鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第一話

2020-03-01 01:32:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

地球をはじめとする太陽系の星々が、あの異次元空間=カスケード・ブラックホールに呑み込まれ、元の空間に再び戻って早、三年の月日が流れた_。

時に西暦2223年。
地球は、太陽系は平和を取り戻し、漸く復興も一段落がつき、このまま平和な日々が続く事を願い、人類は過ごしていた。
困難続きの地球に救いの手を差し伸べてくれた惑星アマールもまた、地球との友好関係を深めていた_。

この動きは、かつての大ウルップ星間国家連合(SUS連合)に所属し、その後、離反した星間国家エトス、フリーデ、ベルデルにも伝わり、新たな恒星間連邦を設立させた。


【アマール】
旧大ウルップ星間国家連合の構成国の1つ。
国家元首はイリヤ女王。
自国にしかない資源をSUSに提供することで、偽りの平和を得ていた。
そのため、国民は星間国家連合からの独立を願う。
アマールの月に地球人の移民を許したため、星間国家連合から武力制裁を受けることになる。
アマール人の外観は地球中近東系人種に酷似している。
最後には真の独立の為に、ヤマトと共にSUSに反旗を翻す。

【エトス】
旧大ウルップ星間国家連合の構成国の1つ。
誇り高き士道精神を有していたが、大ウルップ星間国家連合への加入でそれを封印するようになった。
外観は地球白色人種に酷似している。
最後にはゴルイ率いる艦隊がエトス士道精神に殉ずるためにSUSに挑んだ。

【フリーデ】
旧大ウルップ星間国家連合の構成国の1つ。
やや赤みがかったペールオレンジの肌を持つ。
SUSの同盟国を犠牲にする戦い方に見限り、最後にはベルデルと共に戦いを放棄し引き上げた。

【ベルデル】
旧大ウルップ星間国家連合の構成国の1つ。
肌の色は緑色。
なおエトス、フリーデ、ベルデルの三国はバダルメ恒星系に位置する。


その為、地球はもとより太陽系は、計り知れないくらいの支援を得た事で、復興を当初の計画よりも早く、実現した。

そんな中、進と雪の娘、美雪は復興初年度に新たに設立した上級士官学校第一期生としての卒業課題として、訓練艦雪風に乗艦し、試験航海の途に就いていた。
卒業試験の航海ということもあり、三ヶ月もの長き航海を経験していた。
ただ、上級士官候補生の美雪にとって、心の救いは折原真帆が、偶然にも指導教官として、乗艦していた事である。
真帆とは少しの間だが、ヤマトで同行している。

【折原真帆】
宇宙戦艦ヤマト乗艦時には戦務科に所属、19歳という若さで第三艦橋・電算室室長を勤めた。
現在22歳。少佐に昇進。
天才的な計算能力があり、その名声は初対面の古代進にも知られていた。
ヤマトに乗艦以前は、地球連邦政府科学局に勤めていた。
ヤマトでは、森雪が着ていた白地に黒模様の旧ユニフォームを着用。
彼女の部下の6名の電算室専属オペレーターが真帆からの指示により、それぞれデータ分析、その結果を最終的に真帆が統合・分析して、ヤマトの行動指針を決定していた。

「古代候補生。アマール星までの航路上にBH199ブラックホールが存在するが、これを迂回する最短ルートを算出してくれ。」

「了解。」

二分後、美雪は分析した結果の航路図を真帆に提出した。

「う~ん。」
「古代候補生。これでは合格点はあげれないわね。」

「ただし、不合格な点数でもないわ。」
「不合格な点で云えば、この航路図では民間宇宙船では、無理なところね。」
「軍属でも巡洋艦クラス以上なら、可能かな。」

「……。」
美雪は頭の後ろに手を当て、苦笑いの表情を浮かべた。

「…折原教官。もう一度、もう一度やらせて下さい!」

「古代候補生。焦りは禁物。」
「今を受け入れる余裕を作りなさい。あと五分で休憩に入るわ。」
「少し、話ましょうか?」

「…はい。」
真帆の言葉に目頭を少し、潤ませる美雪だった。

五分後、休憩に入った美雪と真帆は艦に備わるラウンジに赴き、真帆が切り出した世間話に、美雪は耳を傾けた。

「折原教官。」

「美雪さん。休憩中とかは真帆でいいよ。」
美雪は、その言葉に笑顔を浮かべた。

「そう。その笑顔を忘れないでね。」
「笑顔を作れる余裕を心にね。」

「はい。」

その時であった訓練艦雪風は、大きな爆発と大きな揺れに襲われた。

「きゃぁぁぁー!」という声と共に、二人は床に投げ出された。
同時に警戒アラートが艦内に響き渡った。
美雪と真帆は休憩を切り上げ、部署に戻ろうとした。
だが二人は、その足を止めた。
警戒アラートの音は小さく絞られ、全艦内に通達用艦内放送が流れた。

