東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ
日々GARAGE-UCGで如何なる修理や探求が行われ、どんなガレージライフを過ごしているのだろうか?
 



↑新宿高層ビルを前に佇むZ400RS

今回のマシンは、これまたマニアックな2気筒のZ400RS。FXではないところがまた渋い。

オーナーが乗り始めてから、様々な箇所のメンテナンスや改良を行って来たのだが、純正部品の供給状況が非常に悪く、困った事にブレーキキャリパーからブレーキフルードが漏れ始めてしまい、それを機にノーマルフォークで足回りを一新させる計画が浮上した。

現代的な足回りに換装することをまず思い浮かべる事が多いとは思うが、侮ることなかれ、純正ベースでモディファイするとここまでしっかりした足回りになるのか?という一つの見本がこのマシンの足回りかもしれない。

対応する社外ローターやキャリパー等は一切無いので、それらは全てワンオフで用意し、装着した。
ローターはデザインまでオリジナルです。
(ちなみにブレーキローターは、全日本ロードレース選手権にも参戦しているプラスミュー社製のものである。)

フロントフォークは以前から円陣屋至高のABSO-Rをチョイスしているのだが、一万キロの走行ということで、今回はその内部セッティングを強化されたブレーキシステムとのマッチングを計るべく大きく変化させた。
(新品オイルと約一万キロ走行後の同じオイルの色の変化に注目していただきたい。)

オーナーはもともと山間部の方に在住している事もあり、峠を快適に走れるように味付けを考えたのだ。

このキャリパーもおそらく見た事ある方はほとんどいないのではないだろうか?
ドイツのWIWO(ヴィヴォ?)というところのものである。(製品的にはロッキードのCP2696と同様のタイプ)

組付けを終えて、前後に車体を動かし、ブレーキの効きと足回りの変化を確認すると、そのままメットを被り試乗に出た。
乗ってみれば、以前とは明らかに違うバランスのとれた足回りとブレーキに、これなら峠道も今までよりもさらに楽しく走れるのではないかと確信した。

テイスト的にはダンロップのTT100GPタイヤがとても良く似合うのだが、もう少しハイグリップなバイアスタイヤと、少し低めなハンドルをチョイスすると、ペース的にもさらに楽しい走りに繋がるかもしれない。(スタイルやテイストは抜きにただ走りの面だけを突き詰めるとすればの話。)

いずれにしても、どんな状況にも対応出来る足回りを提案出来たに違いない。


完成まで、時間は要しましたが、きっと今までで一番楽しく走れると確信しています。





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↑写真は、全日本GP最終戦岡山 慌ただしかった予選後の光景

何故か、妙にカワサキ車が多く感じる昨今。
面白いもので、ある車輛をきっかけに、似たような車種ばかり依頼が続く事がある。

たまたまこの時期はカワサキの古いマシンが多いのだが、それはあくまでもたまたまなのだ。
今までの傾向としてガレージに来てくださる多くの方が不思議がるほどだった例と言えば・・・

もちろん巷ではほとんど見かける事の無いXS&GX地獄
こいつのトラブルで困る事は技術的にはほとんど何も無く、またトラブルに関しても原因を突き止めるのはUCGにとってはあまり難しい事ではない。だが、一番頭を抱える事は、カスタムという名のもとに、めちゃめちゃにされてしまったマシンが多い事多い事。それらを本来の形に戻す事がどれだけ大変で、またどれだけ部品が揃わないかという事も忘れてはならない。
せっかく手に入れたからなんとか自分でやってみようという気持ち、もちろん理解出来るのだが、やはりそのマシンがどれくらいの状態になればベストな状態なのか、自分のマシン一台で知り、達成する事は非常に難しい。

ひたすらに続くヤマハFZR地獄
この時は通算何基のキャブレターを見ただろうか?毎回続く四連ボディーで、さすがにキャブレタークリーナーに酔ってしまったんだ。

そしてヤマハ2ストローク地獄
これがまたオーナーが感じていた問題=キャブレターという事で探求を進めるも、一番ありがちな2ストロークマシンの不調=エンジンに繋がる問題で、マシンを大切にしているオーナーに一体どうやって説明しようかと悩む事もしばしばあったのである。

