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東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ

日々GARAGE-UCGで如何なる修理や探求が行われ、どんなガレージライフを過ごしているのだろうか?

二世代に渡り継承されるマシン

2013年07月27日 | ガレージUCG探求作業
バイクレースの世界では今週末は鈴鹿8耐が行われていて、またガレージスタッフでもあり元?全日本ライダーでもあるYHG氏は筑波サーキットにてCBRカップ出場の為お休みでした。

そんな最中、そして、うだるような暑さが続く中、日々黙々と作業&探求を続けており、ちょうど時期的には全日本レースメカ業務は中休みなので、ガレージ業務に全身全霊を傾ける時期なのです。
多くの作業依頼を頂きまして、本当にありがとうございます、またすぐに作業請け負えずお待たせしている方、申し訳ございません。
修理作業の一つ一つが試行錯誤が必要であったり、地道な手作業が多く、またその一つ一つに納得出来るだけの結果を求めたいので、現在抱えている作業も含めて、充分な時間を下さい。

修理には大きく分けると二種類あって、消耗品を交換するだけで結果が得られる作業と、トライ&エラーを重ねて修理を行わなければ故障原因が掴み難い事例があるのです。日頃しっかりとメンテナンスを行っていれば壊れなかった可能性がある車輛も、ひたすら動かし続けて、突然壊れたから、すぐに修理して欲しいと言われても、すぐそれに応えられるだけのキャパシティーはありません。どうしても依頼通りの順番で手を動かすしか無いのです。予約制とさせていただいているのもそんな理由なので、状況御察し下さい。

では、本日の本題に入ろう。



街中では見かける事が無い非常にレアなホンダ=CBX125F
精密機械的な125cc DOHCエンジンを80年代ホンダ車特有のスタイルで仕上げてあるマシン。
125ccなのにDOHCだなんて、なんて贅沢な仕様なのでしょうか。250cc4気筒マシン等もそうですが、この先、新たに新車で同様のスペックのマシンはほとんど発表されないのではないでしょうか?それくらいに80年代~90年代のマシンは豪華絢爛、コストが掛けられてます。

また今回の話しの主役であるCBX125Fも見方を変えれば、それ以前の70年代バイクを探す方が簡単かもしれない、それ程に見かける事は少ない。

驚く事なかれ、このバイクのオーナーは若い女性である。
今回はリアタイヤパンクの為、修理入庫。
装着されているタイヤは2000年製造の物でサイドウォールひび割れ&劣化によりタイヤ交換が必要。
ゴム製品であるタイヤは鮮度が命、二輪の命。溝が充分にあるからと安心せず、数年使ったら、交換するのが重要です。
おいしい時期は長く見ても、良いところ1~2年程です。もちろん毎回その期間で交換すべきだとは思いませんが、3~4年も持たせられたら充分と言えるでしょう。
バイクのタイヤはコストが高いので、どうしてもそれなりの交換コストが掛かってしまいますが、安全には変えられません。

そんな余談はさておいて。

どのような経緯で20代の女性がこのバイクに乗る事になったのだろうか?
入庫中にこのマシンに目を向けると、そんな事が気になった。

ちょうどUGA氏が「80年代には良くこのマシンは女性が乗っていたものだ」と回想しつつ私=UCGと会話していたのである。
バイク全盛期のマシン。
RZやVTが溢れ出さんばかりに走っていた時代でもあり、各メーカー共に同一の排気量で選べるマシンは何台も有った頃。

納車時に再び女性オーナーがガレージに来られた際に、どのような経緯でこのバイクに乗られたんですか?
と伺うと、「当時、母が乗ってたんです。」と仰られました。

えええっ~!!
UCG&UGAは大変驚くと同時に何故かとても嬉しい気持ちになったのです。

ガレージUCGに来られるお客様で父上から受け継いだ男性の二世オーナー(父→息子)はこれまでの歴史の中で何人かおりましたが、母→娘という二世オーナーはガレージUCG創業以来約12年間の間で初めての事。

素晴らしい!!

