鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマトー新たなる旅立ち外伝ーデザリアムの使者 最終話

2020-03-26 22:00:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作




宇宙戦艦ヤマトー新たなる旅立ち外伝ー

◇デザリアムの使者◇

第三話(最終話)


偵察パトロール艦:朧を撃破したサーダは、地球に潜入した麿露(マロ)と麻耶(マヤ)に「宇宙戦艦ヤマト破壊せよ。」と付け加えた。

それはイスカンダル人の末裔が地球人である事に付け加え、イスカンダルの資源である"イスカンダリウム"を手に入れる時に邪魔に成ると判断したからである。


海底ドックに眠る宇宙戦艦ヤマト。
昼間の賑わいが嘘のように静まり返った式典会場、そしてヤマトの眠る海底ドック。
ドック入り口前に二人の警備兵が立哨し、不審物の持ち込みを検知する自動改札機のような透視カメラ付きゲートが二基、並んでいる。
勿論、内覧が行われた昼間も、このゲートは設置されていた。
金属の骨格を持つ二人が、すんなりとゲートを通過出来たのには"からくり"があった。
戦災による金属の人工関節である事を証明するIDパスを提示、ゲートを潜る事なく入艦したのだ。
パスは複製品なのだが、入場規制をしても長蛇の列、パスは警備兵による目視で、まさか子供がとの思い込みも手伝い通過させていたのだ。
ただ、今回は真夜中、同じ手は使えない。
そこで麿露(マロ)と麻耶(マヤ)の二人は、立哨する警備兵が交代するのを待った。
交代する間隔は二時間毎に交代する事を昼間、並びながら確認していた。
二人は警備兵の交代が終わると、堂々と立哨したばかりの警備兵の前に現れた。

「ん!?」
「止まれ!…子供?」
「こんな夜中に子供が二人で何をやっている?」

「落とし物は無かったですか?これくらいの大きさのNAMIYのフィギュア。」麻耶(マヤ)は今にも泣き出しそうな顔を見せ、尋ねた。

「落とし物…?フィギュア?」
「そんな報告、あったか?今、確認するけど、未成年の君たちが出歩いて良い時間はとっくに過ぎている。ご両親又は保護者の方に迎えに来て貰うから、名前と連絡先を教えなさい。」

「チッ。るせぇーな。」

「はぁ?お嬢ちゃん。そんな言葉は良くない……。」警備兵の一人がその場に倒れた。

「なっ!?」確認を取ろうとしたもう一人の警備兵が近寄り、屈んだ時であった、首筋に「チクリ。」と痛みを感じるとその場に倒れた。

「監視カメラの細工、完了。」
何事も無かったように立哨する二人の警備兵が映っている映像がリピートされた。

麿露(マロ)と麻耶(マヤ)は、それぞれ倒れた警備兵の口を軽く開け、小さなカプセル錠をポケットから取り出し、口の中に入れると、唇を重ね、舌をねじ込むように入れ、カプセル錠を舌の付け根辺りまで押し込んだ。






「うふふ。」

「可愛い少女にディープな口づけされた気分はどう?」
「気がついた瞬間、永久に夢の世界だけどね。」

「外傷を与えずに脳細胞を一挙に死滅させる。お薬を味わってね。」

二人はヤマト艦内に侵入した。



ヤマトを破壊せよとプランを上書きされた麿露(マロ)と麻耶(マヤ)は、データを収集する為、ブリッジ=第一艦橋へ上がった。
艦長席の端末を弄くる麻耶(マヤ)。
"アクセスエラー"が表示される。やはり、侵入出来たからと言って、一筋縄では行かないようだ。
二時間以内と限られた時間内で、出来るだけ多くのデータ収集と破壊工作を済ませねばならない。

「麻耶(マヤ)。データの収集は任せるわ。」
「私は爆薬を仕掛ける。」
「今から60分後に、この真下で合流しましょう。」

「OK。一時間後ね。」

二人は、それぞれが得意とする分野に別れて、限られた時間を有効に使う事にした。


「ここから先は機関区か。警備アンドロイドが居るんだ。」
「倒せない相手では無いけど、ロスを減らすには、避けるのが一番ね。」そう呟く麿露(マロ)は、持参した小型プラスチック爆弾をその場に仕掛けはじめた。
警備アンドロイドは一定の時間で立哨場所が変わるようにプログラムされているようだ。
機関区入り口に五分立哨したと思えば、五分後には、5メートルほど中に戻り、立哨、その五分後にはまた、入り口で立哨と五分間隔で動いていた。

