鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第二話

2020-03-02 07:31:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

拘束された美雪と真帆は一般クルー用の食堂に入室させられた。

「えっ!?」
「おり…」拘束された中のクルーの一人が、まったく何時もの厳しさのある折原真帆の教官と、その可愛いデザインから、女子のクルーからも人気の高いウエイトレスの制服を着た真帆のギャップに、思わず「折原教官。」と声を掛けてしまいそうな程であったが、飛ばされたウインクに慌てて、言葉を濁した。

「騒ぐな!」「おりがどうした?」

「あっ。いえ、檻に閉じ込めら気分です。」

頭にはティアラを模造したカチューシャ。
前屈姿勢をすれば、お尻が見えそうなくらいの丈の短いフレアスカートに、背中が開いたレースのフリルが施された黒を基調にしたビスチェタイプのエプロン。
白いニイハイタイツに靴先の丸み掛かった白と黒のコンビカラーで踵高10センチはあるだろうのショートブーツ。
カウスボタンで止めた袖口部分だけのスリーブ。
その姿を見れば、驚かない方が不思議だ。
マジマジと観られる二人は顔を紅く染めた。




宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ
ーyamato2223ー

第二話


宣戦布告とも受け取れるエリカ・沢崎監察官の動画は超空間通信によって、地球連邦政府並びに防衛軍中央司令部と新たに設立された恒星間連邦に所属する星間国家にも届いていた_。

「私は地球連邦政府に所属していた監察官エリカ・沢崎。」
「地球連邦政府並びに防衛軍中央司令部それと、新たに設立された恒星間連邦星間国家の諸君に告ぐ!」
「我々は幾度となく、異星から侵攻、侵略に晒されて来た!」
「何時、異星国家から襲われるか解らない不安な暮らしに、もう、うんざりである!」
「私は、そんな暮らしから解放される事を切に願い、同志を集めた。」
「そして機は熟した!」
「ここに映るアマールの月を我々の母星と決めた!」
「我々は、地球連邦政府並びに防衛軍中央からの独立自治権を要求する!」
「24時間後に返事を聞かせて貰う。」


その超空間映像通信を観た真田長官は、休暇中の宇宙戦艦ヤマト艦長古代を呼び出した。

20分後、真田のもとを訪れた古代は、そこで今回の事件を知った。

「休暇中の呼び出し、済まなかったな。古代。」
「これを見てくれ。」
挨拶もそこそこに、唐突にタブレットを見せられた古代。
そこには先ほど、宣戦布告とも受け取れるエリカ・沢崎の演説が映し出されていた。
一通り、見終えた古代だったが、最後に映り込んだ美雪と折原に目が行った。

「…これって、最後に映り込んでいるのは美雪と折原ですよね!?」

「古代も、そう思うか?」

「はい。間違いなく美雪です。」
「しかし、何故、美雪や折原が民間人のそれもウエイトレスの格好を?」

「それなんだが、私もはじめは、ん!?と思ったのだが、美雪ちゃんや折原は何かを感じ、とっさにこれを思いついたと、私は推測している。」
「問題はこの格好ではなく、訓練艦雪風奪取され、美雪ちゃんや折原を含め、100名の人質が居ると言う事だ。」

「政府高官の中には、特殊部隊を派遣して、制圧すれば良いのでは?と意見も出ている。」
「特殊部隊の派遣には私も反対はしない。」
「だが、少なからず犠牲者は出てしまうだろう。」
「多少の犠牲も、やむ無しの声も「ちらほら」とある。」
「今は、もう少し様子を伺い、策を講じるべきと、留まるように話をしている。」

「そこで、自分にヤマトで出ろと。」

「いや、ヤマトで接近すればバレるのが早い。」
「ヤマトは出すには出すが、ここまでだ。」

「この小惑星郡までですか?」

「そうだ。その小惑星郡までだ。原始惑星の流星郡の環の中にヤマトを停泊させ、これをカムフラージュし、人質奪還に向けての拠点とする。」
「その位置ならば訓練艦雪風の広域レーダーには、引っ掛からない。」
「それと、私も政府専用船でアマールへ赴く。」

「解りました。」

「では、古代。三時間後、中央宇宙港で。」

真田は古代が退室すると、今では右腕的な存在にまで成った島次郎を呼んだ。

「島本部長。私の留守中、地球を頼む。」

「解りました。」

【島 次郎】

旧地球連邦移民船団本部長。
現在30歳。
ディンギル帝国戦役で、惜しくも戦死した島大介の弟。
現在、中央司令部の本部長に就任、真田の右腕的存在に成るまでに。

ー三時間後:中央宇宙港ー

一隻の政府専用船と整備を終え、出航の時を待つ宇宙戦艦ヤマトが、並んでいる。
政府専用船はヤマトの三分の一くらいの大きさだ。
勿論、非武装で建造されている。
その為、移動時には最低でも二隻の護衛艦が随行する。
だが、今回、ヤマトが随行する形となり、護衛艦は無しと成った。
この決断が後々、困難を招く事と成る。

