東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ
日々GARAGE-UCGで如何なる修理や探求が行われ、どんなガレージライフを過ごしているのだろうか?
 



ゴールドに輝くスプロケット。見た目も良ければ、軽量化まで出来る優れ物のアルミ製スプロケット。しかし、しっかりとしたメンテナンスや、チェックをしていないと、とんでもないトラブルに陥ってしまうことになります。

さすがにこの画像のスプロケットが装着されていたマシンは、このような状態の為に発進困難な状態に陥ってしまいました。

鉄製スプロケットであれば、耐久度があり、なかなか減りにくいのですが、乗りっぱなしというのが現状では多いので、磨耗が進んでいる車両が多いです。しかし、さすがはメーカー純正の代物、ノーメンテナンスの車両でも、何とか使用に耐えている場合もあります。しかし、社外品のアルミ製スプロケットでは、極端に磨耗が進んでしまいます。

スプロケットの消耗度合いを和らげる簡単な方法は、チェーンルブを塗布するなど、チェーン&スプロケットの汚れをきちんと掃除してあげるなどがあります。たったこれだけのことで、スプロケットの寿命が変わってきます。

きちんとしたメンテナンスを行っていても、アルミ製スプロケットは、そもそもの耐久度が、鉄製のものに比べて低いので、気を使って車両を見て、点検してあげることが、大変な自体を招く事を、未然に防ぐ事ができます。

エンジンはかかるけど、ローギアを入れても進まないなんて事にならないように、めんどくさがらずに車両に目を向けてあげてはいかがでしょうか。



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ガレージではオイルフィルターを交換する際、コストと品質にバランスがとれているならば社外品を使用する場合がある。写真のデイトナ製のオイルフィルターもそのひとつだ。豊富なラインナップがあるのと、入荷が早いのが良い点。XS/GX用に関してはちゃんと交換すべきOリングまでセットになっているのも見逃せない。

これまではXS400SP/250SPという車種名がその製品の品番とともに堂々と記載されていたので「まだまだXS/GXも現役続行だな」と思わせる雰囲気があったのもGOOD!

しかーし! 昨日入荷した製品のタグをみると…
「他」…(汗)
「他」ってなんだよ!
おまけにFZ400も記載が消えてるし、FZR400が先頭に格上げ。FZRの登場っていつだっけ?1986年?
デイトナさんの時代感覚、いいかもしれない。

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たしかもう25年以上前に発売された車両、ホンダ・シルクロード(250cc)は、わがガレージにもすでに何台も入庫しているお馴染みの車種である。今回のこの車両は走っていてもバッテリーが上がってしまうという症状から、充電系の不良があると思われた。
調べてみてレギュレータやバッテリー、その周辺の配線に問題がないとなると、残されたのはジェネレーター(発電機)本体の問題である可能性が高まる。

しかし、やっかいなことにジェネレータに関しては、マニュアルにある導通テストや抵抗値測定だけではジェネレーターそのものの良不良が判断しきれない場合が多々あるのである。この車両のジェネレータのステータコイルに関しても、導通や抵抗値、配線の状態に目立った異常はみられないにもかかわらず、発電量が明らかに不足していた。こうなると巻き直すか交換してみないとならない。

やむなく中古の良品を探すことにして、苦労の末手に入った純正品をつけてテストしてみたところ、まったく正常な14V以上の発電量が得られた。




写真にある二つのステータコイル。どちらが良品であるか見分けられるだろうか?



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ガレージに入庫する車両で、実は多いのが2ストロークマシン。
その中でも、比較的ガレージに入庫する割合が多いのが、このSDRだったりもします。
かつてのレプリカ全盛だった頃に、少し異色なコンセプトで投入されたこのマシン、車格的にはTZ125と似たような感じでとてもスリム。思い切った一人乗り専用の非常にスパルタンなマシン。

速いライダーがこのマシンを峠で操ると・・・小さいからってなめて掛かると痛い目に遭う事間違い無し・・・

この車体は、コツコツと不具合や摩耗&劣化の見受けられる箇所(エンジンオーバーホールや足回りのメンテナンスやセッティング)などなど、いつもガレージUCGで直し維持していただいてますが、ある時、ガススタで満タンにしたら、タンク横からガソリンがピューッと吹き出したとの連絡。

そのままガレージ入りとなりました。

これまで見て来た中で言うと、本当にヤマハの80年代のタンクは錆び&腐食しやすい。(RZ-R等も同様)
どう考えてもそれ以前のXS&GXやRD等とは比べ物にならない程に穴があいたり、錆だらけで使い物にならなくなる比率が高い。

開いてしまった穴の大きさや、その周りの腐食具合によって、様々な修理方法があるのですが、今回は、穴の開いた箇所以外は地金の状態が非常に良かった為、錆び取りをした後に、表面から隙間を埋めて、内部からコーティング処理をしての修理メニュー。

↓大きな錆がかなり出てきました。このトレーにある錆はほんの一部。錆び取り処理する際は、ガソリンコック等のアルミ部品は全て取り外さないと、処理剤で溶けてしまい大変な事になる場合もあるので注意・・・マスキングはしっかり。
それと同時に、このタンクキャップのパッキンが曲者。コイツが悪くなると雨水が入りやすくなってしまうのだ。


