「王国」 森洋一

　　　　　　　　王国

どこか遠くてそしてすぐそばに 星空が雨となって降る夜の私達の王国
私達は来る日来る日も 互いに肩を寄せあった
それだのに貴方達は 太陽なんて本当はないのに 偽りの太陽を背負って私達の前に現れた
私達は絶対に引き渡さない 私達が私達であるということ 私達の永遠の光を そして闇を 引き裂かれた思い出さえも そして私達の心を
それは薔薇となって永遠に咲き誇るだろう
そして貴方達の指を刺で真っ赤に染めるだろう
絶対に渡さない 貴方達にはわからない 私達の聖域を
いつか誰だったか 貴方達の一人がこんなことを言ったのは
｢君達のいう自由とはなんだ？自由なんかこの世にはないのだ？それは我儘なんだ｣ 私達は静かに答え続ける
｢言い方をかえよう 権力からの回避 生きる為に貴方達に服従する必要がないこと それが僕のいう自由さ｣
貴方達がいかに私達を縛ろうとも 私達の心臓の鼓動までは変えられない
貴方達が私達の瞳を槍で潰したのなら闇を見つめ続ければいいさ

私達の心は永遠に私達のものだから
貴方達の中でもし寂しい人がいれば私達のもとにくればいい
貴方達のなかでもしまだ涙のかれてない人がいれば私達と一緒になけばいい
やがてくる永遠の愛の王国を信じて
あの方がもう一度くるその日まで