哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

私たちは人に迷惑をかけていないのか?

2013年10月22日 | 哲学・心の病
ある人は「人に迷惑をかけなければ何をしても良い」と子供に言い聞かせているらしいが、人と関わらずには生きていけない私たちは、人に迷惑をかけずに生きていけるのだろうか?
私には、そう言う親は人に迷惑をかけている自覚がないように見える。

日常の些細なことでも、自分は迷惑とは気づかずに人に迷惑をかけていることがありはしないか?
例えば、歩道を走り抜けている自転車はどうだろうか?
本人は迷惑をかけているとは感じていないから、危険と思えるスピードで通り過ぎていく。
こちらは、ぶつかってはいけないと神経をつかって避けている。
また、若者によくみられる行動だが、狭い歩道を2、3人横に並びながら歩いていることがある。
それを避けながら歩いている人に迷惑をかけているにもかかわらずに。

そこまでの行為でなくても、例えば買い物でどの商品を買おうかと商品選びをしているときに、他の人が同じコーナーで商品選びをしたいのに、先行者がいたために待たされることは、迷惑ではないだろうか?

仕事上でも、私たちは人に迷惑をかけてはいないか?
私たちは熟練者になるまで、先輩から教わらなければならないことがあるし、ミスをしたり、病気で休まざるえなくて迷惑をかけてしまうこともある。
ちょっとした言葉づかいで、同僚や部下を傷つけていることもあるだろう。

実は私も若いときは「人に迷惑をかけなければ何をしても良い」と思っていた。
しかし、伊藤〇商事に勤めていた叔父は、若いときにフィリピンのバナナ農場で経営者側として働いていたことがあるが、ある日、ある酒の場で、「日本人の豊かな生活は、安い賃金で働いている外国の犠牲によって成り立っている」とつぶやくように実感をもって言った。
それを聞いた私は、人に迷惑をかけて生きていることを以前より強く自覚するようになった。


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