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東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ

日々GARAGE-UCGで如何なる修理や探求が行われ、どんなガレージライフを過ごしているのだろうか?

待望の!ヤマハXS250XS400GX250GX400用ニューアイテム近日投入!!

2010年06月20日 | XS250XS400GX250GX400探求
激待望の新製品、現在、試作中なのです。新たな探求アイテムまだなの?って声をいつも探求者より頂いております。
多項目に渡る修理に時間を多く取られ、開発が遅くなりがちで、本当に申し訳ない。
まだまだ頭の中ではいろんなニューアイテムの候補が並んでおります。

でも弱小ガレージなので、少しづつしか進めません。
さてさて、UCGオリジナル製品から、ドレスアップアイテムが出されるなんて、そんな事があっても良いのだろうか?
しかも市場規模も全く未知数、というより、ほとんど存在しないXS&GX用のアイテムを出す事に一体何の意味があるというのだろうか?きっとそこに誰も見向きもしないでしょう。

もしそうであったとしても、UCGは真正面から向き合わなければならない宿命がある。そしてそれが人生なのである。
だから何一つ諦めない。

良いじゃないか、空振りしたって。主な題材が、いつまでだってXS&GXであって欲しいんだ。
それと同時に、不調なマシンをなんとか走らせて満足するよりも、これまでに経験した事の無い調子の良さを体感してもらいたいんだ!さらに、そこにほんの少しの、これまで完全に見放されていたドレスアップだって施してあげたい。
愛する彼女の為に!!

この試作品達は、完全国内生産であり、特筆すべきは、削り出し部品ではないと言う事。
ダイキャスト(金型鋳造)でも無く、大量生産には不向きな、砂型鋳造品なのです。

その風合いを見れば多くを語る必要も無い事ではあるが、そうすると、文章マシマシなこのUCGブログ自体を自己否定する事に繋がるので、やはりキーボードを打つ手を止める事は出来ない。

砂型品には、独特の質感や、工作機械だけに頼った無骨な感じではなく、手作り感、そしてぬくもりが感じられる。
30年前のマシンにはきっとピッタリなアイテムだと思えてなりません。

このような製品を出しても、大量にオーダーは来ないかもしれない。
それほどに現存するXS&GXは数少ない。維持する事だって大変なのだ。

でも仕方が無い。我々探求者は、既に愛してしまったのである。愛しすぎて、もう憎しみに変わる寸前なのだ。
だからこそ、海外生産では無しに、日本国で生まれたこのXS&GXに相応しい、国内生産の砂型製品を惜しみなく投入したい。

ハンドメイド感溢れるMade in Japan製品、この画像に出ている物だけではなく、XS&GX250/400用のアルフィンカバーを現在製作中なので、ご期待下さい。

ノーマルのスタイルももちろん最高にかっこいい!
だけど、個々に特徴があるのも何にも代え難い愛着なのさ。

どんな製品なのか、実際に現物を見たい方は、ガレージUCGに足を運んで下さい。
既にガレージに足を運んで頂いている探求者からは、製品化されたら真っ先に欲しいと言う、とても嬉しい声も届いております。今しばらくお待ちを!



キャブトップフィン付きカバー
タンク下からチラッと見える感じを想像してみて下さい。


ジェネレーターカバー。これは試作なので、まだ四本の取り付けボルトとフィンのバランスが合っておりませぬ。
(フィンが車体に対して45度ずれちゃってる試作版なのです。)
これからそういう細かい点を修正し、完成版発表となります。
ノーマルのカバー、ネジ止め部の周りにクラックが入って、微妙にオイル漏れしているエンジンも多いのではないでしょうか?
そんな問題点を解決しつつ、ドレスアップも果たせるのが特徴。画像では載せておりませんが、このジェネレーターカバーの裏側も純正品と同様にリブを入れて強度も持たせてあります。


アルミ地のままの試作ですが、つや消し黒塗装で、フィンの表面だけをアルミ地のまま、磨き込んだ感じ、想像中。
製品はアルミ地のままになると思いますので、個々に塗装したり磨いたりして個性を持たせれば、One&Only!!
純正の右クランクケースカバーに貼付けるタイプのアイテムです。



現時点では、いずれの部品も生産数や、コストは現在未定です。

ブログではまだ発表していない他の部品も現在、試作中なので、試作品が出来次第、随時お知らせします。
タペットカバーや、ポイントカバー、セルモーターカバー等も計画中です。
乞うご期待!!

既に何人かのXS&GX探求者より「是非欲しい!」という声も頂いております。
いつも頼って下さり、本当にありがとうございます。
当ブログではコメント書き込み出来ないので申し訳ないですが、さらに多くのアツい念を、声をダイレクトに、ガレージホットラインやメール等にて聞かせて下さい。

砂型製品製作メーカー&UCG共に俄然やる気が出ます。
(実は製品として発表するにしてもどれくらいの反応や反響があるか未知数なのがXS&GXワールド、だからこそアツい声と勇気、そして未来への希望が欲しいのだ!!)

