感染症内科への道標

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咳ソウに関するガイドライン 第2版

2012-08-02 | 医療一般
日本呼吸器学会より出版、2012年5月
3000円 

満を持しての第2版、第1版で勉強になっただけに楽しみの1冊です。
院内肺炎系は正直つらいガイドラインですが、ここは呼吸器内科の本領発揮です。 

1. 咳の発生機序
・咳ソウとは、気道内に貯留した分泌物や異物を気道に排除するための生体防御反応である。
・気道壁表層の咳受容体の刺激が迷走神経を介して延髄咳中枢に伝達され咳ソウが発生する。
・気道壁表層の咳受容体の感受性亢進を介する経路と、気道平滑筋収縮による平滑筋内の知覚神経の刺激を介する経路の2つがある。

2.咳の分類と原因疾患
・咳は持続期間、喀痰の有無によって分類する。(3週間未満:急性咳ソウ、3週間以上8週間未満:遅延性咳ソウ、8週間以上慢性咳ソウ) 
・咳喘息は成人慢性咳ソウの頻度の高い原因疾患である。 

3.咳ソウ診療の原則
・重篤になりうる疾患を意識した病歴聴取と胸部X線写真の読影、喘息を除外するための病歴聴取と聴診である。A
・病歴が特に重要であり、咳の持続期間、乾性か湿性か、さらに各疾患に特徴的(特異的)な病歴を聴取する。血液・喀痰・画像検査などを可能な範囲で行う。これらから治療前診断を決定する。A
・治療前診断した疾患に特異的な治療を開始した、それで咳が改善したら診断確定とする。(治療後診断)B
・治療前診断が誤っているか他疾患の合併を考えて、再度病歴聴取、検査を行い、別の治療前診断に基づいて治療する.A
・専門医(呼吸器内科、耳鼻咽喉科、消化器内科など)への紹介、胸部CT、気管支鏡検査などを考慮する。A

4. 咳ソウ治療の原則
・咳ソウ治療は診断的治療、導入治療、維持治療から構成される。
・咳喘息には気管支拡張薬による診断的治療が有用である。B 
・咳喘息には維持療法が必要である。B
→咳喘息では数年の内に約30%が喘息を発症する。 

咳ソウ治療薬 
・可能な限り原因疾患を見極め、原因に応じた特異的治療を行うことが大切である。A 
・中枢性鎮咳薬の使用はできる限り控える. D
・咳治療にエビデンスは質、量共に十分とはいえないのが現状である。D
・咳反射を抑制する直的的治療薬(中枢神経を抑制する中枢性鎮咳薬と知覚神経に作用する薬剤)と間接的治療薬(気道炎症を抑制する薬剤など)がある。B
・喀痰の排出を容易にする去痰薬と一部の漢方薬、吸入抗コリン薬が該当する。B

