東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ

日々GARAGE-UCGで如何なる修理や探求が行われ、どんなガレージライフを過ごしているのだろうか?

ケイヒンFCR35Φキャブレター セッティング ヤマハSR400

2010年03月08日 | SR400 SR500探求


つい先日、2010年になったなぁ~なんて思いつつも、気づけば3月も半ばに突入。
卒業の季節です。そして巷では新しい門出の時期。

不景気だとか、少しだけ景気が改善してきたとか、そんなニュースに耳を傾けつつ、目の前に聳え立つ、日本経済の象徴とも言える、新宿副都心の高層ビル群を見上げ、いつも通りの作業が続いてます。

そうは言っても、これまでのガレージUCGを立ち上げてからの八年間の中でも、一番不景気風が吹いている事は肌で体感出来ます。だが、落ち込んでいる暇はない。依頼がある限り、一つ一つその瞬間を大切に、おそらくは想像以上に丁寧な作業を積み重ねております。

さて、今回の字数もまた莫大だ。

早く暖かくならないかな~ってバイクに乗るのが楽しい時期を間近に想像しながら、今回はFCRキャブレターを搭載したSR号のキャブレターセッティング。

このマシンは数ヶ月前にエンジン腰上をオーバーホールし、ようやく慣らしが終わった所で慣らしリミッターからようやく解き放たれるという事で、全開までのセッティングを見直し中。面白いのは、オーバーホールを終えた直後、低開度領域だけでセッティングを大まかに詰めておいても、ピストンリングやピストンが馴染んでくると、それだけで一気にセッティングの方向は変わり、もっともっととエンジンはガソリンを欲しがります。なので一番恐ろしい事は、オーバーホールする前からのセッティングのままの場合、その後のセッティングは大きく異なってくる事が大半なのである。

エンジンが馴染んできて、ガソリンを多く欲しがる=セッティング的に薄くなってしまう事は多々有り(内容によっては、逆も有り)それらをしっかり補正しなければ、エンジン寿命は著しく短くなってしまうのである。つまりは何の為のオーバーホールだったのか?という原点に帰着する。

もちろん、このオーバーホール後の慣らしを終える頃の距離にはエンジン的にもチェックしなければならない点がある。
大切なのはタペットクリアランス。特に吸排気バルブを交換したり、バルブシートカットを行った場合、要注意。
必ず距離を見計らって再調整&点検を行う。

バルブの当たり面がしっかり馴染んでくると、そのクリアランスが密になる事もあるので、再度クリアランスを調整しなければいけない。これが直押しバルブの場合、シム式なので、何気に面倒なのだが、ロッカーアーム式の場合だとその点はすぐに再調整できるので、作業的にはとても有り難い。

先ずはそんな前提作業をしっかり行った上で、いよいよ実走行しつつのセッティング。

セッティングも、賛否両論、いろいろな方法があるし、シャシーダイナモにマシンを載せてデーターを見ながらリセッティングするのもデーターとしては確実だが、レースの世界では、当然シャシダイがピットに有る訳ではないので、キャブ車の場合、気圧や湿度、気温や、そのライダーが伝えてくるインフォメーションの中で、いろいろ煮詰めるのだが、FI車が主流になり、コンピューター片手にマップを見ながらリセッティングしたり、エンブレを強めたり弱めたり、そんな変化をすぐにフィードバック出来るのは時代進化のお陰でもある。当然、その進化の中での車体自身のセッティングの方向や目的も異なってくる部分も当然ある。高出力を狙うのか?低燃費を狙うのか?それとも自主規制的な出力制限をするのか?

実際にはまだまだストリートではキャブ車の占める割合は多い訳で、そういう中では実走行やオーナーの乗り方&用途を考えつつ、セッティングを煮詰めて行く事が大切なのである。そういう細かな配慮までは機械では出来ない。

乗り手に因っても当然操作は異なる。一気にスロットルをワイドオープンにするのか?じわーっと絞り込むように開けて行くのか、それだけでもセッティングの方向性は大きく異なるのである。

それと同時に、よくあるキャブレターセッティングの相談としては、調子が悪い=セッティングと考えてしまう乗り手が非常に多い事。ただメインジェットを交換する事がセッティングでは無いのである。

何年もそのキャブレターを酷使してきて、リセッティングをするというのは本末転倒。まずはきっちりとキャブ自身の前提を作り出さなくてはいけない。それから初めてセッティングの領域に突入出来る。

だから良くありがちなのは、セッティングをいくら絞っても、プラグがカブるという場合。
各通路の気密性が悪くなってるのを無視して、カブってしまうからと、とにかくメインジェットの番手を小さくして行けば高速走行時にそのバランスは一気に崩壊し、エンジンが焼けてブローに繋がる。2ストローク=すぐに焼き付くというのは、それらの判断ミスによるところが非常に大きいのである。(何か大きな問題を抱えていればすぐに重大な結果となって現れるのは2ストローク車の事実。)

