「旧暦で生きる」
ここ数年、カレンダーの一枚は旧暦のイラスト入りのものにしています。
今まで忙しくてその内容をじっくり読み、考察することがなかったのですが、
今年はなぜか旧暦に親しむことは、自然体でいることや惟神(かんながら)で
生きることになるのではと思い遅まきながら調べてみました。
旧暦の正式名称は「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」といい、
月と太陽の周期を併用した暦(こよみ)のことです。
おおまかにいえば、月(太陰)は「日にち」、太陽は「季節」がわかるのです。
月は新月から上弦、満月を経て再び新月へと満ち欠けを繰り返しており、
この月の満ち欠けの周期(朔望月(さくぼうげつ)をそのまま一か月という
単位にしたのが旧暦です。
旧暦の一か月のスタートは新月の日。毎月一日は必ず新月で、
八日前後が上弦、十五日前後が満月、二十三日前後が下弦と決まっています。
ちなみに今年のカレンダー(西暦と旧暦の併用したもの)で確認しました。
二月を見ますと、8日=新月、旧一月一日、8日後の15日=上弦、
15日後の23日=満月、23日後の3月2日=下弦となっています。
三日月というのは新月から数えて三日目の月ということで、旧暦では
日付がそのまま夜空に浮かぶ月の姿でもあります。
新月から始まり、晦日で終わる一か月を「月切り(つきぎり)」といいます。
やがて月が約12回満ち欠けを繰り返すと季節が一巡したことになり、
一年の時が刻まれていきます。
これが旧暦のしくみです。「旧暦では日付と月の形が一致します」
西暦カレンダーは日付と曜日を確認するのには便利ですが、季節の
移り変わりや月の満ち欠けなど自然界の法則とはまったく無関係の
無機的なカレンダーです。
旧暦の「太陰太陽暦」は、月と太陽の動きという天体の観測のもとに
季節の到来を予知し、自然のなかで生きる人間がより豊かな実りを
得るために考えだされた暦です。
◎季節を感じる感覚・感性が豊かになる。
◎タイミングに乗る感覚が身につく。
◎見通しを立てる力。夢を叶える力がつく。
などの恩恵を受けて古来の人々は自然と調和した生き方をしてきたようです。
近代は季節感を無視した食べ物、住環境などに慣れきってしまいました。
良い点、マイナス点を考慮しながら、せめて旧暦の自然感とともに
日々意識して生きていこうと思います。