他にも何故か続くビッグスクーター地獄などなど

ありとあらゆる車種が無数に溢れている中で、何故、同時期に同じマシンや似た車種が集まるのだろう?
不思議で仕方ないのだが、あまり街中でみかけない同型のマシンも、二台、三台と見れば、本当にオーナーがどの程度の思い入れを持ってそのマシンを維持しているかもすぐにわかる。

乗りっぱなしの人、いつも洗車して細部までピカピカな人、ここで挙げればきりがないほどに千差万別。
細かな作業やチューニングにすぐ気づいて喜んでもらえれば一番嬉しい。

気づかれる事が無かったら、それは悲しい。
だが、きっとこうなったらマシンが調子良くなるだろうな~、考える事はただそれだけ。体を動かす原動力もそれだけ。

それはさておいて、改めて、久々(一年数ヶ月ぶり)にサイトの更新に着手している。それはこのブログサイトも含まれている。

どのようなサイトの構成が良いのか探求し続ける中、またこうしてUC事総論を書き殴る事に喜びを噛み締めたい。
実はサイトを立ち上げて気づけばちょうど七年目なのである!祝!!

今年一年、全日本GPにレースメカニックとして参戦し、新たに学べた事や経験出来た事もたくさんあったので、そういった国内最高峰のレースにおける話なども交えつつ、バイクに関するいろいろな事をこのブログの場で語っていきたい。

サイトの更新も頑張ってやるぞ~!!

自覚症状無きロックンロールに終わりという言葉は存在しない

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マニアックなカワサキの名車マッハ SS750 H2Bの作業。

年代物なので、多くの箇所にヤレがあったりしますが、それがまた味とも言える。
まさに威風堂々。

でも手を入れるのは大変な事が多く、やはり時間を要する事が多いです。
出来る限り安心して乗れるように、今回は主にキャブレターとフロントフォークのオーバーホール、そして車検取得。

今回は、フロントフォークについての検証。

これまでの状態では、フォークオイルの漏れが片側から発生しており、上下動も大きく、また走行中のノーズダイブが非常に激しく思われたので、初めに内部をしっかり洗浄するところから開始。

まずオイルを抜いてみると・・・ありゃ、たったこれだけ・・・
左右のフォーク共にオイルはほとんど出ない。

このような事例は多々あるのだが、フォーク自身にとって非常に好ましくない状態である。

何故ならば、オイルによる減衰の役割以前に、長年酷使され、オイルとしての潤滑がほとんど期待出来ない状態、かつオイル量の少なさ故に、フォーク内部のインナーパーツが互いに削れ合い、摩耗がどんどん進んで行ってしまう。

特に古い年代のフロントフォークにはスライドメタルが組み込まれていない物が多いので尚更、フォークオイルの役割が重要になる。

きっちりクリーニングし、組み付けて、適切な油面にセットアップし車体に組み付けると、フロントフォークがしっかり踏ん張るようになった分、前側の車高が上がり、快適な走行を感じられるセットアップは完了。

それにしても2ストロークで750ccのエンジンの存在感はとてつもない、今の時代では本当に考えられないが、昔のマシンは、そして技術的にもまだまだ模索&探求が続いていた事を直に感じられる見ていて飽きのこなさがある。

バイクにとってのサスペンションの役割は非常に大きい。

もし長年、長距離メンテナンスを怠ってしまっていたり、フロントフォークの減衰力を生む効果がほとんど感じられす単なるバネ状態になってしまっているならば、是非しっかり見直していただきたいと思う重要部分である。
もし乗っていて前輪&前足回りが落ち着かず、時に恐怖感を感じるならば、尚更、メンテナンス&オーバーホールの効果大。それは、行動を走る際、万が一の有事の際の安心や危険回避にも必ず繋がります。




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オーナーからの依頼は「極上のノーマルエンジンを造りたい」というもの。
故障しているわけではないが、3万キロを超えて各部にヤレが出てきたエンジンを可能な限り新品パーツや耐久性の高いパーツで、なおかつノーマルボア・ストローク、ノーマルカムで組むとどうなるのか?