ということでしっかりとした前提条件を作れば、5番手~10番手もジェットを換えれば明らかに濃い薄いの判断がしっかり出来るのだ。そこを突詰められなければ、セッティングはおろか、土俵にすら上がれないのである。
なので改めて今後セッティングに向き合おうとしている探求者にはその点をしっかりと理解してもらいたいと切に願う。
もちろんその話については、ガレージに実際に来てもらえれば、うんざりする程に話は出来るし、原因や理由、そして結果までも明確に説明出来ます。というよりは、説明しなければならない義務がある。



画像に出ているジェット類はほんの一例。いろいろ合わせれば、数えた事はないが、ガレージ内にはこの4倍くらいはあったりします。この中のいずれかの部品を二つでも購入すれば、なんとそれは一食分の弁当が買えてしまうのである。
それもただの弁当では無く、高級幕の内弁当が買えるかもしれない。デフレだのなんだのと言われ始めて久しい巷では、このジェットを一つ購入するだけで、立派な弁当だって買えるであろう。悩む、その問題、実に悩む。飯とジェット、どちらかを選べと言われたら・・・なんじゃそら

メジャーなFCR、CR、PWK用のメインジェットと共に、FCRスロージェットもCRキャブのスロージェットも豊富に有ります。これ意外にもミクニ系のジェット類やらニードルやら、気づけば莫大な量になってしまった。おそらくはこういったセッティングパーツだけで二桁万円になっちゃうかも??ひょえ~(販売用の在庫ではなく、あくまでも依頼のある車輛用のテスト部品です。もちろん各社各種セッティングパーツや消耗品類も取寄せ可能なのでご相談下され。)

ありとあらゆる車種のキャブレターオーバーホールやセッティングを煮詰めるならばセッティングパーツはあってもあっても足らず、特に四気筒=マルチエンジンに対応しようとするとかなり大変なのである。

もし自分自身でセッティングを煮詰めてみたいならば、新品以外のキャブレターの場合、何度も語っているがしっかりした前提条件を作った上で、必要なジェットやニードル類は絶対にケチらない事。結果、もしそのジェットがテスト走行のみですぐ外されてしまったとしても、そのたった一度の為の探求が最高の経験であり価値なのだ。
(基礎無くして家は建たない。無論、エンジンの圧縮がしっかりあるのかも重要である事も付け加える。)

一つ二つ異なるジェットを用意して、これまでよりも調子が良くなっただって?え?それで終わりなのかい?
ジェットを買う予算が無いだって??でも出来る事はなんでも自分でやりたいだって?そんな都合の良い、矛盾した事言ってるんじゃないよ!苦労無いままに、誰も手は差し伸べてはくれない。助けを求めてこなくても、苦労している人には、大抵の場合、それを見ていたら、出来る限りでなんとかしてやろうって思うのが心情である。そもそもが、ノーマルから何かしらバランスを崩すという道=改造やチューニングに進む事自体が、文字通り「苦労」なのだ。なので決して簡単に事は進まない。

少し道は逸れるが、そう考えると、自分が働いて稼ぐ事と、誰かに働いてもらって、そこにお金を払うという事はまさに一体なのであるとはっきり感じられる。少しでもコストを節約したいのに、寿命はどんどん短くなり、破壊の道へ突き進み、いざそうなって大きな出費を目の当たりにし、結局は、さらに働かなくてはいけなくなる。あー、そんな悪循環は嫌だ~

やりたいのに、わからないからとりあえず軽く調べて、トライしてみれば、ぶっ壊す。さらに高い出費・・・うーむ、素晴らしい勉強代。

結局、それでは途中で身動きが取れなくなり、ノーマルに戻すのはプライドが許さず、ある程度コストを掛けたのに、全てが中途半端に終わる。予算が捻出出来ないどころか、最悪はマシンが動かないようになり、見なかった事にしよう的な結果になる。もし自分がそんな目にあったら、絶対にそうなると断言出来る。事実、学生時代にいろいろテキトーにバイクいじってた頃は、そうやって草むらのヒーロー化したマシンもあったっけ・・・唖然

以上の事は、別に誰かの事を思ってる訳では無しに、全てかつての自分の話し。中途半端に終わらせる事に納得出来ず、気づいてみれば、今のUCGが、はい出来上がり。

リプレイスキャブ、レーシングキャブを手に入れるならば、こういったセッティングの事まで必ず含みで考える事。もしキャブを買ってそのまま付けてはい終わり、あとは適当に走るからいいもんね~ってな感じならば、絶対にノーマルキャブのままがベスト。エアクリーナーも付いているし、煩わしいセッティングも無い。

そうでは無く、必ず行き過ぎてフィーリングが悪化する所を知った上で振り返ってみればピークが判るのではないだろうか?
現状よりも良くなったとしても、それがBestなのか?Better?なのか実証&確証はあると断言出来るのだろうか。
だがしかし、リッタークラスのバイクの場合、ある程度セッティングが出てくれば多少のズレがあってもガンガン走ってしまったりもするのもまた事実。

まだ上り調子の途中で、勝手にここがピークだと何を基準に判断出来よう。
登山とまるで同じ。ピークを越えて、振り返って初めてその結果が判るのである。
その為の苦労を惜しんではいけないと、まるで説教じみた居酒屋のオヤジlikeな語りになってしまったではないか。

何度もキャブを外しリセッティングを行い、かなり素晴らしいパワーを発揮するようになったこのマシン、これからもしっかりと走り続けてもらえたら、最高に嬉しい!!