UCGはバイクが大好きです。でも自分の両親共にバイクとは無縁で、むしろ危ないからバイクは止めなさいと言われるような事が多く、それでもバイクを降りる事はどうしても出来ず取り憑かれている。

そう考えてみれば、同性二世代に渡って受け継がれるバイク乗りは本当に数少ない事であるに違いない。
もし統計を取っても非常に少ない割合になるのであろう。

希少なマシン=CBX125F(1985年頃のマシンなので、既に実働28年くらい)は母から娘に引き継がれ現代を元気に走る。
何気に街中で見かけたとしても、そんなバックボーンまでは見抜けない。

大きな歴史を背負ってCBX125Fは日々通勤の足となって活躍する。
もしかすれば、三世代に渡って受け継がれる可能性だって充分にあるであろう。
末永く大切に乗り続けて下さい。

納車時にそんな歴史を聞いて、心がとても暖かい気持ちに満たされた。

バイクシーズン到来の香りが漂う季節。

2013年03月09日 | ガレージUCG探求作業


↑とても綺麗に仕上げられたCB250セニア、キャブレターの不調と点火系統の不具合にて入庫。いくつかの問題を抱えた不調だったのでベストな状態に至るまで多くの探求が必要でした。

さて気付けばあっという間に三月になってしまいましたが、ガレージ内では日々修理に勤しんでおります。ようやく暖かくなってきたのでバイクレースシーズンも開幕です。

今年もUCGはメカニックとして全日本ロードレースを「森のくまさん 佐藤塾」チームスタッフとして駆け巡ります。担当はST600クラス出場の#11横江竜司選手です。是非熱い念を送ってください。チーム一丸ベストを尽くします。

レースのことや、作業のことを、もう少し手軽に画像やコメントを作業中にサクッとUP出来ないか最近模索しておりました。このブログをツイッターと上手く連動させながら、もう少し作業報告の回数を増やすべくやってみようと思ってます。まだトライ&エラー状態ですが、お楽しみに~!

またいろいろな作業や相談して見たいことたくさんあると思いますので、そんな時はガレージホットライン(03-5389-0209)にご相談下さい。できる限りわかりやすく詳しく答えるように心掛けてます。もちろん作業も常に万全の体制ですよ~!

日頃街中では見かけない、マニアックなマシンや希少車が不思議と多く入庫してきます。他で断られてしまうような無理難題もたくさん向き合ってます。


ヤマハ FZR1000 20バルブ地獄

2012年09月24日 | ガレージUCG探求作業


何故かヤマハ車のネタばかりが続きますが、実作業では、ありとあらゆるメーカーのマシンを修理しているので、たまたまです。今回は少し前の時期に入庫したFZ750から広がるお話し。

バブル時代の遺産?象徴?とも言える5バルブエンジン、モアパワーに明け暮れていた頃の産物といっても過言ではないマシンかもしれません。
エンジンを開けるに至った状況としては、エンジンオイルが異常に燃えて無くなるという事。

この燃焼室を見れば、大体どのような維持がされていたかはよくわかります。
エンジンオイルはマメに交換されていたのですが、やはりトータルでの走行距離が多く、本来であればもっと前にメンテナンスをしてあげても良かったと言えるでしょう。キャブレターの状態が悪く、いつも若干オーバーフローしていたせいでエンジンオイルが燃えて生成されたカーボンと、ガソリンが必要以上に多く燃えて生成されたカーボンがとてつもなく堆積しています。

予算と実コストの溝を埋めるのがとても大変な作業でした。
腰上オーバーホールとキャブレターを見直すだけでもかなりコストが掛かります。
少しでもコストを下げるために、エンジン内部の部品を細かに計測し、交換すべき消耗品を調べた上でコツコツ組み上げます。

何故これら作業に時間が掛かってしまうのか?
やはりそれは予算によるところが大きいのは否めません。
事前に消耗品を予測し、新品部品を大量に用意して、どんどん部品を交換していけば、納期は確実に早まります。
しかし、使える部品を少しでも多く確保していきながらの作業だと、やはりその分時間が掛かってしまう。

バイク修理の中でも一番時間もコストも掛かるのがエンジン。
もし組み上げた後、問題があれば、またエンジンを下ろして見なおさなければならず、途方も無い苦労を抱えることだってあります。

余談はさておき、かなりの確率でエンジンオーバーホールが必要な場合、キャブレターオーバーホールもセットで行わなければいけないことが多くあります。
何万キロもセットで機能してきた仲間なので、オーバーホールする時もセットで見直す必要がある場合がほとんどです。

キャブがオーバーフローしていたままで、エンジンだけオーバーホールしたとしても、またすぐ燃焼室やポートがカーボンまみれになって、最悪の場合は、さらにそのオーバーフローが進行し、ガソリンでシリンダー&ピストンの油膜を洗い流し、すぐ立て傷だらけになってしまうことすらあるからです。
水冷車の場合、合わせて冷却系統もしっかり見なおさないと走行中に冷却水が吹き出して大変な事になるケースも多々あるので注意が必要です。




CB400SF NC39 吸気系統の門番エアクリーナーはとても重要だ

2012年08月04日 | ガレージUCG探求作業
日頃エアクリーナーエレメントを定期的にチェックしている乗り手は非常に少ないのではないだろうか?
車検時に点検しているから大丈夫?本当にそうなのだろうか?




