本日は、デザートの一皿をご紹介します。
アメリカンチェリーの温かいスープ 赤ワイン風味 ヴァニラアイスクリーム添えです。
今が旬のアメリカンチェリーを、スパイス風味の赤ワインと共に軽く煮込み、その上に冷たいヴァニラアイスクリームを乗せてみました。
同じサクランボでも、国産の佐藤錦等は繊細でとても美味しいのですが、フランス料理として加工することを考えると、味わいも色もしっかりしたアメリカンチェリーの方が合うと思います。
特に今回の様に、黒胡椒やクローブ、シナモン、ヴァニラ等のスパイスや、風味の強い赤ワインとの相性はピッタリです。
作り方で工夫した点は、ただ加熱しただけでは風味や色の薄い赤ワインを、じっくりと半分に煮詰めてからコーンスターチで濃度を付ける事で、イメージした味になりました。
温かくてスパイシーなスープに、冷たくてまろやかなアイスクリームを合わせたその味わいと温度のギャップが、このデザートの美味しさだと思います。
キッチンでも、スープにアイスクリームが少し溶けかかった所を急いでお出ししなければいけませんので、タイミングに特に気を使う一皿でも有ります。
スープが冷めたりアイスクリームが溶けすぎても美味しくありませんので、お客様にも出来立ての瞬間を楽しんでいただきたいと思っています。
サクランボは旬の短いフルーツの一つですが、今年はどんな一皿を作ろうか楽しみでもあります。
この短い時期を逃すと来年まで使う事が出来ないと思うと、とても頭を使います。
そして去年よりも良い物でなければ、今作る事の意味が有りません。
義務として常に向上しなければいけない料理人の仕事は、大変でとても尊い職業だとつくづく思います。