主要な原因疾患 
・気道感染症に伴う咳ソウ症状を感染性咳ソウと呼ぶ。 
・感染性咳ソウは感染症によって引き起こされる炎症症状の1つであり、必ずしも微生物の存在を意味しない。 
・気道感染症は、炎症の持続期間に応じて急性気道感染症と慢性気道感染症に分類される。
・感染に伴う咳ソウは、併存する気道疾患がなければ急性もしくは遅延性咳ソウで治癒し、8週間以上続くことは稀である。
・受療率調査では外来患者10万人あたり300人が受診し、糖尿病の2倍、高血圧症の3/5の患者数である。
・感染性咳ソウには、原因微生物が病巣局所に存在する活動性感染性咳ソウと原因となった微生物が既に排除されている感染後咳ソウがある。 
・先行する感冒様症状がある。自然軽快傾向である。周囲に同様の症状の人がいる。経過中に膿性度の変化する痰がみられる。場合には感染性咳ソウを疑う.B
・咳ソウの原因検索には胸部x線写真などの検査を行い、結核の有無を確認する。C1
・集団感染予防のためには抗菌薬の絶対的、相対的適応となる百日咳、マイコプラズマ、肺炎クラミジアを疑う場合には細菌学的、血清学的検査を行う.C1
・胸痛、呼吸困難(呼吸回数24回/分以上)、腋カ体温で37.5度以上の発熱、聴診所見で呼吸音の減弱、湿性ラ音の聴取が認められたら肺炎を鑑別する。C1
・抗菌薬は、百日咳、マイコプラズマ、肺炎クラミジアを疑い場合に投与する。C1
・マクロライド系抗菌薬を第一選択薬とする。マクロライド系抗菌薬を使用できない成人では、レスピラトリーキノノン系抗菌薬を選択する.C1
・成人でもマクロライド系抗菌薬の効果が臨床的に認められない場合には、レスピラトリーキノロン系やテトラサイクリン系抗菌薬が有効である。C1
・確定診断や確定診断ができている。あるいは周囲に確定診断された患者がいれば百日咳の場合、抗菌薬投与中の5日間は隔離が必要である。マイコプラズマや肺炎クラミジアの場合にも抗菌薬の投与が終わるまで、患者はサージカルマスクをして飛マツ感染対策を実施する。B
・感染性咳ソウと診断したにも関わらず8週間以上咳ソウ症状が続く場合、非感染性咳ソウの鑑別診断を進める。C1
・不明の点が多く、マイコプラズマ感染症では一過性の気道過敏性亢進があるが咳感受性亢進はない。
・マイコプラズマ感染初期は乾性咳ソウでは夜間不眠となる場合があり、3-4週間位経過すると湿性咳ソウになる。従って急性咳ソウと遅延性咳ソウの療法の場合がある。 
・血清抗体価がペア血清で上昇した場合、単血清でも高値を示した場合にマイコプラズマによる咳ソウと診断できる。B
・マイコプラズマによる咳ソウに対する第一選択薬はマクロライド系抗菌薬であり、効果不十分の場合は、ミノサイクリン系、レスピラトリー系抗菌薬を考慮する。B
・再感染するのでマイコプラズマによる咳ソウは再発する。
・感染症発生動向調査で全国3000の小児科定点からの累積報告数では、2006年以降増加している。 

百日咳
・14日以上続く咳に「発作性の咳込み」「吸気性笛声」「咳込み後の嘔吐」のいずれか1つ以上伴っていれば臨床的に百日咳と診断できる。
・百日咳発症後4週間未満なら培養と血清診断、4週間以降なら血清診断を行う。 A
・百日咳に対するEM14日の長期療法とCAM7日間あるいはAZM3-5日間の短期療法は、臨床症状の改善及び細菌学的再発率も、長期療法と短期療法に差がなかっが、副作用は短期療法が少ない。A
・百日咳は百日咳の咳の改善効果は低いが、周囲への感染性を低下される。A

結核
・結核を疑った場合には胸部単純x線撮影を行う。C1
・結核の診断には喀痰あるいは胃液の細菌学的検査(塗マツ、培養)を行う。C1
・塗マツ陽性の場合にはPCRで結核か否かを確認する。B
・喀痰でも胃液でも細菌学的な検査が確認できない場合には、QFT検査を行う。C1
・必要に応じて気管支鏡検査を行う。C1

麻疹・水痘
・麻疹・水痘感染による咳ソウは急性咳ソウであり、呼吸器内視鏡では皮膚病変と酷似した粘膜病変がみられることがあり、全身状態の改善と共に咳ソウは消失する。 
・麻疹・水痘感染による咳ソウの診断は特徴的な皮膚所見、流行状況、血清診断であり、肺炎の有無を検査し、咳ソウの治療は非特異的な鎮咳薬を用いる。 

SBS
・SBSは、慢性・反復性の好中球性気道炎症を上気道と下気道に合併した病態と定義され、日本では慢性副鼻腔炎に慢性気管支炎、気管支拡張症、あるいはびまん性汎細気管支炎が合併した病態をいう。
・SBSは日本における慢性咳ソウの3大疾患の1つであり、咳喘息、アトピー咳ソウについて多い。
・SBSの診断には上気道と下気道における好中球性炎症を確認することが参考となる。
・SBSに対する第一選択薬は14/15員環マクロライド系抗菌薬である。B 
・SBSに対する治療の有効性の判断は、治療開始4-8週後に鼻症状と呼吸器症状で行う。B
・DPBに準じて、SBSとの診断後早期に治療を開始し、少なくとも6カ月間継続し、2年を目安に終了する。A
・SBSの併用薬としては、明確なエビデンスはないが、去痰薬であるL-カルボシステインなどが有効な場合がある。C1