このエレメントの役割もキャブレターと共にエンジンへ及ぼす影響の大きい消耗品である。
ただ単にゴミをろ過するだけでなく、エアクリーナーボックスとセットで、若干の吸気抵抗を発生させられ、負圧キャブレターの作用をより効率的にする。
その事は高回転まで回るスポーツ車のエアクリーナーボックスを外した状態でレーシングしてみれば理解が早い。
負圧キャブレターで直キャブまたはファンネル仕様にすると、妙にゴボついてスムーズにエンジンが吹け上がらなくなる。

吸気の抵抗が若干ではあるが、負圧キャブレターには必要なのである。(もちろんレーシングキャブや強制開閉式キャブは除く)
若干抵抗が必要ではあるが、使いすぎて目詰りしてくれば、吸入抵抗が増えすぎて、本来必要な空気がキャブレターに取り込めなくなり、パワーダウン。
点火プラグとエアクリーナーエレメントの交換をサボっていると、最終的には始動困難になる。

大体、その頃には、プラグは黒くくすぶっている。
始動性が悪くなってきた時は振り返ってみていただきたい。
それ相当の距離、点火プラグもエアクリーナーエレメントも使用し続けてきたのではないだろうか?
そんな時はセットで交換することを進めます。
エレメントを外したついでに、必ずエアクリーナーボックス内部も清掃することをお忘れなく。
もう一つ追加するとすれば、始動性が悪い=セルを多く回す。つまりバッテリー&セルモーターを酷使していることも忘れてはならない。
ここまでが始動性が悪くなってしまった状態で提案する第一弾メニュー。

もしこれらの作業を行なっても、症状が改善しなければ、次のステップはキャブレターオーバーホール。
そこで初めてエンジンの状態がしっかり把握できる。
どれもが欠かせない重要な役割を持っている部品たちなので、それなりの距離を走ってきたマシンの場合、ピンポイントな部品交換だけでは症状が改善しない場合が多い。だから定期的なメンテナンスや消耗品の交換が必要なのである。
一度にドカーンとコストが掛かるか?コツコツとコストが掛かるか?

毎日通勤や仕事で使うマシンであればあるほど、コツコツとメンテナンスしておいた方が、結果としてマシンの稼働時間も長くなり、コストも節約できる事が多い。
反対に乗りっぱなしで不動になってしまった車両は、ドカーンと来る事が大半である。ああ~おそろしい~

↓新品時の色と、酷使して黒ずんだ状態を比較していただきたい。内部を覗いてピンク色感が残っていればまだ大丈夫。残念ながらこれはアウト!
著しく始動性も悪くなってました。合わせてプラグも交換です。



外車の修理は続くよ~どこまでも~

2010年06月19日 | ガレージUCG探求作業
ブログはサボれど、実作業はサボらず。
5月~6月は、とにかく特殊&重作業が嫌という程に重なり、疲労度はMax。
いくら疲れが出ているとはいえ、作業に向き合う姿勢は常時真剣勝負。
ミスの許されない緊張に満たされる中、淡々粛々と作業は進みます。

ガレージに外車が立て続けに入庫するのも、また良い光景ではないですか。
でも何かしらトラブルを抱えてるが故の入庫なので、良い訳はありませぬ。

画像はKTM250のサイドスタンド基部、フレーム側のステーが破損した為、溶接&補強修理です。
このマシンは実際にコースを走行している車輛。公道仕様でもあるので、さすがにサイドスタンドが無い状態では、困ってしまう。

クローズドOnlyであれば、スタンドを持ち運べば事は足りるけれど、サイドスタンドが破損し、いつも壁に立て掛けるのはとても寂しい。そんな問題を解決すべく、修理に望む。

真下から寝そべりながらの溶接は非常に怖い。
手元をしっかりホールドしながら、かつマシンに溶接時のスパッタが飛び散らないように、しっかりとシールドしての作業。
万が一、引火しないように、細心の注意を払う事も大切です。
そんな対策を施しながら、補強ステーを削り出し、点付け溶接をし、本溶接に入ります。
この時期の作業、溶接はとにかく汗まみれ、きっとこの先、ノーマルの状態よりもしっかりサイドスタンドが踏ん張ってくれるに違いない!

