Illustratorについて触れたからには、InDesignについても触れないわけにはいきません。
ソフトの現状分析とか方向性といった巨きな問題は僕の手に余るので、ここでは常日頃感じている不満レベルの問題に限定します。
真っ先に挙げたいのは、画面の拡大・縮小、スクロールといった最も基本的な操作のキーボードショートカットに、スペースバーが割り当てられていることです。テキストを主な素材として扱うアプリケーションなのに、こんな不合理な仕様があるでしょうか。ショートカットによって何度も画面の拡大・縮小やスクロールを繰り返しているうちに、キーを押すタイミングの微妙なずれによってついうっかり編集中のテキストに余分なスペースが挿入されてしまった、といった事態になりません。幸い僕は今までのところそのような事態には至ったことがありませんが、作業中に余分なスペースが挿入されたのに気づいてあわてて取り消しをしたことなら何度となくあります。しかもこれはテキスト内だけでなく、オブジェクトのXY座標や縦横の長さの数値、フォントの大きさ、長体・平体率、インデント値など、パネル(パレット)の入力ボックスのありとあらゆるところで起こり得るのです。それ自体は小さなストレスにしか過ぎなくとも、常時ストレスにさらされつづけるのは不快以外の何物でもありません。
むろん画面の拡大・縮小、スクロールには別のメニューやマウスによる操作が用意されています。そちらを使えばいいじゃないか、という向きもあるかと思います。しかし近道(ショートカット)があるとわかっているのに、なぜわざわざ遠回りしなければならないんでしょうか。それこそショートカットの存在する意味がありません。
CS2になってAdobeもようやく問題の一端を認識したらしく、カーソルがテキスト中にある場合に限り、スペースバーの代わりにoptionキーでスクロールができるようになりました。そこまでしておいてなぜスクロールのショートカットをoptionキーに統一しないんでしょうか。理解に苦しみます。しかも画面の拡大・縮小のショートカットは依然元のままですから、この仕様変更の効果ははなはだ中途半端といわざるを得ません。ストレスからの真の解放はショートカットからスペースバーが一掃されたときにのみもたらされるのです。
これにはAdobeソフト間でなるべくキー操作を統一したい、という意向が働いているのかもしれません。それならそれで、せめてこれらのショートカットのカスタマイズができるようにしてほしいものです。
さて、上に述べたのはミスを誘発する不合理なショートカットという話でしたが、次はバグといってもいいものじゃないかと思います。ただバグにしてはいつまでもたっても直る気配がなく、この問題に触れたブログやネット上の書き込みも見たことがありません。何だかまわりは晴れ渡っているのに僕の上だけ雨が降り注いでいるといった按配で、狐につままれたような気分です。
これは他の多くのアプリケーションに共通の操作だと思うのですが、パレットメニューの入力ボックスにカーソルがあるとき、タブキーを押すと次の入力ボックスに移ることができます。わざわざマウスドラッグで選択しなくとも入力ボックスを移ると同時にそのボックス内の数値がハイライト表示されるので、連続して数値を入れたいときにとても便利です。
むろんInDesignにもこの機能は備わっており、フル活用しています、といいたいところですが、どういうわけかInDesignではかなり高い確率でこのハイライト表示が外れ、上書き入力されずにもともと入っていた数値のあとにつづけて入力されてしまうのです。結果、たとえば「2.75mm」を「3.25mm」に変更したいとき、通常であればタブキーを押してそのまま3.25と入力すればよいのですが、これが「2.75mm3.25」という意味不明の数値になってしまい、確定のためEnterキーを押した途端エラー音が鳴り響いてギョッとする、という経験をいやというほどしました。
僕がInDesignを本格的に使い始めたのはバージョンが2.0になってからで、当時PowerMacG4にCPUカードを挿して使用していました。この現象が起きるのはきっとそのせいで、次のバージョンが出れば直るに違いないと高をくくっていました。
ところがOSXになりInDesignのバージョンがCSに上がってもこの現象は直りませんでした。やっぱりCPUカードだから互換性の問題があるんだろうな、しかたないよな、とこれも自分の環境のせいだと諦めました。
次にIntel Macを購入し、InDesignもCS2となりました。さあ、これであの現象ともおさらばだと期待したのも束の間、相変わらずエラー音は鳴り響きつづけました。うーん、これはCS2がロゼッタ上で動いているからなのか、Universalアプリではないからなのか、だったらはやくCS3が使いたいなあ、ということでまたしても涙を飲みました。
そして念願のCS3。もうあの現象が起きるはずがないことを僕は露ほども疑いませんでした。意気揚々とタブキーを連打して数値を入力、確定。そして訪れるはずの勝利の瞬間、またもやポーンという呪いのエラー音が鳴り響きました。僕の勝ち誇った表情は一瞬にして凍りつき、なぜだ、一体なぜなんだ、とむなしく問いを発するばかりでした。
こうして三度びの裏切りを受けた僕は、疑惑と不信のどん底に突き落とされたのでした。
インプット・メソッドか入力モードが問題なのかとも思い、ATOKからことえりに変えたり入力モードを英数に変更しても結果は同じでした。おそらくバグなんでしょうが、これがまったく話題に上っていないように見えることのほうがもっと不思議です。この便利な機能を多くの人はほとんど使っていないということなんでしょうか。
もう一つの可能性として、これはInDesignの問題ではなく、OS側の問題ということも考えられなくはありません。しかしOS9からOSX10.5.8を通じて同じ現象が繰り返されている以上、その可能性は低いと思うのですが……。
