劇団誠〈せい〉と仲間たちの冒険

劇団誠〈せい〉の活動報告やその他のブログなどをアップしていくページです。

ブラック・ゴシック・ガール(12)

2017年05月24日 00時50分56秒 | ゴシゴシゴシック~鍋山和弥作品集~
 こんな、命の取り合いの独特の戦いの緊張感の中、マリアと6匹のケルベロスは、互いに隙を伺って、互いの様子を伺っていた・・・・。
マリア(・・・・この黒い地獄の炎は、水では消せない炎・・・まっ当たらなかったら問題ないってね♪・・・・)
 この直後、6匹のケルベロスの内、2匹のケルベロスが、その口から黒い炎の火球を連続で放つ。それを見てもマリアは、余裕の不敵な笑みを浮かべていた・・・・。
マリア「高速移動!!」
 この呪文による魔法によって、マリアの移動速度が急激に上がり、地獄の黒い火球を次々とかわしながらも、ケルベロス達との間合いを詰めていく。それを見て、残りの4匹のケルベロスも次々と連続で黒い火球を放つが、それでも一発も当たらない。そして・・・・。

ザシュッ!!ザシュッ!!!!

 最初に、その黒い火球を次々と放っていた2匹のケルベロスを、自らの黒い剣で斬り殺した・・・・。
ケルベロス達「グルルルルル」
 こうして唸るケルベロス達に対して、マリアは、余裕の不敵な笑みを浮かべている・・・・。
ケルベロス達「ガルルルルル!!!!」
 こう威嚇で吠えながらケルベロス達は、マリアとの間合いを詰めて襲いかかるため、跳びかかりながら、自分たちの口から地獄の黒い炎の火球を連続で放つ・・・・。
マリア「瞬間移動、浮遊」
 この呪文と共に、ケルベロス達の視界からマリアの姿が消える。これにより、ケルベロス達は、マリアの姿を見失い、その姿を探すが、やはり見つからず、その状態が着地後も続く・・・・。
ケルベロス達「グウウゥゥ・・・・」
 ケルベロス達は、まだまだマリアを探していた。そんな4匹のケルベロス達の死角となっている頭上に一人の宙に浮いている少女がいた。黒いゴスロリドレスに身を包んだ黒い剣を手にしている。そうっ!!マリアである。今マリアは、自らの浮遊の呪文で、宙に浮いている状態であった。当然ケルベロス達は、気付いていない・・・・。
マリア「光の矢よ」
 このマリアの呪文で、頭上にマリアがいることに気付いた4匹のケルベロス達は、自らの頭上を見上げる。だが、その頃には遅かった。ケルベロス達の頭上には複数の光の矢が現れ、次々とケルベロス達に深々と刺さっていった・・・・。
ケルベロス達「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 こうして、6匹のケルベロス達は、全滅した。こんなケルベロスの死体だらけの所のすぐ近くで、マリアは着地した・・・・。
マリア「・・・・さてっ・・・・!!」
 こう言った後、マリアは、イスタル氏のいると思われる上に向かって、階段を登って行った・・・・。

 ここは、このイスタル氏の別荘の最上階の何もない、ただ広いだけの部屋・・・・ここに、水晶を持っている悪魔に変身している状態のイスタル氏が扉を開けて入って来た。どうやら、水晶で、ケルベロスの全滅を知ったようである・・・・。
イスタル「・・・・ほお・・・ケルベロスでも止められなかったか・・・・」
 こう言いながら、イスタル氏は、不敵な笑みを浮かべていた・・・・。
イスタル「・・・・面白い・・・そして、ヤりてぇ〜♪・・・・」
 こんなことを言いながら、イスタル氏は、とても嫌らしい想像していた・・・・。
イスタル「ヤりてえぞおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
 イスタル氏は、欲望丸出しで、こう絶叫した・・・・。

