グローバル・タックス研究会 ~Study Group On Global Tax~

貧困のない、公正かつ持続可能なグローバリゼーションのための「グローバル・タックス」を提言する、市民研究グループです。

国際連帯税と航空会社(UNITAIDの場合)

2010-10-02 | UNITAID(ユニットエイド)
               9月26日「国際連帯税シンポジウム2010」の様子

国際連帯税のひとつである航空券連帯税について、「全日空の伊東信一郎社長は『航空券連帯税は言語道断。国際競争力をつけるうえでも反対だ』と主張」(9月27日朝日新聞)しているとのことですが、航空券連帯税を最初に導入したフランスではどうでしょうか。例えば、フランスのナショナルフラッグ航空会社である Air France(エールフランス)なども「言語道断」と発言しているでしょうか。。。

結論から言えば、言語道断どころか航空券連帯税による税収の使途先であるUNITAID(ユニットエイド)をサポートしています。

UNITAIDとは、主に航空券国際連帯税の税収によって運営され、HIV/エイズ・結核・マラリアの治療薬を提供する機関で、2006年9月設立以来、93か国2100万人に治療薬等を提供してきました。設立から2008年12月までに7億ドル以上が集まりましたが、このうち70%以上は複数国からの航空券連帯税の収入です。

このUNITAIDが今年に入り、この活動の世界的な盛り上げを図るために、有名なメディアや企業等の応援をもらって、“Thank you campaign ”を行いました。その内容は、テレビ、ウェッブサイト、ポスター等の印刷物などでのキャンペーンです。

*詳しくは、http://www.unitaid.eu/en/The-UNITAID-Thank-you-Campaign.html

そのキャンペーンをサポートしてくれたメディアや企業ですが、メディアではフランスの主要なテレビ局、新聞社などはもちろん、CNN、CNBC、欧州のメディアも支援してくれました。

特筆すべきことは、航空券税には「言語道断」と言いそうな、Air Franceやフランスの空港を傘下におさめているAeroports de Paris も支援してくれたことです。

後者は、例えばシャルル・ド・ゴール国際空港はフランス語で、L'aeroport de Paris-Charles-de-Gaulleと言っているようですから、主要空港を経営しているのがAeroports de Parisでしょうか(注)。

他にこれはと思う会社では、JCDecaux(ジェーシードゥコー)という会社で、これは世界を代表するフランスの屋外広告会社で、日本でも営業しています。
 *HPは、 http://www.mcdecaux.co.jp/index.html

なお、サポートしてくれたメディアや企業は次のURLに会社のロゴ入りで出ています。
http://www.unitaid.eu/images/NewWeb/documents/ThankYouCampaign/Logos_of_support.pdf

(注)パリにはシャルル・ド・ゴール(日本との直行便は全てこの空港に利発着)とオルリーの2つの空港がありますが、この両空港の管轄は同じ団体で、それがAeroports de Paris(パリ空港公団)とのこと。

この、Aeroports de Paris のHPでは
http://www.aeroportsdeparis.fr/ADP/fr-fr/Passagers/accueil/
ユニットエイドキャンペーンがまだ掲載されています(仏語)。
http://www.aeroportsdeparis.fr/ADP/fr-FR/Passagers/Actualites/Evenements-culture/nouvelle-campagne-unitaid.htm?wysistatpr=ads_moteur-synomia_fr

追伸.このキャンペーンはブラジル、キプロス、フランス、ルクセンブルク、モーリシャス、ニジェール、ノルウェー、スペイン、イギリスで行われ、アジアでは行われなかったようです(航空券連帯税を実施している韓国で行ってもよさそうなものでしたが)。

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