クランクの芯出しを依頼した方によれば「1/100(mm)以下まで追い込んだよ~」という精度が出されたものをケースに組んで計測してみたところ、3/1000という結果が出た。ゲージのスケールを見間違えたかと思うような、これまで見たこともない精度だった。
他にもバルブガイドをアルミ青銅で一品製作したり、ピストンに潤滑性を向上させるコーティングを施すなど、できることはやりつくした。

慎重に組んだエンジンに、これまた丁寧に調整したノーマルのキャブレターをセットして火を入れる。エンジンは単気筒らしく「トットットットッ」とリズミカルに回る。試乗してみると「トルルルルルルッ」と、信じられない軽やかさで車体を前に押し出す。いくらバランサーを積んでいるとはいえ、こうも滑らかに回るものか? 軽やかなのに押し出しは強い。
オーナーの試乗第一声は「雑味がない」であった。まさにそのとおり。

現在、完成後3千キロを超えて慣らしも済み、絶好調と聞いてうれしいことしきりである。



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不動車として入庫し、再び乗れるようにセットアップし、車検まで含めて取得するのが今回の依頼。

このミクニキャブレターは、これまでに何基も見ているのだが、とりわけ、今回のこのドゥカティ M400 モンスターのセットアップは難儀した。

周知の事実ではあるのだが、このヨーロッパ車に限らず、外国製マシンの部品は、部品代はもちろんの事、納期も非常に長く掛かる事が多く、その上にトラブルシューティングも手を抜けない事が多い。

エンジンを再始動すべく、キャブレターのオーバーホールや、油脂類の交換を行い、劣化の進んだバッテリーを交換していよいよ始動の儀。

エンジンを掛けてみると非常にガソリン臭く、それは単なるセッティングで済ませられる問題ではなく、それ以前にキャブレターの前提部分でいろいろと問題が発生していたので、さらにトラブルシューティングと、キャブレター各部の計測、手直しを重ねて、ようやく納車出来るレベルに至る。車検を取得した後に多大な時間を、このキャブレターに費やして、走行テストを繰り返し、やっと公道走行に問題が無いレベルまで仕上げる事が出来た。

400ccという排気量に対してメインボア径が大きすぎるのも、より低回転時の症状を悪化させる原因に繋がる事が多いのも特徴。キャブインナーパーツもducati純正品より低コストな部品ももちろんリサーチ済みです。少しでもコストが安く済むように配慮しています。

この系列のエンジンはカムチェーンではなくベルトドライブなので、その部分のタイミングもしっかりと点検してある。
この車種に限らず、キャブレターに起因するトラブルで、たらい回しになっているならば、ガレージUCGの門戸を叩いてみて下さい。今まで以上に良い結果が得られる場合が多々あります。



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待望のヤマハ XS250 XS400 GX250 GX400シリーズ用の探求製品の発表です。
ヤマハ純正部品としては既に販売終了(廃盤)になってしまって久しい重要部品になります。

4サイクルエンジンのヘッド内部の構成がロッカーアーム式を採用しているエンジンの場合、このタペットアジャストスクリューで適切なバルブクリアランスの調整を行うのですが、それと同時に何万回もの往復運動と引っ掻かれるように叩かれるバルブの東部と、このスクリューの先端の状態を管理する事は非常に重要です。

最悪の場合は、バルブの頭部が損傷し、大きくこじられる力が生じ、バルブガイドの破損や、ヘッド周りのトラブルに至ります。

UCG自身も10年以上愛し続けて止まない、XS&GX250/400シリーズに乗る中で、このタペットスクリューが販売終了になってしまっていた事は懸念事項ではありましたが、遂にその恐怖から解放されます。

タペットクリアランス調整をする際に、現在組まれているスクリューを外してみれば、大抵の場合、交換が必要なレベルに達している事でしょう。このエンジンに関しては、既に何十基、いえそれ以上見ている中で、使用され続けて来たエンジンのほぼ全てにおいて交換が必要なレベルに達しています。

4サイクルエンジンの要でもあるヘッド周りをしっかりと管理し維持する事は、エンジン寿命を延ばす上で一番大切な事と言っても過言ではありません。



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★ホンダ NS400R用 ATAC(排気デバイス部分)マウント用 スタッドボルト★