 ここは、このイスタル氏の別荘の階段。ここをマリアは、警備兵達を蹴散らしながら、駆け上がる。そして今、イスタル氏が悪魔の姿で、突っ立っている広い部屋の入り口の扉の前まで辿り着いた・・・・。
マリア「・・・・悪魔の魔力を感じる・・・恐らく・・・ここに・・・奴が・・・・」
 こう言いながら、マリアは、イスタル氏を心の底から軽蔑していた・・・・。
マリア「・・・・覚悟してもらおうかしら・・・・」
 こう言い終えた後、マリアは、この扉を開けると、広い部屋になっていて、この中央辺りに、悪魔に変身していたイスタル氏がいた・・・・。
イスタル「ようこそ♪」
 こう言った後、イスタル氏は、左手に持っていた水晶を、その左手で握り潰して、粉々に割った・・・・。
イスタル「・・・・ああ・・・見れば見る程、上玉だなぁ〜・・・・」
マリア「・・・・そりゃどうも・・・・」
 そうしてそのまま、イスタル氏は、性的興奮をしていて、嫌らしい笑みを浮かべていた・・・・。
イスタル「ああ!!生意気な正義感の塊のお前を!汚すことを想像するだけで!抜けそうだぜぇ〜♪♪」
 このセリフを聞いて、マリアは、完全にドン引きしていた・・・・。
マリア「・・・・キモッ!!・・・・」
イスタル「そんな気持ち悪がろうと、お前は、俺のマグナムの餌食になるんだぜぇ〜♪♪」
マリア「・・・・いやいや、死んでもヤらせる気ないし・・・・」
イスタル「精精、抵抗してな♪お前のその気取った服を裂いて、生まれたばかりの姿にしてやるぜぇ〜♪♪」
マリア「・・・・あっそ・・・・」
 こうして、イスタル氏とマリアの間に、戦う前の緊迫した空気に包まれる・・・・。

獣人カズヤ(11)

2017年03月19日 19時48分06秒 | ゴシゴシゴシック~鍋山和弥作品集~
レイ(・・・・さてっ・・・・)
 しばらく、こんな感じで互いに牽制しあって、心の中で、こう呟いた後、レイは気功術による、光属性の光球の牽制を止め、カールの月光属性の光球を必要最小限の体力で紙一重で躱しながら、カールとの間合いを詰めていく・・・・。
カール(!!接近戦に持ち込むつもりか!)
 こう考えたカールは、間合いを詰められないように、何度も、自らの後方に跳びながら、月光属性の光球を放ち続ける・・・・。
レイ(・・・・間合いを取るつもりね・・・まっ・・・想定内だけど・・・・)
 こう思いながら、レイは、不敵な笑みを浮かべる・・・・。
カール「!!何笑ってやがる!!!!」
レイ「さてっ♪何ででしょ♪♪」
カール「ふざけるな!!貴様ぁ~!・・・うがっ!!」
 カールは、後方から何らかの攻撃を受ける。攻撃を受けた感じでは、気功術のようであった・・・・。
カール「!?何だ!??まさか仲間が??」
 こう言いながら、カールは、後ろに振り向く。だがっ!その振り向きざまにカールが見たものは、レイが放ったのと同じ、気功術による光属性の光球の数々が、自分の方に向かってくる所であった。人影は見当たらなかった。なぜなら、これらの光球は、先程までのレイとカールの牽制のし合いの時のもの、カールは放ったら放ちっぱなしで、何らかの物質にあたってしまえば爆発していたが、レイの方は、放った光球をも操り、相手の後方に、宙に浮かせた状態で留まらせ、その光球をカールに浴びせたのである。これは、満月の夜ならば有利だと考えていたカールの油断が招いたものであった・・・・。
カール「!?どういうことだ!??」
 こうしてる間も、光属性の光球は、次々と向かって来る・・・・。
カール「くっ!!」
 つい、こう呟いてしまいながら、カールは、剣に月光属性の気を宿らせた状態で、それらの光属性の光球を斬ったり、躱したり、自らの月光属性の光球で潰したりしながら、かなり素早く、やり過ごした・・・・がっ!!
カール「!!後ろ!!!!」
 こう言いながら、カールは、レイの気を感じ取り、今のカールの後方のレイの方に振り向く。すると、こうしてる間にレイは、不敵な笑みを浮かべながら、もうすでに、光属性の気功術を自らの右手の剣に宿らせ、二人の間はほとんど無かった。そのことで、つい、舌打ちしてしまう・・・・。
カール「くそったれがああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 こう言いながら、カールは、素早く自らの剣に月光属性の気を宿らせ、レイの剣に対応しようとする・・・・がっ!!

バキッ!!!!

