鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

希望の継承者サーシアー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第三話

2019-08-14 19:17:48 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー希望の継承者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第三話




「ワープアウト!」
「艦内外、異常無し!」
「これより、通常航行に移行する!」
ワープアウトと同時に島が報告した。

それに被せるように、折原が告げる。

「待って下さい!」

その言葉に第一艦橋のクルーの視線は、レーダー席の座る折原に向けられた。

「タイムレーダーに反応あり!」
「三時間以内の痕跡なら、ある程度の解析が可能で、データ化出来ます!」
「コスモリバース システムの原理を応用したものです。」
「その空間や物体が持つ記憶と云うかエネルギー体(元素)から引き出す事でデータ化が可能です。」

「今、第三艦橋から解析データを送らせます。」

「驚いたな。折原が科学に精通していたとはな。」と島が云った。

「元素(エレメント)の記憶……。」古代は、そう心の中で呟いた。

「いえいえ。これは元技術長の真田さんから教わっていた事を話しただけです。」

「送られて来ました。」
「……これは…これは数値からしてかなりの大きな物体が、エンケラドゥス方向に!」
「それともう一つ!サイズ的にはヤマトクラスも同様にエンケラドゥス方向へ!」
「二つとも、自然にではなく……自身の意思でと云うか、自力で動いています!」

「推定時間は、およそ10分から45分前です。」

「うむ。」
「島、コースをエンケラドゥスへ。」
「パトロールが任務のヤマトだからな。調査に向かう。」

「コース。エンケラドゥス。ヨーソロ!」

こうしてヤマトは、タイムレーダーの解析を基に、冥王星の衛星エンケラドゥスへ向かう事と成った。

と、同時に第三艦橋タイムレーダー室から折原へダイレクトコールが、飛び込む。

「ピピン!ピピン!」

「折原レーダー長!至急、タイムレーダー室へお越し下さい!」

「何かしら?艦長。タイムレーダー室へ降ります。」
「うむ。相原通信長。折原から引き継げ。」

「了解。」



「レーダー長。これを見て下さい。」
タイムレーダー士から指されたパネルモニターを覗き込む折原は一度、顔を上げ、データを解析しはじめた。



「推定時間は?」

「はい。推定時間、およそ今から60分から90分前です。」

「………。」
折原は首をかしげて、腑に落ちない様子を覗かせていた。


それは、およそ90分前・・・


質量が太陽の三十倍はある惑星が、徐々に赤く染められてゆく。
やがてその惑星は、赤色巨星の段階を経て、白色矮星となり一生を終えた。

重力の崩壊がはじまる。
星の収縮を押し留めるものは何も無いため永久に縮み続ける。
こうしてシュバルツシルト面より小さく収縮しブラックホールが形成された。

そして、物質転送波により、強制的にワープさせた。

「……この近榜空間に質量が太陽の三十倍もの惑星は存在しない。」
「それも時空間を飛び越える事などあり得ない。」
「………。」
折原は直ぐ様、艦長 古代にコールを入れた。
折原からのダイレクトコールを受け、古代は副長に第一艦橋を預け、タイムレーダー室へ急行した。

「折原。どうした?」

「はい。艦長。」
「今、今までのデータや学習を基にA.Iが、仮説のCG映像を作っています!」
「これを見て下さい!」
折原は解析された時間映像を見せた。
食い入るように覗き込む古代。




「………。折原。これはブラックホールか!?」

「はい。質量からしてだと思います。」

「……。折原。もしこれがブラックホールだとして、この近榜空間にこれだけの質量を持った惑星は無い。」
「このブラックホールの過去を解析出来るか?」
覗き込む古代もまた、腑に落ちない。
矢継ぎ早に質問した。
「カタカタ」とコンソールを合わせ、キーボードを叩く音だけが、タイムレーダー室に響いていた。

「ここまでが限界かと思われます。」

このブラックホールの過去を解析可能な三時間前まで辿った。
十数光年彼方の宇宙空間が映し出されただけであった。

折原は僅かづつ、時間を送った。

「艦長………。これは、この小さく光る光点、……拡大します!」
パネルモニターに拡大されてゆく、謎の光点。
その光点がハッキリと浮かび上がる。

「……これは……これは、イスカンダルの宇宙船!」
その言葉に食い入るようにモニターを見詰める古代。

古代はインカムを通し、副長のあやめ・グレイスに指示を飛ばした。

「第二緊急配置を取らせろ!」

「了解!」



【あやめ・グレイス・根津久保】

地球連邦防衛軍極東管区第一太陽系パトロール群 第101パトロール艦隊ヤマト所属。
宇宙戦艦ヤマト副長。
30歳。女性。
階級:中佐
現在、独身。
南米管区出身。

170/86/58/86

左眼斜め下に小さいホクロ。
ショートカットヘア。
アヒル唇
小顔
南米日系人。(ベネズエラ人の母親を持つクォーター)
パンチラお構い無しのハイキックが得意。
ダンスが得意。
射撃は極東管区トップの成績を持つ。





「サーダ閣下!後方上空より地球戦艦急接近!」
「識別からヤマトと判断!」



「何ッ!ヤマトだと!?」
「面白い!」


第四話
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

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