グローバル・タックス研究会 ~Study Group On Global Tax~

貧困のない、公正かつ持続可能なグローバリゼーションのための「グローバル・タックス」を提言する、市民研究グループです。

オスロ国際会議 議長総括

2007-03-14 | 国際連帯税&リーディンググループ国際会議




国際会議
開発資金のための連帯税に関するリーディンググループ
第2回総会


オスロ ラディソンSASプラザホテル
ソニア・へニー・ボールルーム
2007年2月6、7日

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  議長総括
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­­­2007年2月6、7両日、ノルウェーは「開発資金のための連帯税に関するリーディンググループ第2回総会」を開催した。同グループは、ジャック・シラク仏大統領の呼びかけにより2006年2月28日、3月1日にパリで開催された、革新的な開発資金源に関する閣僚会議において結成されたものである。

オスロ会議には、28カ国、10の国際機関、12の優秀なシンクタンクおよび研究機関、32のNGOを代表する、150名の登録参加者が出席した。リーディンググループの23加盟国およびオブザーバー5カ国からは、事務レベルが参加した。開会本会議では、フィンランドが46番目の加盟国として同グループに加盟した。

会議中には、エリク・ソールハイム(Erik Solheim)ノルウェー国際開発大臣、およびフランスの革新的開発資金源に関するワーキンググループ元委員長のジャン・ピエール・ランドー(Jean-Pierre Landau)氏を含む、6名が招待演説を行い、開発のための革新的資金源について各自の所見を述べた。本会議では、会場からも他に24名が議論に参加した。

円卓会議形式の議論も6つ展開された。テーマは、航空連帯税、開発のための通貨取引税(Currency Transaction Development Levy、CTDL)案、ワクチンのための事前買取制度(Advance Market Commitments、AMC)、移住者による外国送金、タックスヘイブン(租税回避地)と資本逃避の克服、開発のためのマイクロファイナンスに対する新アプローチである。これらのセッションでは22名の専門家が講演またはコメントし、彼らの洞察や展望を提供してくれた。

さらに、国際医薬品購入ファシリティ(UNITAID)、予防接種のための国際金融ファシリティ(IFFIm)、およびデジタル連帯基金(DSF)という、現在進行中の3つの革新的資金源メカニズムについての経過報告があった。

円卓会議の司会による総括、およびスピーチ、プレゼンテーション、経過報告はそれぞれ、オスロ会議のウェブサイトで見ることができる。
http://www.innovativefinance-oslo.no/
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会議中、特定の課題が「革新的資金源」というテーマに含まれるべきか否かという議論が何度かあった。これら多くの所見はよく理解できるものであるが、リーディンググループがそのような区別に囚われすぎるべきではない事情がある。つまり、ミレニアム開発目標を達成するための資金が明らかに不足する中、この資金不足を解消するために用いられる方法が「革新的か」否かという学術的な議論よりも、開発のための追加的資金を動員することの方が当然重要だ、ということである。

何名かのスピーカーやコメンテーターが、各国が採用した航空連帯税制度が大きく異なることを含め、革新的資金源に対するアプローチが各国様々であることに言及している。長期的な視点に立つと、より簡潔なアプローチを取ることが望ましいが、同リーディンググループは設立されて間もないため、調整と柔軟性の妥当なバランスを取ることが重要だといえる。

同リーディンググループは繰り返しの多い「おしゃべりの場」となる危険性を孕んでいるが、とはいえこの会議での充実した議論からは、非常に短い期間で、(広義の)革新的な資金源というアジェンダの推進に大変著しい進展が見られたことが分かる。いくつかの分野では(例えばIFFImおよびUNITAID)、事実上飛躍的な進展が見られた。この飛躍的進展を見ると、多国間協力における「通常の」進展と比較すると、このリーディンググループがうまく機能していると考えるのは理にかなった結論といえる。

いくつかのテーマ分野および支持者の間に、同リーディンググループに対する強い期待感があるため、次のことを強調しておきたい(これは同会議でも強調したことである)。同グループは同意された成果を協定するものではないし、総意による意思決定を行うものでもない。同グループの趣旨は、課題の進展を図ることであり、政治的アジェンダの中でこれらの課題にさらに焦点が当てられるようにすることである。

とはいえ、議長として、活発なフォローアップを求める声が特に大きかった2つのテーマに注目したい。1つは開発のための通貨取引税(CTDL)案、もう1つはタックスヘイブンと資本逃避の克服である。前者に関しては、何名かのスピーカー、特にNGOからのスピーカーが、広範な参加の下に特別調査委員会を設立することを提案した。議長国を次に引き継ぐ立場としてノルウェーは、2007年2月の報告文の場を借りて、何らかの形で集団としてこのようなフォローアップに取り組む意図があるか否かをリーディンググループ加盟国に相談したい。

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オスロ会議の閉会本会議では、ノルウェーに続きリーディンググループの次期議長国を引き受けてくれた韓国が、6カ月間(2007年3月1日~8月31日)の任期中に重点を置きたい課題について以下のように概説した。

· アウトリーチ活動、特にアジア各国との対面による勧誘によって、リーディンググループの加盟国拡大を図る。
· 新しい構想と、既存の革新的スキームの追及との均衡を図る。
· 援助供与者、受益者、市民社会のパートナーシップを育む。
· リーディンググループの主要目的に関わる戦略的課題に取り組む。

韓国は次期議長国として、2007年7月上旬に韓国でリーディンググループ第3回総会を開催する予定であることを表明した。

2007年2月14日
ノルウェー王国 外務省
http://www.innovativefinance-oslo.no/

(翻訳;オルタモンド翻訳チーム)

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