カール「・・・・しまった・・・・」
 存分に光属性の気を宿らせたレイの剣が、急いで月光属性の気を宿らせたカールの剣を叩き折る。急いで宿らせたため、レイの光属性の気が宿った剣に対して、カールの月光属性の気が宿った剣の気が少なかったせいであった・・・・。
レイ「・・・・終わりよ・・・・」
 この後、レイは、右手の剣をカールの左肩の方へ振り下ろす。このことに、カールは再び舌打ちしてしまい、瞬時に後方に跳ぶ。だが、その斬撃を躱しきれず、浅い傷ながらも、左の方の胸に斬撃を食らってしまったためカールは舌打ちしてしまう・・・・。その直後、レイは、剣に光属性の気を宿らせたまま、その剣で、跳んで、間合いを空けたカールを追撃する・・・・。
カール「!こいつ!!」
 この直後、カールは、苦し紛れに、月光属性の大きな光砲を放つが、やはり隙が大きく、レイには不敵な笑みを浮かばれながら、あっさり躱されてしまう。そして・・・・。
カール「!?何だ!??」
 レイは、カールの月光属性の気功術による膨大なエネルギーを自らの剣に更に吸収を始める・・・・。
カール「・・・・そんな・・・バカな・・・・」
 レイが剣に、全てのエネルギーを宿らせた後、瞬時に間合いを詰め、横一線でカールの銅を真っ二つに切り離した。
レイ「・・・・また・・・私は・・・罪を・・・・」
 このまま、レイは、何と無く切ない気持ちで、しばらく、その場に立ち尽くしていた・・・・。

 ここは、『筆頭機動戦士団』の室内訓練所。ここで汗びっしょりで、筋トレをしている身長2mの筋肉質で、肩幅も広い大男がいた。その周囲には、一つの大きな斧と様々な筋トレグッズで、いっぱいであった。
バダス「よおぉ〜、ゴーキン」
 ゴーキンと呼ばれたこの男は、トレーニングをしているのを中断し、トレーニング器具を下に置き、バダスの方に体を向ける・・・・。
ゴーキン「・・・・バダスか・・・・」
 こう言われて、バダスは、軽く笑みを浮かべる・・・・。
バダス「相変わらず、トレーニングに精がでるなぁ〜♪」
ゴーキン「・・・・いつもは、お前も一人でトレーニングばかりなのに珍しい・・・どうした・・・・?」
 こう言われて、バダスは、苦笑する・・・・。
バダス「・・・・確かにそうなんだが・・・・」
ゴーキン「・・・・だがっ・・・・?」
 この後、バダスは、軽く笑みを再び浮かべていた・・・・。
バダス「ちょっと、歯応えのあるターゲットがいてな♪」
 これを聞いて少しして、ゴーキンは、瞳を閉じて、不敵な笑みを浮かべる・・・・。
ゴーキン「そういうことか♪」
バダス「そういうこと♪」
ゴーキン「・・・・っで、どんな奴だ?」
バダス「三人組でな、その内、二人は元レアル王国の者だ」
ゴーキン「・・・・例の亡国王女の者か・・・・?」
バダス「そうだ」
ゴーキン「・・・・なるほど・・・っで、あと一人は・・・・?」
バダス「例の『黒い悪魔』だ」
 これを聞いてゴーキンは、型を小刻みにブルブル震わせて笑っていた・・・・。
ゴーキン「・・・・確かに面白そうだな・・・・」
 これを聞いて、バダスは、不敵な笑みを浮かべる・・・・。
バダス「お前なら、乗ってくれると思ったぜ♪」
 これを聞いて、ゴーキンも不敵な笑みを浮かべていた・・・・。
ゴーキン「当然だ♪」
 この後、バダスとゴーキンは、互いの目を見つめて、意思を確認し合っていた・・・・。

〜次の日の朝〜
 ここは、『ミミアート』って街への入り口。ここにカズヤ、ミリア、ルイスの三人は、辿り着いた・・・・。

ブラック・ゴシック・ガール(11)

2017年03月08日 05時38分58秒 | ゴシゴシゴシック~鍋山和弥作品集~
警備兵①「!?何だ何だ!!?」
警備兵②「何があった!!?」
警備兵③「!正門が!!」
 こんなことを発言しながら、鎌鼬の空気の刃で切り刻まれた。正門にイスタル氏に雇われた複数の警備兵が集まってくる・・・・。