錆だらけのフォーク ヤマハXS250Spl

2010年01月26日 | XS250XS400GX250GX400探求

↓なんという事でしょう!匠の手によって、精度抜群、リフォームされました。曲がって見えるのはカメラのレンズの影響。
(実際は歪みや曲がりはありません。)


いつもブログ更新しなくてはと思いつつ、気づけばいつも時間が経ってしまう。
時が経つのは何気に早い。

さて不定期更新でも何気に気が向いている時に更新しているが、そこそこの情報量になってきたのであろうか?
たまにふと気になる。もともと以前から有ったXS&GX探求サイトと、このブログに移行する前の掲示板の情報量があまりにも膨大だったから、やはりまだガレージUCGブログはまだまだ情報量が少ないとも言える。そんな事を思いつつも、ここ最近、このガレージUCGブログのアクセス数が大幅に増えてきている(実は急増している)のは大変嬉しい。改めて日々熟読して下さる探求者にお礼の気持ちをお伝えしたい。ありがとうございます。

もう探求者各位はご存知の通り、一度書き出したら止まらないのがUCG総論でもあるので、何気に時間も体力も使うのだ。
書いているうちに、自分自身でアツくなり出して、手に汗かいているのなんて、もう日常茶飯事なのである。

日々の仕事やこれまでの経験を踏まえて、いかにしたらわかりやすく、よりリアルに伝えられるのか?もちろん言葉&文字だから限界はある、出来る限りいつもその限界を乗り越えられるように書く事を心掛けているが、それでもやはりこの心の叫びを完全に伝えるのは難しい。だがそれでもなお、文字を打ち続ける手は止まらない。それはつまり、自覚症状無いロックンロールであり、アツくほとばしるSoul以外の何物でも無いのである。

とまあ、これは前書き。アクセス件数急増中なので、きっと初めて見て下さる方もいると思うし、今日はそんな貴方へアツいメッセージを送りたい。画像&写真主体で見た目=体裁が良いのも素敵だけど、残念な事に私にはそんな能力や才能は持ち合わせていない。だからバイク・オートバイを通じてこの書き殴るメッセージを受け取って欲しいんだ!!

ああ、駄目だ、ついアツくなりすぎた、また手に汗をかいているじゃないか。
さて今回は、ヤマハXS/GX250&400用フロントフォークのビフォアーアフター。
このフォーク、残念な事に?というか当たり前かもしれませぬが、既に純正部品の供給は終了、廃盤なのである。
にも関わらず残念な事に事故でフォークを曲げてしまい、修理入庫する車輛が多い。年に何件あるのでしょうか?

部品が出ない車輛なのだから、もちろん事故と背中合わせのバイクであるという事は承知の上で、何が有っても事故だけは回避して下さい。その為のメンテナンスなのだから。常々ここで語っている事です。とにかく現代のバイクと違って、XS&GX事故の修理はとーっても大変なのです。既に10年以上、XSやGXの修理してきたけれど、本当にUCGがストックしてきた部品達はほとんど底を尽きかけています。通常走行による消耗品の交換やメンテナンスならまだしも、事故等で外的なダメージを受けた場合、大半の部品の供給は無いのです。

なのでXS&GX、特に250/400オーナーはそれを肝に銘じておくように。いつまでもUCGに行けば直してもらえるなんて言えなくなりつつあります。それはオーナーでもある自分自信も含めて言える事なのだ。修理のコストだって、通常の現行車で同様の修理になる場合よりも当然高くつくケースが多く、部品を探すにしても時間も掛かります。それでいて、保険がらみのケースだと、保険金もあまり期待は出来ません。減価償却的な観点から見れば、価値は無いに等しいのです。

XS&GXフロントフォークの再生は何気によくある作業です。通常走行を重ねてきただけでも30年選手なので、インナーチューブが錆だらけ&オイル漏れになっている車輛がとても多いですが、自分の思うようにマシンをコントロールし、快適にストリートやワィンディングを走る事、そして咄嗟に降り掛かる危険を回避する為には前後サスペンションやブレーキの状態を含めてトータルの車体の完成度で危険を回避出来るかどうか?はっきり分かれると言っても過言ではありませぬ。

インナーチューブもしっかり再生出来ます。そうは言っても、大前提は表面が錆びていても良いが曲がりの無い事。
多少の曲がりは修正も出来ますが、やはり金属の特性上曲がりは無い方が良い。
そんなベースになるインナーチューブさえあれば、純正よりもより錆びにくい、かつ100分の1mm台でしっかりと精度を出した新品同様の、むしろかつての新品以上にきっちりしたインナーチューブが出来上がります。