↓ピンホールの開いたガソリンタンク。もし出先、山奥の峠道でこうなってしまったら、果たしてどのように対処すれば良いのだろう?ガソリンを巻き散らせば引火の危険性と同時に、ガス欠にもなってしまう。振動の多い車両にアルミタンクの組み合わせでもクラックは発生しやすいので注意が必要である。また、もし走行中に漏れ始めていて、ズボンや肌にガソリンが染みていたら、すぐに拭き取る事。あとで皮膚がタダレたり火傷のような状態になり危険。



気を配らなければならない事は、タンクキャップの密閉製と、水抜き穴が錆びて詰まっていないか?ここが詰まると、タンクキャップ内部の受け皿部分が水浸しになって、結局タンク内部に水が混入するのである。

そしてタンク内部の水分が錆を発生させ、ガソリンコックのストレーナーの状態によっては、燃料ラインに錆が混入する。
ここにも盲点があるのだが、リザーブタンクを普段ほとんど使用する事が無い乗り手が、たまたまガス欠をさせてしまい、リザーブに切り替えた途端にキャブレターからオーバーフローというケースもよく見られるトラブルのケース。

えっ?なんで??って思うかもしれないが、その燃料ラインを切り替えた瞬間からトラブルは発生するのだ。
水分も錆も、タンク内では必ず下に沈む。それらが下に溜まっている状態なので、リザーブラインに切り替えた瞬間に、それらガソリン以外の物質もキャブ内部へ流れ込み、狭い通路のフロートバルブ等で引っかかりトラブルに繋がるケース。

いつも距離だけで給油しているマシンの場合、たまにはリザーブラインを意識的に使ってあげた方が水分も溜まり難くて良いとも言える。

水抜き剤を入れれば?という声もあるが、それについては、賛否両論、意見が分かれるので、ここでの議論は差し控える。
とにかく、たまにはリザーブラインを使うべきなのだ。

↓それはさておき、錆やゴミをしっかりと取り除き、脱脂し、十分に乾燥させてからコーティング。


外側の塗装面にコーティング剤が付着すると、大変面倒な事になるので、しっかりマスキングしてから作業。
塗装やコーティングは、塗る時よりも、下準備が大変なのである。乾燥時間も考慮すれば、何日かを要する作業なのだ。
急いでやるよりも、確実にやった方が当然耐久性もグーンと上がる事間違い無し。

※重要な事
・たまには意識的にリザーブラインを使う。
・燃料キャップから雨水が入り込んでいないか?パッキンをチェック=ひび割れてたら交換。
・燃料ラインには極力燃料フィルターを取り付ける。
・網目フィルターはほとんど意味無しなので、必ず濾紙タイプのフィルターを装着。
・もしキャブレターを開けて、フロートチャンバー室内部のアルミ地に白い腐食があったら、水侵入のサイン。
・雨の当たらないところにマシンを保管出来ないならば、せめてバイクカバーを・・・コイツだけでもかなりの効果。
・タンクキャップ脇の水抜き穴がしっかりと開いているか?錆で詰まっていないか?

大切なマシン、バイクの鏡とも言えるガソリンタンクは表面の奇麗さだけではなく、内部も奇麗に保ちましょう。
水が入らないようにする事は、タンク内部の保護だけではなく、キャブレターの保護にも繋がる。
ということは、つまりエンジンの保護にもなる。クランクシャフトやピストンリングとシリンダーの接触部分が放置期間中にどんどん錆びていってしまうのである。

いくら気を配っていたとしても、それでも、穴が開く時は開いてしまうのが悲しいところ。


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このような状態だったとしたら、その後の不動車レストア計画、どう練り直しますか?

たとえこのような状態だったとしても、車種によっては、どうしても手元にあるキャブを修理しなくてはいけない場合が多々あります。このような状態になってしまったキャブレターを、きっちり機能するように修復するには、通常のキャブレターオーバーホールに比べて、多い時では三倍以上の時間を費やす事すらあります。

(長期不動になってしまった場合、特に年単位での放置は、修復作業が大変です。長期保管が予想される場合は、必ずコックをオフに、もしくは燃料ラインを物理的に切り離し、キャブ内部のガソリンを必ず抜きましょう。)

特に困るケースが、キャブレターの肝とも言える、フロートバルブ(ニードルバルブ)&バルブシートの腐食。
両方共に交換出来る場合、まだ良いのだが、一部のキャブレター(一部のケイヒンキャブ等)の場合、ボディーに圧入されていて、交換部品の設定も無く、フロートバルブ(ロケット部分)だけを交換しても、オーバーフローが直らないケース。

かなり厄介ですが、これもかなりのケースで改善させられる場合があります。
おそらくは、通常だとキャブボディー交換を奨められるでしょう。

そんなケースでも、出来る限りの事は尽くします。
どう考えても、やってみなくては結果が伴わないからです。
コストも時間も掛かりますが、このような状態になってしまったキャブでも、またきっちりとした性能を発揮させる事が可能な場合、多くあります。

フロートバルブシートが交換出来ないタイプのキャブレターで、オーバーフローに悩んでいる時、もしかしたらその症状、直せるかもしれません。

せっかく依頼したのに、直せなかったじゃないか!と、一方的に怒られる事さえ無ければ、このような状態から直す事が、いかに大変な事かを理解してくださる方で、お互いに歩み寄れる方ならば、やれるだけの事をやってみる覚悟はあります。