 一方、ここは回復魔法で傷を癒しているイスタル氏の方・・・・、こっちで、イスタル氏は、自分の魔法で宙に浮かせている水晶でこの鎌鼬で切り刻まれた正門の方の様子を見ていた・・・・。
イスタル「ほお♪なかなかの魔法の使い手♪♪」
 こんなセリフを吐いて、少しして悪魔の姿のイスタル氏は、徐々に徐々に笑いが込み上げていき、つい高笑いになってしまう・・・・。
イスタル「ああっ♪ますます興奮させてくれるぜぇ〜♪♪」
 こう言い終わると、イスタル氏は、更に高笑いし、笑いが止まらなかった・・・・。

 ところ変わって、また正門の方、集まってきていた警備兵達は、この正門の様子に唖然としてしまっていた・・・・。
警備兵④「・・・・一体何が・・・・」
警備兵⑤「見ろ!!あっちに誰か立っているぞ!」
 その方向には、黒い剣を抜きながら、切り刻まれた正門の方に歩いて来ている黒いゴスロリ風のドレスに身を包んだ金髪碧眼の少女がいた。そうっマリアである・・・・。
警備兵⑥「・・・・なっ・・・何者だ!!・・・・」
 これを聞いて、マリアは、冷たい視線を警備兵の方に送る・・・・。
マリア「・・・・さあっ・・・何者かしら・・・・」
 この堂々としたマリアの様子を見て、警備兵達も戦慄し、恐怖する・・・・。
警備兵①「・・・・かっ・・・構うなぁ〜!!撃てぇ〜!」
警備兵③「・・・・おっ・・・おう・・・そうだ・・・撃て撃てぇ〜!!」
 こんなセリフを吐きながら、警備兵達は、オートマ式の拳銃をマリアを方に連射していくが、マリアが左の掌を拳銃をぶっ放していく警備兵達の方に向け、その左手から放った魔力でそれらの弾丸の勢いを途中で止め、地面に落としていく・・・・。
警備兵②「・・・・ばっ・・・バカな・・・・」
警備兵④「・・・・たっ・・・弾が・・・・」
 その左手を翳したまま、マリアは次の呪文を唱える・・・・。
マリア「火球の弾丸よ!!」
 この呪文を唱えた後、そのマリアの左の掌から複数の火球がどんどんと放たれていく・・・・。
警備兵⑤「何だとおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
警備兵⑥「バカなああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
警備兵⑦「ふざけるなああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 こうして、この警備兵達は、マリアの火球をもろに受けてしまい、焼き尽くされ、全滅してしまった・・・・。
マリア「・・・・あんな奴を守ってるからよ・・・どうせ金でしょ・・・・?」
 マリアは、そのまま歩きながら、誰もいないにも関わらず、こんなことを呟いていた・・・・。

 ここはまた、イスタル氏の方・・・自らの水晶で、マリアの方の様子をニヤニヤしながら見ていた・・・・。
イスタル「・・・・おもしろい・・・・」
 こう呟いた後、イスタル氏は、傷の回復のために回復魔法を使っていた手をどける・・・・。
イスタル「・・・・よし・・・治したぞ・・・・」
 こう呟いた後、イスタル氏は、再び視線を水晶の方に戻す・・・・。
イスタル「・・・・来るがいいさ・・・・♪」
 こう言いながら、イスタル氏は不敵な笑みを浮かべていた・・・・。
イスタル「・・・・まっ・・・悪魔となった俺が負けるはずがないがな・・・・」
 こう言いと、イスタル氏は、再び大声で高笑いしていた・・・・。

 場面は再び、マリアの方・・・・マリアは、あの火球で焼き尽くした奴ら以外の警備兵達と交戦していた・・・・。
警備兵①「何だ!!この女!」
警備兵②「・・・・魔女め・・・・」
 こんなセリフを口にしながら、警備兵達は、剣や銃でマリアに向かって果敢に挑んでいた・・・・。
マリア「・・・・しつこいなぁ〜・・・・」
 こう言いと、まりあはつい、深くため息をついていた・・・・。
マリア「鋼鉄の糸よ」
 こう呪文を唱えると、マリアの周囲に無数の見えない糸が現れ、マリアを取り囲んでいた大勢の警備兵に向かって、動いて行き、その警備兵達の体を切断していた・・・・。
警備兵達「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 再び警備兵達は、全滅した・・・・。
マリア「・・・・さてっ!・・・んっ・・・・!?」
 どこかから、マリアに向かって、黒い炎が放たれると、マリアは素早く後方に跳んで、それを躱す・・・・。
マリア「・・・・地獄の・・・炎・・・・??」
 黒い炎が放たれた所を見ると、そこには三つ首の犬が、6体いた・・・そう、地獄の番犬ケルベロスである・・・・。
マリア「・・・・地獄の番犬・・・ってわけね・・・・♪」

