ふたばようちえん日記 2 (園長の雑記帳)

このブログでは、幼稚園で子どもたちとかかわる中で、園長が日頃考えていることや大切にしていることを不定期に綴っていきます。

最後の抱っこ

2021-10-14 15:18:45 | Weblog
 「子どもを抱っこするのが辛い」そう感じたことがありませんか?そう感じたとしたら、それは「最後に抱っこした日」が近づいているということです。

 人間を始めとした霊長類は、親にだっこされて育ちます。抱っこされることで、移動が可能になるとともに、外のさまざまな危険から安全が確保されます。また、精神的にも守られていることを感じ、精神面も情緒の面でも安定して育っていくことができるのです。

 しかし、成長によって自立が進むと、自ら移動が可能になり、自分で自分の身体の安全を確保することができるようになります。精神的にも自立するようになってくると、次第に抱っこを求めなくなってきます。

 精神的な自立は、身体的な自立よりもだいぶ遅くなってからになりますので、ある程度身体が大きくなっているのに抱っこを求めるという期間が一定程度あります。そのような時期は、親の方も体力が求められることになり、重いと感じるようになります。しかし、子どもが精神的に満たされて自立していくためにも、しっかり受け止めてあげることができればと思います。

 精神的な自立には個人差があり、小学校低学年ぐらいまでは求めてくるお子さんも多いようですが、人により早い遅いがあります。幼児期を過ごしているということは、最後に抱っこした日が確実に近づいてきます。

 初めて我が子を抱っこした日のことを、みなさんはよく覚えておられると思います。その感動と温もりは、今もあなたのこころと身体に深く刻まれていることと思います。

 「初めて」があることですから、「最後」もあるのです。

 多くの人は、我が子を最後に抱っこした日のことを覚えていません。知らないうちに訪れ、そういえばいつだったかな、という感じでふり返るのがやっとのことかもしれません。

 でも、最後の抱っこを、「なんでこんな疲れているときに抱っこなのよ!」という気持ちで迎えるのは悲しくないですか?

 我が子を重く感じるのは、子どもが成長した証です。ママやパパが頑張ってきた証でもあります。

 いつ迎えることになるかわかりませんが、すでに秒読みに入っています。最後まで、この二度と戻ることのない温もりを、愛おしんでみませんか。思い出とともに、確かな育ちを感じることができると思います。
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