咳喘息
・咳喘息は咳を唯一の症状とする喘息である。
・咳喘息の咳は夜間から早期に悪化しやすく、しばしば季節性を示す。
好酸球性気道炎症やリモデリングがみられる。
軽度の気道攣縮により咳が惹起される。 
・咳喘息の確定診断には気管支拡張症の有効性を確認する。B
・咳喘息治療は中用量以上の吸入ステロイド薬を中心に開始し、長期継続する。A

アトピー喘息
・アトピー喘息の病態は中枢気道を炎症の主座とし、気道壁表層の咳受容体感受性亢進を生理的基本病態とした非喘息性好酸球気道炎症である。 
・アトピー咳ソウの臨床像は咽喉頭のソウヨウ感を伴う乾性咳ソウを主症状とし、アトピー素因のある中年の女性に多く、咳ソウ発現の時間帯としては就寝時、深夜から早朝、起床時、早朝の順に多い。 
・アトピー性咳ソウの診断は気管支拡張薬の無効性を確認して咳喘息を否定した上で、ヒスタミンH1受容体拮抗薬やステロイド薬の有効性を評価する診断的治療に基づいて診断する。B
・アトピー咳ソウは、一般的に予後良好な疾患で喘息に移行することはない。しかし約50%で再燃を認める。 

GERD
・GERDとは胃酸や胃内容物が胃から食道に逆流することによって何らかの症状や合併症が惹起された場合をいう。
・GERDに伴う慢性咳ソウは米国では増加、我が国ではまれとされたが近年増加している。
・GERDによる咳の発生は逆流が下部食道の迷走神経受容体を刺激し、中枢を介して反射的に下気道に刺激が伝わる機序と、逆流内容が上部食道から咽喉頭や下気道に到達し直接刺激する機序とによる。
・GERDによる咳は昼間に多く食道症状が乏しいタイプと夜間に好発し食道症状や咽喉頭症状を伴いやすいタイプとがある。会話、起床、食事で悪化しやすい。 
・GERDによる咳の診断は病歴、問診票などで疑い(治療前診断)、抗逆流療法による改善で確定する(治療後診断)。A
・GERDに伴う慢性咳ソウの治療は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)による胃酸分泌抑制療法が第一選択薬である。B

感染後咳ソウ
・感染後咳ソウとは、呼吸器感染症の後に続く、通常自然に軽快する遷延性ないし慢性咳ソウである。 
・感染後咳ソウは通常、自然軽快する。遷延した場合には中枢性鎮咳薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬、麦門冬湯、抗コリン薬などが用いられる。C1

慢性気管支炎 
・慢性気管支炎の原因のほとんどが喫煙であり、喫煙量と罹患に直接的な関連性がある。 
・慢性気管支炎とCOPDは多くの部分でオーバーラップする。 
・慢性気管支炎の定義は喫煙刺激による、閉塞性障害を伴わない、たばこ気管支炎である。 
・喫煙が最も有効な慢性気管支炎治療である。A
・慢性気管支炎の診断には1)現喫煙者2)湿性咳ソウ3)禁煙で軽快する、の3点が重要である。 
・慢性気管支炎に対し、急性増悪期における抗菌薬投与の有用性は認められている。慢性安定期におけるマクロライド少量長期療法や予防的抗菌薬投与の有用性に関するエビデンスは乏しい。B

耳鼻科疾患(含異物)
・通年性喉頭アレルギーの咳に塩酸セチリジンは有効である。C1
・スギ花粉症の咳に塩酸フェキソフェナジンは有効である。B
・喉頭アレルギーの咳に麻黄附子細辛湯は有効である。C1
・通年性アレルギー性鼻炎の後鼻漏による咳にヒスタミンH1受容体拮抗薬は有効である。B
・慢性副鼻腔炎の後鼻漏は咳の原因である。C1
・気管支異物は慢性咳ソウの原因である。 