獣人カズヤ(10)

2017年02月23日 06時34分21秒 | ゴシゴシゴシック~鍋山和弥作品集~

二人は、その位置状態のまま、緊張感いっぱいの空気でピリピリさせていた。その緊張感漂う空気のまま、静かに時が流れていく。

カール「・・・・今日は、満月の夜だ・・・これが何を意味するか分かるか・・・・?」

レイ「・・・・さあ・・・・♪?」

 この後、カールは再び不敵な笑みを浮かべる・・・・。

カール「・・・・それはな・・・・」

 こんなセリフを吐きながら、カールの表情が、不敵な笑みを浮かべつつも、攻撃的なものとなる。そして・・・・。

カール「圧倒的に俺が有利ってことだ。そして・・・・」

 こう言いながら、カールは、自らの聖騎士団専用の剣を抜く。それに応じるかのように、レイも同じく聖騎士団から支給された同じ型の剣を鞘から抜く・・・・。

カール「今日が!!貴様の命日ってことだ!」

 こんなセリフを吐きながら、カールは後ろ向いたままのレイに対して、左手の掌から満月によって強化された、『月光』属性の気功術の光球を複数放出しながら、レイに向かって、ジャンプして間合いを急速に詰めようとする。それに対して、レイは、自分から見て前方に跳び、急速に間合いを詰められないようにしつつ後ろに向き、それと同時にカールと同じように左手の掌から『光』属性の気功術による光球を複数放ち、カールの『月光』属性の気功術による光球を一つ残らず正確に打ち落とす。しかし、カールは剣撃によってレイを仕留めようとするが、レイもその斬撃に対して、自らの剣で応じ、カール斬撃を悉く防いでいく・・・・。

カール(・・・・一筋縄にはいかないか・・・流石は、聖騎士団の元ナンバー2・・・・)

 そのままの状態で、レイとカールの二人は、着地し、その後も、剣で互角の戦いを繰り広げる・・・・。

レイ(・・・・なかなかやるわね・・・・)

 こうして互角の戦いを繰り広げていくものの、互角だった剣による戦いが、少しずつ少しずつ、レイが押し始める。そして・・・・。

レイ「はあ~!!!!」

 次の瞬間、レイの斬撃が、カールの胸元を掠る・・・・。

カール「!!くっ!!!!」

 こんな声が漏れた後、カールは、舌打ちをし、一旦間合いを取ろうと後方に跳ぶがするが、レイは、それを追って前方のカールを追って、追い打ちをかけるように跳び、剣撃戦を続ける・・・・。

カール「くそっ!!!!」

レイ「逃がさないよ」

 そんなレイに対して、カールは、右手に持った剣で、レイとの鍔迫り合いのに持ち込んで、左手の掌の方に気功術の気を集める・・・・。

レイ「!?ヤバッ!!!!」

 こんなカールの様子を見て、今度はレイの方が、カールとの間に距離を空け、間合いを取ろうとする。そんなレイに対して、カールは左手の掌に集めた『月光』属性の気を全て、光砲として放つ・・・・。

レイ「くっ!!」

 レイは、跳んだ状態のまま咄嗟に、自らの『光』属性の気功術で、光の壁を作り、カールの『月光』属性の光砲を防ごうとする・・・・。

レイ「・・・・もう・・・ダメ・・・・」

 そんな、レイの光の壁もたっぷり、気を集める余裕のある上に、『月光』属性の気功術の使い手の特徴である、月の満ち欠けによって、効果の強さが変わる特性なのだが、今夜の満月の状態で、強さMAXである光砲は威力を弱める事はできたものの、全ては防げず、真面に食らってしまった・・・・。

