弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

判事ディード 法の聖域 トリビア

2011年07月02日 | 判事ディード 法の聖域

判事ディード 法の聖域 のブログをお読みいただいているようで
本当にうれしいです。

日本とイギリスで、制度や法律的な考え方に違いがあるので、
弁護士でも本当に理解するのは難しいです。
というか、弁護士だから細かな、日本では当たり前のことが
そうではないらしいと、常に日本のやり方が前提としてあるので、
なんでと、難しく感じるということもあると思います。

16話で、突如、ジョーが裁判官になりました。ちょっと説明しておきましょう。

イギリスでは、日本のようなキャリア裁判官はいません。
まずは弁護士です。
弁護士としての経験を積んだ上で裁判官になれるのです。
ジョーはもともと裁判官狙いでしたが、ディードの元妻のジョージのように
最初から裁判官になるつもりのない人もいます。
いずれにしても弁護士からスタートです。

裁判官の第一歩がRecorderと呼ばれるパートタイム ジャッジです。
ジョーは16話ではRecorderとして登場してきます。
Recorderになるには10年の訴訟代理人としての経験が必要です。
最低1年に15日、通常は30日以上、Recorderとしての仕事をするようです。
任期は5年で更新もあります。

この上には常勤の裁判官 Circuit Judgeがいます。

さらにそのうえがハイコートジャッジとなっています。

Recorderは、弁護士と同じ普通の黒い法服です。

Circuit Judgeは紫いろの法服です。

そしてハイコートジャッジは赤色の法服です。

法服についても2008年に法改正がありました。簡素化されました。
新しい制度のもとでの法服です。法の聖域のドラマとは少々ちがいますが
感じはわかると思います。

       

ディードが何で自分がつまらない事件で、パープルが難しい事件を
担当するの?と文句を言っていたことがありましたが、
パープルとは紫色の法服をきる裁判官、つまりは巡回判事のことだった
のです。

16話でも、紫色の法服を着た裁判官がジョーに困った時はいつでも
といっていましたが、あれが巡回判事です。
いずれはジョーもそうなるのでしょうか。
そして、ディードのこの裁判官に対する態度は少し違っている、
そのように感じましたが、いかがご覧になりましたか。

モンティ・エバラード判事はディードと衝突することはあっても、
ハイコートジャッジ(レッドジャッジ)として敬意をもっていることは
随所でみられました。

こういうちょとした知識があるだけでドラマの見かたが変わってきますね。