<紙パッケージ、アルミ缶、海洋プラゴミリサイクル製品の国内自給率160%、国内消費率100%、輸出比率60%、国家財政黒字化寄与、消費税軽減、社会福祉予算増大、貧富格差解消、自由民主主義日本の成長維持>
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脱プラスチック」が社会生活に浸透してきた。海洋環境や生態系に大きな影響を与える海洋プラスチックゴミ問題(注1)などを受け、企業は環境経営としてプラスチックの削減やリサイクルに取り組む。政府もコンビニエンスストアなどで配られるプラスチック製レジ袋の7月からの有料化を決めた。今後も日常生活で手にしていた使い捨てプラスチックが他の環境特性の高い素材に次々と変わっていく。
〇紙業界:海洋プラゴミ問題を背景にリサイクル性に優れた素材が採用される動きも強まる。王子ホールディングス(HD)の紙製品が、ネスレ日本(神戸市中央区)のチョコレート菓子「キットカット」製品のパッケージ素材に採用された。日本製紙は、紙製バリアー素材「シールドプラス」が、菓子の包装資材を企画・製造・販売する福重(大阪市中央区)の規格袋として選ばれた。木質素材100%の基材に製紙用水系塗工技術を活用したバリアー塗工層を加えて開発。従来はプラスチックの領域だった紙に酸素や香りをバリアーする機能を持たせている。
大王製紙は、ショッピングバッグ向けにプラスチック系素材からの代替可能な包装用原紙として、古紙を配合した包装材を発売した。国際的な森林管理認証「FSC認証」を取得している。
包装資材を手がけるショーエイコーポレーションは22年をめどに非プラスチックの資材比率を3割まで引き上げる。従来はパッケージ事業を中心に、ほぼプラスチックフィルム製の包装資材を手がけてきた。社会の環境意識の高まりを受け、同社は「“なんでもプラスチック”という考え方は捨てないといけない」とし、非プラ資材の拡充に踏み出した。
紙や木、布などによる包装資材のラインアップを増やす。包装資材の販売を直販体制に変更することで、非プラ資材やエコ製品の提案を顧客に直接でき、受注増につながると見る。非プラ資材はプラ材資材と比べて生産コストがかかる短所
=エコ性能対価格比アップがある
アルミニウム業界でも脱プラの取り組みが加速している。UACJは社内に脱プラスチック・アルミ化推進プロジェクトを立ち上げた。現状分析や海外のプラスチック規制に対する企業や団体などの取り組みの分析に乗り出している。石原美幸社長は「海外では世界的な脱プラスチック問題の動きから、リサイクル性に優れたアルミ缶への回帰=リサイクル性能対価格比アップがはっきり出てきている。特に北米や東南アジアで期待が持てる状況だ」という。リサイクル性に優れたアルミの特性を企業や団体と情報共有し、従業員をはじめ一般消費者らへの啓発活動を積極化する
海洋プラゴミリサイクル業界、YKKは海洋プラゴミを主材料とした樹脂製のファスナーを開発し、20年中に販売を始める。スリランカの海岸線から50キロメートル以内で収集されたプラ廃棄物を主材料に用いる。
同ファスナー「NATULON Ocean Sourced(ナチュロン オーシャン ソースト)」は、従来の樹脂ファスナーと同等の強度や耐久性、機能性を持つ。陸から海へゴミを流入させずに、製品へアップサイクリングさせることによって、環境問題の解決に貢献したい考えだ。YKKは、植物由来のポリエステル樹脂を主材料としたファスナーやオーガニックコットンを使用したファスナー、染色工程で水をほとんど使わない染色技術などサステナビリティーに配慮した商品開発を進めている。
紙製容器業界、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市中区)が商品化した紙製容器の飲料「旨みまろやか緑茶」と「ほのかに香るレモン水」だ。会議・来客向け用途に配慮したパッケージ設計にしているのが特徴。
紙製飲料容器「カートカン」を使用。容量は195グラムの飲みきりサイズで、緑茶とレモン水それぞれ6種類のデザインを採用し、会議などで誰のドリンクかを認識しやすくした。デザインにメーカー色が出過ぎないようにも配慮している。カートカンは凸版印刷が96年に国内で導入した容器で、原料の紙に間伐材を含む国産材を30%以上使用する。飲用後は可燃ゴミとして処理できるほか、容器を展開してリサイクル回収することも可能だ。
(注1)
紙パッケージ、アルミ缶、海洋プラゴミリサイクル製品の
トップ5輸出国、外貨獲得候補ランキング
海洋ごみの排出ワースト20位国
1位 中国(882万トン)
2位 インドネシア(322万トン)
3位 フィリピン(188万トン)
4位 ベトナム(183万トン)
5位 スリランカ(159万トン)