フォークアウターケースも事故や長年の使用に因って変形があったり、内部が摩耗してガタが出ているケースがこれまでに何本も確認されているので、そこも注意すべし。特に要注意なのは、アウターケースに修理や改造で溶接がされている場合。
熱でアウターケースが歪んでしまい、まともに使えなくなってしまうのである。残念ながらそんな状態になったら交換意外に他無い。

いずれにしてもマメにフォークオイル交換をしていれさえすれば、もっと良い状態がキープ出来ていたはずであろう。
本来の状態を維持出来ないままに性能が低いと嘆き改造に走る事なかれ、何が基準なのかわからないまま、デチューンに突っ走り、気づけば元に戻せない状態になり、かつての調子良く峠を走り抜けていたあの頃を永遠に経験出来なくなる事すらあるのである。それは何より一番恐ろしい事かもしれない。

本当に古いマシンを愛しているならば、そして一生そのバイクに乗り続けたいならば、定期的なメンテナンスが一番コスト的にも節約に繋がる。ちなみにフロントフォークのオイル交換時期、実は一万キロ。

それをたった一万キロと考えるか、一万キロも交換しないで良いと考えるか。
でも改めて考えてほしい。自分の家から一万キロ先という良くわからない場所までの果てしない距離を。
その果てしない距離をたった数百CCのフォークオイルがショックを吸収してくれているのである。

一万キロって言ったら、アメリカ大陸まで行けちゃうじゃないの!!

またフロントフォーク曲がったXS&GXが入庫したらどうしよう。そう考えればオリジナルコンディションを維持するのも大変です。とにかく事故や転倒だけは気をつけて、SRの足回り付ければ良いね、なんて安易に考えてはいけない。何気にコスト的に見ればどっちもどっちなのである。

それと同時にSR足はただ装着しただけでは、セッティングふにゃふにゃ。
XS&GXは車重が重いのでそれ相当のセッティングに煮詰めなくてはいけませぬ。
とは言っても、データーは豊富に蓄積しているので、その辺は万全ですが・・・

今回のこのリビルドフォーク、いつまでも長持ちしますように。

修理やメンテナンス、そしてチューニングを通じて年式の古いマシンに言える事は、何にせよ、いきなり外装カスタムとかに予算を割り当てない事。とにかく重要なのは、第一にタイヤとブレーキ、そしてサスペンション。

注意しなくてはいけないのは、特にレストアし終えた直後。レストアするのに予算を使い果たしてしまい、タイヤが当時物だったっていうパターン。だって近日またレストアなんてもうしたくないじゃないですか。それ以前に廃車になっちゃうかも。

どうしてもエンジンが掛かるようになったら、あとは適当に仕上げて、とりあえず公道デビューさせたくなっちゃうって良くある事です。でもそれが真の命取り。そんな所までトラブルシューティングしなくて良いんだって。

あー、奥が深い。
いけないいけない、気づけばまた書き過ぎた。寝なくては。


追伸・XS&GX探求者へ
新製品、オリジナル製品サイトに掲載しました。

祝!!XS&GX250/400用探求製品の発表!

2009年12月12日 | XS250XS400GX250GX400探求
去年、今年とUCGは全日本ロードレースシーズン中、一ヶ月あたり、多い時は半月程も各地のサーキットへ出張していたりしたので、以前から暖め続けていた探求活動がかなり大幅に遅れておりました。オフシーズンになってからは、日々探求活動に勤しんでいます。うーむ、何気に疲れはあったりしても、やはりこの活動が全ての原点なので、とても楽しい。

さて、相変わらず、様々な修理車両を見ている最中、やはり未だにXS&GXの入庫は非常に多いのであります。
もう通算台数は余裕で三桁台突入中。きっと国内、いえ世界中で一番この車種を面倒見ているのはきっとガレージUCGに違いない。(もし間違ってたらゴメンなさい。きっと誰からも物言いはつかないと思います。)

もう30年選手になるこのXS&GX達は、正直なところ、全ての機能部品が劣化していると言って何ら差し支えない。
特に電気系統の部品は社外製品も強化系製品がほぼ壊滅の状態で、暗中模索の状態。

GX250/400(除く最終型GX250角タンク)はポイント点火なので、さらに面倒なメンテナンスが増えます。
これまで多くのポイント点火車を見てきた経験で言えば、本当に駄目になっているマシンが多い。
スパークの力がかなり弱っていて、タイミングライトを使っても点火時期が非常に検知しにくい物が多く、頭を悩ます事がとても多かった。それは時に他のあらゆるセッティングに対する判断を狂わせる結果にもなるのである。