何も解らない状態で、古いバイクに乗ろうとする事は、正直勧められる事ではありません。いろんな知識やトラブルを乗り越える知識や技術が必要になるでしょう。出先で故障するケースも、当然高い確率で出てきます。

中古価格が安かったとしても、きっちり手直しすると、結構な金額になる車両も多くあります。
バイクに乗る事、走る事がテーマなのに、乗っているよりも、直している時間の方が長いケースも時にはあるでしょう。

最初から新車&新古車を買うのが安かったのか、それとも、それらには無い魅力や憧れのあるバイクを、コツコツ直して、結果現代の新車レベルの、もしくはそれ以上のコストが掛かってしまった方が良かったのか・・・

当たり前だが、全ての部品が新品なのが新車しかも保証付き。全ての部品が中古で、程度すら不明瞭なのが中古車&絶版車。
この選択はとても難しい。

結論としては、外から、キャブ内部がこのような状態だとは何一つ予想出来ないのである。
それでも目前に、キャブレターがあれば、やれるだけの事はやり尽くすのだ。

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UCGにとっての全て、そして探求の原点とも言うべき、ヤマハXS&GX250エンジン。
これまでに通算で何台見て来たでしょう・・・何十台、いえ何百台??

しかし、このエンジンを調子良く維持する事も本当に大変な時代になってきた。
いわゆる現代のマシンで走行距離や維持の問題等でエンジンが不調になってしまい、オーバーホールするならば、社外部品が存在しなくとも、各部を計測&点検し、純正部品を用意して、それに見合った内燃機加工と組み付けで作業は終了する。

だが、古いマシン、特に社外部品の供給もほとんど無いような状態のマシンだと、様々な問題点が発生する。
このGX250エンジンも同様の部類であろう。

兄貴分のXS650シリーズはかなり部品の供給が豊富な事もあり、条件はかなり優遇されている。
4ストロークエンジンは部品点数が多い事もあって、より細かな検証と手間が必要になってくるのだが、この250エンジンはオーバーホールする為の最低限の部品しか既に供給されておらず、オーバーサイズのピストンやピストンリングはいずれかのサイズでしか供給されないので、注意が必要。

なので、エンジンを開けないままに過走行するよりも、エンジンの状態的に怪しくなり、明らかに不調の症状が出る前にオーバーホールをするのが結果的に大幅なコストダウンに繋がる。

きっちりと管理し乗り続ければオーバー10万キロも全く夢ではないこのエンジン。
では、その秘訣とは・・・ずばりエンジンオイルに尽きます。ベストなのはオイル交換時期を2500キロ~3000キロ。
真夏の過酷な高温地獄や渋滞等でオーバーヒートさせない事。

空冷マシン全てに言える事は、走行風を当てない限り、エンジン温度は上昇するという点。
我々乗り手が、エンジンに歩み寄って管理出来る事は、油温計を装着し、一定以上、大体120度以上になり始めたら休憩させる事くらいしか出来ないのです。水冷車の場合、それらの管理はある状況までは、冷却水や電動ファンで管理されている。

少し話が逸れてしまったが、エンジンオイルを定期的に交換する事は本当に長く乗り続ける為には全ての生命線なのである。
ちなみに、もしこのオイル交換をさぼり、乗り続けた場合、どうなってしまうのか。

100分の1mm台の精度で管理されるシリンダー周りやヘッド関連の部分は、オイルの潤滑に100%頼って摩耗を極力減らし、また熱を外部に伝えている。それと同時に、削れた微細な金属粉を洗い流す。

これらのバランスがオイルの摩耗や劣化によって崩れ出すと、シリンダーは本来の指定クリアランスよりも広がり始め、使用限度値に至る頃には白煙を吹き始める。

当然、新車時や、オーバーホール後にははっきり確認出来たシリンダーホーニングのクロスハッチ(編目模様)は全て消える。
この事は、摩耗が始まり出すと、より加速度的に進行する。

オイルを抱え込んで、滑らかに潤滑させようとするこのクロスハッチの役割は非常に大きく、これらが消え始めると、シリンダーとピストンリングはよりダイレクトに接触し、オイルを掻き出してしまうので、さらに顕著に摩耗は進む。

当然、摩耗したオイルがエンジン各部に回るという事を考えれば、そのダメージはカムシャフトやロッカーアーム、吸排気のバルブ、ミッションやクランク等全てに深刻なダメージをもたらす。

またオイルの上り下がりにも十分に気を配っていただきたい。
ちなみに、毎回3000キロでエンジンオイルを交換しているが、どうも抜いた時のオイル量(GX250の場合、約2.0リッター)が、注入した時のオイル量と比べても明らかに少ない場合(1.0リッター前後)の場合は要注意。
この走行距離で約1リッターが燃えてなくなってしまっている。(オイルの漏れが無い場合)

よくこういう質問が有る。とりあえず走っているけれど、このままオイル上がり下がりが発生したままで乗り続けたらどうなるのか?

