忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

「要人自身も訓練」自民テロ調査会が要人警護議論

2022年07月21日 | 忘憂之物





「ミャクミャク」に決まったとか。なんでも日本語の「脈々」からきているらしいが、なんかパンダの赤ちゃんの名前みたいで中国臭い。ためしに中国語翻訳してみたら「妙妙」と変換された。日本語の意味なら「素晴らしい」とか肯定的な意味も含まれるが、これを中国語にすると「奇怪的」とのこと。意味は「怪人」とか「怪物」になる。たぶん、こっちのほうが正解だ。

例えば、思春期に父親が自殺して母親がカルト宗教にハマる。せっせと貢いで一家が破産する。お兄ちゃんも死んで、本人は死亡保険金を妹や弟に、と言って自殺未遂する。その後もカルト宗教に恨みを募らせて人生を棒に振り、今月8日に日本だけではなく、国際社会から絶大な信頼を得ていた大政治家を暗殺テロで殺害する。いま、テレビが垂れ流している「怪物ストーリー」だ。

お茶の間でクーラー止めてテレビを見ている人らはそれでいいかもしれないが、多くの国民はおそらく、そんなことはどうでもいいと思っている。もちろん、犯行動機の解明は必要だが、事件発生から30分もせぬのに、速報で名前や年齢、元海上自衛隊が強調されるのを不思議だと思っている。

それよりもなぜ、奈良県警の警護はすかすかだったのか、警視庁SPの人数、配置に問題はなかったのか、なぜ背後がガラガラの状態で放置していたのか、なぜ、初期報道では「銃声は3回」だったのか、などが気になる。交通事故を起こしたドライバーじゃあるまいし「自転車に気を取られて」という理由で、ふらふらとでかい荷物をもって近づいてきた呆け顔のカスに凶行を許したことに納得はしない。

また、いまさらに「マスコミはなぜ、カルト宗教の問題を取り上げてこなかったのか」みたいなことを言う御仁もいるが、そんなものは「ニュース性が低い」からだと知れている。犬が人を噛んだレベルはニュースにならない。噛まれた人が死ぬとか、何十人も噛まれまくっているとか、体長20メートルの狂犬が暴れているならニュースにもなろうが、そこらのカルト宗教にやられて破産したり、ツボや数珠をインチキな金額で買っていたりは珍しくない。

ここは日本だ。「外国人はみんな良い人」と思う日本人の呑気さを舐めてはいけない。「今日も明日もずっと平和」だと疑わない日本人の安全神話を軽んじてはならない。日本人の「特殊詐欺被害額」は7年連続で減少、とのことだが、2021年でまだ282億円だ。カルトにやられて酷い目に遭うくらい、まだまだ、そこらに吐いて捨てるほどいる。

だからいまの日本でも「アレフ」は信者が1600人いるらしい。旧統一教会は6万人とか。800万人の創価学会と比せば大した人数じゃない。幸福の科学なんか1100万人もいるとか。テレビは上手に創価学会の公明党を避けて「政教分離がー」とやるが、そもそもが日本には宗教の自由がある。フランスやドイツみたいにカルト認定して禁止するとかしていない。だからややこしい。

いずれにせよ、このテロ事件の「実行犯」とは、要するに単独で自作した武器をもって、ストーカー紛いの行動でつけ回していた、というだけのことだった。これに「ホームセンターで材料が揃うのはどうか」「ネットで作成法が得られるのはどうだ」と問題提起しているのもいるが、これまた、どうでもよろしい話だ。自作の武器とは拳銃だけではない。爆発物だけとは限らない。

真の問題は、何故ゆえにこの程度の盆暗が、単独で、金も使わず、誰にも邪魔されずに「犯行を成し遂げることができたのか」に他ならない。これ以外の問題提起、あるいは報道内容についてはすべからく枝葉の話に過ぎない。

事の本質は、この程度の阿呆が自棄になって、チンケな無茶をしても「絶対に成功しない」ようにするために、なにをどうしていればよかったのか、を議論して真因を特定することだ。人数が少ないとはいえ、何故に訓練されたSPがいて、専門職であるプロ警備が居ながら、こんなド素人のカス野郎相手に、要人警護に失敗したのか、を究明しなければならない。

このあまりの不自然さに「陰謀論」まで出ているとされるが、私は陰謀論者との誹りを受けてもよい覚悟で問いたい。「真実」とは、この薄らボケが捕まってすぐにぺらぺらやっている「犯行動機」がすべてであり、テレビが疑いもしない「犯行内容」でお仕舞なのか。

事件を受けて、自民党の「治安・テロ対策調査会」が要人警護の見直しを議論しているらしいが、そらそうだろうと思う。それに自民党の政治家なら他人事でもない。「言論の自由」とか「表現の自由」を隠れ蓑に近寄ってくる危ないのがいるかもしれない。摘まみ出したら訴えられて負ける国が日本だ。

会長の岩屋毅氏もイメージが良くない。韓国からの「レーザー照射事件」の際、日本のマスコミから「(今回の件は)日韓関係の悪化に起因するか」と問われて「そうであってほしくない。問題が積み重なってのことではないと信じたい」と乙女チックな返答をして驚いた。その後、シンガポールで非公式にて韓国国防相と会い、笑顔で握手をするという健気さだった。不安しかない。


ま、とりあえずは、警察庁次長がトップで「検証・見直しチーム」とやらができ、来月中には結論を出すとのことなので待ちたいところだが、もう、マスコミの顔色は気にせずやってほしい。9月には国葬もある。悠長なことは言ってられない。テロリストに人権などない。危険を犠牲にした上に自由などない。

 抱えきれない大きな悲しみの中、多くの日本人が涙をぬぐって目を開く。もう、ちゃんと「怪物」は「怪物」だと見抜ける。隠された悪意も見破るのも増えている。もう、マスコミの陳腐な変更が通じないのが証左だ。





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