1年前から黒澤映画の全作品をDVDで見たり、関連の本を沢山見ているうちに
戦前、戦後の女優さん、田中絹代、入江たか子、山田五十鈴さんらの中でも
特にミステリアスな女優さんが原節子さんであった。
(安城家の舞踏会から)
多くの本を読み、DVDやユーチューブで多くの作品を見ることができた。
16歳の時の山中貞雄監督の(河内山宗俊)の茶屋の娘役、日独合作の映画
(新しき土)でナチスの宣伝映画としてベルリンでは大歓迎を受け、舞台挨拶の
大嫌いな原節子さんが各地で舞台挨拶をしています。ドイツでは(侍の娘)の題名
でヒットラーも見ており,宣伝相のゲッペルスとは晩さん会に招かれています。
(最初で最後の水着姿)
(小津安二郎監督と)
その後は島津保次郎監督に可愛がられて6本の映画を撮り、戦時中は国策の戦勝
映画に何本か出演、義兄の熊谷監督の影響がとても大きく感じられます。
黒澤明監督には(わが青春に悔いなし)で新しい女性の姿を演じ、吉村公三郎監
督 の(安城家の舞踏会)では勝気な女性の役です。
(青い山脈)では教師の役で映画も歌も大ヒットしました。
(左二人目がゲッペルス)
その後は小津安二郎監督の6作品に出ていますが紀子三部作、(晩春)(東京物
語)では笠智衆とのコンビで原節子像がイメージ確立されたように思いますが
40歳を過ぎると、役も限定され、小津監督の急死もあり、引退につながった
ようです。20数年の女優人生で100本くらいの映画に出ていますが、小津監
督は原節子さんは大根役者という人がいるがとても失礼な話だと憤慨しています
が、黒沢監督や吉村監督、杉村春子さんなどは演技に厳しい見方をしています。
(右は入江たか子さん)
(映画上海陸戦隊から)
今の時代から見てもとても魅力的な容姿で当時であれば日本人離れした美貌は
まさに銀幕のスターにふさわしい女優さんで会ったと思う。