キャブでもサスペンションでも、セッティングに「ハズレ」は存在しない。あくまでもその時々の過程にしか過ぎないのだから。環境によっては、それがベストな時だってある。
伝えにくい部分はいろいろとあるけれど、百聞は一見に如かず。到達した者にしか判らない世界。

真の探求者を自負するあまり、一人で無駄に遠回りをする必要は無い。
それは自分=UCG自身が散々に散財してきた事でもあるから間違いない事実でもある。
多分、そのコストは何十万円?うーん、多分それじゃ収まらないだろうな・・・
あのバイクに出会ったが故に、人生が変わっちまったよ・・・とほほ

大丈夫、そんな経験があったからこそ、あらゆる相談に対して、コスト面抜きでしっかり話を聞きます。費やす時間だってもちろん同じ。いきなり良い結果が出るかはわからないが、まずやってみる。そして探求する。それは実際の仕事でも同じ。
皆がやりたがらない、他で断られてしまうような依頼にこそ、最大のヒントが隠されている。
結果が伴わなかったら、あー、ダメでしたか~・・・トーンダウンしてしまう時も中にはあるかもしれない。
結果を出せるのにコスト面で対峙出来なかった依頼ももちろんある。(実はこれが一番難しいトラブルシューティングかも?)


かつてプライベーターだった頃の自分が一番求めていたのは、実はそこだった。頼むから、おいらのバイク、見ておくれ。もう何が調子悪いのか、それ自体が判らないんだよ~
正直言うと、当時の自分に、現在の自分が直に教えてあげたかった。知っていれば簡単な事も、知らなければ難しさは深まるばかり。どんな事だって、初体験ってのは存在する。大切なのは、その「初」という事をどれだけ増やせるか、それが最終的には大きな結果に繋がるのだと信じている。

なんだかかなりアツい事になってしまった。相変わらず、自覚症状の無い、ロックンロールは続くのだ。

そんな心の叫びを発しつつ、ガレージの業務は淡々粛々と行われる。

ヤマハSRエンジン その2 クラッチレリーズ探求とその他諸々

2010年02月14日 | SR400 SR500探求

↑泥や油でバラし始めはこのように脂ぎった感じ。でもこのエンジンはオーナー自身かなり奇麗に手入れをしていた為、遥かに状態が良く、もっと凄まじい状態のエンジンが大半。そこから長い長い下準備=洗浄作業は始まる。前回の記事とは順番が逆になってしまったが、これが作業開始直後の状態。

きっと依頼をすれば、さっくり部品を交換して作業完了すると思ったら大間違い。ひたすら洗ったり磨いたり、同じ作業でやっていると身体の負担も何気に大きい。もし何かしら作業を学んでみたいと思うなら、全ての作業において、ここから始まると言っても過言ではない。これまでにも自分のエンジンを自分で奇麗にしてみたいと言う方がいたので、何度か洗浄体験して頂いた事もあるけれど、皆、丸一日持ちませんでした。やっぱり任せますって・・・後半はバテバテ、ペースも落ちまくり。
でもメカニックにはそんな事を言ってる時間はありませぬ。

確かにブラスト等で処理すれば、瞬時に奇麗に出来るけれど、やっぱり何年間も接してきた風合いは捨てられないってそんな意見も多いのが事実。もちろんコスト的にもね。


↑前回記事で掲載し忘れたが、この部品、どこのどの部品だったか判ったら凄い!
この部品はもともと、ミッションの一番外側=ケース側(ベアリング)のシム。画像では二つの部品に見えるかもしれないがもとは単品のワッシャー=シムである。新車時から六万キロオーバーにての状態。
まるでシムの意味を成していない。初期の選定時に0.3mmシムを使用したのであろうか?それとも0.5mmシム?既にこの状態では判別不能。でもこのような状態になってしまった例は他でも確認しています。うーむ、何故でしょう。初期のクリアランス詰め過ぎ?それともシム自身の問題?このような問題もあったので、ミッションとケース間の調整には少々気を使いました。
うかつに素手じゃ触れません。下手したら、スパッと皮膚が切れちゃいます。


↑そしてお次はこの部品。今日の本題。きっと探求者ならば、この部品あたりは判るはず。例のアソコ=ウィークポイントです。そう、クラッチレリーズ。SR系のエンジンのある種ウィークポイント。画像では少し黒く映ってしまったが削れている所が確認出来る。走行距離が2~3万キロあたりになってくると決まってクラッチ切れが悪くなったり、エラくクラッチレバーの動作が悪くなってきたり・・・

