本日は、フランス修行中に賄い料理としてよく食べた一皿をご紹介します。
スズキのクネル リヨン風です。
本来はブロシェと言う川魚を使って作る料理ですが、今回は賄い料理ですのでスズキで代用しています。
フランスでの修行先として一番長い期間を過ごし、特に思い出深い町がリヨンです。
働かせていただいたレストランのメニューとしてクネルは有りませんでしたが、賄い料理やリヨン市内にあるビストロの一皿として、美味しかった記憶が有ります。
そんな事をふと思い出し、久しぶりに食べたくなったので今回作ってみました。
日本のレストランではあまり馴染みの無い一皿ですが、濃厚なソースがかかり香ばしく付いた焼き色がいかにも無骨なフランスのビストロ料理的で、とても雰囲気があり大好きです。
味わいは少し単調で、素材の良さを味わうよりは熱々で出てきた所を気取らないワインと共に楽しむ所に、この料理の美味しさが有ると思います。
フランスで食べたクネルよりは少し上品な感じになりましたが、クリーム仕立てのしっかりとした海老のソースと、口当たりの滑らかなクネルは、懐かしさを思い出すには十分に美味しかったです。
このリヨン風クネルの様に、食材の本来の形や味がわかりにくい料理は実際の営業ではやり難い面がありますが、こうして久しぶりに作って食べてみると、手間をかけた物の良さと美味しさをしみじみと感じました。
クラシックな手間をかける事の良さを学びつつ、今のお客様にも喜んでいただける無理のない料理を、考えていきたいと思っています。