麿露(マロ)は、その五分を利用してプラスチック爆弾を仕掛けては移動を繰り返した。

「後、五分で約束の時間だ。」
「仕方ない。残りは全部、ここに置いてゆくか。」


二人は約束の場所、艦橋の真下、第三艦橋入り口に姿を現した。

「麻耶(マヤ)。収集は出来た?」

「なんとかセキュリティを突破したが、ハッキングがバレたかも知れない。」
顔色を曇らせ麻耶(マヤ)が告げた。

「仕方あるまい。脱出する。」
「てか、麻耶(マヤ)。それ、何?」

「ああ。これ、ブリッジ(艦橋)から降りて来る途中で拾ったフィギュア。NAMIYのフィギュアだよ。」

「……ほんとに落ちてるとはね。」

二人は侵入した時と同じ、第三艦橋から脱出した。

エンディングイメージ曲

【中森明菜よりInto the Night 】引用。

麿露(マロ)が先頭で第三艦橋から伸びるタラップを降りはじめた時であった、「動くな!」との声と無数のライトが二人を照らした。

「真面(マジ)でバレちゃったみたいね。」
「でもね。私たち、捕まる訳には行かないのよねっ!!」
麿露(マロ)は高さ3メートルはあるタラップの最上部(踊り場)から飛び降りた。
飛び降りるとすぐに二人の行く手を憚(はばか)る警備兵たち目掛け、走り出した。

「私たち、こう見えても格闘が得意なのよ!」と一番真ん中で指揮を取る隊長の頭部に回し蹴りを喰らわせた。
「うがぁ!」と言葉はに成らない声を上げ、1メートルほどぶっ飛ばされた。
目を丸くする警備兵たち。

「麻耶(マヤ)!今のうちに!」

麿露(マロ)の言葉と同時に響き渡る銃声。
「アワアワ。」と震える一人の警備兵は自身が持っていた銃を地面に落とした。
同時にタラップを転がるように墜ちる麻耶(マヤ)。

「……麻耶(マヤ)アアアアアア!!」

横たわる麻耶(マヤ)に駆け寄る麿露(マロ)。

麻耶(マヤ)の片眼が開いた。
「つぅ。フィギュアが私を守ったよ。」
麻耶(マヤ)が握りしめたNAMIYのフィギュアは胸から上が吹き飛んでいた。
麻耶(マヤ)は銃声に驚き、足を滑らせ、よろけたところ手に持っていたNAMIYのフィギュアに銃弾が当たり、胸から上が吹き飛んだのだ。
麻耶(マヤ)はそのまま、転げ墜ちただけだった。

「ニッ。」と麻耶(マヤ)は笑顔を覗かせた。

「麻耶(マヤ)。三つ数えたらゲートに向かって走れ。」麿露(マロ)はそう耳打ちすると、起爆させた。
鈍い音がヤマト艦内から聴こえて来る。
第三艦橋のハッチから溢れこぼれる白い煙。
まるで煙幕のように二人は白煙に包まれ、三つ数えてゲートに向かって走り出す。


翌日、騒ぎは収まり、単なる"事故"として片付けられ、宇宙戦艦ヤマトの内覧は中止されたが、感謝祭は初日同様に行われた。





入手出来たデータを再生したサーダは高々と笑った。

「…ヤマトの過去か。いや、未来かも知れんな。」




~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち」の二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
画像はイメージです。
※イメージ的に過去に集めた引用画像あり。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。