はたまたある所まではクラッチレバーがフリーで動くけれど、一気に引っかかる感じになってズコッと一気に切れてしまったり、本当にシビアにクラッチをコントロールしながら走りたいステージ(峠道やワィンディング、はたまたスポーツ走行など)ではとても困る。

ある程度クラッチワイヤー注油をしていたりすればかなり動きは良いのだが、クラッチミートの感覚がどうにも掴みづらかったり、ほんのちょっとで一気にクラッチが離れてしまったり、半クラもぎこちなく、だけど強い押し出しトルクでギクシャク。

うーん、過走行したSRのあのクラッチの感触はどうにも好きにはなれない。
別のマシンで、油圧クラッチだったり、エンジン真横に直押しレリーズが装備されている車輛(XSやGX、その他多くのマルチエンジン等)であれば、その箇所にはスチールボール等も入っていてかなり感触も良いのだが、このただ横からグリグリ強制的に押し当てるタイプだと、遣れた状態になればなるほど、なんとなく削り押す感触が手でも判るようなあの感じ。うーむ、なんとかならないのだろうか。SRXやRZ-R等もこのような方式。余談になるがRZ-R系の場合、このクラッチの調整は右クランクケースカバーを開けての調整になるのでいつも、なんで?という気持ちになってしまう。

クラッチレバーのアジャスターで遊び調整が出来なくなってきた時、クラッチワイヤーの伸びの問題だけでは無く、このレリーズ痩せも疑わなければいけない。調整も限界になったらいよいよ新品交換。しかしこの部品、現在の価格は7000円程する。確かに複雑な形状を見れば納得ではあるが、えーっ、たったこれだけの減りでもう交換??そんな気分に違いない。

という訳で、今回はオーナーの了解を得て肉盛溶接し、面研修復。それと同時に内部の長いプッシュロッドの当たり面も長さを事前にチェックしておいてから鏡面研磨しフリクションを減らす。
肉盛溶接をすれば、同時にその部分の硬度は上がるので、中古部品再利用でも寿命が延ばせるのではないか?という所まで目論みつつ長い長い耐久テストの始まり。もし結果が駄目だったとしても、それならそれで当初から交換する予定だったと思えば問題無し。

クラッチが重い重いと良く言われるこのSRエンジンではあるが、このあたりをしっかり対策して組上げれば、グレイト!
かなり軽いじゃないですか。クラッチが切れる感触もレバーを握ればスーッと連続的な感触。

出力強化してあるエンジンなので、クラッチ板への負担や焼対策を考慮すればクラッチスプリングをそのままに動作を軽く出来るのでベストな選択&作業ではないだろうか。セミ油圧クラッチ化させていたりしても、結局の所、このレリーズ関連の問題を解消していなければスムーズなクラッチミートには繋がらないという事を忘れてはならない。

さらに話は続き、では何故、そこが重要なのか?という事であるが、レリーズが減っていけば行く程、僅かなクラッチレバーの移動でクラッチ自体のミートポイントを合わせる事がシビアになってきて、だがしかし、ライダー自身はその微妙な引きの中での調整を覚える。そうするとますますレリーズの単一箇所が酷使されそこがさらに削れる。その繰り返しで悪化していく。
そうなると引く力も大きくなってくるので、クラッチワイヤーのコンディションが良い状態であったとしても、それを受け止める力はクラッチレバーのピボット部に集中しクラッチレバーを固定するボルト穴が楕円に減り始めてグラグラ、最終的にはハンドルにクラッチレバーが間もなく接する周辺でしかクラッチが切れなくなってくるという悪循環に陥る。

エンジンを大幅に出力強化し、同時に強化クラッチスプリング等も組み込んである場合、どのバイクにも言える事なのだが、クラッチ操作系はしっかり見直さなくてはいけない。それを怠るとあっという間にクラッチレバーの支持部がグラグラになったり、ワイヤーが切れやすかったり、最悪の結果に繋がる。

さらにそのままクラッチが切りづらい状態になってくれば、当然ニュートラルにも入りづらくなってくる。
だがしかし、走行中は回転さえ合わせてしまえば変速は可能なので、何やらごまかしつつ走行出来ていても、やっぱり減速していくとニュートラルには入りにくくなり、より乗りにくくなる。

そうなってきても、大抵の場合、どのような状態になっているか乗り手にはわからないケースが大半なので、最近なんだか変速がしづらいとか、ニュートラルに入りにくいという問題が生じてくる。(もちろん全てがこのような原因では無く、ミッション関連に問題がある場合も有り)

最悪の場合、それすらも考えず、ギアチェンジが固いからと、チェンジペダルをガンガン踏み続けた挙げ句に、シフトシャフトがガタガタで齧りまくり、おまけにシフトフォークやその周辺も不必要な力が入力され自ら破壊の道へと突き進む事になるのである。

減ってしまったクラッチレリーズ、コストを下げつつ直せたらいいなぁ~って思う方は、ご相談下さい。
単品部品の修理代は現在の所、新品部品の半額よりも、もう少し飛び出すくらいです。
この部品だけ外して送ってもらえたら、ばっちりokです。もちろん車輛ごとでも別途にて対応します。


↑肉盛溶接後面研中。溶接した箇所はその他の所よりも削りにくいのでちょっと整形に手が掛かります。
画像ではわかりにくいが、もう少し研磨して面を整えて最後に磨きあげたら完成~
このエンジンをオーバーホールしたオーナーも車輛完成後のクラッチの結果に満足していただけました。
これぞまさに探求修理!

