鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第三話

2020-03-03 23:16:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ
ーyamato2223ー

第三話




波の音が聴こえる。
海辺の近くなのか?洋上なのか?
ふかふかなシートに身体ごと沈め…

「う~ん。そうですか。」
「では少し、お相手して差し上げましょうかね。
「エリカ(貴女)は、そのままでいればいい。」
超空間通信で指示を伝えるかのように、彼女ヴィラオ・ヴァギと訓練艦雪風を占拠したエリカは、電脳による言葉を交わしていた。

【ヴィラオ・ヴァギ】

褐色の肌に金色の長い髪。
スラッと伸びた手足。
十代後半から二十代前半。
モデルのような体型。ピンクのビスチェと白いニイハイのタイツ。
白いロンググローブ。
ゴールドを基調とし宝石を散りばめた踵高が10センチくらいのピンヒール。
腰には白いレースのロングパレオ。
元々はアマールの臣民で、イリヤ女王の近衛兵団に所属し、小隊長を勤めていた。
剣術はパスカル近衛兵団長より上の腕前を持つ。
三年前、SUS軍の侵略を阻止せんと、臣民を守る為、市内で陸戦に参戦、負傷により、身体の一部を義体化。
それをきっかけに電脳化を施し、近衛兵団を抜ける。
二年前、エリカ・沢崎と出逢い、互いに何かに引かれるものを感じ、アマールの月の独立自治権を企てた。
現在、「デス・ソウル・フリート=死神の革命隊」のリーダー。

今、地球では義体化を推奨する方向へ舵を切りつつあった。
それは、これまで幾度となく地球人類は死滅の危機に晒されて来た。
それは地球に人類が誕生してから続く、地球人類どうしの争いを除けば、20年前のガミラスによる侵攻からはじまった。
ガミラスが墜とす遊星爆弾によって地球人類の半数近い、尊い命が奪われ、その一年後には白色彗星帝国ガトランティスの襲来、暗黒星団帝国による地球侵略と続き、地球人類は更に人口を減らした。
そして、宇宙戦艦ヤマトが惑星アクエリアスから降り注ぐ超巨大な水柱に沈んでから17年、平和の日々が続き、地球人類も漸く、ガミラス戦役前までとは云わないが、増え続けていた。
だが、突如、出現したカスケード・ブラックホールによる危機から逃れる為、移民しようとした矢先、SUS連合により殺戮で地球人類は再び、人口減少、滅びの序章がはじまった。
その為、地球連邦政府は苦肉の策として、人口減少を食い止める手段として、偽体化を取り入れたのだ。
地球より、科学力や医学が進むアマールをはじめとする異星国家から、その技術を取り入れる事にした。
アマールをはじめとする異星国家と親交を深めた理由(わけ)には、もう一つ理由があった。
地球人類の種の保存と繁栄である。
それは、異星国家の種族と交わる事で少なくとも現在、親交を深めた異星国家は4国家もある。
地球人類の遺伝子と言う種は、残せる確率が高いと考えたからだ。


種を残すだけを考えれば、やり方の良し悪しは別にして、ヴィラオ・ヴァギの企てた事はまんざら間違いとは云えない。
そのヴィラオ・ヴァギは地球連邦政府並びに防衛軍に対し、第二手目を打って来たのだ。
アマールの月をドミネーター(支配)したのだ。
支配と云っても、武力による弾圧的に行った訳ではなく、ウィルスが蔓延し、街中がパニックを起こすように仕掛けたのだ。

ヴィラオ・ヴァギは先ず、メガテクノポリス=街中の交通網をドミネーション(掌握)した。
手始めに街中の信号機を掌握、交通麻痺を起こした。
次に自動運転による車や列車を意のままにコントロールした。

アマールの月は現在、ほぼ地球人類の月と云っても過言ではない。
地球人自治区とアマール人自治区の二つが存在するが、三分の二は地球人自治区化していた。

「ウフフ。」
「先ずは疑心暗鬼って奴を蔓延させましょうかね。」ヴィラオ・ヴァギは不適な笑みを浮かべ、悪戯に交通網を意のままにコントロールした。





「古代艦長。お久しぶりですね。」
「真田長官も。」

「此方に向かっているようですが、地球で何があったのです?」
「アマールの臣民にも、あの彼女の演説が知れています。」
「今のところ"デマ"かも知れません。と伝え、大きな混乱には成っておりませんが…。」

「イリヤ女王。騒ぎの全責任は私にあります。」
「ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ない。」ヤマトに同乗する真田は謝罪した。
その上で、こう切り出した。