その行く末はと言うと、そのまま走り続ければ、オイルをさらにマフラーから吐き出すようになり、圧縮も低下、ブローバイガスからもどんどんオイルを噴き出すようになる。

それでもなんとか走っていたとして、最終的にはプラグがエンジンオイルで濡れるようになり、まともな点火は期待出来なくなり、走行困難。もしくは、そのプラグかぶりをキャブレターセッティングと誤診断し、セッティングを薄くしているのに、濃いままの状態で、結局始動困難になり、不動になる。

これが物理的な部品の破損が無い状況での、回り続けたエンジンの終わりを迎える。
どうもキャブレターの調子が悪くて・・・という状態で入庫しても、結局のところ、エンジンの状態が悪く、キャブレターオーバーホールではどうにもならない状態の事が多々有るのも事実。

はたまたエンジンもキャブレターも問題が無いのに、キャブレターオーバーホールを・・・という依頼もよくあるが、結局は添加の問題だという事も多々ある事実。

それらを短時間で見抜くにはやはり、多くの経験と勘所、そして今起きてる現象が、何故そうなってしまったのか?という仮説&推理を立て、修理した後に、その仮説&推理が正しかったかどうかをしっかりと振り返り検証し、判断する必要がある。

ということは、より細かなデーターで管理が出来るように、様々な計測器も必要になる。

↓画像は、シリンダーのボアサイズ(直径)を計測する為のシリンダーゲージ。100分の1mmの世界を知る為の道具とオーバーホール中で、また走り出す日を楽しみに待つGX250


こういった測定器具でデーターを測り、各部目視し、また時に手で触り、開けたエンジンの状態を隅々まで把握しながら、これまでの長い年月でどのような維持がされてきたのか?その全てが暴かれて行くのです。
バラして行くと、そのエンジンがメーカー出荷後に開けられた事があるのか?無いのか?それは見れば必ず解ります。
ちなみにこのXS&GX250&400の場合、100%判断出来ると言ってなんら過言ではない。(はっきり断言!)

↓ばらした状態の腰上の大物部品。オイルスラッジのこびりついた汚れ具合や摩耗&テカリ具合などでこれまでの維持され方が見えてくるなんて・・・恐ろしい


↓シリンダーの内径を計る事によって、摩耗度合いを知り、ホーニングで直せるのか?はたまたオーバーサイズで組み直す必要があるのか献立を組み立てます。吸排気バルブやバルブガイド等も同様。(注意 画像では吸排気バルブがまとめて置いてあるが、その全てのセット位置は解るように管理してあります。)


それでは、そういう類いの部品が供給されないこのXS&GX250の場合、このバルブの摩耗や、ロッカーアーム&シャフトの既に起きてしまっている摩耗にはどうやって対処するのでしょうか?
日進月歩、技術はより進歩しています。減ってしまった部品を完全に新品の状態に戻す事は出来ないが、ある摩耗範囲内であればコーティング技術で再コーティングする事によって実は大幅にフリクションを減らし、より良い状態に組上げる事も可能です。これらの技術はもちろん極限のレースシーン、(二輪だけでなく四輪の世界でも)採用されています。

↓特殊なコーティングされたGX250ロッカーアームと吸排気バルブ。もし大きく摩耗が進んでしまって使い物にならないからと気軽に捨てちゃダメですよ!手直し出来る場合が多く有ります。


もうダメだと諦めてしまう前に、まだやれる事はある。騙し騙し乗るなんて、もううんざりなんだよ。

XS&GXに乗っていて、ショップに頼ってみても、「うちでは見られない」と断られてしまった経験があったとしても、それは仕方が無い事だとも言えます。とにかく部品がほとんど揃わず、データーも無いし、これまでに見た実績も無かったりしては無理も無いのです。それと同時に言える事は、近年式のエンジンを見るのとは、比べ物にならない程に手間もかかるのです。

※要注意 本来ならば、エンジンはしっかりとした精度のクランクがあることが大前提、これなくして何一つ語れない。本来は腰下から全て見てあげるのが基本とも言えます。燃焼室で発生した力でピストンがクランクを押し、ピストンの上下運動が回転運動に変わる、それらが、よりムラなく狂い無く行われれば行われる程、熱の発生も抑えられ、振動も減り、ガソリンの消費も抑えられ、寿命も長くなる。

予算の都合で最低限=腰上オーバーホールのみの作業もありますが、もし腰下=クランクに何か問題が潜んでいる場合は、やはり腰上の寿命も著しく短くなります。また、よく腰上はオーバーホールしましたという話を聞きますが、ピストンリングをただ交換しただけというような話も多くあり、それは単なる部品交換だけになってしまいます。当然、ピストンリングの寿命は、油膜を保ち難いツルツルテカテカのシリンダーを往復するので、短くなります。

ここに書き連ねて来た事は、まだまだエンジンという一つの構成体の中でのほんの一握りに過ぎない事ではあるが、また一番修理の中でもコストが掛かる部分であり、走行している以上は中身を実際に見る事が出来ない箇所でもあるのが一番厄介であり、どうしても見た目で明らかにわかる部分のカスタムに走りやすいのも昨今の事実。

時間をかけて、組み直すエンジンとはなんと手間が掛かり、だがしかし、何も表面上は違いの出ない部分なのであろうか?
それでも信じている。きっちりと組まれたエンジンがどれほど滑らかで、走る喜びに繋がるのか?と言う事を・・・
見た目をかっこ良くする事は、重要だ。だけど、それでは速く走らないんだよ。