そして後方に見えるマシンは、DUCATI Multistrada!
とにかく車高が高い。
短足な??UCGには股がっても足は届きませぬ。
このマシンのオーナーは、外国の方で、体格も大柄、まさにこのマシンに相応しい。
UCGのインチキ?英語を駆使しながら、メカニックとして、なんとかコミュニケーションを諮りつつ、発電不良に関するトラブルシュートを進め、部品をオーダー。

ところが、DUCATI、とにかく部品の納期が遅い!
一体どうなってるのでしょう。欧州での噴火の影響?それとも本国の気質?
何日、いえ何週間納品されるのを待てば良いのだろう。
オーナーも納車を待ってます。そしてUCGも修理が完了して無事に納車される事を待ち望んでます。
あ~、早く納品されておくれよ。たった一つの部品で解決されるというのに・・・
高級なマシンなのだから、サポート体制をもっとしっかりして頂きたい!そんな切な願いがあります。

さて、まだまだたくさんの修理が控えている。
しっかりとした調子になるように、ありとあらゆる事に神経を集中させ、向き合うぞ~!!

5月~6月(現在)に至るまで、スタッフの一身上の都合もありまして、UCG自身、一人でガレージ作業に挑む都合、作業お待たせする事も多いと思いますが、自分自身、フルパワーで手を動かし続けております。
納期遅れ気味だったり、急な対応が出来ずご不便お掛けする事あると思いますが、何卒よろしくお願い致します。

そんなこんなで、ブログ更新も遅れております。だって、帰宅するの真夜中だったりするんですもの。
一人で出来る限界点は非常に低い。時に孤独と向き合う事も多い。
だが、その孤独を克服しなければ、トラブルは決して克服出来ないのである。

さぁ、UCG、もっと困れ!そして自分をさらに追いつめろ!!
物事に安易な解決方法等、何一つ存在しない。只管に「探求」あるのみ!!

カワサキ ゼファー400

2010年05月25日 | ガレージUCG探求作業
既に何度もガレージに来て下さってる方のゼファー400。χ以前のモデルの最終型。
これまでにキャブレターのオーバーホール作業等も行ってきました。
今回は、どうしても気持ち良い音のマフラーを装着したいという依頼で、ヨシムラマフラーを装着。
もちろん基準にもしっかり適合したマフラーですが、ノーマルサウンドよりも軽くて図太くてサイレンサーが上に向いた感じも合わせてかっこいい。

既にカスタムされた車輛を手に入れるのも良いけれど、純正状態のマシンを自分好みに仕上げる方が、性能の違いや変化等を感じられて、より楽しいバイクライフに繋がるに違いない。

大抵の場合、フルカスタム車と言われるマシンは、いざ何かしら修理しようとすると、とんでもない事実が発見されたり、どえらく時間を要したり、部品を探すのに苦労したり、本来乗るのが目的なはずなのに妙に的外れな状態になってしまっているマシンも多くある。

メンテナンス性まで考慮したカスタム車はそれ自体が芸術的な域に達しているといっても良いであろう。
レーサーと言われるジャンルのマシンは皆そうであるはずだ。

マフラー一つとっても、その事は言える。
オイルやフィルター交換時にいちいち外さないといけなかったりするのは、どうにも考えものである。
様々なカスタムやチューニング、きっと頭の中を思い巡らす時間は楽しいだろう。
そんな時には、見た目や性能だけでなく、必ずメンテナンス性まで気を配ってほしい。

ホンダ フリーウェイ2型(メットイン)

2010年05月24日 | ガレージUCG探求作業
250ccスクーターでは割と小さなボディーで、コンパクト。発売から時間が経った今でもその利便性からファンの多いスクーターでもある。

ビッグスクーターと言われるカテゴリーのマシン、なんでどれもこれもボディーがあんなに大きくなってしまうのだろう?
スズキのベクスターやホンダのフリーウェイ等のもう少しコンパクトなマシンが選べても良いのではないかと思う。
それが都内の狭小空間であれば尚更重要でもある。駐車場や渋滞などでもその大きさはとても重要だ。
それ以前にさらに思ってしまうのが、確かに装備面でどんどんラグジュアリー化されていたり、リモコンロックになっていたり、様々なギミックが多く搭載されるようになり、車輛価格がかなり高い。いざ故障した時の修理もかなり面倒な事が多い。
バッテリーの搭載位置ですら、新型が出る度にどこにあるのか判らなくなる程である。もっとメンテナンスの事も考えてあれば良いのにっていつも立場柄考えてしまう。