ちなみにXS&GX250/400系マシンのオーナーでクラッチが重いと悩んでいるならば、それに対してもばっちり秘策はあるのだ。困ったらガレージUCGホットラインまでどうぞ。

もう峠やロングツーリングで左腕パンパン病とはおさらばだ。
いや~今回も長く書きすぎた。(所要1時間半)

理由やら状態やら、いろいろと言葉で伝えるのはとても難しい、だがしかし、それを言葉で伝える事に探求の価値があり、ロマンがあり、Soulがぎっしり詰まっている。

自分自身でまさにバイク自身を操作する所だから、どんなバイクに乗っていたとしても本当に気を配ってほしい箇所なのである。

ヤマハSRエンジンフルオーバーホール その1

2010年02月13日 | SR400 SR500探求

今年の冬はいつになく寒い、そんな風に毎年同じ事を感じながらも、さらに寒く感じる今日この頃。
暇だった1月前半とは正反対にUCGは1月後半からは現在もエンジン格闘&探求に追われている。

そんな最中ではあるが、今回もばっちり長文一発攻勢が続くのだ。実はこのブログ、UCG以外にも影武者がいるってご存知?
どうやって判別するのか?それは秘密。でも文体からきっとわかるよね。話を続けよう。

4気筒エンジンのオーバーホールに比べれば、良かった~単気筒エンジンだよ~って少し心和んでしまうような気がしがちではあるが、結局バラし始めたら最後、エンジンがしっかり組み上がって始動するまでの緊張感は全く同じ。
例え何度同じエンジンを開けて同じ手順で組もうが、何回反復を繰り返そうが、結果が出るまではいつも組み忘れは無いか?自分が期待した通りの性能を発揮してくれるのか?気になって仕方が無いのがエンジンなのだ。

だから一日の作業もあっという間に時間が過ぎてゆく。
前半戦は何より大変なのはとにかく清掃作業と下準備、そして計測。
これだけでも膨大な時間を費やす。言葉で言うのは簡単。実際にやってみればその大変さはいつまでだって語り続けられる程・・・きっと初めて同じ作業を真似してみたら、うーん、多分真似出来ないに違いない。

各セクション毎の部品管理がこれまた重要なのである。
それと同時に、どれだけの距離を走ってきたのか?オイルの管理やこれまでの走行していた時のネガな要素=ギアが入りづらいとか、白煙が多かった等、それらの情報がまた新たなヒントとなり探求は続く。

前半戦が終われば大方の新品部品や各種加工に入る。
このエンジンに対してのオーナーからの要望は、安定した性能と長寿命。
その要望が素晴らしい。ストリート仕様の場合、実はこれが一番大切。
結局、いわゆるレーシングパーツてんこ盛り、ハイコンプ系のチューニングの場合、その瞬間瞬間や、限られた距離=レースシーンにおいては最高に特化したパフォーマンスを発揮させられるが、公道という、終わり&ライバル無き耐久レース?の場合エンジントラブルやブローによるリタイヤはあり得ない。(長く酷使し続けた後に調子が悪くなるのは別の話)
なのであまりにも過激な仕様はお薦めしない。(もちろん状況や目的に合致すればOK)

確かに高圧縮やら高回転やら、チューニングメニューを想像してみればニヤニヤしてしまう事は多い。
エンジンや排気のサウンドもまた同様に気持ちが良い。それより何より、その気にさせるその気分。

キャブのボアが大きい方が良いと思ったり、カムの形状が過激だったり、メインジェットはとにかく大きければ良かったり、サスペンションやらバルブスプリングは固い方に決まり!だったり、そーんな訳はないのである。

乗り続けてきたマシンがヤレてきているからこそ、プアな部分がより顕著に現れるからこそ、高価な社外品の性能がより際立って体感出来る事も多い。何故ならば、仮に新車で乗り始めて、何万キロも走行した後に、同じ仕様で機能部品全てをオーバーホールするケースはあまり無い事が多いからなのである。別に純正信者では無い事も付け加えておきます。その辺のこだわりは一切ありませぬ。

なんて言えば良いのだろうか、このあたりを文章で伝える事は非常に難しいが、何事もやりすぎると弊害が大きくなる事もまた事実。異様な程に始動が困難になったり、どこかでエンストすれば、再始動に汗をかいたり、はたまたエンジン寿命が短かったり・・・振動が増えて乗るのが疲れるから嫌になってしまったり・・・

様々な社外部品を追い求めて、想像を膨らませる事も重要ではあるが、その前に、ある程度の基準で作られた状態の物をさらに精度やバランスを突詰めて、純正+出来る限りのファインチューニングで気持ちよく走らせるなんて言う事は素晴らしい事ではないだろうか?