まだ導入していないCS5ではこの問題が解消されていることを切に祈ります。
ソフトの現状分析とか方向性といった巨きな問題は僕の手に余るので、ここでは常日頃感じている不満レベルの問題に限定します。
真っ先に挙げたいのは、画面の拡大・縮小、スクロールといった最も基本的な操作のキーボードショートカットに、スペースバーが割り当てられていることです。テキストを主な素材として扱うアプリケーションなのに、こんな不合理な仕様があるでしょうか。ショートカットによって何度も画面の拡大・縮小やスクロールを繰り返しているうちに、キーを押すタイミングの微妙なずれによってついうっかり編集中のテキストに余分なスペースが挿入されてしまった、といった事態になりません。幸い僕は今までのところそのような事態には至ったことがありませんが、作業中に余分なスペースが挿入されたのに気づいてあわてて取り消しをしたことなら何度となくあります。しかもこれはテキスト内だけでなく、オブジェクトのXY座標や縦横の長さの数値、フォントの大きさ、長体・平体率、インデント値など、パネル(パレット)の入力ボックスのありとあらゆるところで起こり得るのです。それ自体は小さなストレスにしか過ぎなくとも、常時ストレスにさらされつづけるのは不快以外の何物でもありません。
むろん画面の拡大・縮小、スクロールには別のメニューやマウスによる操作が用意されています。そちらを使えばいいじゃないか、という向きもあるかと思います。しかし近道(ショートカット)があるとわかっているのに、なぜわざわざ遠回りしなければならないんでしょうか。それこそショートカットの存在する意味がありません。
CS2になってAdobeもようやく問題の一端を認識したらしく、カーソルがテキスト中にある場合に限り、スペースバーの代わりにoptionキーでスクロールができるようになりました。そこまでしておいてなぜスクロールのショートカットをoptionキーに統一しないんでしょうか。理解に苦しみます。しかも画面の拡大・縮小のショートカットは依然元のままですから、この仕様変更の効果ははなはだ中途半端といわざるを得ません。ストレスからの真の解放はショートカットからスペースバーが一掃されたときにのみもたらされるのです。
これにはAdobeソフト間でなるべくキー操作を統一したい、という意向が働いているのかもしれません。それならそれで、せめてこれらのショートカットのカスタマイズができるようにしてほしいものです。
さて、上に述べたのはミスを誘発する不合理なショートカットという話でしたが、次はバグといってもいいものじゃないかと思います。ただバグにしてはいつまでもたっても直る気配がなく、この問題に触れたブログやネット上の書き込みも見たことがありません。何だかまわりは晴れ渡っているのに僕の上だけ雨が降り注いでいるといった按配で、狐につままれたような気分です。
これは他の多くのアプリケーションに共通の操作だと思うのですが、パレットメニューの入力ボックスにカーソルがあるとき、タブキーを押すと次の入力ボックスに移ることができます。わざわざマウスドラッグで選択しなくとも入力ボックスを移ると同時にそのボックス内の数値がハイライト表示されるので、連続して数値を入れたいときにとても便利です。
むろんInDesignにもこの機能は備わっており、フル活用しています、といいたいところですが、どういうわけかInDesignではかなり高い確率でこのハイライト表示が外れ、上書き入力されずにもともと入っていた数値のあとにつづけて入力されてしまうのです。結果、たとえば「2.75mm」を「3.25mm」に変更したいとき、通常であればタブキーを押してそのまま3.25と入力すればよいのですが、これが「2.75mm3.25」という意味不明の数値になってしまい、確定のためEnterキーを押した途端エラー音が鳴り響いてギョッとする、という経験をいやというほどしました。
僕がInDesignを本格的に使い始めたのはバージョンが2.0になってからで、当時PowerMacG4にCPUカードを挿して使用していました。この現象が起きるのはきっとそのせいで、次のバージョンが出れば直るに違いないと高をくくっていました。
ところがOSXになりInDesignのバージョンがCSに上がってもこの現象は直りませんでした。やっぱりCPUカードだから互換性の問題があるんだろうな、しかたないよな、とこれも自分の環境のせいだと諦めました。
次にIntel Macを購入し、InDesignもCS2となりました。さあ、これであの現象ともおさらばだと期待したのも束の間、相変わらずエラー音は鳴り響きつづけました。うーん、これはCS2がロゼッタ上で動いているからなのか、Universalアプリではないからなのか、だったらはやくCS3が使いたいなあ、ということでまたしても涙を飲みました。
そして念願のCS3。もうあの現象が起きるはずがないことを僕は露ほども疑いませんでした。意気揚々とタブキーを連打して数値を入力、確定。そして訪れるはずの勝利の瞬間、またもやポーンという呪いのエラー音が鳴り響きました。僕の勝ち誇った表情は一瞬にして凍りつき、なぜだ、一体なぜなんだ、とむなしく問いを発するばかりでした。
こうして三度びの裏切りを受けた僕は、疑惑と不信のどん底に突き落とされたのでした。
インプット・メソッドか入力モードが問題なのかとも思い、ATOKからことえりに変えたり入力モードを英数に変更しても結果は同じでした。おそらくバグなんでしょうが、これがまったく話題に上っていないように見えることのほうがもっと不思議です。この便利な機能を多くの人はほとんど使っていないということなんでしょうか。
もう一つの可能性として、これはInDesignの問題ではなく、OS側の問題ということも考えられなくはありません。しかしOS9からOSX10.5.8を通じて同じ現象が繰り返されている以上、その可能性は低いと思うのですが……。
まだ導入していないCS5ではこの問題が解消されていることを切に祈ります。