カール「そのまま!!叩かせてもらうぞ!!!!」

 こう言いながら、カールは、『月光』属性の気をため、再び光砲を放つ。剣での勝負では勝ち目がないのと、今夜は満月のため、自分が有利と判断したためである。だがレイは、カールのいる方向に向かって、そんな『月光』属性の気功術の光砲ギリギリ上を跳び越して、あっという間に、カールのすぐ上にいた、左手には『光』属性の気功術を集めている状態で・・・・。

カール「!?しまった!!!!」

レイ「隙だらけね♪♪」

 この後、レイは、左手の掌にためた、『光』属性の気による光砲を攻撃後で完全無防備なカールに向かって放ち、真面に食らう・・・・。

カール「ぐはああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 この攻撃後、そんなカールの上をも通り越し、カールの後方に着地し、攻撃を食らったカールの方に向きなおる・・・・。

レイ「・・・・残念ね・・・満月ってだけで・・・私は仕留められないわよ・・・・」

 この後、カールは、関心など全くしてない様子で、ふざけて拍手する・・・・。

カール「いやぁ~、目出度い。今だにそう思っているとはな・・・・」

レイ「事実、あなたの方がダメージはでかい・・・・」

 この後、カールは、大声で笑う・・・・。

カール「今夜は満月なんだ!!必ず逆転するね!!!!」

 これを聞いて、レイは、不敵な笑みを浮かべる・・・・。

レイ「それはどうかしら♪」

カール「やってみれば分かるさ」

レイ「それは楽しみね♪」

 この後、レイとカールは、対峙するように立っていて、周囲は緊迫した空気に包まれていた・・・・。

 

 ここは、あの『聖騎士団』への登竜門とも呼ばれている、グレア帝国の『筆頭機動戦士隊』の訓練所。ここでは様々な訓練のできるのだが、そんなここで、ひたすら様々な筋トレを黙々としている男がいた。

筆頭機動戦士隊隊員「よおっ!!バダス!」

筋トレしている男「!?何ッスか??サダさん」

サダ「歩兵部隊の者が顔出してるぞ」

バダス「!??歩兵部隊????」

サダ「ああっ何でも、お前に頼みごとがあるそうだ」

 これを聞いて、バダスは、筋トレをやめる。

バダス「?頼みごと??俺に????」

サダ「そうだ、話だけでも聞いてみるか?」

 これを聞いて、バダスは、何となくダルそうに立ち上がる・・・・。

バダス「・・・・とりあえずな・・・・」

サダ「じゃっ!こっちだ」

 これでも、バダスはダルそうである・・・・。

バダス「・・・・へいへい・・・・」

 バダスは、ダルそうながらも、サダに付いて行く・・・・。そのまま進んで行くと、一人の歩兵部隊員の姿が目に入った。どうやら話を持ちかけたのは、この歩兵部隊員らしい・・・・。