最高の素の状態。究極の素の状態+自分好みのセッティング、これを走りの面で知っている人は実は非常に少ないのではないだろうか?

このエンジンはオーナーからのそんな依頼を受けてUCGが延べ何日にも渡る作業を続け仕上げたエンジン。
クランクも芯出+バランス取り。シングルエンジンだってバランス取り直すと明らかに変わります。
でもこの辺の議論や仕上げはいろいろわかれる所なので多くは書きません。
とにかくサービスのし過ぎは禁物。いくつかの手直しで十分。

メーカー仕上げのなんだか素っ気ない仕上げでそのまま組む気にもならないシリンダーポートの仕上げや、バルブシートとの妙な段差。塗りたくってはみ出まくりの液体ガスケットを剥がす以上に面倒なカチカチの紙ガスケット剥がし。固く締まったスタッドボルトやら妙に錆びていたりするダウエル君の取外し、いずれも外すのが面倒というよりは、取れなかったら面倒だな~的な局面の作業ばかり。そのあたりの作業もなるべく難なくこなすノウハウ的な作業が多い所。
画像からはそれら一連の問題をクリアーしているのできっと伝わらないであろう。


↑ケース内に収まる部品を確認中。秘蔵クランクも、単体で持つと、やっぱり重い。


↑この画像を見たら、オーナーにもその奇麗さが伝わるはず。何気に奇麗にするの大変なのだ。
本当に奇麗に見えるけれど、これ全て手作業手仕上げ。それまで乗り続けてきた傷やら風合いは、オーナーと歩んできた証だもんね。既にいくつかのベアリングは交換済み。(ケース単品になった画像撮り忘れました。)


↑クランクをセットしない状態でケースを合わせミッションの動作を確認中。
何年&何万キロも走行してきたケースは奇麗に清掃するだけでも一苦労。


↑ケースにクランクをセットしていく過程。


↑ケースを組む前に忘れ物が無いかしっかり確認点検し、液体ガスケットを塗布したら、いよいよこれから合体だ~。

ポートは鏡面とかそんな風にするまでやる必要はなく、バリ取り+ちょっとした手直しで効果抜群。
レーシングキャブレターを装着していれば、ほんのちょっとのポートの手直しがさらにセッティングの変化に繋がり、燃費やらパワーに響いてきます。(特にXSやGX、SRなどなど)
とはいえ、ただやみくもに削ってサービス大ポート加工なんてのも、逆効果になる事もあるので要注意。

想像して頂きたい。必要以上に太いストローではドリンクは飲めないのだ。逆に細いストローでほっぺた痛くしながら吸い続けるのも辛い。マフラーの抜けもまた同様、抜けまくりでも詰まりすぎでも駄目なのだ。

さて話は変わり、どうにもこうにもこの縦割りクランクをセットしてケースを閉めたら、何かにつけて再度開けたり修正するのが非常に面倒に感じる。それに反して上下割りの場合、ミッションの調整等も便利では無いだろうか。その反面、プレーンメタル支持のクランクメタル合わせの事を考えれば、ベアリング支持のクランクは気が楽でもある。

このエンジンの場合、動作していた時には2速→3速あたりでたまにギアが抜けたりという問題が有ったので、特にその辺りを注意しつつ、ミッションを全バラし、手直しと部品の交換を行う。
ただやみくもにギア類を新品にするとかでは無く、このあたりは部品代節約&改善の見せ所。
どの辺をどう調整&交換し見直せばばっちりになるのか、その辺の目利きは実はマニュアルを眺めた所できっとわからないでしょう。でも、ちゃんと抑えるべきポイントはあるのです。(えっ?秘密??)

きっとそのミッションの感覚は、組上げた後に乗ってみて初めてオーナーが気づく感覚でしょう。あっ今までとはギアの入り方が違うって・・・そう感じてもらえたら、何時間も作業に費やした甲斐があります。

決して安くはないメニュー、それがエンジンオーバーホール。
いつの時も、想像以上に手間隙掛けて探求し、作成しています。
ああ、もっともっと、あのポートの隙間を流れる混合気の気持ちになってみたい。

これらの基は、もちろん修行していた頃から蓄積&学んできた事ももちろんのこと、計測や管理と目利き、そして何よりも大きいのは、社外部品が皆無で、しかも純正部品すらまともに揃わないXS&GX250/400エンジンをひたすらにファインチューニングしてきた事が大きいかもしれない。近年のスーパースポーツやレーシングマシンのエンジンの仕上げを見てみれば、それらの仕上げや処理からまた昔のエンジンをどのように仕上げたらより良くなるのかヒントも多く隠されている。

