嫌がらせという側面もあった。 
ウクライナに帰属するクリミア自治共和国は、さらにロシア寄りの地域でロシア系住民が6割を占める。軍事的にも要衝の地であり、ロシア黒海艦隊の基地、セバストポリもある。

なので、クリミア半島<クリミア半島は黒海の北岸に位置する。住民の約6割がロシア系だ。第2次世界大戦中に米英両国とソ連による首脳会談「ヤルタ会談」が開かれたヤルタもある。クリミア半島の南西にロシア黒海艦隊の基地、セバストポリがある >を西側寄りの国に押さえられてはまずいのだ。できればウクライナから切り離し、ロシア領に組み込まないまでも、独立した親ロシア政権を立てたいだろう。
  欧米はどんな手を打つのか。口先では制裁をちらつかせても実際には難しい。厳寒期は過ぎたとはいえ、ロシア産のガスは欧州で25%のシェアがある。もちろんロシア側も資源が売れなくなるのは大きな打撃になるため、そう簡単に“元栓”を締めたりはしないだろうが、欧州にとってエネルギーは大きな問題だ。その観点からすれば、とりあえずこれ以上、この問題をエスカレートさせないことが重要な目標になる。 
日本にとってウクライナは地理的に遠い国だが、対ロシア政策で欧米と足並みをそろえることになれば、ロシアから石油やガスを輸入するプロジェクトへの影響が懸念される。もちろん北方領土問題や平和条約の締結は、もっと難しくなるだろう。エネルギー源の多様化が急務となっている日本の足元を見て、ロシアが揺さぶりをかけてくる可能性もあるのだ。
 2013年にロシアのプーチン大統領と4回、2014年入って早くも1回会談している安倍首相。この欧米とロシアが対立する中をどう舵取りするつもりなのだろうか。天気が大荒れの上、岩礁も多いこの水域で、航路の選択は難しい。



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