鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第六話②

2020-03-16 12:37:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作




宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ

ーyamato2223ー

第六話②


「対艦ミサイル救命艇を霞め、ヤマトの1キロメートル手前で自爆!」




大気中に球体を描(えが)くようにプラズマ波が形成されると、風船が急激に萎むような現象が現れ、消えた。

「…あれは巡航ミサイルだ!」
「しかも陽子(プロトン)波に似たエネルギー光弾を詰め込んだ弾頭の巡航ミサイルだ!」
「コスモレーダーの誤算がなければ、射程50キロメートルのステルス素材で造られた対艦巡航ミサイルだ!」
「古代艦長。奴らの艦(ふね)は、ほぼヤマトの射程距離と同じだ。」
「救命艇の収容を急がせよう。」
真田はそう古代に告げると、少しの間、目を閉じ、何かを考えていた。「あれだけのプロトンエネルギーを…。」
「…モノポールか?」「アマールでは解明され、開発が進んでいるという事か……。」


「解りました。」

「大格納庫で待機するアスワット隊へ。」
「二人の保護に備えよ!」
「その後、爆破物等の検査を速やかに行え!以上だ。」

「佐渡艦医は集中治療室で待機願います。」
「衛生士和田と田辺は大格納庫で待機。二人の簡易検疫を実施せよ。」

佐渡酒造は、もうヤマトをはじめとする軍属の艦艇には乗艦する事はないと思っていた。
本人も、今まで断り続けていた。
だが今回、急遽、真田長官や古代らに緊急という事で説得され、また、艦医とパイロットを兼任していた佐々木 美晴が別の任務で乗艦出来ない事を受け、これが最後と乗艦した。

救命艇が格納され、折原と美雪は簡易検疫を済ませ、佐渡艦医の待機する集中治療室に運ばれ、同時にアスワット隊による救命艇の検査が行われた。


「挨拶がわりの花火は楽しんで貰えたようね。」
「ヤマトのクルーたちの驚く顔が目に浮かぶわ。」
「それより、エリカ将軍。そして将軍の部下たちよ。プレゼントがある。」
ヴィオラは、そう言うと指を「パチッ!」と鳴らした。
ヴィオラの部下、二人が真っ白い箱を両手で抱き上げるように運んで来た。

「我ら死神の革命隊=デス・ソウル・フリートの制服だ」
「早速、着替えるといい。」

エリカたちが新しい制服を渡され着替えはじめた時であった。
エリカは突如、襲われた。




「すまんな。将軍。」

「……。」エリカは脳震盪を起こし、その場に倒れた。

「ペニア。将軍を私の部屋に軟禁せよ。」

「かしこまりました。」ペニアは一礼してエリカを抱き上げると、ヴィオラの私室に運び、軟禁した。

「エリカ将軍は失う訳には行かん。」
「この革命は成し遂げなければならない!」
「革命が成功した暁には、エリカ将軍が君主を担って行かねばならん!」

「新たな地球であり、新たなアマールでもある!」

「山城艦長。潜行を。」

「了解致しました。ヴィオラ総督。」

「操舵長。潜行、はじめ!」

排水量100.000トン以上の超巨大な艦(ふね)が、ディアナの海にゆっくりと潜行してゆく。
「グォン。グォン。」と響かせ、時折、大小さまざまな気泡を浮かび上がらせ、更に潜行深度を誤魔化す為、人工的に酸素吐き出し、"バッフル"させた。
ただでさえステルス素材をふんだんに使って造られた超大和型神・大和はヤマトのあらゆるレーダーから、その姿を消した。


「……超大和型ロスト。」
「完全に姿を消しました。」

「うむ。」
「ヤマトを着水させる!航海士着水だ。」

「了解。」




「古代艦長。奴らの超大和型の原動力はモノポールかも知れない。」

「モノポール?」

「ああ。モノポールだ。まだ、我々の科学では仮説に過ぎないものなのだが、簡単には言えば我々の地球や太陽系の惑星に存在しない高レベルなエネルギーだ。
磁気単極子を磁場の中に封じ込め振動させることによって燃料物質の陽子崩壊を誘発してエネルギー源としている。」
「磁気単極子と原子核が結合した高密度の物質「モノポリウム」だ。
「波動エネルギーを超えるエネルギーかも知れん。」

「…波動エネルギーを超えるエネルギー。」

「深く考えている暇はないぞ。古代。」
「超ステルスを纏い、超高出力エネルギーを武器に持つ相手を波動砲を使わず、倒さねばならん。」

こうして超大和対ヤマトの戦いの火蓋は切られた_。


【モノポール】

磁気単極子、磁気モノポール(英: magnetic monopole)とは単一の磁荷のみを持つもののことである。

棒磁石を切断しても、N極とS極のみを取り出すことはできない。
磁石にはN極、S極の二つの磁極が必ず存在し、この組み合わせを磁気双極子という。N極のみ、およびS極のみを持つ磁石、磁気単極子(モノポール)は現在まで観測されていない。
例えば両端がそれぞれN極とS極になっている棒磁石があったとして、これを真ん中で二つに折ったとしても、同じく両端がそれぞれN極とS極になっている棒磁石が二つできるだけの事であり、N極とS極のみを単純に取り出す事はできない。
電磁石を考えれば、この事は容易に理解できる。
電磁石は電流を流したコイルであり、これを二つに分割しても、巻き数が半分になった電磁石が二つ生まれるだけである。
永久磁石についても、それを構成する物質の原子が電磁石と同じ働きをしているものであり、原理としては同じである。マクスウェルの方程式により代表される古典電磁気学はこの前提のもとに構成されている。

その一方で、電気については、プラスとマイナスの二つが存在し、これらは単独で取り出す事が可能である。
これは電気の根元がプラスの陽子とマイナスの電子に由来しているからである。そして、古典電磁気学は電気と磁気の関係について対称であり、この関係を逆にする事が可能である。
普通は、コイルを流れる電気によって磁力を発生する、言い換えれば円周上を周回する電子の運動によって磁界が生じる。
これを、磁気単極子が円周上を周回する事によって電界が生じるというモデルに置き換える事ができるのである。
つまり、マクスウエルの方程式は磁気単極子の存在を許すように容易に改変できる。

陽子崩壊の触媒作用
予想される大統一理論においては、クォークとレプトンは本来同じ粒子の異なった状態であり、インフレーションの際の相転移によって分化したとされ、相互に変換可能であるとされる。
陽子内のクォークがレプトンに変化するとバリオン数を保持できなくなり陽子崩壊が発生する。
しかし陽子の予想寿命が極めて長いことからもわかるようにクォークからレプトンへの変化は極めて低い確率でしか発生しない。
だがモノポールはインフレーション以前のクォークとレプトンが分化する前の空間の位相欠陥であり、その中心部付近においてはクォークとレプトンは分化することができず、分化前の粒子に戻ってしまい、そこから通常空間に復帰した粒子はクォークにもレプトンにも変化する可能性がある。
そのため陽子や中性子のクォークがモノポールの磁力で引き付けられ、中心部付近を通過してレプトンに変化すると陽子崩壊が発生する。
モノポール自身は外部からのクォークを変換しただけで不変であるので、これを触媒に見立てることができる。




第七話へ
つづく。


~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。