劇団誠〈せい〉と仲間たちの冒険

劇団誠〈せい〉の活動報告やその他のブログなどをアップしていくページです。

劇団旗揚げから2年のリスタート

2019年04月21日 14時58分52秒 | 劇団誠の冒険・あゆみ
公演を終え、二人を卒団させて劇団誠〈せい〉は森と二人の劇団に戻りました。
僕の心境としては、ちょっとホッとしたことと、作りたいもののために人を育てるということの難しさを改めて感じています。

しばらくは稽古場に引きこもって公演を打つための稽古ではなく、ただ戯曲と芝居に耽りたいと思っています。

公演の企画、制作、演出、出演様々こなす楽しさはもちろんありますが、昨年2月から今年3月まで合計4公演、我ながらよくやったとは思いますが取りこぼした事も多々あったと思います。

これから数ヶ月は本公演を企画せずに演技や音楽の蓄積を増やすために使おうと考えています。


しかし、3月公演で吊られ笑いが延期になったため、近日中に次回公演Hot Pot Partty VOL5 アヴァンギャルド コンサートの企画をまとめ上げる予定です。

本公演にはアクトアンドダンスに来場いただいたお客様は無料でご招待いたします。
詳細発表後、ご予約の際にアクトアンドダンスにご来場いただいていた旨ご連絡ください。

ただ、年度替りで出演者の生活環境も変わったため、公演予定日は今のところ未定です。


劇団旗揚げから一年、旗揚げ準備から数えると2年強、誰でも入れる劇団で、多彩な人材のいる劇団。レパートリーを作り数年単位で同じ作品を繰り返す劇団を目標にしました。
しかし、いわゆるアマチュア劇団という仕事をしながらの劇団活動をするということの儚さ
脆さも感じました。

長期的な目標を共有し、アクションを起こす。
言葉にするのは簡単ですが実際に行うのはなかなか難しいものがありました。

本年度の活動は来年公演を目標にしているオペラ公演の準備と、劇団の綱領でもある。
井口誠司が面白いと思うことに主眼をあてていきたいと思います。

そして、今、純粋に演じることをただやりたいのでそんな稽古場をデザインしていこうと考えています。

劇団員は森と僕二人だけになりました。状況としては10年前に戻ったわけです。
本年度からまた、気持ちを切り替えて頑張ろうと思います。

よろしくお願いいたします。

写真は森と出会って一年目の夏
念願だった伴奏つき家茂の初演のものです。
森が痩せている。。。

Hot Pot Patty〜アクト&ダンス〜 始末記

2019年04月18日 20時58分15秒 | 劇団誠の冒険・あゆみ
Hot Pot Patty〜アクト&ダンス〜 始末記

SODYダンススクールさんとの共催で上演した劇団誠〈せい〉平成最後の公演も終わり一週間が過ぎました。

ご来場いただいた皆様、応援くださったみなさま、ありがとうございます。

ひょんな事から福岡演劇界の大先輩にあたる柴崎さんとご一緒することなった本公演、艱難辛苦はありましたが、無事幕をおろしました。

また、同じく大先輩にあたる黒江さんや、屋宜さんにスタッフとして関わっていただくことができ徳永さんとも同じ舞台に立つことができました。

テアトルハカタを退団して以降、なかなか顔を合わせにくいところがあったのですが、本当に有難い機会でありました。



また、初の共催公演ということでもあり、課題も多数でてきました。
今後どこかの団体と共催してオムニバスでの上演をするということは中々ないとは思いますが、注意していきたいと思います。

特に本番一週間前に「吊られ笑い」が過激さから上演中止になったことは本当に
大変な出来事でした。

共催共演の出演者の年齢層や見に来てくれる人の層を考えて演目を考える必要がありました。

詳細なスケジュール、客層などを踏まえた打ち合わせ、
公演のコンセプトなどもっと密に交流して行うことができれば、もっと良い時間になっていたのではないかと思います。


劇団としての今回の公演コンセプトは彩乃梨央の卒業追い出し公演でした。
公演期間中に百之進の退団も決まり二人の卒業公演という事になりました。

梨央は高校2年の夏から一年半、鳥栖から通って来てくれました。
入団当初は卒業したら東京で演劇をするという野心を持っていた彼女ですが、
彼女の演劇の動機は詳しくはここには書きませんが憧れであり、演じることではなかったかと思います。
僕は彼女より先に演劇をやっている人間として演劇や演じることの楽しさを感じてもらえたらなと思っていました。
また、彼女を連れて出かけたWSでファシリテーターに言われた「もし、彼女にとって演劇が楽しいものでないとすればあなたの責任です。」という言葉も大きかったです。

演劇は本来、やっても、みても楽しいものであるべきだし、
僕が主導する演劇はそうありたいと思うので、いつもドキドキしていました。

同年代の劇団員がいればまた違ったとも思うのですが、高校生はいつも彼女だけ、作品によって客演でキャリアのある人がやってきて、距離の取り方も難しかったと思います。

そして、彼女と作品のために言葉と行動を尽くしてくれた客演の皆さんには本当に感謝しています。彼女が演劇に触れた1年半が楽しいものだったと言ってくれるのはみなさんのおかげです。



百之進は退団した鹿児島陽子に誘われて2年前に劇団にやってきました。
手足身長が長く見栄えは良いのだけど、不器用を絵に描いたような男の子でした。

百之進は普通の人よりも何倍も時間のかかる人です。
しかし、決めたことは必ずやろうする、努力を怠らないガッツのあるやつでした。

また、彼のよく通る声は森の創作に役立ってくれました。

不器用だけど頑張り屋さんの彼を劇団員として迎える上での僕のテーマは
彼の新しい魅力を見つける、彼の出来ることを増やそうということでした。

劇団の金庫番や、今回の公演のうちオペラ附子の脚色・制作、前回の公演では稽古場進行、歌唱担当、表方、キャスティングもなるべく色々な種類の役をやれるように考えました。

出来ると思ってやらせたもの、手が足りないから振った仕事、色々ありましたが、
不器用なりにがんばってくれました。最初はできなくても出来るようになっていく様子を見ていくのはとても楽しかったです。

しかし、振り返って考えてみると、もっと彼でも出来る役、彼のやりたい役を振っていったほうがよかったのかなとも思います。

ただ、僕はできないと思った役を振ったことはないし、苦手でも投げ出さず一生懸命やってくれることを信じていたし、そこに生まれう面白みこそ彼を生かし、継続して作品を作る劇団のメンバーとして成長させてくれるものだと思いました。

百の退団は劇団の今後の方針との相違にあります。
もっと色々な事を考えられたのかもしれませんが、道を違えることになりました。

二人と出会えて、これまで歩んでこれたことは僕にとっても大変勉強になったと思います。

これまでの時間がお互いの今後につながるもであればよいなと思います。


もう一人、四月から仕事が忙しくなる馬場さんへの感謝も個々に残しておきたいと思います。おそらく彼女にとって大学演劇以降で一番演劇を楽しめる時期のうちの一つを僕らとともに過ごしてくれていたのだと思います。

卒団する二人に対しても僕以上に色々なことを教えてくれていたと思います。
彼女には本当に甘えさせてもらいましたし、彼女無くしてのこの半年はなかったと言えます。

これから先、僕や森で力になれることがあれば、必ず返していきたいと思います。

彩乃梨央に贈る曲
門出


百之進に贈る曲
百之進のテーマ