結果があるからこそ、大変な作業だって、いくらでも手を動かす事が出来る。

XSやGXが遅いなんて事、あるわけがない。空想ではない、妄想ではない、どれだけのパフォーマンスを叩き出すのか?きっと一緒に走った事のある盟友ならば知り過ぎてしまっている。

遅い遅いと嘆く前に、それは真の状態では無いと言う疑いから始めてみて何が悪いと言うのだろうか。
探求の原点が、そこに凝縮されている。

長くなったが、この話はまた次回に続けてみたい。

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走行距離が多いバイクや、年月のたった古いバイクなどは、ステムベアリングがヘタっていることが多いのが現状です。

グリスが古くなり、固まって、動きの妨げになったり、ボールベアリングのレース部分に、打痕が出来てしまい、スムーズにステアリングが切れないようになるなどの症状が出てきます。


簡単な点検方法は、センタースタンドのある車体であれば、フロントタイヤが路面に接地しないように、フロント周りを持ち上げて、左右にゆっくりステアリングをきると、悪い状態のものであれば、かくかく動いたり、重く感じたりします。

狭い路地を走行する際、ハンドルが取られるような感覚や、右左折時、力を入れてハンドルを切ってあげないと、ハンドルがまっすぐになろうとしたりする経験はありませんか?。そのような感覚があれば、まず、ステムベアリングを疑い、部品を交換、若しくは調整してあげる事によって、快適なハンドリング&走安性を得られます。







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以前にエンジントラブルで入庫した超激レアと言っても過言ではない、ホンダ CL175が今回の主役。
年式はなんと1970年製。年齢で言えばもう38歳。

当時、まだ市販車でカウルが装着されたマシンは一切発表されておらず、750CCマシンが圧倒的な存在感を示したこの時代。

小排気量のマシンのラインナップはとてもユニークで、また限られた外装=タンクとサイドカバーが非常にカラフルに彩られ、かわいらしささえも感じてしまうマシンがたくさんあった。同系列のマシンではCB175やSL175など。

もともとはCB125系列の発展系で、何故かCB135という、とりあえず高速道路に乗れるようにしました的なラインナップがあるのも興味深い。

さて、このマシンの入庫の経緯はと言えば、もともとは悲惨なエンジントラブルだった。
とあるショップでカムチェーンアイドラーギアを逆組というか、間違った形で組み付けられチーンが本来当たるはずの無いアルミ地をガリガリと削り続け、アルミ粉がエンジン内部至る所に回って終了・・・という結末。

まさに開けてビックリ。

さすがにこの年代になってくると、部品を探すのはかなり大変で、入庫期間は半年近くを要したが、良いタイミングで部品を見つけ、また良い状態で走る事が出来るようになった。

修理ミスをされてしまったマシンの修理というのは、とても悲しい事では有るが、ガレージUCGへの相談の中にはそういうケースも多々ある。

いずれにしても、それまでに無かった程に調子が良くなれば、それ以上何も言う事は無い。

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主にサーキットのみで使用されているこの黄色のBMW F800S
これまでにフロントフォークやリアサスペンションなど、具体的にサーキット(主に茂木、筑波、富士)の走り方をじっくり聞きながらモディファイ、走行中のフィーリングを後に伺いながら、セットアップを続けかなり良い足回りに煮詰まりつつある中、どうしてもクラッチの切れが悪く、走行を重ね、エンジン温度も上がってくると特にシフトフィーリングが悪化するとの事。

これまでは、エンジンオイルが悪いのでは?はたまたサーキット主体で酷使されるエンジン的な問題なのか?いろいろとライダー自身模索する中、約12万円近くもしたという非常に高価な部品=スリッパ-クラッチキットをオーナー自ら輸入し、メカニックUCGが組み付け担当。

通常、エンジン内部でクラッチ関連を分解し、組む際には国産車であれば、あまりその構造に差異はなく、このロータックス製のエンジンのクラッチ関連の構造も通常のそれらとなんら変化は無く見えるのだが、一度ばらしてから組み付けると、どうにもこうにも、インナー&アウターハウジングのクリアランスが全くない状態で、センターボスをトルクを掛けて締め上げれば、インナーハウジングが全くフリーで回転しない状態(ミッション=ニュートラル時)

何か、部品を組み忘れたのか??と見渡しても、組み忘れた部品は当然見つからず、かといって何かを破壊してしまったような事も全く無く・・・いずれにしても、クラッチは切れるのにバスケット=ハウジングがお互いに干渉してしまうのです。

時間を掛けて、状態をマニュアルに則り、細かく測定してみれば、やはりこのインナー&アウターハウジングの規定クリアランス0.08~0.10mmの隙間は全く無く、それまでの走行時の症状から、かなり狭い、若しくはクリアランスほぼゼロという状態だった事が、数種類用意される巨大なワッシャー兼シムの選定ミスという事がわかった。

(↑悪の枢軸 超硬ワッシャー、ちなみに通常のドリルの刃は立たない。エンジン内部で良く出くわす素材。注意:この部品はまた別の箇所のワッシャー)

このシムがあと0.10mm薄ければ何も問題が無いのに・・・
純正部品でそのクリアランスの部品が用意出来るのはわかるが・・・たったそれだけの部品の為に納期が・・・
値段も、この単なるワッシャー一枚で2500円前後という話・・・さすが舶来マシン。
サーキット走行の日時は既に決まっているのである。迫り来るのである。

