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カワサキZ1とミクニTMキャブレター

2008年11月04日 | キャブレター修理&探求
 中古の個人売買で入手して間もないというZ1が、キャブレターの不調で入庫した。アイドリングさえまともにしない状態で、売主はセッティングが必要な状態だと説明していたという。これまでカワサキ車を得意とする店に調整を依頼したこともあったのだが、「最悪のキャブレターだから」と言われ手をつけてさえくれなかったそうだ。その言葉はミクニに対してあまりにも失礼な話ではないか。キャブレターの素性に責任転嫁すれば済む話ではない。

 このブログで何度も書いているが、「セッティング」には前提となる条件が必要だ。キャブレターはオートバイに装着されていればいいというものではないし、さらにはキャブレター内部も部品が揃ってさえいればいいというわけではない。問題は個々の部品がしっかりとその機能を果たすように装着されているか、なのだ。 まずキャブレターをオーバーホールし、内部で余計なガソリンやエアを吸い込んでいない状態をつくる。そしてそのキャブレターがエンジンに搭載された状態でも、同じように設定外の要素が入り込まない状態をつくる。さらには4気筒車の場合は4つのキャブレターが夫々の気筒に合った状態にバランスよく調整されなければならない。いわゆる同調調整も重要な要素だ。


こうして書くと簡単そうに思えるが、実はそれらの基本的なことが肝心であり、もっとも苦労することでもある。一回念入りにやれば大丈夫というものではなく、何度も何度も、満足のいく状態にもっていくまでトライ&エラーの繰り返しが続く。しかし、やがて結果は出る。なぜなら本来、設計者は苦労してこれらのパーツがそう機能するように造っているからだ。

このz1も、そうした作業を繰り返す中でセッティングをする以前に必要な条件は揃えることができた。ジェット類やニードルを変更することなくアイドリングは安定し、プラグの焼けも良好になり、加速もおおむねスムーズでアフターファイアも一切出なくなった。ここまできて初めてセッティング開始である。(画像は初めに装着されていた状態のもの)





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