鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第五話②

2020-03-12 21:00:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

艦長山城の具申を聞き入れたエリカは、その艦長に部下を纏めさせ、格納庫へと急いだ。
浜田、桜塚、江川の三名は艦長山城の部下で浜田中佐は山城の右腕的存在の船務長上級士官である。
桜塚はレーダー・通信を担当する船務科の士官で階級は少佐、同じ階級で少佐の
江川は砲術科の士官だ。
エリカ・沢崎監察官の計画を聞かされ、艦長山城同様に賛同した。

そう。この訓練艦:雪風は、この計画段階から既に乗っ取られていたのだ。
エリカにとって誤算だった事は真帆の乗艦であった。
本当なら解析・分析科の教官士官は真帆ではなく、訓練航海二日前、自身が運転する車で起こしてしまった交通事故により入院し、計画に賛同した士官が乗艦するはずだった。
事故が二日前という事もあり急遽、真帆が後任に当たる事に成った。

「お二人とも、運が良いわね。」
「クルーたちを見捨て、監禁場所から抜け出したお陰で爆死せずに済んだのだからな。」
「あと30分もすれば、"BOOM"で救援に赴いクルーも残されたクルーも、お陀仏だもの。」エリカは軽く握った拳を「パッ」と開くジェスチャーを交えて告げた。
真帆も美雪も「ギロッ」とエリカを睨み付けた。

「あ~ら。怖い。」
「まぁ。いいわ。江川。お二人を一番奥の座席に拘束しておいて。」

「発艦します。」桜塚が告げた。




訓練艦:雪風の艦底部ハッチが後方へスライド、固定ハンガーから切り離され、救援艇が発艦した。


「訓練艦:雪風より救援艇が発艦!」
「救難シグナルを灯火!」

「主砲。撃ち方止め!」



「これより、訓練艦:雪風に急行する。」

「桜井。先行する哨戒艦:鹿嶋に連絡。」
「そのまま、雪風に乗り込み、囚われたクルーたちを救援せよ。」

「了解。」


宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ

ーyamato2223ー

第五話②




救命艇が離脱して10分が過ぎ、哨戒艦:鹿嶋は訓練艦:雪風に接岸、アスワット隊が突入した。

「しかし奴ら、何で急に人質のクルーたちを解放したんでしょうね?」隊員一人、入間が乗艦して直ぐに口を開いた。

「さぁな。移動するのに団体じゃ時間が掛かるからな。」
「逃げれるのに逃げれなかったじゃ。意味無いだろ!?」

「まぁ。確かに。」

「…ん!」
会話を終え、人質にされたクルーたちの救出を急ごうとした時、ミハエルは「ふと」頭に浮かぶものがあった。
「さぁな。移動するのに団体じゃ時間が掛かるからな。」時間が掛かる…」

「くっ。」
「お前ら!時間が無い!急げ!」

「えっ!?いきなりどうしたんですか?隊長。」

「人質のクルーを探しながら説明してやる!」

「は、はい。」

隊長のミハエルは、こう説明した。

「入間。時間が掛かるからと思ったが、そうじゃない。」
「時間が掛かるなら、わざわざ訓練艦を棄てて、足の遅い救命艇で逃げる必要はない。
訓練艦の機関部は何処も壊れちゃいない。
確かに艦(ふね)には爆発して穴は開いてるが、全くと言っていいほど、航行に支障はない場所た。
急いで逃げるなら、この訓練艦で逃げるだろ?」

「…確かに。」

「でも、奴らは訓練艦を棄てた。
それは、訓練艦も人質のクルーも必要が無くなったからだ!」

「もし、お前ならどうする?」

「自分なら処分します。」
「あっ!」

「解ったか。」
「奴らは訓練艦も人質のクルーも処分するつもりだって事だ!
いっぺんに"方を付ける"なら沈めるのが、手っ取り早い!
「そして、救出に来た者たちも方を付けれる一石二鳥って事だ!」

「…急がないと爆発する!」

「そう言う事だ!」

自爆装着が作動する5分前に協力しあいながら人質のクルーたちは、拘束を解く事が出来た。
この事が脱出時間を短縮に繋がった。
人質だったクルーたちは、アスワット隊と共に哨戒艦:鹿嶋に脱出する事に成功した。
爆発、沈没してゆく訓練艦:雪風を挙手の敬礼で見送り、ヤマトへ帰投した。

「これより、ヤマトは救命艇を追走する。」
「おそらく、目的地はアマールの月=ディアナだ。」
「総員。民間人が居る事に配慮し、作戦遂行に当たって欲しい!以上だ。」







「あらあら、宇宙戦艦ヤマトのお出ましですか。」
「まぁ。いいわ。相手に不足はないから。」


第六話へ
つづく。


~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。