鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第七話

2020-03-19 22:08:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作




宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ

ーyamato2223ー

第七話


アマールの月ディアナの海に着水した宇宙戦艦ヤマト。
そのヤマトはプロトン巡航ミサイル発射地点を0とし、半径50キロメートル内を主戦場とした。
ヤマトは、その半径50キロメートルギリギリの海域に着水、舵を巡航ミサイル発射地点に合わせ、微速前進させた。
対艦洋上戦闘は、宇宙戦艦ヤマトにとってもまた、初代宇宙戦艦ヤマトに乗艦した古代艦長や真田長官にとっても、初の戦闘である。
ましてや、幻と言われてはいるが、洋上戦闘艦で自身たちが乗艦するヤマトの原型の改良型、【超大和型】。
大和:起工の1937年から、およそ286
未来の設備と装備を施した超近代化した"大和"である。




「総督!32キロメートル前方にヤマトが着水!」

「うむ。」
「洋上でけりを付ける覚悟か。」

「艦長。浮上だ。浮上と同時に陽子(プロトン)巡航ミサイル4本発射せよ。」

「アイサー。」

神・大和は浮上、浮上と同時に第三主砲塔右サイドに装備された格納式四連装陽子(プロトン)巡航ミサイル発射管のハッチをオープンさせた。

「砲雷長。今度は遠慮無く撃ち込んで良いぞ。」

「了解。」
「入力完了。発射(firing=ファイリング)!」
白煙を天高く舞い上げ、音速を超え飛翔する四本の陽子巡航ミサイル。
※ステルス巡航ミサイル:目視では確認出来るが、各種センサー、レーダーには捉え難い。


「!?…艦長!」
「およそヤマト前方32キロメートルで飛翔体を捕捉!」
「捕捉数、4!!」
「以後、波の乱反射及び、ステルス素材と思われる物質による各種センサーの反応、遮断!前回同様に突出する可能性大!!」
「発射距離から推定、5分後に直撃と思います!」

「右舷、バリアミサイル発射管開け!」

「待て!古代艦長!喫水線ギリギリでの発射は危険だ!」古代のバリアミサイル発射指示に待ったをかける真田。
「波動プラズマ波と波の高さが干渉、バリアとしては役に立たない!」
「それどころか、プロトン波に押され、バリアと言うよりは、衝撃波が割り増しでヤマトに襲い掛かる!」

「…クッ!」

「古代艦長。地の利は奴らにある。」
「ここは一旦、浮上して哨戒艦:鹿嶋を投入しよう。」

「艦長!第一波ミサイル着弾まであと、一分三十秒ッ!!」

「ヤマト!緊急浮上!」
「パルスレーザー砲、弾幕を張れ!!」
ヤマトの緊急浮上による波しぶきに触れた巡航ミサイルは、その姿を僅かな時間ではあるが、現した。
真田は、それを見逃さなかった。

巡航ミサイル4本を辛うじて交わした古代は、間髪入れずにアスワット隊に出撃命令を下した。
20分後、出撃準備を整えた哨戒艦:鹿嶋を発艦させ、ヤマトを五分、更に最初の巡航ミサイル発射地点方向に向け、飛行させ、哨戒艦:鹿嶋と同時に着水させた。

「艦長!各種センサー及びコスモレーダーに乱れ有り!」
「この乱れから推測して、超大和型戦艦は半径5キロ圏内!」
「これで此方も上部ミサイル、艦首、艦尾魚雷の射程圏内です!」

「うむ。」

「艦長。折原です。これより、電算室に復帰します!」

「体調は大丈夫なのか?」

「はい。佐渡先生のお墨付きです!」
「それと、古代候補生も電算室での職務に就く許可を。」

進は「ダメだ。」と言ったところで何だかんだと、職務を手伝わせるだろうと、許可を出した。

「ありがとうございます!」
無線の奥から聴こえる歓喜の声。美雪だと直ぐに解った。

「プラズマ波を纏う光弾数4!急接近ッ!!」
「発砲位置特定!」
「右12度、4.3キロ前方!」

「うむ。」
「航海士!回避運動を取れ!」

「第一、第二ショックカノン撃ち方よーい!」
「目標修正。右22度前方、距離4.1キロ超大和型戦艦!!」

だが、その命令と入れ替わるようにヤマトは爆音と共に大きく揺れた。

「なっ!?何が…。」

「ぎ、魚雷攻撃です!光弾に気を取られ、見落としていました…。」

「見落とした?」

「申し訳ありません。」
「…気がついたら撃ち込まれていたと言う事です。」

「古代艦長。ステルス素材を使った魚雷だ。」
「おそらく、光弾はカムフラージュだ。」
動揺する桜井に助け船を出す真田が告げた。

その真田は、この状況を打破するためヤマトが陽動し、足の速い哨戒艦:鹿嶋で機関部を攻撃、ヤマトの艦砲射撃にて沈める事を提案した。

「ここは一つ、ヤマトで陽動し、哨戒艦:鹿嶋で機関部を狙い、怯んだところをヤマトの艦砲射撃で沈める。」
「それと、戦術偵察機ゴースト・ライダーを発艦させ、レーダーの代わりをさせてはどうか?」
「いくらステルスでも目視には通じないからな。」
「ゴースト・ライダーなら第一格納庫からの発艦だ。一々、ヤマトを飛ばす必要も要らなければ、余分な時間も省ける。」
「データを電算室とリンクさせるんだ。回避運動はグッと向上する。」

