感染症内科への道標

研究学園都市つくばより感染症診療・微生物検査・感染制御の最新情報を発信しております。

Loa Loa感染で死亡率は増加する

2017-08-03 | 微生物:ウイルス その他
題名:Excess mortality associated with loiasis: a retrospective population-based cohort study
雑誌名:Lancet Infect Dis. 2017 Jan;17(1):108-116.
著者:Chesnais CB et al

要旨:
カメルーンで2001年に行われたRAPLOAプロジェクトで、ロアロア症の検査を行った3627人(15才以上)を追跡調査した。2016年3月9日-22日に各自治体を調査員が訪問し、本人が生存しているか確認した。情報不明の場合は家族から情報を聴取した。死亡日または最終健在確認日を調査した。

本論文からえられる知見:
・915名の死亡が確認された。2001年の時点で55歳以上、ロアロア感染、フィラリアの数が多い、教育レベルが低い、森林地帯に在住している人たちでは死亡人数が多かった。また、フィラリア数が多い感染者が多数見られる自治体では、死亡人数が多かった。

・多変量解析では55歳以上でadjusted time ratio 0.35、フィラリア数8000以上で0.87, 30,000以上で0.67と死亡率が高かった。survival curvesを描いても同様の結果だった。死亡におけるロアロアミクロフィラリアの影響は14.5%であった。

・ロアロア感染は良性疾患と考えられていたが、死亡率と関係があると今回示唆された。

※各患者の死亡理由は不明であり、経済状況や医療の充実度など調整し切れていない要因が懸念される。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Loa Loa 感染症での単剤Dieth... | トップ | 広東住血線虫は南ベトナムの... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

微生物:ウイルス その他」カテゴリの最新記事