組上げた後はと言えば、えっ?これ純正のままのエンジン?こんなに吹け上がり軽いの?レスポンス軽かったの??
そこに走りの楽しさが凝縮されている。部品交換メインでオーバーホール作業を行うのでは無く、各部、細部に目を配らせて組上げたエンジンはまた素晴らしい結果にも繋がる。ハイカム入れる、高圧縮にする、そういったのは後の話、とにかく重要なのはクランクの仕上げに尽きる。

今回リメイクしたこのエンジンも、がんがん距離を稼いで、何万キロという遥か先の目的地に達した時に、内部がどのようになっているのかまた見てみたい。その時、きっとまた新たな問題点が見つかり探求が始まる。

さぁこれからまた新たな旅路に向けて出発だ!

組上げて休む間もなく、別依頼のXS号のエンジンオーバーホールへと続く。
こいつがまたほとんど新品部品が出てこないから、また腕の見せ所なのである。大丈夫、任しとき、頑張るぞ~
大抵のXSやGXのエンジンはヘッドのカーボン落しやらポートの修正やらで、粉まみれ、マスク&ゴーグル必携のデンジャラス作業が続くのである。

ヤマハSR400 キャブレターセッティングその他

2010年01月13日 | SR400 SR500探求
一年~二年振りにガレージに顔を出して下さったyamaha SR400&オーナーK君。
以前はまだ学生さんで、ホンダNSR250にも乗っていて、当時はそのマシンもメンテナンスをガレージUCGで行っておりました。残念な事に、転勤で地方に行く事になってしまい、そんなこんなで現在はこのSR400一筋。

しばら~くぶりに、ひょっこりガレージに顔を出して下さり、話を聞けば、また別の場所に転勤との事。うーん、社会は厳しい~という訳で、なんとかガレージに入庫させた物の、引っ越しの期日もある為、プランをしっかり立てて、急ピッチで作業着手。実は修理依頼で納期が限定される条件付き作業の場合、部品の入荷がポイントになる場合が大半です。

特にガレージUCGの場合、何故か???巷では見ないような車輛が多く、というかそういう車種ばかり??部品をいろいろと調べるのだけでも大変なのに、部品の納品に時間が掛かったり、バックオーダーだったりする事が非常に多いのです。それにもまして古い車輛は実際に作業に着手しても、実作業時間がマニュアルに記載されている時間通りに進むはずもなく・・・

さてそんな余談はさておき、この車輛はキャブレターをケイヒンCRキャブレターに変更したとの事。
ところが、別のお店で装着してもらった物の、セッティングは出荷時のままで、どこぞのスタッフからは、出荷時のセッティングでも問題ないですよと言われ(←適当な事言ってるんじゃないよ!!)、うーん、こんなもんなのか・・・というストレスを抱えたままオーナーは乗っておりました。

そういうケースは本当に残念です。せっかくスペシャルなパーツを装着しても、その性能を引き出せなかったら、意味がないんだよ。それならばむしろノーマルキャブを装着しておいた方が、余程マシなのだよ。機能する以上は、プラモデル感覚で飾って終わりという訳にはいかないのである。

CRキャブレターはUCG自身も愛して止まないキャブの一つです。
という事で、オーナーと、一緒に性能が発揮されていない事に悲しみ心を共有しながら、セッティング依頼を受けました。

なるほど、大方の現在の状況はわかりました。
それらをもとに、大体のイメージをしながらリセッティング&試運転を繰り返してみれば、おお、いいねぇ、かなり調子が良い感じ。

きっとこれならストレスなく、楽しくは走れて喜んでもらえるだろうな~という想像をしつつ、季節的な事も含めて少しセッティングに幅を持たせればキャブレターセッティングは完成。キャブのジェット類等のセッティンッグパーツも豊富に用意してあるので迅速に対応出来ます。(←キャブレターの種類によって対応状況は変わります。)

あとは車体周りのいくつかの修理&メンテナンスをして、無事に引っ越し前日に納車に至りました~目出度し目出度し。

K君、再び地方へ行っても、また何ヶ月、何年後かに?再会出来る事を楽しみにしているよ!!お元気で~

ヤマハSR400ステムベアリング交換

2009年12月22日 | SR400 SR500探求
ロングセラーなSRシリーズもインジェクション化されて新たな時代を迎えようとしている昨今。
ガレージには1980年前後の初期のモデルから、2000年以降の新しいモデルまで、様々な型式のSRが入庫している。
この入庫傾向が非常に面白い。同じマシンが固まって入庫する事が多いのである。

滅多にお目に掛かる事の出来ないような車輛も多く入庫している。いろいろ作業に追われる合間に、何気にカメラで撮影する事は意外に難しい。気づけば作業完了させている事が多いのだ。なので、このブログは、日常ガレージ業務の中の、ネタになりそうなほんの一コマ。

