忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

『モーニングショー』玉川徹、菅氏の弔辞に“電通の演出”発言を訂正で「降板させるべき」と大…

2022年09月30日 | 忘憂之物




1998年8月、北朝鮮が新型弾道ミサイルを発射。ミサイルは日本列島を初めて飛び越えて三陸沖に着弾した。ミサイルは「テポドン1号」だったが、北朝鮮は「人工衛星の打ち上げに成功した」と発表した。ワイドショー好きのおばはんでも「ほんまかいな」くらいは言う。

しかし、TBSの金平茂紀は「ダ・カーポ」のコラムで「これは日本にとって相当恥ずかしい」と書いた。理由は当時の森幹事長が「交戦状態になってもおかしくない」と興奮し、当時の関谷建設大臣なども「国家存亡の危機」だと煽った。金平は日本政府の反応を「かなり舞い上がった発言」だとして小馬鹿にした。そして「(弾道ミサイルという)前提条件が間違っていた」と書いていた。金平はつまるところ、だから人工衛星って言ってたでしょ、ほら、発射した当事者が人工衛星って発表したよ、日本どうすんの?と嘲笑った。

回転している物体は重心が移動しなくても「角運動量」という運動エネルギーによって落下せずに旋回する。つまり、この「ブーメラン」もちゃんと戻ってきて、ミサイルやないかい、というツッコミと共に金平の後頭部に突き刺さっているはずだが、頭が左に巻くと失われるのは羞恥心や道徳心だけではなく、痛覚も失われる可能性がある。普通の人間なら即死だが、本人、ダメージがなさそうだ。ちなみに、この5年前に発射された弾道ミサイル「ノドン」にて、朝日新聞の伝説、且つ、不朽の名言「1発だけなら誤射かもしれない」が生まれた。忘れないようにしたい。

ところで、テレビ朝日社員の玉川徹が早速にも謝罪したらしい。

ごめんで済むなら米軍はいらないし、辻元清美はケアレスミス(ミヤネ屋)というなら自民党の調査もアンケートもいらない。謝罪の文言も「菅前総理」には謝っていない。「視聴者の皆さん」もおまけだ。本当に頭を下げている相手は電通とテレ朝の上層部だ。

この呆けは2020年にも謝罪していた。コロナの正体が不明で世界がまだ恐々としているときだ。この年の4月に玉川徹は「行政が土日休み」として、その結果「民間の検査だけで39例になった」とテレビで言った。岡田晴恵がまだテレビでまくりの頃だ。隣にいた岡田も「全部民間だというのは私も聞き及んでいます」として「(行政が)やっていないかどうかは確証がもてない」とアリバイ的な発言だった。全部民間なら行政はやってないわな、とテレビの前のおばはんはそう思う仕組みだが、そこに玉川は「行政がやってないのは確認取れています」と断言した。スタッフが調べてます、と。

つまり、これが全部、端から端までがデマだった。

これに黒田区議の川松氏が違和感を覚えて都に確認すると「土日もやってます」。

放置していると、ただでさえ忙殺されている都の保健センターなどの職員は苦情の電話などの対応にとられる。これ以上、保健所や医療所に負担させてどうするのか、ということで抗議運動、拡散の呼びかけもあった。当然ながら、東京都もテレビ朝日に抗議、厚生労働省結核感染症課の担当者も土日だけではなく「祝日もやってます」と声を上げた。

それで玉川徹の謝罪はこうだった。

「改めて関係者の皆様、そして番組を信頼して視て頂いている視聴者の皆様に対しお詫び申し上げます。本当にすいませんでした」

なぜに「断言したか」については「記者が取材してきたメモの解釈を間違えた」だった。つまり、自分で取材もしてません、調べてもいません、勝手な解釈で間違いました、ごめんなさい、だ。テレビ朝日の社員はこの薄ら呆けしかいないのか。なぜに使い続けるのか、まさに意味不明だ。

ずいぶん前からテレビ業界は左前だといわれる。理由はいろいろあるだろうし、諸行無常なこともある。しかしながら、その真因というか、諸悪の根源は「報道番組風ニュースバラエティの弊害」ではないか。残念ながら、影響力がまだ少し残るからたちが悪い。

言論番組などの需要はあるし、報道番組の特集なども興味があれば観るだろう。普通の人はなかなか資料を読み込んだり、専門家の講演会に出かけたり、関連する書籍を探して揃えたりしないから、そこに優秀なテレビスタッフらが調べて探して、専門家に聞いて、まとめてから放送するモノが面白くないはずがない。しかしながら、そこにデマや捏造、歪曲や偏向をふんだんに織り交ぜるから、普通の視聴者は離れていく。「やっぱりタダより高いモノはない」と思い出して去っていく。当然の帰結である。

いずれにせよ、今回は相手も悪いし、玉川も年貢の納め時かもしれない。これでうっとうしい「徹」がひとり減るなら、テレビをつけても精神衛生上、少しは良くなるのかもしれない。





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