「訓練艦雪風のクルーの諸君。」
「艦長の山城だ。」
「本艦は現時点を持って訓練航海を終了する。」

「艦長。山城は現時点を持って更迭、全指揮権は、この私が掌握した。」

艦長山城の通達と入れ替わるように、何者かによる通達に変わった。

「私は地球連邦政府に所属していたエリカ・沢崎である。」
「クルーの諸君。君らはたった今から人質である。」
「静かに私の指示に従って頂く。」
「抵抗ある場合、艦長山城を射殺する。」
「諸君の理解と協力に期待する!」
「これより、私の部下に従って頂く!」

「何がどうなったの?」と美雪と真帆はお互いの顔を見詰めた。
一つ解っている事は、ブリッジが占拠された事。

「連邦政府の監察官がテロを企てたのか?…」美雪と真帆の脳裏に同じ言葉が浮かんだ。
二人は以心伝心したかのように、互いの眼を見詰めた。

「ニッ。」と美雪も真帆も何かを企んだような顔を覗かせた。
二人はバーカウンター内に入り、物色した。
現在、長期訓練航海の為、民間人の乗艦者は居ないが、普段の訓練航海時には、このラウンジには民間人のウエイトレスと簡単な料理を提供するキッチンスタッフが乗艦する。
これは、たとえ訓練生とは言え、息抜きの時間は必要であることから、娯楽の一環として取り入れられたものである。
現に軍の施設には民間のサービス業関係者が運営する施設が、置かれている。
美雪と真帆は着用していた制服を脱ぎ、バーカウンターの奥に隠し、代わりにクリーニングされたウエイトレスの制服を着用した。
民間人に成り済ましたのだ。




宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ
ーyamato2223ー

第一話


美雪と真帆はバーカウンターの下に隠れ、メニュー用タブレットで、監察官=エリカ・沢崎を検索した。

「あった!」
「やっぱりエリートね。」

【エリカ・沢崎】

冥王星圏:第十一惑星出身。
身長168センチ。スリーサイズはB86・W55・H88。
25歳。独身。

髪は栗毛のセミロングヘアで肩くらいの長さ。
防衛大学卒業と同時に連邦防衛軍中央司令部に配属。
配属と同時にアマール星先見大使の一人として任命、アマールの月に地球人の受け入れに一役買った経歴を持つ。
地球に帰還後、第一次移民船団副団長に任命され、SUS連合の強襲に遭遇するも、辛うじて強襲を逃れた三億の人類と共にアマールの月に到達。
到達後、大使として地球人を管理した。

「凄い経歴ですね。」と美雪が口を開いた時であった、全艦クルーを拘束しているエリカの部下たちが、ラウンジ内を捜索する為、入室してきたのだ。

「シッ!」とっさに真帆は美雪の口元に人差し指を当てた。
眼を「ぱちくり」させる美雪。
真帆は検索を止め、履歴を全て"ゴミ箱へ"、飲食メニューに戻し、再起動させた。

起動音が鳴った。

「そこで何をしている!」バーカウンターの下を覗き込んだ部下の一人が、アサルトライフルの銃口を美雪たちに向け、「出ろ!」言わんばかり手招きするような仕草を見せた。

美雪と真帆は怯える素振りを見せながら、ゆっくりとバーカウンターの下から出た。
上から下まで、舐めるように二人を見ると、両手を頭の上に当てさせ、「民間人か?」と尋ねて来た。

「はい。」と二人、揃って返事した。

「怪しいな。民間人が何で軍艦に乗艦している?」
一人の部下が口を開いた。

二人が答える前に、もう一人の部下が、告げた。

「軍艦とは言え、戦地じゃない通常訓練時とかは娯楽の一つとして、ラウンジ等には民間人が配置されるんだよ。」
「俺は軍に居たから解ってたけどな。」
「でも、調理用器具とか隠し持ってないか調べさせて貰うよ。」

そう言うと、その部下は美雪の身体から、軽く叩くように制服の上から調べた。
「よし。次はお前だ。」
美雪同様に真帆を調べた。
「こっちもよし。」
「民間人のお前たちには気の毒だが、運が悪かったと、諦めんだな。」
「二人共、後ろを向け。」
そう言って後ろを向かすと、胸のポケットから荷造り用のプラスチック製の細いバンドを何本か取り出し、簡易的な手錠を作り、拘束した。


第二話へ
つづく。

~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。