宇宙戦艦ヤマトー新たなる旅立ち外伝ーデザリアムの使者 第二話

2020-03-25 20:18:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作




宇宙戦艦ヤマトー新たなる旅立ち外伝ー

◇デザリアムの使者◇

第二話


ー地球連邦防衛軍・太陽系パトロール艦隊第八群偵察パトロール艦:朧ー




「艦長。まもなく土星を通過します。」
「外周区間異常なし。ワープ可能エリアに入ります。」

「うむ。」
「通信士。中央司令部に48時間後に地球圏に到達を伝えよ。」

「了解。」

超空間通信後、ワープに入った偵察パトロール艦:朧は一気に火星圏まで跳躍した。

「ワープアウト。」
「艦内外に異常、認められず。」
「これより、通常航行に入る。」

「うむ。」
「航海士。アステロイドベルト宙域を通過する慎重にな。」

「了解。」

「ん!?アステロイドベルト内、10キロメートル前方2時(02:00)方向に高熱源体反応!」
「調査、致しますか?」コスモレーダーを食い入るように覗く、レーダー士が告げて来る。

「高熱源体反応…流星どうしが衝突した反応ではないのか?」

「数値からして自然に発生したものとは異なります!」

「うむ。」
「航海士。現航路から高熱源体反応地点へ向かった場合、地球到達時間は何れくらいだ?」

「距離からして一時間前後の遅れで到達です。」

「うむ。」初動調査時間を加えても、四時間前後である事から、進路変更を命じた。
「船務長。初動調査に向かう。調査の準備を。」
「航海士。進路を高熱源体反応地点へ。」

「進路変更。ヨーソロ。」航海士が進路変更の為、舵を切った時であったレーダー士から驚きの報告が飛び込む。

「高熱源体反応地点より、超高出力エネルギー反応!」その報告を聞くと同時に偵察パトロール艦:朧は消滅した。
朧だけではない。
朧の周辺に浮遊していた小惑星群も消滅していたのだ。

※イメージ曲【宇宙戦艦ヤマトーヤマトよ永遠にー戦艦グロデーズのテーマ】より引用。





「サーダ閣下!地球艦、消滅!」

「うむ。よろしい。」
「我々を知られる訳にはゆかんからな。」

「それにしても試作エネルギー砲とはいえ、β砲が量産化されれば…あるいは…。」と心に思うサーダは、もう一つ頭に浮かぶものがあった。
「なるほど。聖総統がヤマトに拘(こだわ)る訳が解ったよ。」
「地球に、あれほどまでに敵対したガミラス人が多く暮らしている事そして、超強力な波動エネルギーを産み出す波動エンジンを提供したイスカンダル。」
「すべてが繋がったよ。」

「うふふ。」

「真空からエネルギーを汲み上げることで莫大なエネルギーを無補給で生み出すことができる波動エンジン。
余剰次元を元の大きさへ戻すことができる機関であり、その際、余剰次元に力を及ぼしていた重力が開放されることでマイクロブラックホールが生成され、ホーキング輻射を伴って蒸発するマイクロブラックホールエネルギー=波動砲に暗黒星団帝国の母星=人工惑星は、に脆く弱い。」

「そして、遙か昔に大マゼラン銀河が銀河系の太陽系近傍を通過した際に、一部のイスカンダル人が地球へ移住し、地球人類はその末裔。
その元であるイスカンダルは、かつて超強力波動エネルギーを用いた兵器=波動砲によって大マゼラン銀河に一大帝国を築き上げた。
しかし、やがてその愚行を恥じ、その技術を封印するとともに、全宇宙のあまねく星々の救済を使命とする民族へと生まれ変わった。」
「ガミラスはそれを「イスカンダル主義」として掲げ、ガミラスとイスカンダルの大統合を夢見るデスラーは、その使命をスターシャに代わって引き受けようとし、侵略と征服に自らの手を汚してでも統一支配による全宇宙の平和を実現しようと考え、星々へ、そして地球へと侵略の手を伸ばしたがヤマトにやぶれ敗北した。」
「が、しかし、地球と同盟を結んだ。」

「だから聖総統は大マゼラン銀河へも派兵を開始したのか。」

「うふふ。」


日付は変わり、午前零時(12:00)を迎えた。
動き始める麿露(マロ)と麻耶(マヤ)。




第三話(最終話)へ
つづく


~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち」の二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
画像はイメージです。
※イメージ的に過去に集めた引用画像あり。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。