それはさておき、このフリーウェイ、残念な事にエキゾーストパイプの取り付け部のスタッドボルト固定用のメネジが完全にいかれてしまっております。少し前に修理に出したとの事ですが、どうやらその際にはただボルトで締め直しただけだったので、結局ガタガタになっていたメネジにさらに喝を入れてしまい、いよいよネジすら噛まない状態になってしまったので、機材と技術を駆使して、ヘリサートを入れ直し、万全の修理を行いました。

振動の多いエンジンなので、スタッドボルトやマフラーの固定も規定トルク内で、念には念を入れて点検&締め直しをしてばっちりの状態。まだまだ頑張って走ってちょーだい!

ホンダ ピープル

2010年05月23日 | ガレージUCG探求作業
四月あたりから天気に左右されながらも、俄に忙しくなってきたなと身構える間もなく、慌ただしく五月も後半に突入。
いろんな作業を、あらゆる方向から検証し、修理やメンテナンス、時にはチューニングに勤しんでいます。

ってな訳で、要するにブログをさぼってました。ごめんなさい。
せめてもの罪滅ぼしに、この貴重な定休日を利用しての記事UP、許してちょ~。

さてさて画像のマシンは??自転車?バイク?それとも電動アシスト自転車?
どれもが合っていそうで微妙に違う、エンジンアシスト自転車、それがピープル。
数年前にもオーナーの依頼により、ガレージ入りした車輛です。

冬の間乗らなかったら、エンジンが掛からない状態になってしまったので、その見直しです。
実際に走ってるピープルを見た事ある人、果たしてどのくらいいるのでしょうか??

あらま、エンジンちっさ!!片手で鷲掴みなのだ!
これだけコンパクトにエンジンが搭載されていて、しかも分離給油の2STというのが素晴らしい。
しかも見た目はほとんど自転車。おっしゃれ~
スモールパーツ類の消耗品を用意して、キャブや、いくつか気になる箇所をしっかり見直せば、ばっちり復活。
近所を試乗してみれば、乗り味は全く自転車。ゆっくりだけどグイグイ進む感じと排気音が妙に清々しい。
作業ツナギに半ヘルで野郎が乗り回す姿に、擦れ違う市民からの視線が妙に痛かった。
でも楽しい、ゆっくりしか走れない楽しさがそこにはあるに違いない。

ヤマハSDR ヘッドガスケット吹き抜け

2010年02月23日 | ガレージUCG探求作業

画像からだと問題発生箇所、ちょっとわかりづらいかな?今回は少し前に行った作業の話。

ガレージUCGは創業初期は品川区の西大井にあり、約二~三坪程度のとても小さなガレージでした。
そこから町工場で有名な大田区の糀谷に移り、糀谷ガレージからずっとお付き合いさせて頂いてる方のマシン。

このマシン=SDRは今でも根強い人気があり、ガレージでもこれまで何台もの作業をしてきております。
どうしても2ストローク車なので、長く乗れば何かしらエンジントラブルが発生し、開ける事もしばしば。

オーナーの方が譲り受けて乗り始めた当初から、このマシンは何かしら不具合を抱えていて、開けてみれば一目瞭然。組まれるべき部品が無かったり、うまく組まれていなかったり、おそらくはそんな譲り受ける前の仕業がいろいろと悪さを働いてました。

ある時に冷却水をラジエターキャップを外してチェックしてみれば、かなりオイリーな状態。
これはどこかシールが抜けてますね~という事でまず一度冷却水を交換し、エア抜き作業をする為にラジエターキャップを開けたままエンジン始動させ、軽くレーシングしてみると、その回転に連動したかのようにゴボッゴボッとオイリーな物体Xと共に水が噴き出します。しかもその瞬間に、排気音も微妙に雑音が混じる感じ。

どうやらヘッドガスケットが抜けている様子。他の箇所にダメージが発生していないかを確認しつつエンジン腰上をチェックし、ガスケット類を交換しトラブルは解消。

冷却水もこれでもうゴボゴボ吹き出したりしません。コスト的にも最悪のエンジンブローは避けられたので、かなりコストダウンに繋がったと思います。長距離走らせたりしてたのに、エンジンが致命的なダメージを受けなくて本当に良かった。