今回の作業はステムベアリングの交換。画像を見ればわかるが、錆だらけ。
ハンドリングにも支障を来す程ガタガタな状態であった。本来ならば、こうなる前にグリスアップと調整をしておきたいところ。それだけでも寿命が延ばせる事が大半です。

さてそんな状態の所から、今回もまた話は反れていく。

バイクに限らず、機械という物は、使い手としては、動く限り酷使されてしまう傾向にある。
よく電話相談だけで、どのくらい費用が掛かるのか?と相談される事が多いが、どんな風に乗られていたのか、どんな不具合が発生しているのか、わからないままに見積金額を提示する事は出来ない。実際に実車を確認し何が問題あるのか、それを確認して初めてコストが見えてくる。そこがまた難しい。

トラブルが複合技で発生している場合、一つ解決しても、まだ連鎖していて、悪さをしている場合も多々ある。(特に電気系統)

それとは対照的に、ステムベアリングや足回り(サスペンション)等の機能部分は、不具合もかなり判別付けやすい。
それでも、毎日乗り続けていたりすると、新車時から、乗り始めれば必ず劣化し出す方向に、徐々に慣れてしまい、年単位で見ればその状態がどれ程悪い状態になっているのか、気づかないままになっている事も多い。

ある程度の時間、走行すると、決まって腕が張る、肩が凝る等、以前とは違った疲れが感じられる場合、時にはマシンの状態を疑う事も必要である。

それらは直接的な足回りの問題だけではなく、総合的に、例えば、スロットルの引きが非常に重かったり、サスペンションに対してブレーキが強すぎたり弱すぎたり、そういったバランスを崩す要素から発生している可能性もある。

こんな相談もあります。
「なんだか変なんですよ、走り心地が・・・」
そういう良くある相談でも、気のせいじゃないですか?では済まされない事が往々にしてある。
エアゲージでタイヤ圧を測ると1kgf/cm2(=100Kpa)以下の事もしばしば。
そのエア圧が低下していただけで大変な問題を引き起こすのである。

その大変な問題とは、転倒などの重大な危険に直結する事である。
メンテナンスとは、そう言ったありとあらゆる部分の危険性を払拭し、未然に予防する為の事、または安全を継続する為の重要な作業である。

クラッシュするとその修理や買い替えには莫大な費用が掛かる事が多い。
ただ公道で走行するだけでも、四輪より遥かに条件の悪いオートバイ。しっかりした対策を行い、少しでも安全確率や安全マージンを高める事は、最大の節約に繋がる事を忘れてはいけない。それ以上に、マシンがベストな状態であったとしても、自分自身の気分が悪い時には乗らない事も一つの選択なのである。

「もうこのタイヤ(←に限らず駄目な部品)、劣化しているから交換した方が良いですよ~」
せっかくそう伝えておいたのに、交換する事無く、そのまま事故に巻き込まれてしまった乗り手もいます。
でも残念ながら、そのような状態になって、壊れたから修理して欲しいと言われたら・・・

この事は実際にもう何度かあった話。もしメカニックの立場であったならば、果たしてどう感じる事であろう。
明らかに事前に近未来を予測出来ていた事なのに残念でならない。

機械に身を委ねる事は大変な事なのである。コストの掛かる事なのである。

yamaha SR400 フロントフォーク

2009年05月21日 | SR400 SR500探求
この2本のフロントホーク、見比べると一目瞭然なのですが、別に片方がローダウン用の短いフロントフォークと言うわけではなく、同じ長さで、当たり前のように車両にセットされた状態で、走行して入庫した車両でした。

この車両のオーナーいわく、ブレーキをかけ、フロントフォークがボトムすると、引っかかるという。実際にフロントフォークが取り付けてある状態で、目で確認しても、特に曲がりがあるようには見えなかった。

実際に、フォーク単体でフォークインナーを計測してみると、やはり曲がっていた。

曲がりのないインナーの用意もあり、フォークインナーを交換してセットし、引っ掛かりがないか確かめると、フルボトムしたまま動かなくなってしまった。何とか引っ張り出して、念のため、インナーを回転させて動きを確認しても、どの位置にセットしても、フルボトムしたまま動かなくなってしまった。アウターフォークに目では確認できないゆがみが発生しているのである。

オーナーによれば、少し前に転倒していたとの。

見た目だけの判断や、車両を取り回して動きが悪くなくても、事故や、転倒によるダメージは、実際に目で見るだけでは解らないことが多いので、是非分解して整備、点検をお勧めします。

18インチホイール用スポークキット

2007年02月26日 | SR400 SR500探求
現在でも、そのシンプルなスタイルから人気のある初期型ディスクハブ用の18インチホイールへのコンバート用のスポークキットです。ハブによって、スポークの振出し角度の形状が異なりますので、リムを流用される際は、元のハブの形状を必ず比較してください。新品でリムを用意する場合には、ディスク用ドラム用の確認が必要です。

SRフロントドラムブレーキ用のリムはそのままでは流用出来ないので注意してください。