閑話雑記

日々のよしなし事を徒然に綴る温泉他・・・の雑記帳(不定期更新)

謹賀新年。

「華麗なる一族」(上)

2005-04-07 23:08:07 | 読書
先日新橋駅前SL広場の古本市で購入した
「華麗なる一族」の(上)を読了。

<あらすじ>
志摩半島の英虞湾を臨む志摩観光ホテルのダイニング・ルーム。華やかな正月の盛装の人々の中にあって、群を抜いて際だった一組があった。関西の財界にこの人ありと知られている阪神銀行頭取・万俵大介とその家族である。年末から新年にかけての四日間をこのホテルで一家揃って過すのが万俵家の長年の慣例であった。
金融再編成のニュースが新聞紙上にもとりあげられ、業界ランク第10位の阪神銀行頭取である万俵大介の心中は穏やかでない。彼は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長「美馬中」を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策する。そのための「閨閥作り」を演出しているのは、大介の妻寧子が華族・嵯峨子爵家出身の世間知らずであることから、ここ二十年来、子供の教育から万俵家の家計に至るまで全ての実権を握っている元家庭教師で大介の愛人・高須相子である。
鋭い眼光、端正な銀髪の外見から怜悧な辣腕銀行家として知られる大介は神戸の自宅豪邸内で妻「寧子」、愛人「相子」との奇妙な妻妾同居生活をおくっているのだ。
万表家の長男「鉄平」は万俵コンツェルンの一翼を担う「阪神特殊鋼」の専務を勤め、業界初の高炉建設のための資金融資を父・大介に依頼するが、大介をなぜかこれを冷たく拒否するのであった。不気味で巨大な権力機構「銀行」を徹底的に取材した力作ついに開幕。


<感想>
銀行合併、金融の自由化・グループ再編をはるか以前に先取りした傑作小説。
一般人のうかがい知れない「闇の聖域=銀行」に果敢に斬り込んだ著者・山崎豊子氏の
腕前に脱帽。時代設定が昭和40年代のため「大時代」な言い回しや設定が気になる向きも
あろうが、正攻法でグイグイ押してくる「山崎節」の前ではそんなことは問題ではない。
次巻(中)ではいよいよ合併に向けての密かな工作が進行するが大介の思惑に意外な誤算が。
また長男鉄平が専務を務める特殊鋼メーカー「阪神特殊鋼」に不安な影が、、、。
そしてこれが大介の目論む銀行合併に大きな影響を与えることになろうとは。。。


<蛇足>
数日前、本作に登場する万表大介の長男・鉄平は「田宮次郎」のイメージと書いたが
本作の映画化では田宮は大介の長女の女婿で大蔵省主計局次長の高級官僚「美馬中(あたる)」に
扮している。これは想像だが田宮的には「鉄平」役をやりたかったよう思われる。

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