あれ?今日の走行はなんか、いつもと少し違う感じがする?何かおかしいな~ちょっとUCGに寄ってみようかな。

症状にも因りますが、大半のトラブルや異常には何らかの原因がある。
逆に考えれば、どうして現在生じているトラブルに至ってしまったのか?その理由が明確に判断出来れば、より確実な修理が可能となる。

yamaha SR400 ステムベアリング交換

2010年02月06日 | ガレージUCG探求作業
普段、通勤や通学など毎日車両を使う人は多いと思いますが、普段からメンテナンスを欠かさず行っている人はあまり多くはないと思います。見える箇所の状態の確認や、オイル交換などは行えても、見えない箇所や少しずつ消耗していく箇所は、気づかないでそのままの状態になっていることが多いです。

写真のステムベアリングなどがよくある代表的な部分で、使い続けていくとレース(ボールベアリングを受ける皿の部分)部は均等には減らず、ボールの当たる位置にくぼみが発生することが多いです。清掃してグリスアップしようにも、フロント周りを全てはずさなければ出来ないし、ステムをはずす際にボールがポロポロ落ちてしまいボールが行方不明になり、捜索願を出さなければいけない状況になることもあり、とても大変です。

そこで、ボールベアリングからテーパーローラーベアリングに交換してあげることにより、グリスが切れにくくベアリングの寿命もながくなり、ボールの捜索願も出す必要がなくなります。


写真撮影用にグリスは少なめになっておりますが、写真撮影後はもっとグリスを塗っています


取り付けには少し加工が必要になりますが、ベアリング交換サイクルが長くなるので普段あまりメンテナンスが出来ない方にはお勧めかもしれません。

ステムベアリングの状態は、普段から使用している車両だと動きが渋くなっていても気がつかない方が非常に多く、お伝えしても、気にならないから大丈夫という方が多いのが現状です。

気にならないからじゃなく、気にしてください。

もっと乗りやすいハンドリングになり、いつもの交差点、いつものコーナーが怖くなく曲がっていける事でしょう。急な飛び出しなどの緊急回避にも役立ちます。

ちょっとした事で、安全性が上がることなので是非試していただきたい。

ホンダCB250セニア 再メッキ

2010年01月12日 | ガレージUCG探求作業
うわっ!まっ、まぶしい~!!

ホンダCB250セニアを以前から所有しているお客様から、部品再メッキのご依頼。残念な事に、メッキ処理される前の画像が見つからない~、どこ行った~、ってな訳でアフターだけの画像です。間違えても、掲載画像は新品部品ではありませぬ。

ちょうど2009年末にかけての依頼だったのですが、なんとか年を越さずにお渡しする事が出来ました。

既に30年以上前の多くのバイクの場合、オリジナルコンディションでメッキ面がピカピカに生きている事は非常に稀で、大抵の場合良い程度でも曇っていたり、磨き傷や点錆が出ていたり、ひどい場合だと錆だらけの状態の物も多いのが厄介な所。

とはいえ、それらの部品を塗装してしまうと、これまた鉄部品満載の当時のバイクの質感が出てこないのが厄介な所。
再メッキの場合、実は下地のコンディションが大きく仕上がりを左右するので、表面がボコボコになっていると、奇麗な仕上げが難しかったりもします。

今回の画像の部品、仕上がる前の状態は若干ボコボコ肌ではありましたが、コッテリ~ヌラリ~と光ったその仕上げを見れば驚きの声しか上がりませぬ。まるで鏡のよう。Ipodの背中部分のキラメキと言うと大袈裟??いえいえ、それに近い質感です。
メッキ面に撮影中のUCGが歪んで映っております。

メッキ屋さんも、実は頼むところによって、その仕上がりやコストはかなり千差万別なのです。
ちなみに気になるコストは、これらの部品を全部まとめてで、大体片手の指が全部折れるくらいです。
高級感漂う仕上がりを見れば、ついつい自分のバイクのメッキ部分も、再メッキしちゃおうかな~ってまた欲が出てきてしまう・・・

もちろん再メッキに限らず、アルミ部品のアルマイト等も受け付けております。
特に多いのは、自分のバイク、黒基調に仕上げたんだけど、バックステップだけが銀色なんだよな~、そんな場合に、黒アルマイトで仕上げたりすると、ビシッと引き締まる訳です。