エンジン、そしてキャブレターのしっかりした前提が決まったならば、次に必須は点火系統の強化が機関部分では絶対条件である。

というわけで、XS&GX250/400用の取り付けキットを新製品のラインナップに加えます。
最大のメリットは、ポイント点火とフルトラ点火の両用なので、ポイント点火のまま、この強化コイルキットを取り付けて、いつかフルトランジスタ点火化した際にも、このコイルはそのまま使用可能という点。

そして目に見えて違いがわかる、ノーマル点火とのスパーク力の違い。
アクセルを煽った瞬間のレスポンス、そして押し出すトルクの強さがはっきり体感できます。
当然スパーク力が上がる分、プラグの自己清浄作用も強くなるので、プラグがかぶりにくくなる。
ポイントの寿命も延びるという利点も有り。

純正コイルは現在、二気筒分で25000円オーバーなので、プラス一万円程コストが掛かる事を考慮しても、純正のままでは成し得ないパフォーマンスが発揮される事は間違いない。

GX250/400系のポイント点火用の白コイルから交換する場合は、純正コイルのステーを利用してウオタニコイルのフィッティングが可能です。価格は35700円(1台分 接続用配線含む。プラグコード無し 送料無料 代引手数料別途)

XS250/400系の場合、純正コイルの形状がGXポイント点火車とは異なるため、ガレージUCGオリジナル新製品の取り付けステーキット(ボルト&ナット必要個数+ステー二枚=黒塗装)(4200円)を組み込めば、全てボルトオンでマウント可能。
プラグコードももちろん様々な製品、用意できます。ちなみにGXポイント用の白いIGコイルだとプラグコードを交換するのもかなり面倒なのです。

(GX250/400系の車両でも、フルトランジスタ点火に変更してある車両の場合は、オリジナル取り付けステーが必要になりますので、ご注意ください。)

既に装着し、十分に検証してある点に加え、もちろんウオタニ社様には事前に許可も得ている製品です。

初期ロット分、オリジナルステーは限定5台分です。反響が良ければ増産の可能性有り。
点火系統の強化を考えている探求者は、直ガレージ、若しくはガレージUCGホットラインにてご相談ください。

この製品の有するパフォーマンスは、まさに21世紀的XS&GXに相応しい。
現時点では、まだオリジナル製品ページには掲載しておりませんが、近日中に、ガレージUCG製品サイトに公開予定です。
不人気だろうが、30年経とうが、希少車であろうが、UCG自身がこのマシンに乗り続ける限り、探求の手を止める事は決してあり得ない、売れる売れない、そういう問題じゃないのである。誰も見向きもしない事に真正面から向き合う事が大切なのだ。

今、書きながら、そう自分に言い聞かせている、言い聞かせている、言い聞かせている。

さぁ、突き進むぞ!!

↓下記画像はオリジナルステーキットを使用して組み込んだところ。


XS250 フロントブレーキホース 交換

2009年05月13日 | XS250XS400GX250GX400探求
この写真は、交換前に撮影した写真です。純正のブレーキホースで、黒色のホースです。

XSやGXだけではないのですが、古いバイクだと、ブレーキシステムの設計が古く、ブレーキの効きが悪く、ブレーキマスターを変えたり、ブレーキローターを大径化させたり、キャリパーを社外品に変えたりとさまざまな対応策が施されている昨今であります。

しかし、せっかく最新式のブレーキシステムを手に入れても、ブレーキホースを変えないと、かえって危ない状況に陥ることもあるのです。

この画像のXSは、ブレーキの効きに不満を覚え、ブレーキマスターの交換をしたが、レバーのストロークが大きくなりすぎてしまい、扱いづらいブレーキになってしまったとのこと、押し出し比を間違えるとこのようなことにもなりますが、そもそも別の場所に原因があったようです。

純正部品のブレーキホースの場合、経年劣化によって、ブレーキの圧力に耐えられず、ブレーキホース事態が収縮してしまい、キャリパーのピストンを押し出す力が分散され、レバーのストロークが増えてしまうというトラブルに陥ってしまいます。

ブレーキホースを変えてしまえばいいことなのですが、社外品のメッシュホースに変えてしまうと、銀色のホースになってしまい、ノーマルの外観を崩してしまうというなんとも言いがたい状況に陥ってしまう。

しかし、最近はブラックのメッシュホースが販売されており、外観もそうたいして変わらず、性能もUPできるというすばらしい時代になりました。

古い歴史的価値を持つスタイルを維持することもすばらしいと思いますが、観賞用ではなく、その車両に乗るのであれば、機能部品や、安全性を左右する部品は、交換や、メンテナンスをしてあげてはいかがでしょうか。


ぱっと見て違いがわかりますか?