「イリヤ女王。誠に申し訳ないですが、このような騒動が発生してしまった事に、地球連邦政府長官が謝罪に訪問する事をお伝え願いたい。」

「それは構いませんが、本当に地球で何が起こっているのです?」
「それを聞かない事には、アマールの臣民たちにも、納得させられません。」

真田は恥を忍んで、全てをを打ち明けた。

「…そのような事が、あったのですね。」
「それで、鎮圧の目処は?」
そう訪ねた時であった、伝令による重大事案を知った。

「……。」
「…今、何と?」
伝令とのやり取りが、映像通信を通し、真田や古代、ヤマト第一艦橋のクルーたちにも伝わっていた。
取り乱すイリヤ女王に古代が声を掛けた。

「イリヤ女王。どうされました?」

「……通信中、失礼致しました。」
「たった今、伝令からの話では、アマールの月=ディアナで突如、交通網が麻痺したとの事です。」
「一度、この通信を切らせて頂きたく思います。」
「続きは対面した時にでも。」
イリヤ女王の言葉を最後に、この通信は切れてしまった。
古代は無言で真田を見た。
「コクリ。」と頷く真田。
古代はヤマトをワープさせた。


「さて、ここに閉じ込められた皆さんには、私たちに協力して頂きたい。」
30人近くのクルーが拘束されている中、真帆は話はじめた。

「もう、ここに居る皆さんは私と候補生の古代がウエイトレスの格好している事で、何がを企んでいると察しがついていると思う。」
「私と候補生の古代は救助を呼ぶ為、一度この食堂から脱け出し、出来れば武器を調達しようと思ってます。」
「そこで、私たちが脱け出している事を知られないようにして欲しい。」
そう云って真帆はクルリと回り、全員を見渡した。
そして、美雪に耳打ちした。

「私のビスチェのバストカップの中のワイヤーを抜いて私に渡して。」

真帆は美雪にしゃがむように指示、自身もしゃがみバストカップの縁に口を当てるように指示した。

「その縁を歯で引っ張って破って。」

バストカップの縁を歯で噛むと力任せに引っ張った。
バストカップの縁を破いたが、勢いもあったせいか、真帆の乳房も「ポロリ」としてしまう。
「きゃ……。」思わず声が漏れてしまう真帆。
真帆は赤面しならが、目線を向ける男子クルーを睨んだ。
美雪は歯を使いバストカップからワイヤーを抜いた。
抜いたワイヤーを鍵穴に差し込んで、ダメ元で、こねくり回した。

「カチッ。」上手い具合に解錠する事に成功した。
真帆はビスチェの縁を唇に挟むと、美雪に少しだけドアを開けさせ、見張りが何人かを確認させた。

「見張りは居ないようだわ。」

それを聞くと真帆は、ゆっくりとドアを開き、「ウグモオル。」と発したが美雪にはさっぱりだった。
きょとんとする美雪に真帆は唇を開き、ビスチェが落ちるのも覚悟で、「すぐ戻る。」と伝えた。

「二度、見た奴は事件解決後、覚えて起きなさいよ。」と目を吊り上げ、口パクした。
下向く二度見した男子クルーたち。

真帆は食堂室を抜け出すと調理場へ向かった。
手錠はプラスチック製ならキッチンバサミで切れるだろうと、キッチンバサミを持ち出し、美雪に渡すと、背中合わせに成り、そろりそろりとキッチンバサミをプラスチック製の手錠に押し当て、切断した。
両手が自由に成った真帆は左手でビスチェを押さえ、右手でキッチンバサミを持ち、美雪のプラスチック製の手錠を切断した。

「ハサミは置いてゆくけど、私たちが失敗しないとは限らないから、反撃出来るように、ここで待機してて。」

美雪と真帆は調理場の換気ダクトに身を隠した。
身を隠した真帆は片方のニイハイタイツを脱ぎ、それをビスチェの上から巻き、ビスチェがズレないように縛った。

「これでよし。と。」

少し、屈んで進むとダクトの径が狭く成った。

「ここから先は匍匐(ほふく)前進ね。」


車のクラクション、非常アラート、人々の怒号、遮断機の故障、列車どうしの衝突、停車しない列車アマールの月=ディアナのパニックは、瞬く間に拡がった_。

「さて、次はエリカの宣戦布告の映像を配信ジャックして、再びアマールとディアナ全土に配信しますかね。」
「クックックッ。」




第四話へ
つづく。

~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。