我がXS号も奇麗にしてあげなくては・・・

<探求者へお知らせ>
1月16日(土曜日)地方への出張がある都合により、臨時休業させていただきます。よろしくお願いします。

アプリリアRS250 マルゾッキ倒立フロントフォークオーバーホール

2009年12月25日 | ガレージUCG探求作業
メリークリスマス!
もう知る人ぞ知る、我がUCGの旗艦XS号が盗まれたのも遠い昔。でも、この時期が来ると何年も前のこの日に忽然と姿を消してしまった我が愛機の事思い出す。それでも、奇跡的に発見出来て、未だに手元にある事、とても嬉しい。
年末気分盛り上がる巷とは打って変わって、ガレージにはいつも通りの探求時間が流れている。

そんなUCG総論染みた話はまた近日、別の機会に、もっと長々と書くとして話を変える。

さて2ストロークエンジンを搭載した車輛も街中ではめっきり見る事が少なくなりつつある。
まだ10年以上前なら、どこに出掛けても容易に見つける事が出来ていたのに。とにかく中型排気量の単車ですらあまり見なくなってきたような気がするのは気のせいだろうか?

全日本ロードレース選手権でもGP250クラスは今年限りで終了してしまった。
サーキットでも、やっぱり興奮するのはこの2ストロークの音でした。
もちろん大排気量マシンのサウンドも重厚で良いけれど、小気味良く、しかも速い感じと言えば、2ストロークサウンド。

久々にガレージにもアプリリア=RS250が入庫です。アプリリアのスクーターは、今年の夏場にアトランティックが入庫し、それ以前だと、2ストでRS125が入庫したんだっけ。

さてさて、このアプリリア、車体自体も高価ですが、部品一つ一つもとても高価です。
そして、部品納期も何気に見えない事が多く、夏場に発注掛けた部品が、この12月後半に届いたりする驚くべき状況。(←もちろん頼む部品によって納期は千差万別です。全てが遅いという訳ではない?と思いますが・・・)

やはり国産車の部品の納期よりは格段に時間とコストが掛かります。
それでも実際に間近に見れば、少し大柄なボディーがグラマラスでかっこいい!
レース用の250ccマシンだと、実はもっと小柄だったりします。市販公道マシンの125ccクラスと同レベルな感じと言えば正しいでしょうか?

このRS250、2ストロークマシンなので、本当においしいパワーを絞り出せるのは、しっかりメンテナンスを施し、それでも限られた距離と期間だけと言っても過言ではないのですが、本調子だと、かなり過激で面白かったりします。
でもやっぱり維持するにはコストが掛かる。

この車輛はもともと、倒立フロントフォークからオイル漏れがあったので、その為にフロントフォークオーバーホール作業となりました。

構造自体は倒立フォークとしてはかなりシンプルな構造ではありますが、国産車の倒立フォークとは構造が若干異なり、左右で内部構造、そして役割も異なります。しかも片側は、バラした後の組み付け、二人で作業しなくてはかなり組付けにくい。というか、どうやって一人で組上げるのだ?という構造だったりりするのである。さすがマルゾッキ。

劣化していた、フロントフォークのオイルシールを交換し、オイル漏れも無事に直り、サスペンションとして、きっちり仕事をこなしてくれるでしょう。

構造的に、特に大排気量の倒立フォークだとバラスのがかなり大変な事もある作業ですが、かなり多いメンテナンス作業なので、気になる方は是非ガレージホットラインまでご連絡下さい。
工賃自体は二万円台前半で済む事が大半です。(別途車輛ごとに異なる部品代+オイル代)

ホンダCL175作業

2009年12月16日 | ガレージUCG探求作業
以前に、このUCGブログでも記事にさせて頂いたホンダCL175の入庫です。
今回のメニューはもともとオリジナルが弱いと言われているカムチェーンの交換とオイル漏れしているフロントフォークのオーバーホールなどなどのメニュー。

さすがにこのマシン、排気量こそ小さかれど、発するオーラは大。
ガレージに訪れる多くの方がこのマシンを真正面からマジマジと眺めていきます。

大半の部品が販売終了だったり、情報が乏しい部分もありながらも、オーナーの方が事前に部品を用意して下さっていたので、迅速に修理に取り掛かれます。

ところが、いくら作業に迅速に取り組んだとしても、実作業自体はなかなかどうして、一筋縄では参りませぬ。
明らかに現代のマシンのメンテナンスと異なる点は、もし万が一問題が発生したり、作業上上手くいかない事があったとしても、予備の部品が無い事。まさにこれに尽きるの。でもそこはマイナー車種の多いガレージの事、半ば日常茶飯事?
大きく息を吸い込んで覚悟決めて望みます。