こうして、宇宙戦艦ヤマトは新たな任務遂行の為、出航した。


真田の乗せた政府専用船と宇宙戦艦ヤマトは、火星軌道に乗ったところでワープに入った。
ヤマトより跳躍距離が短い政府専用船に合わせたワープと成った。
ワープが開け、土星圏に到達した二隻は身を隠すように土星の環へと舵をきった。

「古代艦長。専用船から停船信号です。」

「うむ。」

「続いて、古代艦長へ専用船へ出向け。との事です。」

「うむ。桜井。了解したと返信せよ。」



ヤマトも信号灯による返信をした。

三分後、古代は旧ブラックタイガー機を再設計・改良した九十九式改・戦術偵察機ゴースト・ライダーに搭乗、専用船へと赴いた。

今の時代では旧式扱いの九十九式艦上戦闘機(通称ブラックタイガー機)の性能は、劣勢を強いられていた当時の地球軍の戦闘機としては、ガミラスの戦闘機と十二分に渡り合えた事から、二十年経った今の時代でも少し手を加えてやれば、格闘能力を有する戦術偵察機として活用出来ると、真田は再設計させた。

新開発された高性能ステルス素材を機体全体に施し、各種センサー、レーダー波などに対する低被探知性を向上させた。
その他の改良点では、機体の胴体面を広範囲遠距離まで捜索を可能にする為のAESAレーダー=アクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(通称ドームレーダー)用の素材を施した。

また、今回の作戦に伴い、ヤマトに新たに三胴型高機動哨戒艦:鹿嶋を搭載していた。
例えるなら、海洋生物であるエイを三つ折りにして、しっぽ側を艦首にした艦形である。

真田長官と対面した古代は、本作戦の説明を受けた。
だが、エリカ・沢崎監察官が示した24時間が過ぎ、地球連邦政府からの返答に納豆が行かなかった事で、エリカは山城艦長の射殺を命じた。
これによって事態は、深刻化を増した。

「……解った。」
「島本部長。本来なら私が記者会見を行うのが、筋ではあるが今から地球へ戻る訳には行かない。」
「島本部長には苦労を掛けるが、記者会見を頼む。」
「それと、次の交渉通信は私のところへダイレクトで繋がるように手配してくれ。」

手短に真田は超空間通信を済ませたが、真田がアマール星へ赴いている事が、エリカ・沢崎監察官に知れる事と成った。
山城艦長射殺は無いと考えていた真田にとっては、かなりの誤算だ。
真田は交渉しながら距離を詰めれると考えていたからだ。

「…真田さん。彼女があそこまで強気なのは、後ろ楯してくれる人物が居るのでは?」

「後ろ楯!?」
「さらに上の人間が居ると?」

「はい。地球連邦政府又は軍の上層部に糸を引いている者が、居るのではと。」

真田は右手を軽く握り顎にあてがい、考え込んだ。
そのタイミングでダイレクトコールが入る。

「連邦政府長官ともあろう方が、お粗末だな。」
「私は有言実行タイプなのでな。24時間後と言ったら24時間後に、行動する。」

「エリカ監察官。君も中央司令部に居た事があるなら、解るはずだ。
「いくら長官でも、全てを独断で決定する事は出来ない事を。」
「人命に関わる事案を僅か24時間で、左右出来るものではない。」
「アマール星の月は我々、地球連邦政府の管轄ではない!」
「イリヤ女王に状況を話、対談に応じて貰って、はじめて決断に至る。」
「だからこそ私は、こうしてアマール星へ赴いている。」
「現在、土星圏に到達した。ワープを重ねれば、あと六日ほどでアマールに到達する。

「ならば、超空間映像通信を利用して、話を纏めれば良かろう。」
「タイムラグを考慮しても、あと3日がリミットだ。」
「良き返事を期待するわ。真田長官。」

そこで通信は切れてしまう。

「真田さん。こうなったらヤマトで向かいましょう!」
「とりあえず、例の流星郡までなら3日、ギリギリですが到達可能です!」
「勝負はそこからです!真田さん!」
「3日あれば最善の方法が見つかるかも知れませ!」

「…解った。古代艦長。ヤマトのみで向かおう。」

こうしてヤマト単艦での仕切り直しと成った。


【三胴型高機動哨戒艦:鹿嶋】

満水排水量:1500トン

全長:92m
全幅:21m

兵装
76mm陽電子速射砲1門
20mm近接防御火器システム×1基

搭載数:1機

最大速力:35宇宙ノット


第三話へ
つづく。


~あとがき~


この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。