小児科疾患 
・小児急性咳ソウの殆どの原因は、鼻炎・鼻咽頭炎などウイルス性の上気道感染症である。 
・小児急性咳ソウの原因疾患には喘息、アレルギー鼻炎など幅広い年齢層で考慮する疾患と、クループ症候群、急性細気管支炎や気道異物など特定の年齢層で考慮すべき疾患がある。 
・新生児の咳ソウ発症例、小児の摂食に伴う咳ソウ、突然発症の咳ソウ、低酸素血症を伴う咳ソウ、などは重篤な疾患を疑う。 

クループ 
・生後6カ月~3歳ぐらいの乳幼児で、犬吠様咳ソウ、吸気性喘鳴、サ声、呼吸困難などの症状があればクループを疑う。A
・早期のエピネフリン吸入は、重症化を抑制し、気管内挿管のリスクを下げる。A
・中等症から重症のクループでは、ステロイド(吸入/経口/筋注)とエピネフリン吸入は、症状の改善と入院抑制に有効である。A

気道異物 
・口の中に物を入れた後で突然の咳込みや喘鳴など誤嚥のエピソードが認められた場合、気道異物を疑う。A
・症状や所見から気道異物を疑った場合、まず呼気時と吸気時の胸部レントゲン撮影を行う.A


・小児は年齢による、考慮すべき疾患は異なる。 
・小児の気道感染では年齢により、考慮すべき原因微生物は異なる。 
・急性咳ソウに対しヒスタミン受容体拮抗薬は一般に無効である。D 
・花粉症は急性咳ソウに対しては、ヒスタミン受容体拮抗薬の有効性は示されている。A
・非喘息児では急性咳ソウの治療に気管支拡張薬は無効である。D
・小児の急性咳ソウ患者のすべてに抗菌薬が必要というわけではないD 
・マイコプラズマ、百日咳にはマクロライド系抗菌薬を選択する。マクロライド耐性マイコプラズマにはTFLX, テトラサイクリン系抗菌薬(8歳未満では、他剤が使用できないか無効の場合に限る)を考慮する。 A
・小児の肺炎の原因微生物の確定は難しく、ペニシリン系あるいはマクロライド系抗菌薬を第一選択薬とするが無効の場合は耐性菌を考慮しながら抗菌薬を選択する。A
・小児の慢性咳ソウは成人と同様に8週間と定義するものと、4週間と定義するものがある。 
・多くの小児期の慢性咳ソウの成因は成人と異なる。 
・小児の慢性咳ソウの原因疾患には、幅広い年齢層でみられる疾患と年齢特異的な疾患がある。 
・乳幼児では上気道炎罹患後に生じ、遷延あるいは反復することが多い。 
・乳幼児後半以降は副鼻クウやアレルギー性鼻炎が多い。 
・大多数の小児の急性呼吸器感染症による咳ソウは、1-3週間以内に収まる。 
・感染後の小児遷延性咳ソウの原因微生物としては、細菌では百日咳、マイコプラズマ、肺炎クラミジアがウイルスとしてはライノウイルスやRSウイルスなどが多い。 

・喘息発作による咳ソウの治療は発作のコントロールが基本である。 A
・小児気管支喘息の高率に合併するアレルギー性鼻炎が咳ソウの原因となる。A
・小児気管支喘息の診断的治療では有効量を限定された期間投与し、効果判定を明確にする。A
・持続性咳ソウが唯一の症状である小児において、原因が咳喘息である可能性は低い。A

・長期間続く乾性咳ソウで、器質的所見が認められず心理社会的条件によって症状が消長がみられるもので、睡眠中は消失する咳ソウの場合、心因性咳ソウを疑う。 
・心因性咳ソウに特異的な検査法はない。詳細な問診と鑑別診断のために検査が必要である。A
・心因性咳ソウの治療においては咳は、呼吸器に器質的な疾患があるため生じているのではないことさらにわざと咳をしているのではなく、心理的な状態が身体症状としての咳として現れている可能性があることを心身相関の観点から、わかりやすく説明することが大切となる。C1

