弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

福島南相馬産肉牛から規制値超放射性物質、検出

2011年07月10日 | 福島原発 東日本震災

このニュースに接してもちっとも驚きません。
むしろ、やっぱりという感じです。

これらの牛は、福島県で全頭を対象に表面の放射線量の検査を実施していたもので
要はその検査をすり抜けたことになります。

私は、いろいろなところで一斉検査をしていることについて、
疑いを持っています。
検査の数値そのものについてすら、操作する可能性があると思っています。
しかし、一番気がかりなのは、検査の方法です。
たとえば、土壌に蓄積されるものについて、いくら大気中の検査で問題なしと
なっても、意味がありません。

私が今、このブログを書くにあたって参照しているのは、9日の日経夕刊です
(なお、新聞購読やめようかと以前書きましたが、やはり不安ですので
今も朝刊、夕刊をとっています)。

これから読み取れることは、地元では「表面」の放射線量を検査したとあります。
ですから、牛の体に検査器具をあてて測定したものと思われます。
東京の中央卸売市場の検査では「肉」からとありましたので、
牛を解体し、われわれが食べる状態になったあと、測定したのだと思います。

なお、もっと意地悪い見方をすると、牛に器具をくっつけていたかどうかもわかりません。
「表面」というだけですから、場合によれば、かなり離れていた可能性もあります。
つまり、規制値を超えない数字になるまで、離れたところで、表面の測定をした可能性もあります。
この場合は最初から結果は規制値内とき決まっているのです。
みなさん、そんなことなどするわけないといわれるかもしれませんが、
これまで民主党の面々の説明を思い出してください。
この程度のことは、それこそ想定内のことです。

肉牛の検査をするのは、食べて安全かどうかを確認するためです。
だとすると、東京のように肉にした後で、つまりわれわれが口にする状態になったところで
測定してはじめて意味があるのです。
規制値の3~6.4倍の放射性セシウムが検出されたということです。
なお、ここでいう規制値というのは食品衛生安全法の「暫定規制値」が基準です。
ご承知のとおり、緊急の事態だということで、規制値が急に規定されました。
ですから、3~6倍というよりは、新聞によると、「暫定規制値の1キログラムあたり500ベクトル」を
上回る「1530~3200ベクトル」とありますので、
数字で1530~3200ベクトルときちんと覚えておく必要があります。

セシウムというだけですが、セシウム137と考えておいた方が良いです。
セシウム137は放射性ヨウ素と違って半減期が30年と極めて長いです。
したがって、体内に蓄積し続けるということです。

なお、ほかの情報によると、これら11頭はすべて同一の畜産農家で育てられ
出荷されたということです。
20キロ圏のすぐ外に位置するということです。

ということは危険区域は20キロまでではないということです。
このブログの6月12日のところで、耳なし白ウサギの奇形の報告をしました。ここをどうぞ
(今見ると、動画は削除されているようです。悪しからず。)
その場合は、30キロ圏内のことでした。
20キロ圏の立入禁止は早い段階で決められましたので、問題は基本的にはおこらないのだと
思います。
したがって、我々が注意しなければならないのは、20キロ圏以遠のところです。
3・11の早い段階で、原発がメルトダウンしていたことが、今ではわかっています。
既にこの間に、高濃度の放射性物質で汚染されていたのです。

ではどこまでが安全か?
これはわかりません。しかし、一時期、外国政府は自国民に80キロまでを避難すべき
と指示していました。
そのあたりを考えておいた方がいいのではないでしょうか。

まとめです。
20キロ圏、30キロ圏は危険であること。
検査結果については疑ってかかること。一つ一つの言葉に注意することです。

お願いです。
このブログをお読みになったら、最低限1人のひとに情報を教えてあげてください。
そのお友達にも、最低1人に教えるようお願いしておいてください。
今の政治は中央も地方も含めて信用できません。
自分たち、子供たち、孫たちの健康を守るためには、自分たちが日常を変えていくしか
ありません。

補充です。
これを書いて暫くしてウオール・ストリート・ジャーナルの電子版を見ました。
もう少し詳しい情報がありました。

福島で測定した時はセシウムはゼロだったというのです。ゼロですよ。
いかにいい加減かですね。
それに、飼育の状況やどのような餌が与えられたかのチェックもしてゴーサインを
出したと、釈明しているといくことです。
そして測定をしている写真が載っていました。借用します。

もしこんな測定の方法なら、「表面」を測定したことにはならないと思います。
また、餌のことなどいっていますが、これって考えようによっては真実を隠蔽する口実
のようにも思います。
だって、東京での検査のように、そのものズバリを測定すれば間違いないことです。
それをせずにこんな写真のような測定では牛のセシウムを測定したということには
ならないですよね。
この肉については、販売に回さない措置を講じたということですが、
東京の検査もランダム・ベースということで、全体の1%以下しか行われていないというのです。
また、福島でのいい加減な検査ですら、牛だけで、鶏とか豚は一切行われていないのです。

ウオール・ストリート・ジャーナルに載っていることは当然、日本のマスコミだって知っているはずです。
こういう政府や自治体に不都合なことについては、日本のマスコミは自己規制をして
報道しないといわれていますが、本当ですね。

自分たちのことは自分たちで守るしかない、本当です。