リア足回りの要

2009年02月12日 | XS250XS400GX250GX400探求
少々間が空いてしまったが、久々に話を進めよう。
今回のテーマはやはり、いつもと変わらず、メンテナンスにおけるスイングアームのピボット。

既に30年選手になろうというのに、現在もまだまだXS&GXは(それなりに)走り続けている。
ちなみに掲載した画像は、ヤマハGX250/400のスイングアームピボットシャフトの画像。
本来ならば、いわゆる銀色をしているこの部品が、悲しい事に赤茶けています。

何故こうなってしまったのか?頻繁に走行を重ねるこのマシン、残念ながらオーナー(注 良く知っている間柄)の愛情不足、そしてメンテナンス不足が露呈しております。残念・・・

直接的な原因は、このマシンでは切っても切れない縁である、振動によって、グリスニップルが脱落し、そのまま、長く考えても三年以内に、このような結果に至ったのです。

30年選手になるマシンにとっての三年は僅かかもしれない、だが一つ一つの部品にとっては、三年という期間は潤滑油&グリスが流れ出してしまった環境で、高荷重に晒されればどういう結果になるだろうか?考えるに容易い。

フレームと固定されるメインシャフトは、本来ナットで固定されていれば動く事は無く、スイングアーム側に装着されるカラー部分とスイングアーム部分が主な可動部分なのであるが、XS&GXに限らず、スイングする機能を有したバイク全てにとって、潤滑不足は部品を擦り減らし、特に高荷重の箇所では互いの部品がカジりついてしまうのである。

その可能性を少しでも防ぐ為にグリスニップルが付いていると考えれば、その重要性がさらに理解出来る。
結果として、カラーとシャフト類ががっちりと固着し、その抵抗によって、メインシャフトに捻れの力が発生し、形状としては長いボルトでもあるこのシャフトの一番強度的に弱い箇所、つまりネジ山とナットで引っ張られる部分で破断してしまうのである。このトラブルは、特にこの年代のマシンであれば良く見かける症状であり、それはつまりグリス切れ=メンテナンス不足によってもたらされるのである。

走行時の弊害としては、腰への突き上げが強いせいで、(サスペンションにもよるが)、高速走行時にハンドルが振られる(スイングアームの動きが悪い為に、そのおつりがフロントに現れる場合もある。

またある程度ペースを上げて峠道を走る場合、しっかりとサスペンションが踏ん張る事が出来ず、力が逃げて、結果コースアウト、転倒に繋がる危険も十分に考えられる。また、部品同士がかじりついてしまうと、フレームからスイングアームを取り外すのに膨大な時間と手間を要する事になり、結果大幅なコスト増大に繋がります。

それ以外にも悪条件は多々考えられるが、いずれにしても本来の二輪車としての機能を考える中での前提部分なのである。
この箇所と同時にリアのスイング機能に関連する部分では、サスペンションの取り付けも非常に重要である。サスペンションがスイングアームに対して自由に動くか?(ただストロークするだけではなく、円運動を滑らかにする事も大切なのである。)

この部分の円運動も取り付け方や潤滑不足によっては、時に高価なサスペンションのロッドを曲げてしまい、リジットサスになってしまっている車両さえもあるので。原因は、スイングアームとサスペンションの取付部の動きが悪い性で、大きな衝撃=地面からの突き上げを逃がせず、ロッドに曲げの力が集中し、損傷させてしまうのだ。

多くの場面で、メンテナンスの重要性を日々唱えているが、時に、何故メンテナンスが必要なのか?と質問され、ある種、当然だと思っているからこそ、どうやってその重要性を伝えれば良いのか、思案してしまう瞬間も多い。

だが結論は至ってシンプル。
第一にきちんとした機能を有さない乗り物は、乗り手を危険に至らせる。
第二に大切であるはずの愛車が壊れる。
第三に、メンテナンスしていれば、維持コストもそんなに掛からないが、壊してしまうと、その修理には多大なコストが掛かる。

今回の、このマシンのスイングアームピボット部分、何より一番残念なのは、以前からオーナー自身気付いていたはずのトラブルだったはずなのに、早期対処がなされていなかった事に尽きるでしょう。

愛する車、それが愛車。

果たして愛って一体何なのだろう・・・奥が深い


↑破断面(流れ出しているグリスが綺麗なのは、最近補充した為)


↑折れたシャフトと本来あるべき姿の摩耗はあるが綺麗なシャフト(既使用品)、錆びているシャフトの長さが短いのが良くわかる。

旧車であることを実感させられるとき

2008年11月28日 | XS250XS400GX250GX400探求
ガレージではオイルフィルターを交換する際、コストと品質にバランスがとれているならば社外品を使用する場合がある。写真のデイトナ製のオイルフィルターもそのひとつだ。豊富なラインナップがあるのと、入荷が早いのが良い点。XS/GX用に関してはちゃんと交換すべきOリングまでセットになっているのも見逃せない。

これまではXS400SP/250SPという車種名がその製品の品番とともに堂々と記載されていたので「まだまだXS/GXも現役続行だな」と思わせる雰囲気があったのもGOOD!

