以前に、このUCGブログでも記事にさせて頂いたホンダCL175の入庫です。
今回のメニューはもともとオリジナルが弱いと言われているカムチェーンの交換とオイル漏れしているフロントフォークのオーバーホールなどなどのメニュー。
さすがにこのマシン、排気量こそ小さかれど、発するオーラは大。
ガレージに訪れる多くの方がこのマシンを真正面からマジマジと眺めていきます。
大半の部品が販売終了だったり、情報が乏しい部分もありながらも、オーナーの方が事前に部品を用意して下さっていたので、迅速に修理に取り掛かれます。
ところが、いくら作業に迅速に取り組んだとしても、実作業自体はなかなかどうして、一筋縄では参りませぬ。
明らかに現代のマシンのメンテナンスと異なる点は、もし万が一問題が発生したり、作業上上手くいかない事があったとしても、予備の部品が無い事。まさにこれに尽きるの。でもそこはマイナー車種の多いガレージの事、半ば日常茶飯事?
大きく息を吸い込んで覚悟決めて望みます。
古いカムチェーンに新しい強化タイプのカムチェーンを繋いでグルグルグル~ってそんなにすんなりとは交換出来ません。
何かしらがひっかかったり、テンショナーが緩みきらなかったり、あれよあれよ時間は過ぎ行く。
カムチェーンのタイミングをきっちり決めて、再度確認した後に、ニューオイルを入れ、始動を確認した後に、さらにテンショナーの張りを確認し、点火時期をカムシャフトエンドのポイントで動作させている為に、点火タイミングを調整し直してメインの作業は終了。
次はお漏らしをしているフロントフォークのオーバーホール。
このフォークは見た目こそ現代の正立フォークと変わらないが、中身のレイアウトはガラッと異なる。そもそも大きな違いはフォークの上部に大きなキャップが無い事。
はて?どうやってアウターとインナーを分離するのだろか?悩みつつも、勘所を抑え、バラして見れば・・・
出てきた液状の物体を見て唖然。
半固形上の半ばグリスのような、かつてはフォークオイルだったであろう物体Xがドロっと出て参りました。
↑うひゃぁ・・・(通常のオイルであればオイルパンにもっとサァーっと広がり流れるのだが、この物体Xは流動性はあまりなく、ほとんどこのまま停流中。)
↓内部パーツ全てが、この物体Xでまるでコーティングされた様相を呈していた。
内部の洗浄がとても大変でした。おそらくは発売されてから30年以上何もされていないままだったのでしょう。
さすがにここまでの状態になってしまうと、オーバーホールしても内部のクリアランスが増大し、オイルの漏れなく長持ちさせるのは難しいかもしれませぬ。
なんとか各部を洗浄し、状態を確認しつつ無事に組上げられ、きっとこれで今までよりも数段しっかりとした接地感を得られるに違いない。
実は通常の正立フォークよりも二倍くらい多くメンテナンスの時間要してしまったが、それより何より無事に組み直せた事にほっとする。
外から見る事が出来ない内部部品やオイルの状態は、結局の所、走行時間や距離等できっちり管理してあげる以外に最良のメンテナンス策は無いのが歯がゆいところ。
オイル類がへたってしまって、金属同士がどんどん削れ合う前に、ニューオイルを投入する事は間違いなく最強の延命策であり自分自身への安全策なのである。
さぁまた元気に走ってちょーだい!!
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