サダ「やあっ!マルクス。彼がバダスだ」

歩兵部隊員「マルクスです!!よろしくお願いします!!!!」

バダス「・・・・バダスです・・・よろしくお願いします・・・・」

 こうして、マルクスとバダスは、互いに頭を下げた・・・・。

バダス「・・・・マルクス君だっけ?・・・歩兵部隊のお前が、僕に何の用なんだ・・・・??」

マルクス「はいっ!!!!実は、とある者らを討伐するのに協力して欲しいのです」

バダス「・・・・ほおぉ~・・・・」

マルクス「・・・・引き受けて・・・頂けますか・・・・??」

バダス「・・・・それは、どんな奴なんだ・・・・??」

 これを聞いて、歩兵部隊員のマルクスは、『しまった!!』って感じの表情になる・・・・。

マルクス「これは!!失礼を!・・・・実は、そいつらは三人なのです」

バダス「?三人??」

マルクス「はい、一人は、我が国が滅ぼしたレアル王国のナンバーワン剣闘士で、元レアル王国王の右腕とも言えるルイス・・・・」

バダス「・・・・あぁ~、レアル王国の生き残りか・・・だがっそいつらは、亡国王女ミリアを含めた二人組じゃなかったか??・・・・」

マルクス「・・・・実は最近、もう一人加わったんです・・・・」

バダス「!?まだ生き残りがいたのか!??」

 バダスは驚きを隠せなかった・・・・。

マルクス「・・・・いえっ・・・それは違います・・・・」

バダス「?じゃあ、誰だ??」

 この後、マルクスは、一息つく・・・・。

マルクス「・・・・そいつは、最近まで『ヴァレック』近辺で生息していた、通称『黒い悪魔』と呼ばれていた鎧型獣人です。つまり、人ではありません・・・・」

 これを聞いて、バダスは、つい苦笑してしまう・・・・。

バダス「・・・・なるほど・・・鎧型獣人・・・通称『黒い悪魔』・・・か・・・・」

マルクス「・・・・引き受けて・・・頂けますか・・・・?」

 これを聞いて、バダスは不敵な笑みを浮かべる・・・・。

バダス「・・・・ああっ♪・・・面白そうだな♪・・・・」

 これを聞いて、マルクスは、歓喜の表情を浮かべる・・・・。

マルクス「ありがとうございます!!!!」

 こう言いながら、マルクスは、勢い良く、深々と頭を下げる・・・・。

バダス「・・・・さてっと・・・・」

 こう言いながら、バダスは、歩き始める・・・・。

マルクス「?どちらへ??」

バダス「・・・・もう一人、仲間に声かけてくる・・・・」

 これを聞いて、マルクスは更に、歓喜の表情を浮かべ、再び深々と、頭を下げる・・・・。

マルクス「本当に!!!!ありがとうございます!!」

バダス「・・・・いいよいいよ・・・・」

 こう言いながら、バダスは、歩きながら、適当に右手を振って応えた・・・・。

 

 ここは、目的地である『ミミアート』付近の夜の森の中、この森の中で、カズヤ、ミリア、ルイスの三人は、取り囲んだ真ん中の焚き火で、ご飯を食べていた。今日は、シチューである・・・・。

ミリア「さすがルイスだね♪♪」

ルイス「お口に合って良かったです。どうです?カズヤさんの方は」

カズヤ「・・・・うまいな・・・・」

ルイス「それは良かった!!」

ミリア「おいしいよねぇ~♪ルイスの料理♪♪」

カズヤ「・・・・ああ・・・こんなうまいもの初めて食べたな・・・・」

ルイス「いやぁ~♪お世辞でも嬉しいなぁ~♪♪」

カズヤ「いや!!いや!いや、お世辞じゃねぇ~よ!」

ルイス「それなら♪なおさら♪♪」

 こうして、楽しい時が過ぎていき、カズヤは、初めて、大勢での食事は楽しいものだと知ったのであった・・・・。

 

 再び場面は、レイとカールが戦っている夜の草原へ。レイとカールは、常に移動しながら、左手から放つ光球で牽制し合っていた・・・・。

レイ(・・・・気功術による攻撃では、満月の夜だと、『月光』属性の向こうが有利・・・どうにか隙を作らないと・・・・)

カール(満月の夜だと、満月の力を借りている、こっちが有利なんだ。このまま、相手を削り続けるも良し、向こうが焦って、隙をつくも良し)

 いくら、レイが、剣術が得意でも、気功術が強くても、このフィールドでは、やはり、精神的余裕があるのは、カールであった・・・・。


ブラック・ゴシック・ガール(10)

2017年02月09日 06時40分26秒 | ゴシゴシゴシック~鍋山和弥作品集~

 この日の夜、レイチェルは、例の資産家イスタル氏の例の別荘の入り口の前で、張り込みをしていた・・・・。

レイチェル「・・・・絶対何かある・・・行方不明の姉ちゃんのことで・・・・」

 この後もレイチェルは、根気強く張り込みを続けた・・・・。

 

 同じくこの日の夜、マリアの方も噂のイスタル氏の別荘周辺を歩き回り、軽く探りを入れていた・・・・。

マリア「・・・・まあ・・・この別荘から、女性の悲鳴が聞こえれば、疑惑は本物ね・・・・」

 こうして、マリアもイスタル氏を張っていた・・・・。

 

 あの後も、レイチェルはレイチェルで、ずっと張り込みを続けていたが、進展が見られず、深くため息をついてしまっていた・・・・。

レイチェル「・・・・ここが一番怪しいんだけど・・・・」

 こうして、静かに時が過ぎていく。すると、こんなレイチェルのすぐ後ろに、いつの間にか、黒い羊の顔をした下級悪魔が静かに現れるが、レイチェルは気付いていない・・・・。