しかーし! 昨日入荷した製品のタグをみると…
「他」…(汗)
「他」ってなんだよ!
おまけにFZ400も記載が消えてるし、FZR400が先頭に格上げ。FZRの登場っていつだっけ?1986年?
デイトナさんの時代感覚、いいかもしれない。

ヤマハGX250 エンジン腰上オーバーホール

2008年11月23日 | XS250XS400GX250GX400探求


UCGにとっての全て、そして探求の原点とも言うべき、ヤマハXS&GX250エンジン。
これまでに通算で何台見て来たでしょう・・・何十台、いえ何百台??

しかし、このエンジンを調子良く維持する事も本当に大変な時代になってきた。
いわゆる現代のマシンで走行距離や維持の問題等でエンジンが不調になってしまい、オーバーホールするならば、社外部品が存在しなくとも、各部を計測&点検し、純正部品を用意して、それに見合った内燃機加工と組み付けで作業は終了する。

だが、古いマシン、特に社外部品の供給もほとんど無いような状態のマシンだと、様々な問題点が発生する。
このGX250エンジンも同様の部類であろう。

兄貴分のXS650シリーズはかなり部品の供給が豊富な事もあり、条件はかなり優遇されている。
4ストロークエンジンは部品点数が多い事もあって、より細かな検証と手間が必要になってくるのだが、この250エンジンはオーバーホールする為の最低限の部品しか既に供給されておらず、オーバーサイズのピストンやピストンリングはいずれかのサイズでしか供給されないので、注意が必要。

なので、エンジンを開けないままに過走行するよりも、エンジンの状態的に怪しくなり、明らかに不調の症状が出る前にオーバーホールをするのが結果的に大幅なコストダウンに繋がる。

きっちりと管理し乗り続ければオーバー10万キロも全く夢ではないこのエンジン。
では、その秘訣とは・・・ずばりエンジンオイルに尽きます。ベストなのはオイル交換時期を2500キロ~3000キロ。
真夏の過酷な高温地獄や渋滞等でオーバーヒートさせない事。

空冷マシン全てに言える事は、走行風を当てない限り、エンジン温度は上昇するという点。
我々乗り手が、エンジンに歩み寄って管理出来る事は、油温計を装着し、一定以上、大体120度以上になり始めたら休憩させる事くらいしか出来ないのです。水冷車の場合、それらの管理はある状況までは、冷却水や電動ファンで管理されている。

少し話が逸れてしまったが、エンジンオイルを定期的に交換する事は本当に長く乗り続ける為には全ての生命線なのである。
ちなみに、もしこのオイル交換をさぼり、乗り続けた場合、どうなってしまうのか。

100分の1mm台の精度で管理されるシリンダー周りやヘッド関連の部分は、オイルの潤滑に100%頼って摩耗を極力減らし、また熱を外部に伝えている。それと同時に、削れた微細な金属粉を洗い流す。

これらのバランスがオイルの摩耗や劣化によって崩れ出すと、シリンダーは本来の指定クリアランスよりも広がり始め、使用限度値に至る頃には白煙を吹き始める。

当然、新車時や、オーバーホール後にははっきり確認出来たシリンダーホーニングのクロスハッチ(編目模様)は全て消える。
この事は、摩耗が始まり出すと、より加速度的に進行する。

オイルを抱え込んで、滑らかに潤滑させようとするこのクロスハッチの役割は非常に大きく、これらが消え始めると、シリンダーとピストンリングはよりダイレクトに接触し、オイルを掻き出してしまうので、さらに顕著に摩耗は進む。

当然、摩耗したオイルがエンジン各部に回るという事を考えれば、そのダメージはカムシャフトやロッカーアーム、吸排気のバルブ、ミッションやクランク等全てに深刻なダメージをもたらす。

またオイルの上り下がりにも十分に気を配っていただきたい。
ちなみに、毎回3000キロでエンジンオイルを交換しているが、どうも抜いた時のオイル量(GX250の場合、約2.0リッター)が、注入した時のオイル量と比べても明らかに少ない場合(1.0リッター前後)の場合は要注意。
この走行距離で約1リッターが燃えてなくなってしまっている。(オイルの漏れが無い場合)

よくこういう質問が有る。とりあえず走っているけれど、このままオイル上がり下がりが発生したままで乗り続けたらどうなるのか?