本来ならば、純正部品を用意するのだが、日程が決まっていることもあり、待つ事は出来ず、結局、この超硬い焼きの入ったワッシャーをひたすらに手作業で削り(0.10mm削るのに都合1時間オーバー?)最終的に精度誤差±1/100mm以内でスライスし、組上げれば、インナー&アウターハウジングは、干渉し合う事無く、グルングルンと軽やかに回るようになった。

素晴らしい、やる気になれば出来るもんよ。メカニックの汗と涙の結晶なのだ。
しかし、あまりにも地味すぎて、その作業を理解する人は殆どいないであろう。
だが、たったその0.10mmのクリアランスが無いだけで、クラッチは全く切れず、発進すら出来ないのである。

この硬さ、想像することは恐らく難しいであろう。もしも経験してみたくなったら、ミッション周りのワッシャーを削ってみれば、それがどういうことかはっきり分かるに違いない。

そのハウジングの問題がクリアーになっても、まだ新たに実践投入される高価なクラッチキットの方が今度はアウターハウジングに干渉する事がわかり、今度はその部分に新造した焼きの入った超硬ワッシャーを入れて、干渉を逃がし、純正マニュアルと新たに取り付ける部品の説明書を熟読し、いくつかの箇所をしっかり測定し、おいしいところを考えながら組み付けてみると、素晴らしい、ばっちりクラッチが機能する。

車種毎にポン付け出来ると書かれているのに、そのままでは付けられない部品というのがなんとも舶来物らしい。

純正エンジンのクラッチ周りのシムにしてもそう、おそらくは製品誤差が大きいのだろうか?それとも精度を追い求めすぎたから100分の1mm台でいくつものシムを用意する必要があったのだろうか?

国産車ではそういうケースは、この箇所ではほとんど無いはずなんだけどなぁ・・・そんな気持ちを持ちつつも、何かしらのクセを感じるBMWの魅力というものを改めて感じてしまった。感じるというよりは悩みなのかもしれない。

きっと今回の社外スペシャルパーツの組み付けと、修理で、これまであったギアチェンジ時のクラッチの切れの悪さはばっちり改善するであろう。サーキットを走り、熱ダレしてしまうような、悪条件下でも、基準値内で、多めにクリアランスを調整したので、きっとクラッチの切れの良さも維持されると信じている。

しばらくの間、頭を悩ませ、走行の期日が迫る中、一体どうしたら良いのだろう?というある種の重圧から解放された事が一番の喜びかもしれない。

とにかく精密にワッシャー=シムをスライスするのが途方も無く大変だった。とにかくヤツは硬かった。

高価な部品が装着出来ないかもしれないというオーナーの残念な表情を見たくなかった。

結果はメカ的にはばっちり。この借りは、サーキットできっちりタイムを詰めて返してくれれば何も言う事は無い。
それがメカニックの次への原動力。

たった一枚のワッシャーに泣かされる事もあるのだ。
金属の0.10mmの厚みは途方も無く大きいのである。

↑悪の枢軸ワッシャーがはまっている光景。硬いワッシャーも約0.07mm程の傷有。測定し精密修正0.10mm研磨。

↑SUTE-RACING社製のスペシャルなクラッチキット。キットなのにそのまま装着出来ないのはいかんよ。

↑ちょっと宣伝

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GPZ900R、かつて市販車世界最速のタイトルを手にしたこのマシンは、映画などで憧れのマシンとなり、今でも根強い人気がある一台であろう。

毎年技術の進歩と共にその全てを公道では発揮しきれない程ハイレベルなマシンがどんどん生み出されて行く中、さすがにこのマシンも既に旧車の仲間入りを果たそうとしているのかもしれない。それでも未だ尚、かつての世界最速の、そして憧れだったマシンに影を落とす事は決して無いのである。

ロングセラーなGPZ900Rは、数多くのバリエーションや、このエンジンをベースに発展していくのだが、やはりオーナーも憧れを持ってこのマシンを手に入れたという、全体的に非常に奇麗なコンディション。これまでに調子の悪かったキャブレターや足回りに手を入れたり、定期的なオイル交換を行いながら、今回は以前より気になっていたタペット周りからの音を調べるべく、ヘッドカバーを開けての作業。

さすがにロッカーアーム式で16バルブもあると、その調整作業だけでも大変です。各クリアランスを測定してみると、指定クリアランスよりもIN OUT共に、約0.05mmから多いところでは0.08mm近く広がっていて、打音が出ていました。

アジャストスクリューを交換した後に、再度クリアランス調整を行い、適切な隙間にし、以前に開けらた際に塗られすぎたのであろう液体ガスケットをきっちり清掃した後に、規定トルクでヘッドカバーを再び閉め、ずらしたキャブレターや冷却ラインのオーリングを狭い隙間の中で交換し、タンク等を載せて再始動すれば、少し賑やかになってきていたヘッド周りからの音もばっちり静かになりました。

走行距離が多い車両の場合、このクリアランスが広がっている場合が多々見受けられるので、定期的に見てあげなくてはならない部分です。吸排気のタイミングにも直に影響を及ぼす部分なので、出来る限り気を配ってあげたいところです。