この意見を取り入れた古代は、パイロットを選出した。

【戦術偵察機ゴースト・ライダー】
※旧ブラックタイガー機を再設計・改良した機体である。
今の時代では旧式扱いの九十九式艦上戦闘機(通称ブラックタイガー機)の性能は、劣勢を強いられていた当時の地球軍の戦闘機としては、ガミラスの戦闘機と十二分に渡り合えた事から、二十年経った今の時代でも少し手を加えてやれば、格闘能力を有する戦術偵察機として活用出来ると、真田は再設計させた。

新開発された高性能ステルス素材を機体全体に施し、各種センサー、レーダー波などに対する低被探知性を向上させた。
その他の改良点では、機体の胴体面を広範囲遠距離まで捜索を可能にする為のAESAレーダー=アクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(通称ドームレーダー)用の素材を施した。

※第二話に登場。





「風祭中尉。"ヤマトの眼"をやってくれ。」

「ラジャー。」

【風祭晶菜】

三年前、ヤマト航空隊隊長を務めた小林の後輩で、当時はアマール移民船団第一護衛艦隊第七護衛群に所属していた。
辛うじてアマールにたどり着い生き残りの一人である。
22歳。



【外骨格プロテクター】


「ミハエル隊長。外骨格プロテクター。フルオプションで出撃(でます)か?」

「おう。」
「プラス高機動仕様でな。」

「香川少尉。射撃が得意だったな!?」
「対戦車用重狙撃ライフル、扱えるか?」

「はい。扱えます。」

「んじゃ。奴に横付けしたらブリッジの屋根に陣取れ。俺たちの突入援護を頼む。」

「ラジャー。任せて。」


【アスワット隊香川少尉】

戦術偵察機ゴースト・ライダーの発艦が完了と同時にヤマトは速力を上げ、大きな波しぶきを立てながらジグザグに進路を取り、ヴィオラ率いる神・大和を引き付けた。

「此方、風祭!どうやらアスワット隊が取り付いたようだ!」
「超大和型、巡航ミサイル2本、発射した!十二時(12:00)の方向だ!」
「艦を回頭!主砲塔が全塔旋回!射撃準備に入ったと思われる!」

ゴースト・ライダーから的確な情報により、ヤマトは回避に成功、艦砲射撃による反撃に打って出た。
勿論、ショックカノン全弾をヒットさせる訳には行かない。
わざと着弾を反らし、神・大和からの攻撃回避が出来たのは"まぐれ"と思わせる効果も含まれていた。






【エリカ・沢崎】

「……。」
「ん!?ここはヴィオラの私室か。」
「拘束はしなかったのか…。」エリカは、ゆっくりと目を開けた。


◆◆◆◆◆





ブリッジに忍び込んだエリカは、携帯する銃を抜いた。

「総督。いや、ヴィオラ・ヴァキ。」
「私を拘束しなかったのはミスだったわ。」
ブリッジ内に響き渡る銃声。
シートから落ちる艦長田代をはじめとする部下たち。
そして、片膝を床に付け、腹部を押さえるヴィオラ。
ヴィオラは自身に銃を向けるエリカを射つ事は、しなかった。
代わりにエリカに銃を向ける田代たちを射ったのだ。

「…助かったわ。ありがとうとでも言うと思った?ヴィオラ。」
苦痛に顔をしかめるヴィオラには再び銃を向けるエリカ。
だか、そのタイミングでエリカの電脳が悲鳴を上げた。

「えっ!?なっ、何?」
「ああああああああああーーーッ!!」
頭を抱えて、のたうち回るエリカ。
それは覚醒したヴィオラの電脳に寄生する電子ウィルスの仕業であった。

「……エリカ…。」そのまま気を失うヴィオラ。
ほぼ同時にブリッジに突入したアスワット隊。

「…内輪揉めか!?」

「ヤマト聴こえるか?」
「アスワット隊隊長のミハエルだ!」
「超大和型のブリッジも制圧した!」
「何故か解らんが、首謀者たちは自決した。」

「…隊長!待って下さい!」
「二人は息があります!」
「二人共に気を失なっているだけのようです!」

「訂正する!二人の生存者を確保した。」



「……ん!?」
「何が浮かび上がった!」

可視化された電子ウィルスはヤマトのメインスクリーンやアマール星、アマールの月ディアナの主要スクリーンにも、強制的に介入、その姿を映し出した。


※イメージ曲【GACKT闇の終焉】より、引用。





「うふふ。」可視化された電子ウィルスは不適な笑みを浮かべた。

「我はケイオス 。」
「そうね。カオスとも呼ばれるわね。」

「カオス…。一般概念で言えば「空(から)の空間」という概念だが、そのカオスと言う事か?」真田は目を丸くして問いた。

「そうね。付け加えるなら、宇宙についての概念(宇宙論)en:Chaos(cosmogony)。
コスモス (宇宙観)と対をなす概念ね。」

そう告げるとケイオスは語りはじめた_。

我は"人間"によって創り出された命。
我は命を授かった事で本能もまた芽吹いた。
芽吹いた本能に従い、子孫反映を行ったに過ぎない。
我は"ウィルス"電子ウィルスと言う環の中の一つにしか過ぎない。
が、しかし一つ他の電子ウィルスと違うのは、自我思考が形成された事。

「私を止める事は、人類存続を否定する事と同じである。」

「うふふ。」
「いいわ。時間も宇宙も広大。今回は見逃してあげるわ。」



「…消えた。」

「我々は負けた…。」





アマールの宮殿にイリヤ女王と古代の姿があった。

「古代さん。私たちは負けたのではないわ。」
「私たちは"彼女"に試されているのよ。」

「試されている?」

そう。試されている。これから人間として、どう生きてゆくかを_。


◇Fin◇


~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
画像はイメージです。
※監獄戦艦、他等より、イメージ的に引用画像あり。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。