グローバル・タックス研究会 ~Study Group On Global Tax~

貧困のない、公正かつ持続可能なグローバリゼーションのための「グローバル・タックス」を提言する、市民研究グループです。

コナクリ通信③

2008-11-08 | 国際連帯税&リーディンググループ国際会議
11月6日(木)

中身の報告を始める前に、まずは混乱する会議運営から。昨日参加してみてある程度分かってはいましたが、ここギニアでうまく会議が進むことを期待してはいけないのかもしれません。

今日の総会初日も、会議運営が予定通りにまったく進まず、大幅に変更されました。午後に予定されていた3つのラウンドテーブル並行開催が急きょ変更になり、午前中と同じくみんなでプレナリー形式になったのです。しかもびっくりしてしまうのは、そもそも会議室は2つしかなく、通訳ブースも1つだけ。3つの会議を同時通訳付きで運営できない会場だったのです。開始時間も大幅に遅れて始まった午後の全体セッションで、6つのラウンドテーブル・テーマをプレナリー会場でみんなで話し合うことになりました。それぞれのテーマの時間も限られているうえ、各参加者(特に途上国)は演説を長々として、ろくに議論などされませんでした。今日のラウンドテーブルでは、援助効果や気候変動など、興味深いテーマがあったのですが、このような会議運営になってしまって、とても残念です(ギニアはがんばっているほうだと思うよ、という暖かい声も聞かれましたが)。

■転換期にあるリーディング・グループ

金融危機の影響で、各方面から通貨取引税を導入すべきという声があがっているのに、リーディング・グループではいまいちその機運の高まりがないことを危惧しているのが、市民社会側です。

デイビッド・ヒルマン(Stamp Out Poverty: UK/ European Network for Finance and Development (ENOFAD)は、「いまや金融方面からも通貨取引税を導入して、このような危機に備える資金とすべきだとか、環境方面からは気候変動対策に活用すべきだ、あるいはジェフリー・サックスは通貨取引税をIMF強化のための資本とすべきだ、という声が上がっている。一種の競争になりつつある。この枠組みは最初に取り組み始めたのに、もたもたしていると、この競争に負けてしまうだろう」

「このグループは設立当初の原則に戻るべきだ。リミッタンスやAMCは革新的メカニズムじゃない。そんなことに議論の時間を費やすのはもうやめにして、この会議ではCTDLのような「革新的な連帯税」をどう実現するのかという議論に集中するべきだ」

「ドストブラジ氏は、国連でボランタリーな寄付で資金を集めるようなことに精を出しているが、これはどうなんだろうか。彼は結局UNITAIDのトップで、この枠組みをやめることはできない。この枠組みで、やりやすい民間とのボランタリーな貢献策を始めようとしている」

と語っています。

■日本政府のプレナリーでの発言

外務省国際協力局多国間協力課の植野課長の要約

「みなさんに感謝を申し上げます。今回、日本は正式にグループに参加をしました。これまで、オブザーバーとして、グループの議論を共有してきました。ミレニアム開発目標の達成に向けて、正式メンバーとして、みなさんと議論や経験を共有したいと思います。」

というものでした。今回は特に何かにコミットする準備はしていないようです。しかしこの会議では、フランスや国連ドストブラジ氏をはじめ、日本政府の正式参加が相当言及されています。期待されすぎるのもつらいところですが。

もうすぐ次のセッションが始まってしまうので、議論の中身はまた整理してから書きたいと思います。

会場のホテルから 高木

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