下級悪魔「やあっ、レイチェル君♪」

 この下級悪魔は、資産家イスタル氏の声で、こんなセリフを吐いた。突然、後ろから、こう声をかけられて、レイチェルは、驚愕と恐怖の心境になり、ゾッとしながら、ガバッと後ろに振り向く。声がイスタル氏であったものの、その人外の生き物の姿にレイチェルは、更に、驚愕と恐怖心が強まる・・・・。

レイチェル「・・・・イスタル・・・さん・・・・?」

 これを聞いて、イスタル氏の声を発した下級悪魔は、不気味に不敵な笑みを浮かべる・・・・。

下級悪魔「ええっ、私ですよ♪」

 こう言いながら、悪魔の姿のイスタル氏は、嫌らしい笑みを浮かべながら、舌舐めずりをした。レイチェルは、更に、恐怖心が増す・・・・。

レイチェル「いやああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 レイチェルは、恐怖のあまり絶叫した・・・・。

 

レイチェル「いやああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 イスタル氏の別荘の周囲を歩いていたマリアは、このレイチェルの絶叫を聞き、思わず足を止め、この絶叫が聞こえてきた方向にガバッ!と顔を向ける・・・・。

マリア「こっちぃ~!?」

 こう言いながら、マリアは、レイチェルのこの絶叫が聞こえてきた方向へ駆け出し、その現場に到着する。すると、そこは、嫌がるレイチェルの体を両手で掴んで、抱き抱えようとしている下級悪魔の姿をしたイスタル氏という光景だった。

イスタル「!・・・・おやっ?・・・もう一人かわいこちゃんが・・・・♪」

 このセリフに、マリアは悪寒が走りながらも、舌打ちをし、右手を指鉄砲の形にして、イスタル氏の方に向ける・・・・。

マリア「血の弾丸よ!!」

 この呪文により、急速に爪から血が出て、指先に、その血が集まり、弾丸上の形を象り、イスタル氏の肩に向けて放たれる・・・・。

イスタル「!!ぐっ!!!!」

 その血の弾丸は、見事にイスタル氏の肩に命中し、負傷する・・・・。

イスタル「・・・・くそっ!!・・・・」

 マリアの思わぬ反撃により、イスタルは悪魔の魔法により、レイチェルを残し、瞬間移動する・・・・。

マリア「!あっ!!逃げられた!くっそぉ~!!」

 この後、マリアは、レイチェルの方に駆け寄る・・・・。

マリア「大丈夫!!?」

レイチェル「!!・・・・ええっ・・・私は・・・それより・・・姉ちゃんが・・・・」

 こう言いながらも、レイチェルは両手で、自分の肩を抱きかかえ、恐怖と悪寒で、肩をブルブル震わせていた・・・・。

マリア「・・・・大丈夫・・・後は私に任せて・・・・」

 こう言われて、レイチェルは藁にも縋りたい気持ちで、コクン!コクン!と二回頷いた。肩はブルブル震わせたままだ・・・・。

マリア「・・・・大丈夫・・・大丈夫だから・・・・」

 こう言いながら、マリアは、レイチェルを落ち着かせていた・・・・。

 

 ここは、イスタル氏の別荘内のとある部屋・・・・、ここに、瞬間移動で逃げた下級悪魔姿のイスタル氏がいた。周囲には牢屋があり、その中には大勢の全裸の若い女性でいっぱいであった。その中には、レイチェルの姉のスカーレットの姿も・・・・。

イスタル「・・・・くそっ!!あの女!・・・だがいい女だったなぁ~♪ほんと上玉だぜぇ~♪♪」

 こう言いながら、マリアの血の弾丸の攻撃魔法によってできた傷跡に手を当て、回復魔法で、傷口を治していく、時間はかかるが・・・・。

イスタル「ああっ!!!!あんないい女を犯せると思うと!!あそこも立ちっぱ!!興奮が抑えられねぇ~ぜ!!!!」

 こんなセリフを吐いた後、イスタル氏は、大声で下品にゲラゲラ笑っていた・・・・。

 

 あの後、マリアは、このイスタル氏の別荘の正面入り口に、堂々と立っていた・・・・。

マリア「・・・・まっ・・・私の存在はバレてんだ・・・隠れて潜入する意味はないわね・・・・♪♪」

 こう言いながら、右手を、この別荘の正面入り口に翳す・・・・。

マリア「鎌鼬よ」

 

ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!

 

 この呪文を唱えると、マリアの右手から無数の空気の刃が発生し、門ごと正面入り口を切り刻む・・・・。