ちなみに、故意に広めにクリアランスを与える場合、若干タイミングが遅れるのと同時に、本来の流れをスポイルしてしまう可能性も出てくるので要注意。また同時に広めのクリアランスは、バルブの頭&アジャストスクリューを割と早めに痛める可能性もあるので要注意です。

シム式とロッカーアーム式、性能とメンテナンス性では、一長一短。いずれにしても、クリアランスの詰め過ぎだけは絶対に避けなくてはなりません。何故ならば最悪の場合、圧縮の低下やカムシャフトの極端な削れ→摩耗に繋がります。

このクリアランスがゼロの場合、つまり常時ロッカーアームのスリッパー部、若しくはタペットカバーと、カム山が常時接触したままでオイルがほぼ全て掻き出されてしまう訳で、高温にさらされ、熱膨張も考慮しなくてはならない中、適切な潤滑の為、そして部品の摩耗防止の為にも、オイルが入り込む余地=タペットクリアランスが必ず必要になるのです。



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画像はヤマハSRXのヘッド 4バルブシングルエンジンのヘッド。

4サイクルエンジンがオイル臭い白煙を噴くようになる原因の中に、シリンダー周りから燃焼室内へオイルが入り込んでしまういわゆる「オイル上がり」と、バルブ周辺から入り込む「オイル下がり」があるのはよく知られている。

そのうち、オイル下がりに関してはもっとも多いのが主に吸気側のバルブステムシールの損傷によるオイルの吸引であるが、それ以外にもバルブガイド自体がヘッドの中でガタついてその周りからオイルを吸い込む例も少なくない。



吸排気のポートから中を覗けばある程度目視で判断できる場合も多いので、気になる方は一度覗いてみてはいかがだろうか。


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チョークもなにも気にすることなくセルボタン一発で始動、暖機もあまり気にせず走り出す人が多いビッグスクーター。この便利さゆえか、いまでは街に停まっている中型以上の二輪車の大半はスクーターといっても過言ではないでしょう。そんな便利なスクーターにもトラブルはいろいろあります。なかでも「スクーターのバッテリー上がり」は非常によくある故障内容で、ガレージにかかってくるレスキュー依頼の電話にもそれは少なくありません。

バッテリーが消耗してしまってセルモーターが回らないと、キックスターターがついていないスクーターは押しがけすることもできず、他の車両からジャンピングでもしない限りお手上げ状態になってしまいます。それでもまだバッテリー上がりくらいなら修理も簡単なもの(昨今のバッテリーのお値段には驚くばかりですが)。けれどもスターターリレーやセルモーター自体の故障となると、その場で修理というわけにはいきません。

この車両(初期型フリーウェイ)もセルが回らないという故障で入庫しましたが、どうやらバッテリーやリレー、配線の問題ではなさそうで、セルモーターをはずして分解してみることにしました。モーターを開けてみたところ写真のような黒鉛の粉が大量に。その正体はブラシが砕けて粉々になったもの。よく見るとコミュテーターの部分にも荒れが見られます。こんな状態でもついさっきまではちゃんとエンジンが始動していたというのですからたいしたものです。

なぜかホンダ製の車両にはセルモーターのブラシ周辺の極度の消耗や故障が多く見られます。ホンダ車(に限らずヤマハでもスズキでも)をゲタ代わりに十数年乗っているけど一度もセルに関して問題はないよという方。ある日突然こんなことが起きたりしますのでどうぞご注意を。

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車検のある車両は、車検時(車検整備時)に、ラジエターキャップの点検等をしますが、250cc以下の車両は、点検整備等をせずに、乗りっぱなしになっているケースが多いようです。

特に、この車両(VJ21 RGV250γ)は、ラジエターキャップが、タンク下にあるために、点検時間、手間もかかります。冷却水の交換ついでにラジエターキャップを変えてしまうのがベストですが、冷却水自体、もれてきたり、オーバーヒートしなければ、交換さえしないことが現実です。

この車両も、ラジエターキャップのゴムが新品部品より、1.5倍ぐらい大きく伸びてしまっていました。それにより、圧力の調整が効かず、オーバーヒートしてしまったようです。

実は、サーモスタットも、古くなると本来の動きをしていないのです。見えない部分なので、あまり体感できませんが、目安としては、5~6年間変えていないと、劣化が進んでいます。水温が上がりやすい、夏場、冷却水が入っているのにオーバーヒート寸前まで、水温が上がるなど、サーモスタットと、ラジエターキャップを換えると治ることが多いです。

めんどくさいからといわず、点検、メンテナンスに時間を割いてあげてはいかがでしょうか。


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とある事情により、修理&カスタムを断念され、完成を見ないままに、ほとんどの部品が無いままの状態で入庫したXS650Spl。当然の事ながら何の引き継ぎも無いまま作業を引き受けるのに正直なところ勇気がいるレベルでした。あまりにも足りない部品が多く、それらを用意するのに多大な時間を要し、またそのほとんどを1から組み付け、手直しをするのはやっぱり大変です。

しかも、純正車両と異なり、カスタムの途中で放棄されてしまった状態なので、作り手の意図が見えないのが厳しいところ。
今回は、そのマシンのフロントフォークの手直し&オーバーホール。

