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ー希望の継承者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第三話
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「ワープアウト!」
「艦内外、異常無し!」
「これより、通常航行に移行する!」
ワープアウトと同時に島が報告した。
それに被せるように、折原が告げる。
「待って下さい!」
その言葉に第一艦橋のクルーの視線は、レーダー席の座る折原に向けられた。
「タイムレーダーに反応あり!」
「三時間以内の痕跡なら、ある程度の解析が可能で、データ化出来ます!」
「コスモリバース システムの原理を応用したものです。」
「その空間や物体が持つ記憶と云うかエネルギー体(元素)から引き出す事でデータ化が可能です。」
「今、第三艦橋から解析データを送らせます。」
「驚いたな。折原が科学に精通していたとはな。」と島が云った。
「元素(エレメント)の記憶……。」古代は、そう心の中で呟いた。
「いえいえ。これは元技術長の真田さんから教わっていた事を話しただけです。」
「送られて来ました。」
「……これは…これは数値からしてかなりの大きな物体が、エンケラドゥス方向に!」
「それともう一つ!サイズ的にはヤマトクラスも同様にエンケラドゥス方向へ!」
「二つとも、自然にではなく……自身の意思でと云うか、自力で動いています!」
「推定時間は、およそ10分から45分前です。」
「うむ。」
「島、コースをエンケラドゥスへ。」
「パトロールが任務のヤマトだからな。調査に向かう。」
「コース。エンケラドゥス。ヨーソロ!」
こうしてヤマトは、タイムレーダーの解析を基に、冥王星の衛星エンケラドゥスへ向かう事と成った。
と、同時に第三艦橋タイムレーダー室から折原へダイレクトコールが、飛び込む。
「ピピン!ピピン!」
「折原レーダー長!至急、タイムレーダー室へお越し下さい!」
「何かしら?艦長。タイムレーダー室へ降ります。」
「うむ。相原通信長。折原から引き継げ。」
「了解。」
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「レーダー長。これを見て下さい。」
タイムレーダー士から指されたパネルモニターを覗き込む折原は一度、顔を上げ、データを解析しはじめた。
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「推定時間は?」
「はい。推定時間、およそ今から60分から90分前です。」
「………。」
折原は首をかしげて、腑に落ちない様子を覗かせていた。
それは、およそ90分前・・・
質量が太陽の三十倍はある惑星が、徐々に赤く染められてゆく。
やがてその惑星は、赤色巨星の段階を経て、白色矮星となり一生を終えた。
重力の崩壊がはじまる。
星の収縮を押し留めるものは何も無いため永久に縮み続ける。
こうしてシュバルツシルト面より小さく収縮しブラックホールが形成された。
そして、物質転送波により、強制的にワープさせた。
「……この近榜空間に質量が太陽の三十倍もの惑星は存在しない。」
「それも時空間を飛び越える事などあり得ない。」
「………。」
折原は直ぐ様、艦長 古代にコールを入れた。
折原からのダイレクトコールを受け、古代は副長に第一艦橋を預け、タイムレーダー室へ急行した。
「折原。どうした?」
「はい。艦長。」
「今、今までのデータや学習を基にA.Iが、仮説のCG映像を作っています!」
「これを見て下さい!」
折原は解析された時間映像を見せた。
食い入るように覗き込む古代。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/27/abaa983f0bbe90b4a0627e39bc17d7b3.jpg)
「………。折原。これはブラックホールか!?」
「はい。質量からしてだと思います。」
「……。折原。もしこれがブラックホールだとして、この近榜空間にこれだけの質量を持った惑星は無い。」
「このブラックホールの過去を解析出来るか?」
覗き込む古代もまた、腑に落ちない。
矢継ぎ早に質問した。
「カタカタ」とコンソールを合わせ、キーボードを叩く音だけが、タイムレーダー室に響いていた。
「ここまでが限界かと思われます。」
このブラックホールの過去を解析可能な三時間前まで辿った。
十数光年彼方の宇宙空間が映し出されただけであった。
折原は僅かづつ、時間を送った。
「艦長………。これは、この小さく光る光点、……拡大します!」
パネルモニターに拡大されてゆく、謎の光点。
その光点がハッキリと浮かび上がる。
「……これは……これは、イスカンダルの宇宙船!」
その言葉に食い入るようにモニターを見詰める古代。
古代はインカムを通し、副長のあやめ・グレイスに指示を飛ばした。
「第二緊急配置を取らせろ!」
「了解!」
◆
【あやめ・グレイス・根津久保】
地球連邦防衛軍極東管区第一太陽系パトロール群 第101パトロール艦隊ヤマト所属。
宇宙戦艦ヤマト副長。
30歳。女性。
階級:中佐
現在、独身。
南米管区出身。
170/86/58/86
左眼斜め下に小さいホクロ。
ショートカットヘア。
アヒル唇
小顔
南米日系人。(ベネズエラ人の母親を持つクォーター)
パンチラお構い無しのハイキックが得意。
ダンスが得意。
射撃は極東管区トップの成績を持つ。
◆
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/45/3251dcb38f069d253fe2ebc668eac652.jpg)
「サーダ閣下!後方上空より地球戦艦急接近!」
「識別からヤマトと判断!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/e1/49017ec2aa8a6d2565401386b8f1b110.jpg)
「何ッ!ヤマトだと!?」
「面白い!」
第四話へ
つづく。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。
使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。