・詳細な病歴聴取、胸部レントゲン撮影、肺機能検査、喀痰採取、アレルギー検査などにより手掛かりとなる所見を探すのが小児の慢性咳ソウ診断の基本である。A
・特異的所見が存在する咳ソウ(特異的咳ソウ)と、乾性咳ソウのみが唯一の臨床症状である非特異的咳ソウに分けて小児の慢性咳ソウ診断の症状を進める。A

・小児の非特異的咳ソウの原因は不明であることが多いが、大半はウイルス感染後の咳ソウか、咳感受性亢進による咳ソウと考えられる。
・小児の非特異的咳ソウの原因は重篤なものではなく、自然に収束する場合が多いことがRCTやコホート研究で示されている。
・他に症状を認めない小児の非特異的な乾性咳ソウでは抗喘息薬は無効な場合が多い。C2

・高齢者における慢性咳ソウの原因疾患は、成人と同様であり、我が国では咳喘息、副鼻腔気管支症候群が多い。 
・中枢性鎮咳薬、ドーパミンの阻害作用を有する睡眠薬、向精神薬の高齢者への投与には注意すべきである。C1
・ACE阻害薬、アマンタジンに高齢者の咳ソウ反射を正常化したという報告がある。C1
・咳ソウを誘発する薬剤としてはACE阻害薬が代表的である。
・ACEにより分解される咳ソウ誘発性前 駆物質であるブラジキニンやサブスタンスP、あるいはブラジキニンにより刺激されたプロスタグランジンが肺や上気道に蓄積し、咳ソウを誘発する。対処法の原則は、ACE阻害薬の中止である。A

・職業性・環境因子による咳ソウは特定の職場環境や住宅環境で発症し、その環境を離れると消失し、戻ると再発する事を繰り返す。 
・職業性・環境因子による咳ソウの原因としては、免疫学的な機序の関与するものと、関与しないものがあり、暴露してから2週間以内のものから数年の期間を要するものがある。 
・RADSとは大量の刺激性物質の単回吸入後に、咳ソウ、喘鳴および呼吸困難で発症し、その後非特異的な気道反応性亢進状態が続く病態である。 
・職業性・環境による咳ソウの治療は原因の職場環境、住宅環境から離れることが第一選択である、次に対症療法である。C1

・咳喘息、喘息の診断に気道可逆性検査と気道過敏性検査は有用である。B
・咳受容体感受性検査により咳ソウの発生機序を評価できる。B
・気管支平滑筋収縮誘発咳ソウ反応検査により咳ソウの発生機序を評価できる。B

・呼吸抵抗はインパルスオシロメトリー法で測定され、スパイロメトリーとは異なる末梢気道病変の指標として、補完的役割が期待されている.C1
・慢性咳ソウでの有用性のエビデンスは少ないが、今後気管支拡張薬などので検討が待たれる。C1

・侵襲的な方法としては気管支鏡下の粘膜生検や気管支肺胞洗浄、非侵襲的な方法として呼気中NO濃度測定や誘発喀痰などがある。 
・誘発喀痰検査は咳喘息、アトピー咳ソウに特徴的な好酸球増多、副鼻クウ気管支症候群に特徴的な好中球増多を評価でき補助的診断に有用であるが簡便性、即時性が劣る。B
・呼気中NO濃度は好酸球性炎症を反映し、咳喘息で高値を示す。B

・急性咳ソウの一部において虚部HRCTの撮影は、感染性実質性肺疾患(肺炎など)を検出するのに有用である。C1
・慢性咳ソウには通常胸部HRCTの撮影は必要としないが、びまん性の実質性肺疾患、気管支拡張症及び細気管支炎を検出するのに有用である。C1
・気道壁の肥厚像で咳喘息の評価が可能である。C1

・慢性副鼻腔炎の咳の診断にCTは有用である。C1
・24時間p Hモニタリング検査は、食道内酸逆流と咳ソウの関連性の評価に有用である。C1
・気管支鏡検査は、まれな気道内の異常や疾患の検出や診断に有用である。 
・咳の診断に上気道ファイバースコピーは有用である。C1
・咳ソウの評価法としては、主観的評価法として、咳日誌、咳スコア、VAS,、客観的評価法として、咳モニター、咳特異的QOL質問票、咳受容体感受性検査などがある。
・咳特異的QOL質問票としては、CQLG、LCQ、CCIQが代表的である。C1


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