その行く末はと言うと、そのまま走り続ければ、オイルをさらにマフラーから吐き出すようになり、圧縮も低下、ブローバイガスからもどんどんオイルを噴き出すようになる。

それでもなんとか走っていたとして、最終的にはプラグがエンジンオイルで濡れるようになり、まともな点火は期待出来なくなり、走行困難。もしくは、そのプラグかぶりをキャブレターセッティングと誤診断し、セッティングを薄くしているのに、濃いままの状態で、結局始動困難になり、不動になる。

これが物理的な部品の破損が無い状況での、回り続けたエンジンの終わりを迎える。
どうもキャブレターの調子が悪くて・・・という状態で入庫しても、結局のところ、エンジンの状態が悪く、キャブレターオーバーホールではどうにもならない状態の事が多々有るのも事実。

はたまたエンジンもキャブレターも問題が無いのに、キャブレターオーバーホールを・・・という依頼もよくあるが、結局は添加の問題だという事も多々ある事実。

それらを短時間で見抜くにはやはり、多くの経験と勘所、そして今起きてる現象が、何故そうなってしまったのか?という仮説&推理を立て、修理した後に、その仮説&推理が正しかったかどうかをしっかりと振り返り検証し、判断する必要がある。

ということは、より細かなデーターで管理が出来るように、様々な計測器も必要になる。

↓画像は、シリンダーのボアサイズ(直径)を計測する為のシリンダーゲージ。100分の1mmの世界を知る為の道具とオーバーホール中で、また走り出す日を楽しみに待つGX250


こういった測定器具でデーターを測り、各部目視し、また時に手で触り、開けたエンジンの状態を隅々まで把握しながら、これまでの長い年月でどのような維持がされてきたのか?その全てが暴かれて行くのです。
バラして行くと、そのエンジンがメーカー出荷後に開けられた事があるのか?無いのか?それは見れば必ず解ります。
ちなみにこのXS&GX250&400の場合、100%判断出来ると言ってなんら過言ではない。(はっきり断言!)

↓ばらした状態の腰上の大物部品。オイルスラッジのこびりついた汚れ具合や摩耗&テカリ具合などでこれまでの維持され方が見えてくるなんて・・・恐ろしい


↓シリンダーの内径を計る事によって、摩耗度合いを知り、ホーニングで直せるのか?はたまたオーバーサイズで組み直す必要があるのか献立を組み立てます。吸排気バルブやバルブガイド等も同様。(注意 画像では吸排気バルブがまとめて置いてあるが、その全てのセット位置は解るように管理してあります。)


それでは、そういう類いの部品が供給されないこのXS&GX250の場合、このバルブの摩耗や、ロッカーアーム&シャフトの既に起きてしまっている摩耗にはどうやって対処するのでしょうか?
日進月歩、技術はより進歩しています。減ってしまった部品を完全に新品の状態に戻す事は出来ないが、ある摩耗範囲内であればコーティング技術で再コーティングする事によって実は大幅にフリクションを減らし、より良い状態に組上げる事も可能です。これらの技術はもちろん極限のレースシーン、(二輪だけでなく四輪の世界でも)採用されています。

↓特殊なコーティングされたGX250ロッカーアームと吸排気バルブ。もし大きく摩耗が進んでしまって使い物にならないからと気軽に捨てちゃダメですよ!手直し出来る場合が多く有ります。


もうダメだと諦めてしまう前に、まだやれる事はある。騙し騙し乗るなんて、もううんざりなんだよ。

XS&GXに乗っていて、ショップに頼ってみても、「うちでは見られない」と断られてしまった経験があったとしても、それは仕方が無い事だとも言えます。とにかく部品がほとんど揃わず、データーも無いし、これまでに見た実績も無かったりしては無理も無いのです。それと同時に言える事は、近年式のエンジンを見るのとは、比べ物にならない程に手間もかかるのです。

※要注意 本来ならば、エンジンはしっかりとした精度のクランクがあることが大前提、これなくして何一つ語れない。本来は腰下から全て見てあげるのが基本とも言えます。燃焼室で発生した力でピストンがクランクを押し、ピストンの上下運動が回転運動に変わる、それらが、よりムラなく狂い無く行われれば行われる程、熱の発生も抑えられ、振動も減り、ガソリンの消費も抑えられ、寿命も長くなる。

予算の都合で最低限=腰上オーバーホールのみの作業もありますが、もし腰下=クランクに何か問題が潜んでいる場合は、やはり腰上の寿命も著しく短くなります。また、よく腰上はオーバーホールしましたという話を聞きますが、ピストンリングをただ交換しただけというような話も多くあり、それは単なる部品交換だけになってしまいます。当然、ピストンリングの寿命は、油膜を保ち難いツルツルテカテカのシリンダーを往復するので、短くなります。

ここに書き連ねて来た事は、まだまだエンジンという一つの構成体の中でのほんの一握りに過ぎない事ではあるが、また一番修理の中でもコストが掛かる部分であり、走行している以上は中身を実際に見る事が出来ない箇所でもあるのが一番厄介であり、どうしても見た目で明らかにわかる部分のカスタムに走りやすいのも昨今の事実。