メーカー(ホンダ純正)販売終了品

詳細はガレージUCGサイト内 オリジナル製品 ページ下部にて発表

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このキャブレターが搭載されているマシンは、ガソリンのオーバーフローという問題を抱え、燃費が非常に悪く、最終的にはまともに走らない状態になってしまったので、今回のオーバーホールに至る。

エンジン内部にもガソリンが混入していたので、エンジンオイルも同時に交換。
これを怠ると、エンジンのクランクケース内部に漏れたガソリンのせいで、本来のエンジンオイルの潤滑が出来ず、シリンダーやヘッド周りなど、重要な部分のダメージがすぐに深刻な状況になってしまうので、早急に対応する必要がある。

もしも愛車のエンジンオイル量を確認してみた時に、オイルを規定量満たしているのに大幅に増えている場合等は特に注意が必要。

このV-MAXキャブレターは、そのオーバーフローの原因であった劣化したフロートバルブを交換。
様々なキャブレターの中で、このキャブレターのフロートバルブ交換作業は非常に難易度が高く、また時間が掛かる。
ここは、キャブレターにとって、大前提とも言える重要な部分なので、必ず交換したい箇所である。
おそらく、この箇所を見れば、すぐにわかると思うが、無理にこのフロートバルブ外そうとすると、ボディー破損や、二次的な破壊に繋がるので、要注意。

エンジンを壊してしまうと、想像を絶するコストが掛かってしまうので、使用状況と予算にもよるが、通常だと二万キロあたりまでには交換しておくのがベスト。

乗り味も、発進の時からスムーズなレスポンスと軽さを体感出来ます。
もちろん数値的にも大きく燃費が向上。
燃費向上を狙ったケミカル類に頼る前に、まず、メンテナンスし、大前提&基礎を作り上げて、その後に燃費向上ケミカル等を試すのが二度おいしい。

特に古いマシンの場合、比較する同系列のマシンが無かったりして、まあこんなもんだろう・・・
手に入れたまま、乗りっぱなしのままで、エンジンの始動性が良いから、絶好調・・・

そんなことはありません。まだまだ調子良くする前提作りはたくさんあります。

これについては、後々、またキャブレター全般について、長大に語ってみたいと思う。




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完璧なオーバーホール作業を行うには、全てをバラす必要がある。
様々な症状や状況、また個々のキャブの構成によっては1ボディーずつバラす必要の無いキャブレターもあるが、このV-MAXキャブレターの場合、全てバラさなくては必要な修理&オーバーホールが出来ない。

また構造的に起因するのか、それまでの管理の仕方によるのか、長期保管状態が長いと、また使用状況によって、汚れが溜まりやすいので、単なる洗浄レベルでは解決できない問題が多いのも事実。

写真2は前後2連ずつに切り離したところ。

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ヤマハ V-maxもニューモデルが投入されたが、まだまだ初代モデルも人気がある。
しかし、残念な事に、マシン固有のウイークポイントがいくつも見受けられる。
電気系(始動&充電系)が弱かったり、熱的に厳しかったり、キャブレターが非常にオーバーホール&修理しにくい構造だったり・・・

必要な部品も値上がり続きで高額です。

並列四気筒用の四連キャブも、オーバーホールにはかなりの時間を要するが、V4の場合だと、さらに時間が必要となる事も多い。
いずれの場合も、インシュレーター周りまで同時にしっかりと見直してあげる事が必要である事も忘れてはならない。

写真は その1は、まず車体からキャブレターを取り外したところ。

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かなり久々の更新になってしまった。日頃の仕事に追われて更新出来なかったというよりは、サボっていたというのが正しい。

話は変わり、目前に広がる高層ビル群の麓、北新宿にガレージUCGは存在する。
この場所にガレージを構えた理由は、この聳え立つ巨塔以外に無い。
実際は中腰や、下を向いての作業ばかりだが、いつも上を眺めて仕事が出来たらいいな・・・
そんな気持ちを込めて、せめていつも見える景色だけは譲れなかった。

今、すぐそばまで、新たに開発の手が忍び寄っている。

正面の少し広い草原には、天気が良いと蝶や鳥たちが飛び交い、ふと疑問に思う。
どうやって貴方達はこの新宿という自然の少ない土地で生きているんだい?

少し異質なこの空間で眺める景色に励まされる。

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