ほとんどストロークしないまま組まれていた、明らかに短いフロントフォーク。単体で押してみても、ほとんどリジットサスペンション。2センチ程度しかストロークせず、にも拘らず、その移動する間の減衰力はほとんど感じられない。

このままで走らせるのはあまりにも危険な状態なので、内部を開けてみると、油面はなんと20mmという設定。
またシートパイプ(インナーシリンダー)はカットされ、大幅に短くなっていた。

手間は掛かっているのに、スタイルを明らかに優先しすぎて走る為の機能を削いでしまうという、本末転倒な残念な事実がそこにはあります。

そうなってしまったフロントフォークを本来の機能を回復させる為に、結局さらにもう二本フロントフォークを用意して、結局四本分のフォークから二本の足回りに作り替え、組み直してから蓄積したデーターを基に仕上げます。

XS650特有の押しの強いトルクに負けない足回りにモディファイ。車体の構成的にもまだまだアンバランスな部分が多く、それらの修復とレストア作業は続きそうです。

これまでの長きに渡る作業において、要の電気系統とエンジン関連の一からのセットアップという、聳え立っていた山場は乗り越えたので、あとは地道に完成目指すだけ。まだまだ部品が揃っていないが、気を引き締めて、このマシンのセットアップを続けます。

さて、ヤマハXS&GXシリーズやSR、もちろんそれ以外の多くのマシンで純正のままのサスペンションセッティングに不満を感じている人は多いかもしれない。だが実はノーマルのまま、セッティングを変更しても、かなり良いデーターと結果が出せる事を忘れないで欲しい。

それ以前に、プアーに感じる、その足回り、実は乗りっぱなしのままで何千キロ、何万キロという結果にはなっていないであろうか?様々な箇所にガタが出ていたりはしないだろうか?足回りの換装やチューニング&改造はそれからでも遅くはない。いずれにせよ、やりすぎてしまったチューニングは時として仇となり、元通りに戻すのも非常に大変なのである。時に元通りに戻すのがほとんど不可能な場合さえもあるからなのだ。

果たして、新車で購入したばかりの時に、そんなに不満が出ていたのであろうか?

そんな事を思い出しながら、愛車の声に耳を傾けて見るのも良い季節になって来た。

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ここ数日の、このUCGブログでは80年代~90年代の名車?達で賑わい真っ盛り。
でもやっぱり直すのは大変なのが合言葉。

だが、それでも様々な不調を抱えたマシンが、それまでには無かったほどにパワーを取り戻せて、気持ちのよい走りに変われば最高なのである。

現在、探求中のスズキRGV250ガンマ、オーナーが手に入れてまだ間もない状態であり、まだ走る上で様々な面のセットアップが必要な感じであり、ベストな状態を探ってまだまだ探求は続きそうですが、入庫前に心配されていたエンジンを開ける必要は無さそうなので、一安心。

それでも、やはり何かの拍子に焼き付く恐れのある2ストロークマシンは、出来るだけしっかり見てあげる事が求められる。
エンジン付きの乗り物である以上、全てに言える事なのかもしれないが、特に2ストロークエンジンは、エンジンの寿命が4ストロークエンジンに比べるとやはり短いので、よりその管理には気を付けてあげたい。

ちなみにエンジンを開けずストックの状態でうまく維持出来れば2ストロークエンジンでも3万、4万キロと維持する事も可能だが、本当にパワーバンドでドカンと来るような、いわゆるおいしい時期は、長く見ても2万キロあたりである。

これがTZ250等のレース専用マシンになると、長く使っても、シリンダー等の部品は、せいぜい3千キロ以内なのだ。
細かな部品に至っては、ほぼ毎レースごとに点検や交換を行う。

さて、市販車としてRG250ガンマ(パラガンマ)は初のアルミフレームを搭載し、V型エンジンになって初のモデルがこのマシン。

年代としてはヤマハがTZR250-3MA 後方排気~3XVを発売し、NSR250ではMC18~21という2ストレプリカマシンが出回り、まさにレプリカ全盛の時代に突入、群雄割拠とも言えるこの時代のマシンにはその勢いと華やかさすら持たされている。
現存しているマシンは、歳を取り、やれてきている部分こそあれど、やはり往年の輝きは色褪せる事無い。

残念な事に、見かける多くのこの年代のレプリカマシンは、足回りもやれている事が多い。
サスペンションや各可動部など。挙げれば限りは無い。

あまり調子の良くないマシンの場合、それなりに足回りがやれていても、なんとか走れてしまうが、エンジンとキャブレターの調子が良くなると、250ccと言えども2ストロークレーサーは一気に豹変する。
そうなるとこれまでのプアーな足回りはとても不安なものになり、ブレーキもよりしっかりとしたフィーリングを求めたくなる。

古いマシンをしっかりとセットアップする上での正常修理メニューとも言えるでしょう。そうして標準の状態を知るところから、好みの足回りに味付けし、チューニングを進めて行けば、まさに人車一体。

せっかく、当時の技術が結集されたマシンに乗るならば、もちろん修理しなければ行けない部分は多々あるけれど、ベストな状態で、その乗り味を楽しむ事が出来れば、それが一番の楽しみではないだろうか?

この年代のマシンは、きっちりとセットアップ&修理出来れば、チューニングや改造すら必要ないポテンシャルを秘めている。
(※注・一部例外あり)

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