古いカムチェーンに新しい強化タイプのカムチェーンを繋いでグルグルグル~ってそんなにすんなりとは交換出来ません。
何かしらがひっかかったり、テンショナーが緩みきらなかったり、あれよあれよ時間は過ぎ行く。

カムチェーンのタイミングをきっちり決めて、再度確認した後に、ニューオイルを入れ、始動を確認した後に、さらにテンショナーの張りを確認し、点火時期をカムシャフトエンドのポイントで動作させている為に、点火タイミングを調整し直してメインの作業は終了。

次はお漏らしをしているフロントフォークのオーバーホール。
このフォークは見た目こそ現代の正立フォークと変わらないが、中身のレイアウトはガラッと異なる。そもそも大きな違いはフォークの上部に大きなキャップが無い事。
はて?どうやってアウターとインナーを分離するのだろか?悩みつつも、勘所を抑え、バラして見れば・・・

出てきた液状の物体を見て唖然。
半固形上の半ばグリスのような、かつてはフォークオイルだったであろう物体Xがドロっと出て参りました。


↑うひゃぁ・・・(通常のオイルであればオイルパンにもっとサァーっと広がり流れるのだが、この物体Xは流動性はあまりなく、ほとんどこのまま停流中。)
↓内部パーツ全てが、この物体Xでまるでコーティングされた様相を呈していた。



内部の洗浄がとても大変でした。おそらくは発売されてから30年以上何もされていないままだったのでしょう。
さすがにここまでの状態になってしまうと、オーバーホールしても内部のクリアランスが増大し、オイルの漏れなく長持ちさせるのは難しいかもしれませぬ。

なんとか各部を洗浄し、状態を確認しつつ無事に組上げられ、きっとこれで今までよりも数段しっかりとした接地感を得られるに違いない。
実は通常の正立フォークよりも二倍くらい多くメンテナンスの時間要してしまったが、それより何より無事に組み直せた事にほっとする。

外から見る事が出来ない内部部品やオイルの状態は、結局の所、走行時間や距離等できっちり管理してあげる以外に最良のメンテナンス策は無いのが歯がゆいところ。

オイル類がへたってしまって、金属同士がどんどん削れ合う前に、ニューオイルを投入する事は間違いなく最強の延命策であり自分自身への安全策なのである。

さぁまた元気に走ってちょーだい!!

スズキGSX1100Rドラッグレーサー

2009年12月15日 | ガレージUCG探求作業
先日までサボり続けていたブログの更新、やる気が向いたら飽きるまで??とことん更新あるのみ。
そうは言っても、ガレージ内部の全ての作業はさすがに公開出来ないので、おっ?これは??って思うような記事がある時は更新継続なのだ。本当に新旧問わずいろんな車輛が入庫します。

さて現在は完全にドラッグレースのみで、公道走行では使用していないレーサーの入庫。
なので本当にナンバーは付いておりませぬ。
ではどうやってガレージに入庫させたのか?もちろんトランポに積んでの入庫です。

今回の依頼は今年一年、サーキットで走り続けてきたマシンの主に足回りのオーバーホール。
ライダーといくつかのデーターをやりとりした後に、各部をリセッティング。
オーリンズ社製のリヤショックユニットもABSOオイルを投入。
フロント倒立フォークには、秘密?なフォークオイルの投入です。
それにしてもスズキ系の市販リッターバイクの倒立フォークはバラスのが大変なのだろうか?
きっとメカニックの人みんな、そう思っているに違いない。

ちなみに全日本JSBクラスにエントリーしていたYZF-R1のレース用倒立フォークは内部パーツの交換は本当にあっという間に交換できちゃいます。公道とサーキットでは耐久性や目的、コストも違うから、比較は出来ないけれど、もっと簡単にメンテナンスできたら良いのになぁ・・・。

それはさておき、リアアーム(スイングアーム)はリペイントの為に、車体より切り離されて一旦塗装に回されます。
塗装に出している間、後ろ周りが無いまま保管が続きました。
このような状態になると、さすがに大型バイクは移動が大変です。
来期のレースシーズンに向けて、これから外装類やエンジンにも手が入りより戦闘力を増していく予定とのこと。

現状でも、少しでも変速時のタイムラグを減らす為にエアシフターが導入されていたり、その他各部ドラッグならではの変更点や改造点が見受けられます。
わずか10秒足らずのドラッグの世界、来期はさらに良い結果が出ますよーに!!