時間をかけて、組み直すエンジンとはなんと手間が掛かり、だがしかし、何も表面上は違いの出ない部分なのであろうか?
それでも信じている。きっちりと組まれたエンジンがどれほど滑らかで、走る喜びに繋がるのか?と言う事を・・・
見た目をかっこ良くする事は、重要だ。だけど、それでは速く走らないんだよ。

結果があるからこそ、大変な作業だって、いくらでも手を動かす事が出来る。

XSやGXが遅いなんて事、あるわけがない。空想ではない、妄想ではない、どれだけのパフォーマンスを叩き出すのか?きっと一緒に走った事のある盟友ならば知り過ぎてしまっている。

遅い遅いと嘆く前に、それは真の状態では無いと言う疑いから始めてみて何が悪いと言うのだろうか。
探求の原点が、そこに凝縮されている。

長くなったが、この話はまた次回に続けてみたい。

ヤマハ XS250 XS400 GX250 GX400用 タペットアジャストスクリュー

2008年10月27日 | XS250XS400GX250GX400探求
待望のヤマハ XS250 XS400 GX250 GX400シリーズ用の探求製品の発表です。
ヤマハ純正部品としては既に販売終了(廃盤)になってしまって久しい重要部品になります。

4サイクルエンジンのヘッド内部の構成がロッカーアーム式を採用しているエンジンの場合、このタペットアジャストスクリューで適切なバルブクリアランスの調整を行うのですが、それと同時に何万回もの往復運動と引っ掻かれるように叩かれるバルブの東部と、このスクリューの先端の状態を管理する事は非常に重要です。

最悪の場合は、バルブの頭部が損傷し、大きくこじられる力が生じ、バルブガイドの破損や、ヘッド周りのトラブルに至ります。

UCG自身も10年以上愛し続けて止まない、XS&GX250/400シリーズに乗る中で、このタペットスクリューが販売終了になってしまっていた事は懸念事項ではありましたが、遂にその恐怖から解放されます。

タペットクリアランス調整をする際に、現在組まれているスクリューを外してみれば、大抵の場合、交換が必要なレベルに達している事でしょう。このエンジンに関しては、既に何十基、いえそれ以上見ている中で、使用され続けて来たエンジンのほぼ全てにおいて交換が必要なレベルに達しています。

4サイクルエンジンの要でもあるヘッド周りをしっかりと管理し維持する事は、エンジン寿命を延ばす上で一番大切な事と言っても過言ではありません。


ガソリンコックリペアーキット

2007年02月26日 | XS250XS400GX250GX400探求
機能的にダメになりやすい負圧コックのインナーキット。
エンジンを停止している時にはON RESの位置の場合、自動的にコックの流れは止まりますが、もしガソリンが流れ続ける場合の修理に必要なキット。PRIの位置では絶えずガソリンが流れ続けるのは正常です。

PRIの役目=完全にキャブ内部がガス欠した際にキャブレターにガソリンを送るため、またきちんと機能している負圧コックの場合、保管中には流れをカットしていますが、その期間中に、キャブ内部に溜まっているガソリンはどんどん揮発し、減って行くので、久しぶりにエンジンを掛ける際には始動時に一時的にPRI位置にしてキャブ内部にガソリンをしっかり満たしてから、始動してあげるとより掛かりやすいでしょう。

キャブレター部品

2007年02月26日 | XS250XS400GX250GX400探求
XS&GX250用(BS32)真鍮フロート
XS&GX400用(BS34)樹脂フロート

腐食が著しく、穴が開きオーバーフローしてしまった場合や、ハンダでの修理が不可能なレベルになってしまった場合、オーバーホール&清掃中に手で強く持ってしまい、潰れてしまった場合のストックに活用します。腐食や穴の開いたフロートの修理もご相談ください。

フロントブレーキパッド

2007年02月26日 | XS250XS400GX250GX400探求
新車で発売された当時のままのブレーキパッドを使用されているXS&GXオーナー、ガレージでも良く見かけますし、非常に多いと思います。気を付けなくてはいけないのは、古くなったパッドの場合、タイヤと同様に表面が劣化してしまったり、フォークのオイル漏れ等によって、オイルが染込んでしまったりして制動力が落ちているものもよくあります。まだ社外ブレーキパッドは少しですが選べますので、走行するにあたっての大きな安心と快適性を追求してみてはいかがでしょう。

純正ブレーキキャリパー対応フロントブレーキパッド 
 SBS HF528 XS250/400Spl GX250SP(=4A8)
    HF507 GX250/400用(除く最終型角タンク=4A8)

リアドラムブレーキ用ブレーキシュー
 純正部品は既に販売終了ですが、もちろん用意できます。