ふたばようちえん日記 2 (園長の雑記帳)

このブログでは、幼稚園で子どもたちとかかわる中で、園長が日頃考えていることや大切にしていることを不定期に綴っていきます。

自然の中で育てるということ

2013-10-17 18:37:36 | Weblog
 ふたば幼稚園の園庭は、23区内とは思えないほど自然が豊かです。

 なぜそうであるかと言うと、子どもたちには自然の中でその恵みに与かりながら育ってほしいと願っているからです。

 ふたば幼稚園の春は、梅が咲き、桜のつぼみが膨らむところから始まります。園内の田んぼではヒキガエルが卵を産み、野の草が芽を出し始めます。4月に新しい園児たちを迎え、彼らが元気に遊び始める頃には、園庭は色とりどりの野の草花が咲き乱れ、子どもたちはさっそく花束を作り、ままごとの飾りつけに使って遊ぶようになります。そして、5月には、年長児が園内の田で田植えをします。

 夏が近づくと、草木や果樹が実をつけ始めます。キイチゴ、ウメ、ビワ、クワ、モモ…。いずれも子どもたちは自分で収穫し、みんなでいただきます。園内の畑では、子どもたちがジャガイモを収穫します。木々の上では、今年生まれたムクドリの雛たちが親に連れられて飛ぶ練習に励み、子どもたちは木の下で応援します。

 こんな生活を送っていると、子どもたちの中に大切なものがいろいろ育ってきます。自然の恵みをいただくことへの感謝の気持ちとか、限られたものをみんなでわけ合おうという気持ちとか、小さなものへの優しさとか。もちろん、知的好奇心や探究心も。
 
 こういう育ちって、昔は自然に育っていたはずですが、今は幼稚園や学校などで意図的に経験できる環境を作らなければ育たない時代になってしまいました。でも、こういう育ちって、失うわけにはいかないと思いませんか。わたしたちはそういう思いで、樹を植え畑を耕しています。

 もとはと言えば、1840年にドイツに世界で初めての幼稚園ができた時、幼稚園が幼稚園であることの条件は、果樹園と菜園と花畑があることとされていました。自然に囲まれ、それらに刺激されながら遊び、その恵みをいただく。そのような生活の中で、子どもたちを健全に育てたいという考えからのものでした。ふたば幼稚園は、今もその原点を大切にしています。

 近年、「森の幼稚園」や「里山保育」の取り組みが注目されています。それらも、同じ思いからのものです。山や森に行かなくても、都会に住んでいても、子どもたちには自然の中で育って欲しい。そんな思いでいっしょに子育てできたら素敵ですね。

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